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砂漠の脅威
第909話 砂船
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――王国の北部には獣人国が存在するが、その反対の南方には巨人国が存在する。名前の通りに巨人族が収める国なのだが、実は人口に関しては三か国の中でも最も数が少ない。
王国と巨人国の境目には広大な砂漠が存在し、そこには砂漠にしか生息しない魔物も存在する。この広大な砂漠は徒歩で移動する事は絶対不可能だと言われ、その理由は砂漠が過酷を環境に適応した魔物は厄介な能力が芽生えたからである。
これまでの歴史で王国は獣人国とは度々に戦争を引き起こしていたが、巨人国とは100年以上も戦を起こした事はない。理由は二か国の境目に存在する広大な砂漠のせいで、軍隊を派遣しても砂漠を乗り越える事は危険過ぎたせいである。
砂漠を乗り越えるためには熱気や砂嵐を耐え凌ぐだけではなく、砂漠に生息する魔物を撃退しながら進行しなければならない。しかも巨人族の場合は普通の人間の何倍もの食料や水を補給しなければならない事もあり、砂漠を乗り越えるだけでも大変なのに国に侵攻するのに必要な補給物資を本国から送り届ける事も難しい。
この砂漠のお陰で巨人国は王国に攻め入る事はできず、逆に王国側としてもわざわざ危険地帯である砂漠を乗り越えてまで巨人国に攻め入る理由がなかった。
――しかし、普通の人間が暮らすには過酷過ぎる環境ではあるが、敢えてこの砂漠に暮らす人間も居た。彼等は砂漠を特別な乗り物で乗り越えて生活しており、その乗り物の名前は「砂船」と呼ばれていた。
砂船とは文字通りに砂漠を海の如く進む船であり、外見は本物の海で使う船と変わりはない。だが、海で利用される普通の船と違う点は木材と動かすための動力が風属性の魔石を利用されている事である。
かつてナイ達は飛行船に乗った事があるが、王国が管理する「フライングシャーク号」の場合は浮遊石と呼ばれる特別な魔石で船体の重量を軽くさせ、更に風属性の魔石で浮上させ、後部に設置されている火竜の経験石が搭載した噴射機で火属性の魔力を放射して加速する仕組みである。しかし、砂船の場合は風属性の魔石を搭載して風の力を利用して砂漠を海の様に移動する。
「面舵いっぱい!!」
「「「おおっ!!」」」
王国と巨人国の領地の境目に存在する「アチイ砂漠」にて巨大な船が砂丘を乗り越えて移動しており、船の乗組員は全員が巨人族だった。そして舵を取っているのは白髭が特徴の小髭族《ドワーフ》の老人で彼は乗組員に語り掛けた。
「風が強くなってきた!!このままだと砂嵐に巻き込まれる、その前に何としても街に戻るぞ!!」
「「「おうっ!!」」」
老人の言葉に巨人族の乗組員たちは従い、それぞれの作業に集中する。彼等が乗り込んでいる船こそが「砂船」と呼ばれる砂漠を渡るためだけに作り出された船だった。
砂船には風属性の魔石が搭載されており、舵を切る事で進行方向を移動するだけではなく、搭載されている風属性の魔石が反応して強烈な風圧を発生させる。砂船は移動するだけで大量の砂煙が舞い上がり、砂丘をまるで海の波を乗り越えるように移動する。
普通の海よりもかなり振動が激しいが砂船に乗っていれば大抵の魔物に襲われる事はなく、しかも移動速度も速いので魔物に見つかってもすぐに逃げ切れる。砂船を運転している小髭族の老人の名前は「エイバノ」という名前だった。
エイバノは数十年前にこの砂漠に訪れた鍛冶師であり、彼は自分が設計して作り出した砂船を利用して商売を行っている。巨人国と王国の商業の流通を手伝い、両国の商人に依頼された荷物を砂船で送り届ける仕事をしている。彼に預ければ必ず荷物を無事に送り届けるという事から両国の商人からも信頼が厚い人物である。
(……妙だな、今日はどうも嫌な予感がする)
数十年も砂船を運転し続けてきたエイバノだが、今日の砂漠はいつもと雰囲気が違うように彼は感じた。今の所は大きな問題は起きていないのだが、早く街に戻らないと大変な目に遭う気がした。
(こういう時の嫌な予感はよく当たるんだ。さっさと帰らないとな……)
砂船を操作しながらエイバノは一刻も早く砂漠の街に引き返すため、船員に発破をかける。
「おい、お前等!!今日は街に戻ったら俺が酒を奢ってやる!!だから手を抜かずに全力で仕事に取りかかれよ!!」
「「「うおおおおっ!!」」」
巨人族の船員達は彼の言葉を聞いて歓声を上げ、急いで船を街に向けて移動させるための作業に専念する。今日の分の仕事は終えたので後は街に戻って休むだけなのだが、エイバノの発言から数十秒後に砂船の後方から異変が発生した。
砂船の後方の異変に気付いたのは船の後部で新しい風属性の魔石を運んでいた船員だった。この船員は最近に入ったばかりの船員であり、彼は船の後方から何かが近付いてくるのを見て驚きの声を上げる。
「せ、先輩!!後ろから……船の後ろから何かが近付いてきます!!」
「何だとっ!?魔物か?」
「わ、分かりません……でも、どんどん近付いています!!砂の中を潜ってるみたいです!!」
新入りの船員の言葉に他の者たちも異変に気付いて船の後方を確認する。新人の言う通りに砂煙を舞い上げながら砂中を移動する存在を確認した。
砂船は後部にも風属性の魔石を搭載しており、魔石を利用して風圧を発生させる事で移動を行う。つまりは後方に移動すれば風圧によって大量の砂が舞い上げられるため、普通の魔物なら巻き上げられた砂に巻き込まれて追いかける事もできない。しかし、今回の相手は砂中に潜り込んで船の追尾を行う。
『シャアアアアアッ!!』
「ひいいっ!?」
「な、何だぁっ!?」
「こ、こいつは……砂鮫だぁっ!?」
追跡の途中で姿を現したのは海に生息する「鮫」のような形をした魔物だった。この砂漠にだけ生息する魔物の固有種でもあり、名前は「砂鮫」と呼ばれる魔物である。
砂鮫は名前の通りに鮫のような外見をしているが、実際はゴーレムのように全身に砂や砂利で練り固めた外殻で覆われている。普通の鮫よりも一回り程は大きく、ゴーレムと異なる点は体内ではなく額の部分に核が存在した。
「せ、船長!!砂鮫です!!砂鮫の群れが船に……!!」
「何だと!?そんな馬鹿な……」
基本的には砂鮫は狂暴な種ではあるが臆病で慎重深い性格なので、自分達よりも大きい砂船に襲い掛かる事は滅多にない。特にエイバノの砂船は砂漠位置の大型船なので今まで砂鮫に襲われた事は一度もなかったのだが、何故か砂鮫は船の後を追いかけてきた。
鈍重なゴーレムと違って砂鮫は砂漠をまるで海を泳ぐ鮫のように移動する事ができる。彼等の核は良質な地属性の魔石であるため、砂鮫は地属性の魔力を利用して砂の中を自由に移動する事ができる。
「船長!!どんどんこっちに近付いています!!このまま街に戻ると大変な事に……」
「ちっ……おい、誰か運転を代われ!!」
「うわわっ!?」
エイバノは砂鮫を確かめるために船員に舵を任せると、自分は船の後部に移動する。いったい何が起きているのか自分の目で確かめるために甲板から見下ろすと、ある違和感を覚えた。
(何だこいつ等……船を襲う様子がないぞ)
砂船の後を追いかける様に現れた砂鮫の群れであったが、何故か船との距離が縮まっても襲い掛かる様子はなく、それどころか砂船よりも先に泳いでいく。違和感を覚えたエイバノは船員に命じる。
「こいつらは確か地属性の魔石が好物だったな……おい、積荷の中に魔石があっただろう。それを一つ投げ落とせ!!」
「えっ!?いいんですか?大切な荷物を……」
「依頼人には俺が説明しておく!!いいから早く投げやがれ!!」
「は、はい!!」
エイバノの命令を受けて船員の一人が積荷の中から魔石が入った木箱を持ち出すと、中に入っていた地属性の魔石を取り出す。それをエイバノの言われた通りに砂鮫の群れに向けて投げ飛ばす。
砂鮫にとっては地属性の魔石は大好物であり、普通ならば魔石を目にした瞬間に嚙り付く。しかし、何故か砂鮫の群れは投げ込まれた地属性の魔石を無視して移動する。
「あ、あれ!?食いつかない……」
「そんな馬鹿な、奴等が魔石に反応しないなんて……」
「こいつは……俺達を追いかけているんじゃない!!見ろ、自分達の方から避けていきやがる!!」
船員は地属性の魔石に反応しない砂鮫の群れに戸惑うが、エイバノはいち早く砂鮫の狙いが自分達の船ではない事に気付く。そして彼の言う通りに全ての砂鮫は船を通り越してしまう。
「せ、船長!!奴等何処かへ消えましたよ!?」
「た、助かったのか……」
「……いや、違う。あいつらは逃げたんだ」
「逃げた?俺達の船からですか?」
エイバノの言い回しに船員達は疑問を抱くが、彼は顔色を青ざめて砂鮫の群れが逃げたのと逆方向に視線を向ける。そんな彼の態度に他の船員も振り返ると、そこには一際大きな砂丘が存在した。全員が視線を向けた途端に砂丘の内部から巨大な物体が出現した。
――オアアアアアアッ!!
広大な砂漠におぞましい鳴き声が響き渡り、砂丘を崩壊させて姿を現したのはかつてナイ達が退治した「ゴーレムキング」をも上回る巨体の怪物だった。その外見は「鯨」を想像させ、全身がゴーレムや砂鮫のように土色の外殻に覆われていた――
――後日、街に戻る予定だったはずの砂船が戻ってこず、疑問を抱いた街の人間は調査を行う。そして彼等は砂漠の中に無惨にも破壊された砂船の残骸と船員の死体が発見した。
王国と巨人国の境目には広大な砂漠が存在し、そこには砂漠にしか生息しない魔物も存在する。この広大な砂漠は徒歩で移動する事は絶対不可能だと言われ、その理由は砂漠が過酷を環境に適応した魔物は厄介な能力が芽生えたからである。
これまでの歴史で王国は獣人国とは度々に戦争を引き起こしていたが、巨人国とは100年以上も戦を起こした事はない。理由は二か国の境目に存在する広大な砂漠のせいで、軍隊を派遣しても砂漠を乗り越える事は危険過ぎたせいである。
砂漠を乗り越えるためには熱気や砂嵐を耐え凌ぐだけではなく、砂漠に生息する魔物を撃退しながら進行しなければならない。しかも巨人族の場合は普通の人間の何倍もの食料や水を補給しなければならない事もあり、砂漠を乗り越えるだけでも大変なのに国に侵攻するのに必要な補給物資を本国から送り届ける事も難しい。
この砂漠のお陰で巨人国は王国に攻め入る事はできず、逆に王国側としてもわざわざ危険地帯である砂漠を乗り越えてまで巨人国に攻め入る理由がなかった。
――しかし、普通の人間が暮らすには過酷過ぎる環境ではあるが、敢えてこの砂漠に暮らす人間も居た。彼等は砂漠を特別な乗り物で乗り越えて生活しており、その乗り物の名前は「砂船」と呼ばれていた。
砂船とは文字通りに砂漠を海の如く進む船であり、外見は本物の海で使う船と変わりはない。だが、海で利用される普通の船と違う点は木材と動かすための動力が風属性の魔石を利用されている事である。
かつてナイ達は飛行船に乗った事があるが、王国が管理する「フライングシャーク号」の場合は浮遊石と呼ばれる特別な魔石で船体の重量を軽くさせ、更に風属性の魔石で浮上させ、後部に設置されている火竜の経験石が搭載した噴射機で火属性の魔力を放射して加速する仕組みである。しかし、砂船の場合は風属性の魔石を搭載して風の力を利用して砂漠を海の様に移動する。
「面舵いっぱい!!」
「「「おおっ!!」」」
王国と巨人国の領地の境目に存在する「アチイ砂漠」にて巨大な船が砂丘を乗り越えて移動しており、船の乗組員は全員が巨人族だった。そして舵を取っているのは白髭が特徴の小髭族《ドワーフ》の老人で彼は乗組員に語り掛けた。
「風が強くなってきた!!このままだと砂嵐に巻き込まれる、その前に何としても街に戻るぞ!!」
「「「おうっ!!」」」
老人の言葉に巨人族の乗組員たちは従い、それぞれの作業に集中する。彼等が乗り込んでいる船こそが「砂船」と呼ばれる砂漠を渡るためだけに作り出された船だった。
砂船には風属性の魔石が搭載されており、舵を切る事で進行方向を移動するだけではなく、搭載されている風属性の魔石が反応して強烈な風圧を発生させる。砂船は移動するだけで大量の砂煙が舞い上がり、砂丘をまるで海の波を乗り越えるように移動する。
普通の海よりもかなり振動が激しいが砂船に乗っていれば大抵の魔物に襲われる事はなく、しかも移動速度も速いので魔物に見つかってもすぐに逃げ切れる。砂船を運転している小髭族の老人の名前は「エイバノ」という名前だった。
エイバノは数十年前にこの砂漠に訪れた鍛冶師であり、彼は自分が設計して作り出した砂船を利用して商売を行っている。巨人国と王国の商業の流通を手伝い、両国の商人に依頼された荷物を砂船で送り届ける仕事をしている。彼に預ければ必ず荷物を無事に送り届けるという事から両国の商人からも信頼が厚い人物である。
(……妙だな、今日はどうも嫌な予感がする)
数十年も砂船を運転し続けてきたエイバノだが、今日の砂漠はいつもと雰囲気が違うように彼は感じた。今の所は大きな問題は起きていないのだが、早く街に戻らないと大変な目に遭う気がした。
(こういう時の嫌な予感はよく当たるんだ。さっさと帰らないとな……)
砂船を操作しながらエイバノは一刻も早く砂漠の街に引き返すため、船員に発破をかける。
「おい、お前等!!今日は街に戻ったら俺が酒を奢ってやる!!だから手を抜かずに全力で仕事に取りかかれよ!!」
「「「うおおおおっ!!」」」
巨人族の船員達は彼の言葉を聞いて歓声を上げ、急いで船を街に向けて移動させるための作業に専念する。今日の分の仕事は終えたので後は街に戻って休むだけなのだが、エイバノの発言から数十秒後に砂船の後方から異変が発生した。
砂船の後方の異変に気付いたのは船の後部で新しい風属性の魔石を運んでいた船員だった。この船員は最近に入ったばかりの船員であり、彼は船の後方から何かが近付いてくるのを見て驚きの声を上げる。
「せ、先輩!!後ろから……船の後ろから何かが近付いてきます!!」
「何だとっ!?魔物か?」
「わ、分かりません……でも、どんどん近付いています!!砂の中を潜ってるみたいです!!」
新入りの船員の言葉に他の者たちも異変に気付いて船の後方を確認する。新人の言う通りに砂煙を舞い上げながら砂中を移動する存在を確認した。
砂船は後部にも風属性の魔石を搭載しており、魔石を利用して風圧を発生させる事で移動を行う。つまりは後方に移動すれば風圧によって大量の砂が舞い上げられるため、普通の魔物なら巻き上げられた砂に巻き込まれて追いかける事もできない。しかし、今回の相手は砂中に潜り込んで船の追尾を行う。
『シャアアアアアッ!!』
「ひいいっ!?」
「な、何だぁっ!?」
「こ、こいつは……砂鮫だぁっ!?」
追跡の途中で姿を現したのは海に生息する「鮫」のような形をした魔物だった。この砂漠にだけ生息する魔物の固有種でもあり、名前は「砂鮫」と呼ばれる魔物である。
砂鮫は名前の通りに鮫のような外見をしているが、実際はゴーレムのように全身に砂や砂利で練り固めた外殻で覆われている。普通の鮫よりも一回り程は大きく、ゴーレムと異なる点は体内ではなく額の部分に核が存在した。
「せ、船長!!砂鮫です!!砂鮫の群れが船に……!!」
「何だと!?そんな馬鹿な……」
基本的には砂鮫は狂暴な種ではあるが臆病で慎重深い性格なので、自分達よりも大きい砂船に襲い掛かる事は滅多にない。特にエイバノの砂船は砂漠位置の大型船なので今まで砂鮫に襲われた事は一度もなかったのだが、何故か砂鮫は船の後を追いかけてきた。
鈍重なゴーレムと違って砂鮫は砂漠をまるで海を泳ぐ鮫のように移動する事ができる。彼等の核は良質な地属性の魔石であるため、砂鮫は地属性の魔力を利用して砂の中を自由に移動する事ができる。
「船長!!どんどんこっちに近付いています!!このまま街に戻ると大変な事に……」
「ちっ……おい、誰か運転を代われ!!」
「うわわっ!?」
エイバノは砂鮫を確かめるために船員に舵を任せると、自分は船の後部に移動する。いったい何が起きているのか自分の目で確かめるために甲板から見下ろすと、ある違和感を覚えた。
(何だこいつ等……船を襲う様子がないぞ)
砂船の後を追いかける様に現れた砂鮫の群れであったが、何故か船との距離が縮まっても襲い掛かる様子はなく、それどころか砂船よりも先に泳いでいく。違和感を覚えたエイバノは船員に命じる。
「こいつらは確か地属性の魔石が好物だったな……おい、積荷の中に魔石があっただろう。それを一つ投げ落とせ!!」
「えっ!?いいんですか?大切な荷物を……」
「依頼人には俺が説明しておく!!いいから早く投げやがれ!!」
「は、はい!!」
エイバノの命令を受けて船員の一人が積荷の中から魔石が入った木箱を持ち出すと、中に入っていた地属性の魔石を取り出す。それをエイバノの言われた通りに砂鮫の群れに向けて投げ飛ばす。
砂鮫にとっては地属性の魔石は大好物であり、普通ならば魔石を目にした瞬間に嚙り付く。しかし、何故か砂鮫の群れは投げ込まれた地属性の魔石を無視して移動する。
「あ、あれ!?食いつかない……」
「そんな馬鹿な、奴等が魔石に反応しないなんて……」
「こいつは……俺達を追いかけているんじゃない!!見ろ、自分達の方から避けていきやがる!!」
船員は地属性の魔石に反応しない砂鮫の群れに戸惑うが、エイバノはいち早く砂鮫の狙いが自分達の船ではない事に気付く。そして彼の言う通りに全ての砂鮫は船を通り越してしまう。
「せ、船長!!奴等何処かへ消えましたよ!?」
「た、助かったのか……」
「……いや、違う。あいつらは逃げたんだ」
「逃げた?俺達の船からですか?」
エイバノの言い回しに船員達は疑問を抱くが、彼は顔色を青ざめて砂鮫の群れが逃げたのと逆方向に視線を向ける。そんな彼の態度に他の船員も振り返ると、そこには一際大きな砂丘が存在した。全員が視線を向けた途端に砂丘の内部から巨大な物体が出現した。
――オアアアアアアッ!!
広大な砂漠におぞましい鳴き声が響き渡り、砂丘を崩壊させて姿を現したのはかつてナイ達が退治した「ゴーレムキング」をも上回る巨体の怪物だった。その外見は「鯨」を想像させ、全身がゴーレムや砂鮫のように土色の外殻に覆われていた――
――後日、街に戻る予定だったはずの砂船が戻ってこず、疑問を抱いた街の人間は調査を行う。そして彼等は砂漠の中に無惨にも破壊された砂船の残骸と船員の死体が発見した。
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