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嵐の前の静けさ
第976話 ゴウカとの邂逅
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「陛下、金狼騎士団は準備を整えました」
「父上、銀狼騎士団も準備を整えました」
「おおっ……もうそんな時間か」
「バッシュ王子、リノ王女……お久しぶりでございます」
玉座の間にバッシュとリノが訪れ、それぞれの騎士団の準備が整った事を伝える。ロランは久々の再会に嬉しく思い、バッシュとリノも彼と再会できたことを喜ぶ。
この二人はロランから武芸を学び、二人にとってはもう一人の父親と言える存在だった。バッシュとリノはロランの元に赴いて握手を行う。
「ロラン大将軍!!復帰おめでとうございます!!」
「これからも国のために尽くしてくれ」
「御二人のためにも全力を尽くしましょう」
ロランは二人に手を取られながらも力強く頷き、今回の作戦は失敗は許されないと改めて思い知らされる。何しろ今回の作戦はこの二人も同行する事が決まっていた。
――どうして王子と王女であるバッシュとリノが同行するのが決まったのかというと、実を言えば二人が国王に直訴して作戦の参加を望んだからである。
本来であれば王太子のバッシュや王女のリノが危険な作戦に賛同する事は許される事ではない。しかし、二人ともロランが復帰すると聞いた時に作戦に何としても参加する事を決意した。
理由としては今回の作戦が失敗すればロランは処刑されると知り、二人は必ず作戦を成功させるために同行を願い出る。もしも二人が同行するとなれば責任感の強いロランはなんとしても作戦を成功させようと奮起し、二人に危害が及ばないように尽力する事は明白だった。それにバッシュもリノもロランのために役に立ちたいという気持ちもある。
二人は自分達がいればロランも気を引き締め、作戦成功のために全力を尽くすと信じていた。そんな二人の考えを見抜いた国王は仕方がなく同行を認めた。
「ロランよ、バッシュとリノをしっかりと守れ。無事に作戦を成功させた暁にはお前を正式に大将軍の地位へ戻す」
「陛下……」
「これは王命である。決して破る事は許されんぞ」
「はっ!!」
王命という言葉にロランは拒否する事はできず、彼は自分を慕う王子と王女のためにも絶対に作戦を失敗できないと心の中で誓う――
――同時刻、王城内ではリーナがアッシュから稽古を受けていた。彼女は蒼月を振りかざし、父親を相手に全力で攻撃を繰り出す。
「でりゃあああっ!!」
「ほう、何時に増して凄い気迫だな!!何かあったのか、リーナ!?」
アッシュはリーナの攻撃を捌きながら彼女の調子いい事に気付き、何か嬉しい事でもあったのかを尋ねると、リーナは元気よく返事を行う。
「今回の作戦が終わった後、お父さんに頼みたいことがあるんだ!!」
「頼みたい事?それは何だ?」
「ううん、とりあえずは全部が終わってからに言う事にするよ……でも、きっとお父さんも喜んでくれるよ」
「ほほう、それは楽しみだな……今回の作戦は俺は一緒に同行できない。油断はするなよ!!」
「分かってる!!」
マグマゴーレムの討伐作戦の指揮はロランが執り行い、その間にアッシュは王都の警護を彼の代わりに行う。だからこそ父親の代わりにリーナは作戦で活躍する事を誓い、そして今回の作戦を終えればリーナはある告白をアッシュに行う事を心の中で決めていた。
(絶対に作戦を成功させる!!そしてモモちゃんの約束を果たさないと……!!)
リーナは事前にモモとした約束を思い出し、何としても作戦を成功させて父親にある事を認めさせるのが彼女の目的だった――
――白猫亭の方ではモモが鞄の中に色々と物を詰め込み、彼女は大量のお菓子を両手に抱えながら窓を眺める。もうそろそろ出発しなければ時間に間に合わないとと知ると、彼女はお菓子を最後に鞄に詰め込んで部屋の外へ飛び出す。
「よし、準備完了……待っててね!!ナイ君!!」
覚悟を決めた表情を浮かべてモモは白猫亭の外に待たせているビャクの元へ向かい、ビャクは彼女が訪れると尻尾を振って迎え入れた。
「ビャク君、ひとっぱしりお願い!!」
「ウォンッ♪」
ビャクは今回の作戦には参加せず、白猫亭で預けられるはずだったが、モモが事前に用意した骨付き肉を渡すと嬉しそうに背中を向けた。
モモはビャクの背中に乗り込むと、この時に上の階の窓を開いてヒナが驚いた声を上げる。まだ業務時間だというのにモモがビャクの背中に乗って駆け出す姿を見て彼女は慌てて声をかけた。
「ちょ、ちょっとモモ!?何処へ行くの!?」
「ごめんねヒナちゃん!!私、やっぱりナイ君の役に立ちたいの!!」
「ちょっとぉおおっ!?」
モモはビャクを味方に付けて王城へ向けて駆け出し、その後姿をヒナは見送る事しかできなかった――
――今回のマグマゴーレムの討伐作戦の移動手段は飛行船で行い、前回の巨人国へ向かう時に利用された新型の飛行船に次々と荷物が運び出される。
出発は明朝であり、王都からグマグ火山までは飛行船ならばそれほど時間も掛からずに辿り着ける。各騎士団は既に出発準備を整え、飛行船の中に必要な物資を運び込む。
「よいしょっと……この荷物は何処に運べばいいんですか?」
「ナ、ナイ様!!そんな仕事は我々に任せて下さい!!」
「貴方様がこんな雑用をする必要はありません!!」
荷物運びはナイも手伝い、彼は持ち前の怪力で荷物を運び出そうとすると他の兵士達に止められた。ナイは正式な役職を与えられてはいないが、今の彼は国にとって重要人物であり、兵士達からすれば将軍や騎士団長級の立場だと認識されている。
ちなみにナイがこれまでどのように生活しているのかと言うと、イリアに頼まれて二人の実験に付き合ったり、アルトやバッシュやドリスやリンに頼まれて騎士団の仕事を手伝って金銭を受け取っていた。時々はリーナやガオウの冒険者活動を手伝い、ハマーンから材料の調達を頼まれる事も多々あった。
ナイは白狼種のビャクを世話しているため、彼の餌や寝床代を稼ぐ必要があるが、実際の所はこれまでの功績で国からかなりの額の報酬を受け取っている。それでもナイは暇なときは遊び惚けたりせずに働く事を心掛けており、今日も誰に頼まれたわけでもないのに荷物の運搬を手伝っていた。
(やっぱり身体を動かしている方が性に合うな……)
昔からナイは身体を動かす作業を多くこなしてきたせいか、どうにもゆっくりと休む事が性に合わない。子供の時もアルに連れられて山の中を駆けまわって狩猟したり、彼が死んだ後も仇を執るために無我夢中で身体を鍛え続けた。
陽光教会で世話になっていた時も故郷を失った寂しさを紛らわせるために夢中で働き、その過程で回復魔法を覚えた。結局は陽光教会を出た後も旅に出て、そして王都に到着した後も色々と問題に巻き込まれたせいでナイは落ち着いて休む暇はなく、時間に余裕ができても一人でいると落ち着かなかった。
(ビャクと一緒ならゆっくりできたけど、今回は連れていけないからな……)
ナイが一番に心安らぐのは彼の唯一の家族であるビャクと居る時だけであり、ビャクが傍に居る時だけはナイは落ち着いて休む事ができた。しかし、今回の作戦はビャクは連れていく事はできず、マグマゴーレムが相手となるとビャクでは相性が悪い。
全身が溶岩で構成されているマグマゴーレムは物理攻撃しかできないビャクとは相性が非常に悪く、それに移動に必要な乗り物ならば飛行船で十分である。第一にグマグ火山は以前よりも熱気が強まり、ビャクにとっては厳しい環境という事もあって今回は彼を置いて行くしかなかった。
(プルミンと一緒に大人しくお留守番してくれるといいけど……まあ、モモが見てくれるから大丈夫かな)
白猫亭のモモにナイはビャクとプルミンの世話を任せ、彼女ならば自分がいない間も二匹の世話をしてくれると信じていた。だが、何故か今回はモモは見送りには来ないと言われ、その点だけが気になった。
(今までのモモなら見送りに絶対来てたのに……何か怒らせるような事をしたかな?)
モモの方から見送りには行かないと言われてナイは内心ではショックを受けており、彼女を怒らせるような真似をしたのかと不安を抱く。しかし、考えても特に彼女を怒らせた理由が分からず、結局は気を紛らわせるために兵士達の仕事を手伝っている面もあった。
(戻ってくる前にモモが喜びそうな贈り物を用意しようかな……ハマーンさんに何か作って貰おうかな)
帰還の前にナイはハマーンに女の子が喜びそうな物を作って貰えないかと考えた時、不意に彼の前に人影が現れた。不思議に思ったナイは顔を見上げると、そこには仁王立ちする甲冑姿のゴウカの姿があった。
「えっと……?」
『ほう、まさかこんな所で会えるとはな……久しぶりだな!!少年!!』
「えっ!?」
ナイは新しい甲冑を身に付けて現れたゴウカを見て誰か分からなかったが、その声を聞いた途端に正体を見抜いて驚愕の声を上げる。
この二人は初対面ではなく、これまでに何度か顔を合わせているが、まともに顔を合わせるは久しぶりだった。殆どの者達はまだ飛行船の出発時間まで余裕があるので集まっていないが、既にゴウカは訪れていた。彼の傍にはマホとテンの姿もあり、特にテンの方は疲れた表情を浮かべていた。
「おいこら!!勝手に一人で動き回るんじゃないよ!!あんた、自分の立場を理解しているのかい!?」
「困った男じゃのう。これはお仕置きが必要か?」
「テンさん!?それにマホ魔導士も……」
『ふははっ!!そう怒るな、それよりも久しぶりだな少年!!いや、大分成長したな!!』
「うわっ!?」
ゴウカは嬉しそうにナイの両肩を掴み、持ち前の怪力でナイを持ち上げようとした。しかし、反射的にナイは持ち上げられまいと踏ん張り、それに気づいたゴウカは驚いた声を上げる。
※ナイがロランとに訓練を付けて貰った時はゴウカは爆睡してたのでナイとは出会ってませんでした(笑)
「父上、銀狼騎士団も準備を整えました」
「おおっ……もうそんな時間か」
「バッシュ王子、リノ王女……お久しぶりでございます」
玉座の間にバッシュとリノが訪れ、それぞれの騎士団の準備が整った事を伝える。ロランは久々の再会に嬉しく思い、バッシュとリノも彼と再会できたことを喜ぶ。
この二人はロランから武芸を学び、二人にとってはもう一人の父親と言える存在だった。バッシュとリノはロランの元に赴いて握手を行う。
「ロラン大将軍!!復帰おめでとうございます!!」
「これからも国のために尽くしてくれ」
「御二人のためにも全力を尽くしましょう」
ロランは二人に手を取られながらも力強く頷き、今回の作戦は失敗は許されないと改めて思い知らされる。何しろ今回の作戦はこの二人も同行する事が決まっていた。
――どうして王子と王女であるバッシュとリノが同行するのが決まったのかというと、実を言えば二人が国王に直訴して作戦の参加を望んだからである。
本来であれば王太子のバッシュや王女のリノが危険な作戦に賛同する事は許される事ではない。しかし、二人ともロランが復帰すると聞いた時に作戦に何としても参加する事を決意した。
理由としては今回の作戦が失敗すればロランは処刑されると知り、二人は必ず作戦を成功させるために同行を願い出る。もしも二人が同行するとなれば責任感の強いロランはなんとしても作戦を成功させようと奮起し、二人に危害が及ばないように尽力する事は明白だった。それにバッシュもリノもロランのために役に立ちたいという気持ちもある。
二人は自分達がいればロランも気を引き締め、作戦成功のために全力を尽くすと信じていた。そんな二人の考えを見抜いた国王は仕方がなく同行を認めた。
「ロランよ、バッシュとリノをしっかりと守れ。無事に作戦を成功させた暁にはお前を正式に大将軍の地位へ戻す」
「陛下……」
「これは王命である。決して破る事は許されんぞ」
「はっ!!」
王命という言葉にロランは拒否する事はできず、彼は自分を慕う王子と王女のためにも絶対に作戦を失敗できないと心の中で誓う――
――同時刻、王城内ではリーナがアッシュから稽古を受けていた。彼女は蒼月を振りかざし、父親を相手に全力で攻撃を繰り出す。
「でりゃあああっ!!」
「ほう、何時に増して凄い気迫だな!!何かあったのか、リーナ!?」
アッシュはリーナの攻撃を捌きながら彼女の調子いい事に気付き、何か嬉しい事でもあったのかを尋ねると、リーナは元気よく返事を行う。
「今回の作戦が終わった後、お父さんに頼みたいことがあるんだ!!」
「頼みたい事?それは何だ?」
「ううん、とりあえずは全部が終わってからに言う事にするよ……でも、きっとお父さんも喜んでくれるよ」
「ほほう、それは楽しみだな……今回の作戦は俺は一緒に同行できない。油断はするなよ!!」
「分かってる!!」
マグマゴーレムの討伐作戦の指揮はロランが執り行い、その間にアッシュは王都の警護を彼の代わりに行う。だからこそ父親の代わりにリーナは作戦で活躍する事を誓い、そして今回の作戦を終えればリーナはある告白をアッシュに行う事を心の中で決めていた。
(絶対に作戦を成功させる!!そしてモモちゃんの約束を果たさないと……!!)
リーナは事前にモモとした約束を思い出し、何としても作戦を成功させて父親にある事を認めさせるのが彼女の目的だった――
――白猫亭の方ではモモが鞄の中に色々と物を詰め込み、彼女は大量のお菓子を両手に抱えながら窓を眺める。もうそろそろ出発しなければ時間に間に合わないとと知ると、彼女はお菓子を最後に鞄に詰め込んで部屋の外へ飛び出す。
「よし、準備完了……待っててね!!ナイ君!!」
覚悟を決めた表情を浮かべてモモは白猫亭の外に待たせているビャクの元へ向かい、ビャクは彼女が訪れると尻尾を振って迎え入れた。
「ビャク君、ひとっぱしりお願い!!」
「ウォンッ♪」
ビャクは今回の作戦には参加せず、白猫亭で預けられるはずだったが、モモが事前に用意した骨付き肉を渡すと嬉しそうに背中を向けた。
モモはビャクの背中に乗り込むと、この時に上の階の窓を開いてヒナが驚いた声を上げる。まだ業務時間だというのにモモがビャクの背中に乗って駆け出す姿を見て彼女は慌てて声をかけた。
「ちょ、ちょっとモモ!?何処へ行くの!?」
「ごめんねヒナちゃん!!私、やっぱりナイ君の役に立ちたいの!!」
「ちょっとぉおおっ!?」
モモはビャクを味方に付けて王城へ向けて駆け出し、その後姿をヒナは見送る事しかできなかった――
――今回のマグマゴーレムの討伐作戦の移動手段は飛行船で行い、前回の巨人国へ向かう時に利用された新型の飛行船に次々と荷物が運び出される。
出発は明朝であり、王都からグマグ火山までは飛行船ならばそれほど時間も掛からずに辿り着ける。各騎士団は既に出発準備を整え、飛行船の中に必要な物資を運び込む。
「よいしょっと……この荷物は何処に運べばいいんですか?」
「ナ、ナイ様!!そんな仕事は我々に任せて下さい!!」
「貴方様がこんな雑用をする必要はありません!!」
荷物運びはナイも手伝い、彼は持ち前の怪力で荷物を運び出そうとすると他の兵士達に止められた。ナイは正式な役職を与えられてはいないが、今の彼は国にとって重要人物であり、兵士達からすれば将軍や騎士団長級の立場だと認識されている。
ちなみにナイがこれまでどのように生活しているのかと言うと、イリアに頼まれて二人の実験に付き合ったり、アルトやバッシュやドリスやリンに頼まれて騎士団の仕事を手伝って金銭を受け取っていた。時々はリーナやガオウの冒険者活動を手伝い、ハマーンから材料の調達を頼まれる事も多々あった。
ナイは白狼種のビャクを世話しているため、彼の餌や寝床代を稼ぐ必要があるが、実際の所はこれまでの功績で国からかなりの額の報酬を受け取っている。それでもナイは暇なときは遊び惚けたりせずに働く事を心掛けており、今日も誰に頼まれたわけでもないのに荷物の運搬を手伝っていた。
(やっぱり身体を動かしている方が性に合うな……)
昔からナイは身体を動かす作業を多くこなしてきたせいか、どうにもゆっくりと休む事が性に合わない。子供の時もアルに連れられて山の中を駆けまわって狩猟したり、彼が死んだ後も仇を執るために無我夢中で身体を鍛え続けた。
陽光教会で世話になっていた時も故郷を失った寂しさを紛らわせるために夢中で働き、その過程で回復魔法を覚えた。結局は陽光教会を出た後も旅に出て、そして王都に到着した後も色々と問題に巻き込まれたせいでナイは落ち着いて休む暇はなく、時間に余裕ができても一人でいると落ち着かなかった。
(ビャクと一緒ならゆっくりできたけど、今回は連れていけないからな……)
ナイが一番に心安らぐのは彼の唯一の家族であるビャクと居る時だけであり、ビャクが傍に居る時だけはナイは落ち着いて休む事ができた。しかし、今回の作戦はビャクは連れていく事はできず、マグマゴーレムが相手となるとビャクでは相性が悪い。
全身が溶岩で構成されているマグマゴーレムは物理攻撃しかできないビャクとは相性が非常に悪く、それに移動に必要な乗り物ならば飛行船で十分である。第一にグマグ火山は以前よりも熱気が強まり、ビャクにとっては厳しい環境という事もあって今回は彼を置いて行くしかなかった。
(プルミンと一緒に大人しくお留守番してくれるといいけど……まあ、モモが見てくれるから大丈夫かな)
白猫亭のモモにナイはビャクとプルミンの世話を任せ、彼女ならば自分がいない間も二匹の世話をしてくれると信じていた。だが、何故か今回はモモは見送りには来ないと言われ、その点だけが気になった。
(今までのモモなら見送りに絶対来てたのに……何か怒らせるような事をしたかな?)
モモの方から見送りには行かないと言われてナイは内心ではショックを受けており、彼女を怒らせるような真似をしたのかと不安を抱く。しかし、考えても特に彼女を怒らせた理由が分からず、結局は気を紛らわせるために兵士達の仕事を手伝っている面もあった。
(戻ってくる前にモモが喜びそうな贈り物を用意しようかな……ハマーンさんに何か作って貰おうかな)
帰還の前にナイはハマーンに女の子が喜びそうな物を作って貰えないかと考えた時、不意に彼の前に人影が現れた。不思議に思ったナイは顔を見上げると、そこには仁王立ちする甲冑姿のゴウカの姿があった。
「えっと……?」
『ほう、まさかこんな所で会えるとはな……久しぶりだな!!少年!!』
「えっ!?」
ナイは新しい甲冑を身に付けて現れたゴウカを見て誰か分からなかったが、その声を聞いた途端に正体を見抜いて驚愕の声を上げる。
この二人は初対面ではなく、これまでに何度か顔を合わせているが、まともに顔を合わせるは久しぶりだった。殆どの者達はまだ飛行船の出発時間まで余裕があるので集まっていないが、既にゴウカは訪れていた。彼の傍にはマホとテンの姿もあり、特にテンの方は疲れた表情を浮かべていた。
「おいこら!!勝手に一人で動き回るんじゃないよ!!あんた、自分の立場を理解しているのかい!?」
「困った男じゃのう。これはお仕置きが必要か?」
「テンさん!?それにマホ魔導士も……」
『ふははっ!!そう怒るな、それよりも久しぶりだな少年!!いや、大分成長したな!!』
「うわっ!?」
ゴウカは嬉しそうにナイの両肩を掴み、持ち前の怪力でナイを持ち上げようとした。しかし、反射的にナイは持ち上げられまいと踏ん張り、それに気づいたゴウカは驚いた声を上げる。
※ナイがロランとに訓練を付けて貰った時はゴウカは爆睡してたのでナイとは出会ってませんでした(笑)
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