1,036 / 1,110
最終章
第1016話 初代飛行船
しおりを挟む
――魔物使いのアンが和国の旧領地に辿り着く前に妖刀の回収を行うため、王都の戦力を集結させて誰が向かうのか選抜を行う。選抜の間にも飛行船を発進させる準備が行われたが、ここで問題が発生した。
「飛行船を動かせ!?そいつは無理ですぜ、前回の時に色々と無理をし過ぎたせいで一度点検しないといけやせんから……」
「例の白鼠どものせいで飛行船のあちこちで故障が発見したんですよ。ほら、見て下さい。ここが抉れてるでしょ?あの鼠共、所かまわず噛みついてるんですよ」
「壊れた箇所を修復するにしても時間が掛かりますし、最低でも整備に二週間はかかりますね」
ナイ達がこれまで使用していた飛行船スカイシャーク号に関しては、白鼠達が船の至る箇所に傷を与えていたらしく、整備するにも時間が掛かる事が発覚した。例えわずかな傷だとしても空を移動する際に飛行船には大きな負荷が掛かり、ほんのわずかな損傷が原因で飛行船が墜落する可能性もある。
一応は飛行船の素材に利用されている木材は王国で調達できる最高の木材なのだが、白鼠の牙は鼠型の魔獣の中でも一番の切れ味を誇り、正に「シロアリ」の如く飛行船のあちこちは抉られていた。
「飛行船が完全に直るまではどうしても一週間は掛かります。けど……もう一つの飛行船だったらすぐにでも出発できますぜ」
ハマーンの弟子達によればこれまでナイ達が使っていた新型の飛行船はすぐに飛ばせないが、旧式の飛行船「フライングシャーク号」に関しては整備も定期的に行われていたので飛ばす事ができるという。
旧式の飛行船は新型の飛行船と比べると性能は落ちるが、それでも地上を移動するアンよりも早くに和国の旧領地へ先に辿り着ける。運転方法も新型と同じのため、アルトも旧式の飛行船は動かせた。
問題があるとすれば旧式の飛行船は兵器は搭載されておらず、地上への着地はできない。しかし、運がいい事に旧和国の領地にも飛行船が着水できる湖は存在し、急遽旧式の飛行船を利用する事になった。
「アルト王子……いや、アルトさん。本当に親方の代わりに飛行船を運転するつもりですか?」
「僕以外に運転できる者はいないだろう……大丈夫さ、いざとなったら君達もいる」
「へへっ、頼りにしてください」
飛行船にはこれまで通りにハマーンの弟子達も乗り合わせ、飛行船に不備が起きた場合は彼等に何とかしてもらうしかない。ハマーンは亡くなったが、彼の弟子達がハマーンの代わりにアルトを支える。
アルトは旧式の飛行船に乗り込んで運転手順を確認し、新型の飛行船と全く同じである事を確認する。ハマーンは新型の飛行船を作り出す時はこの旧式の飛行船を参考にしており、これならば運転に支障はない。問題があるとすればアルトは新型の飛行船で運転した事はあるが、この旧式の飛行船を動かすのは初めてという事である。
「出発前に一応は運転しておきたい。すぐに動かす事はできるかい?」
「えっ!?今すぐにですか!?」
「ああ……僕は湖で飛行船を着水した事はない。今のうちに感覚を掴んでおきたいんだ」
新型の飛行船は地上に着地する事もできたが、旧式の飛行船ではその方法は真似できない。そのためにアルトは王都近くの湖に飛行船を向かわせ、着水の練習を行う必要があった。
飛行船が目的地に辿り着くまでに進行方向に存在する湖に何度か着水せねばならず、そのためにはアルトはぶっつけ本番で湖に着水するのは避けたい。だからこそ彼は和国の旧領地に向かう部隊が決まる前に、飛行船を動かす練習を行うつもりだった。
「だ、大丈夫ですか?勝手に船を動かして……」
「大丈夫ではないけど、僕が責任を取る。父上には怒られるかもしれないが……僕以外にこの飛行船を運転できる人間はいない。きっと許してくれるさ」
「ほ、本当でしょうね……まあ、俺達は怒られてもアルト王子に従っただけだと言いますよ」
「それでいいさ……さあ、発進の準備をしてくれ」
ハマーンの弟子達はアルトの指示通りに動き、急遽旧式の飛行船の離陸準備を行う。アルトは緊張しながらも操縦席にて舵を取る。
「よし……良いぞ!!」
「どうなっても知りませんからね……発進準備完了!!」
「飛行船、離陸します!!」
アルトの指示通りにハマーンの弟子達は飛行船の動力源を作動させると、飛行船に取り付けられた風属性の魔石が反応して浮上する。その後、飛行船に搭載された動力源が動き出し、船の後部に取り付けられた噴射機から火属性の魔力が放出される。
これによって飛行船は遂に空を飛び、王都の上空へ移動を行う。この時に城下町の民衆は驚愕の表情を浮かべ、事前の告知も無しに飛行船を飛ぶ事は初めてだった。
(凄い揺れだ……師匠はこれに耐えて運転していたのか!?)
アルトは飛行船の舵を取りながら自分の身体に加わる揺れを感じ、新型の飛行船と比べて旧式の飛行船は操縦者の負荷が大きい事を改めて思い知る。しかし、アルトは決して手を離さずに亡きハマーンの事を思い浮かべながら運転に集中する。
(見ていてください、師匠!!)
こうしてアルトは飛行船を浮上させ、王都の近くの湖へと向かう。彼は無事に湖に飛行船を着水させる事に成功し、旧式の飛行船の運転方法を掴んだ――
――飛行船が帰還後、勝手に飛行船を動かした事でアルトは国王を始めに他の者たちも説教を受けた。しかし、当の本人は勝手に船を動かした事は謝罪したが、それでも必要な事だったとはっきりと告げる。
「心配かけた事は謝ります。ですが、これで僕も自信が付きました。飛行船を僕以外に運転できる人間はいません」
今までにない真剣な表情を浮かべてアルトは自分以外に飛行船を動かせる人間がいない事を語ると、他の者たちは彼の迫力に気圧されてそれ以上は何も言えなかった。アルトの行為は決して褒められる事ではないが、自信が付いた事は悪い事ではない。
アルトは旧式の飛行船でも問題なく動かせる事を証明し、和国の旧領地へ向かう部隊の厳選を行う。前回のグマグ火山の時は王都の戦力を割きすぎたせいで王城に侵入を許す事になってしまい、今回はあまりに過剰に戦力を避けないように注意する。
「国王陛下、今回の場合は無暗に人数を連れて行くのを避け、少数精鋭で向かうのが得策かと思います。無暗に人手を増やすよりも実力確かな者達を厳選し、挑むのが最適かと……」
「ふむ、それも一理あるのう。ならば厳選の方法はお主に任せるぞ」
「はっ!!」
ロランの提案で今回の遠征部隊は実力者だけを集い、そのために試験が行われた。集められたのは王国騎士だけではなく、冒険者ギルドからも銀級以上の冒険者達が集められ、ロランの指示の元で厳しい試験が彼等に課せられる。
「ここに集まった者達の中で部隊に参加できる人間は20名のみだ!!試験に落ちた者は即刻退場してもらう、それと冒険者の参加者には試験を合格した暁には高額の報酬を約束しよう!!」
「「「うおおおおおっ!!」」」
今回集められた冒険者はロランの話を聞いて歓喜し、これまで作戦に参加できたのは黄金級冒険者だけだった。しかし、今回は銀級と白銀級の冒険者を集められたのは理由が二つある。
まずは黄金級冒険者以外の冒険者にも実力者も多く、彼等の中には将来的に黄金級冒険者に成れる逸材もいるかもしれないために試験に参加させた。そしてもう一つの理由は王国騎士に危機感を抱かせるためである。
これまでの作戦では各騎士団の団長や副団長以外の王国騎士達も無条件で参加していたが、最近の王国騎士は質が落ちているとロランは考えた。そこでロランは敢えて黄金級ではない冒険者を呼び集め、彼等と共に試験を受けさせる事で競争心を高めさせせる。
「うおりゃあっ!!王国騎士が何だってんだ!!」
「冒険者の根性を舐めるな!!」
「何を言うか!!我等王国騎士こそがこの国を守るのだ!!」
「冒険者如きに後れを取るか!!」
試験の際中は王国騎士と冒険者は自分達こそが上だと証明するために全力で尽くし、その光景を見てロランは試験を行わせたのは正解だと判断した。王国騎士も冒険者もお互いに絶対に負けないという気概で全力で試験に挑む。
「行くぞゴンザレス!!王国騎士なんかに負けるなよ!!」
「うおおおおっ!!」
冒険者の中にはマホの弟子のガロとゴンザレスも含まれ、この二人は参加した冒険者の中でも頭一つ抜けていた。そして見事にこの二人は合格を果たし、残念ながら他の冒険者は落ちて残りの合格者は王国騎士だけとなった。
「試験はここまでだ!!合格者20名は我々と共に明日から訓練を受けてもらう!!飛行船の点検が終了次第、我々は出発する!!何時でも出発できるように準備は整えておけ!!」
「「「おおっ!!」」」
厳しい試験を突破して選ばれた20名の実力者が加わり、これで部隊の人員は整った。今回の作戦は不用意に大人数では動かず、あくまでも「少数精鋭」を重視してロランは必要以上の人員を用意はしない。
飛行船に乗り込むのは船の運転と整備のためにアルトとハマーンの弟子達は必ず乗り、今回行われた試験の合格者20名、他には各騎士団の副団長と大将軍のロランは乗る事は確定していた。当然ながらに黄金級冒険者やナイもこれに含まれ、部隊は整った。
「アッシュよ、我々の留守の間は王都はお前に任せるぞ」
「うむ、任せろ。お前の代わりに王城に侵入を許した腑抜けた兵士達の指導を行おう」
「ふっ……後の事は任せるぞ」
王都の警備に関してはリーナの父親にして王国貴族の中では武闘派で名前が知られている「アッシュ」に託し、彼はロランの代わりに王城の兵士や試験に落ちた王国騎士達の指導を行う。二人の話を聞いた兵士と騎士達は顔色を青ざめるが、アンの侵入を許した彼等をロランは同情しない。
ここで問題があるとすればバッシュ王子とリノ王女だった。二人はアルトが出向くのであれば自分達も向かう事を進言する。大切な弟を一人だけ危地に送り込むことなど出来ず、自分達も同行したいことを伝えるがロランは頑なに拒否した。
「飛行船を動かせ!?そいつは無理ですぜ、前回の時に色々と無理をし過ぎたせいで一度点検しないといけやせんから……」
「例の白鼠どものせいで飛行船のあちこちで故障が発見したんですよ。ほら、見て下さい。ここが抉れてるでしょ?あの鼠共、所かまわず噛みついてるんですよ」
「壊れた箇所を修復するにしても時間が掛かりますし、最低でも整備に二週間はかかりますね」
ナイ達がこれまで使用していた飛行船スカイシャーク号に関しては、白鼠達が船の至る箇所に傷を与えていたらしく、整備するにも時間が掛かる事が発覚した。例えわずかな傷だとしても空を移動する際に飛行船には大きな負荷が掛かり、ほんのわずかな損傷が原因で飛行船が墜落する可能性もある。
一応は飛行船の素材に利用されている木材は王国で調達できる最高の木材なのだが、白鼠の牙は鼠型の魔獣の中でも一番の切れ味を誇り、正に「シロアリ」の如く飛行船のあちこちは抉られていた。
「飛行船が完全に直るまではどうしても一週間は掛かります。けど……もう一つの飛行船だったらすぐにでも出発できますぜ」
ハマーンの弟子達によればこれまでナイ達が使っていた新型の飛行船はすぐに飛ばせないが、旧式の飛行船「フライングシャーク号」に関しては整備も定期的に行われていたので飛ばす事ができるという。
旧式の飛行船は新型の飛行船と比べると性能は落ちるが、それでも地上を移動するアンよりも早くに和国の旧領地へ先に辿り着ける。運転方法も新型と同じのため、アルトも旧式の飛行船は動かせた。
問題があるとすれば旧式の飛行船は兵器は搭載されておらず、地上への着地はできない。しかし、運がいい事に旧和国の領地にも飛行船が着水できる湖は存在し、急遽旧式の飛行船を利用する事になった。
「アルト王子……いや、アルトさん。本当に親方の代わりに飛行船を運転するつもりですか?」
「僕以外に運転できる者はいないだろう……大丈夫さ、いざとなったら君達もいる」
「へへっ、頼りにしてください」
飛行船にはこれまで通りにハマーンの弟子達も乗り合わせ、飛行船に不備が起きた場合は彼等に何とかしてもらうしかない。ハマーンは亡くなったが、彼の弟子達がハマーンの代わりにアルトを支える。
アルトは旧式の飛行船に乗り込んで運転手順を確認し、新型の飛行船と全く同じである事を確認する。ハマーンは新型の飛行船を作り出す時はこの旧式の飛行船を参考にしており、これならば運転に支障はない。問題があるとすればアルトは新型の飛行船で運転した事はあるが、この旧式の飛行船を動かすのは初めてという事である。
「出発前に一応は運転しておきたい。すぐに動かす事はできるかい?」
「えっ!?今すぐにですか!?」
「ああ……僕は湖で飛行船を着水した事はない。今のうちに感覚を掴んでおきたいんだ」
新型の飛行船は地上に着地する事もできたが、旧式の飛行船ではその方法は真似できない。そのためにアルトは王都近くの湖に飛行船を向かわせ、着水の練習を行う必要があった。
飛行船が目的地に辿り着くまでに進行方向に存在する湖に何度か着水せねばならず、そのためにはアルトはぶっつけ本番で湖に着水するのは避けたい。だからこそ彼は和国の旧領地に向かう部隊が決まる前に、飛行船を動かす練習を行うつもりだった。
「だ、大丈夫ですか?勝手に船を動かして……」
「大丈夫ではないけど、僕が責任を取る。父上には怒られるかもしれないが……僕以外にこの飛行船を運転できる人間はいない。きっと許してくれるさ」
「ほ、本当でしょうね……まあ、俺達は怒られてもアルト王子に従っただけだと言いますよ」
「それでいいさ……さあ、発進の準備をしてくれ」
ハマーンの弟子達はアルトの指示通りに動き、急遽旧式の飛行船の離陸準備を行う。アルトは緊張しながらも操縦席にて舵を取る。
「よし……良いぞ!!」
「どうなっても知りませんからね……発進準備完了!!」
「飛行船、離陸します!!」
アルトの指示通りにハマーンの弟子達は飛行船の動力源を作動させると、飛行船に取り付けられた風属性の魔石が反応して浮上する。その後、飛行船に搭載された動力源が動き出し、船の後部に取り付けられた噴射機から火属性の魔力が放出される。
これによって飛行船は遂に空を飛び、王都の上空へ移動を行う。この時に城下町の民衆は驚愕の表情を浮かべ、事前の告知も無しに飛行船を飛ぶ事は初めてだった。
(凄い揺れだ……師匠はこれに耐えて運転していたのか!?)
アルトは飛行船の舵を取りながら自分の身体に加わる揺れを感じ、新型の飛行船と比べて旧式の飛行船は操縦者の負荷が大きい事を改めて思い知る。しかし、アルトは決して手を離さずに亡きハマーンの事を思い浮かべながら運転に集中する。
(見ていてください、師匠!!)
こうしてアルトは飛行船を浮上させ、王都の近くの湖へと向かう。彼は無事に湖に飛行船を着水させる事に成功し、旧式の飛行船の運転方法を掴んだ――
――飛行船が帰還後、勝手に飛行船を動かした事でアルトは国王を始めに他の者たちも説教を受けた。しかし、当の本人は勝手に船を動かした事は謝罪したが、それでも必要な事だったとはっきりと告げる。
「心配かけた事は謝ります。ですが、これで僕も自信が付きました。飛行船を僕以外に運転できる人間はいません」
今までにない真剣な表情を浮かべてアルトは自分以外に飛行船を動かせる人間がいない事を語ると、他の者たちは彼の迫力に気圧されてそれ以上は何も言えなかった。アルトの行為は決して褒められる事ではないが、自信が付いた事は悪い事ではない。
アルトは旧式の飛行船でも問題なく動かせる事を証明し、和国の旧領地へ向かう部隊の厳選を行う。前回のグマグ火山の時は王都の戦力を割きすぎたせいで王城に侵入を許す事になってしまい、今回はあまりに過剰に戦力を避けないように注意する。
「国王陛下、今回の場合は無暗に人数を連れて行くのを避け、少数精鋭で向かうのが得策かと思います。無暗に人手を増やすよりも実力確かな者達を厳選し、挑むのが最適かと……」
「ふむ、それも一理あるのう。ならば厳選の方法はお主に任せるぞ」
「はっ!!」
ロランの提案で今回の遠征部隊は実力者だけを集い、そのために試験が行われた。集められたのは王国騎士だけではなく、冒険者ギルドからも銀級以上の冒険者達が集められ、ロランの指示の元で厳しい試験が彼等に課せられる。
「ここに集まった者達の中で部隊に参加できる人間は20名のみだ!!試験に落ちた者は即刻退場してもらう、それと冒険者の参加者には試験を合格した暁には高額の報酬を約束しよう!!」
「「「うおおおおおっ!!」」」
今回集められた冒険者はロランの話を聞いて歓喜し、これまで作戦に参加できたのは黄金級冒険者だけだった。しかし、今回は銀級と白銀級の冒険者を集められたのは理由が二つある。
まずは黄金級冒険者以外の冒険者にも実力者も多く、彼等の中には将来的に黄金級冒険者に成れる逸材もいるかもしれないために試験に参加させた。そしてもう一つの理由は王国騎士に危機感を抱かせるためである。
これまでの作戦では各騎士団の団長や副団長以外の王国騎士達も無条件で参加していたが、最近の王国騎士は質が落ちているとロランは考えた。そこでロランは敢えて黄金級ではない冒険者を呼び集め、彼等と共に試験を受けさせる事で競争心を高めさせせる。
「うおりゃあっ!!王国騎士が何だってんだ!!」
「冒険者の根性を舐めるな!!」
「何を言うか!!我等王国騎士こそがこの国を守るのだ!!」
「冒険者如きに後れを取るか!!」
試験の際中は王国騎士と冒険者は自分達こそが上だと証明するために全力で尽くし、その光景を見てロランは試験を行わせたのは正解だと判断した。王国騎士も冒険者もお互いに絶対に負けないという気概で全力で試験に挑む。
「行くぞゴンザレス!!王国騎士なんかに負けるなよ!!」
「うおおおおっ!!」
冒険者の中にはマホの弟子のガロとゴンザレスも含まれ、この二人は参加した冒険者の中でも頭一つ抜けていた。そして見事にこの二人は合格を果たし、残念ながら他の冒険者は落ちて残りの合格者は王国騎士だけとなった。
「試験はここまでだ!!合格者20名は我々と共に明日から訓練を受けてもらう!!飛行船の点検が終了次第、我々は出発する!!何時でも出発できるように準備は整えておけ!!」
「「「おおっ!!」」」
厳しい試験を突破して選ばれた20名の実力者が加わり、これで部隊の人員は整った。今回の作戦は不用意に大人数では動かず、あくまでも「少数精鋭」を重視してロランは必要以上の人員を用意はしない。
飛行船に乗り込むのは船の運転と整備のためにアルトとハマーンの弟子達は必ず乗り、今回行われた試験の合格者20名、他には各騎士団の副団長と大将軍のロランは乗る事は確定していた。当然ながらに黄金級冒険者やナイもこれに含まれ、部隊は整った。
「アッシュよ、我々の留守の間は王都はお前に任せるぞ」
「うむ、任せろ。お前の代わりに王城に侵入を許した腑抜けた兵士達の指導を行おう」
「ふっ……後の事は任せるぞ」
王都の警備に関してはリーナの父親にして王国貴族の中では武闘派で名前が知られている「アッシュ」に託し、彼はロランの代わりに王城の兵士や試験に落ちた王国騎士達の指導を行う。二人の話を聞いた兵士と騎士達は顔色を青ざめるが、アンの侵入を許した彼等をロランは同情しない。
ここで問題があるとすればバッシュ王子とリノ王女だった。二人はアルトが出向くのであれば自分達も向かう事を進言する。大切な弟を一人だけ危地に送り込むことなど出来ず、自分達も同行したいことを伝えるがロランは頑なに拒否した。
0
あなたにおすすめの小説
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
無能と言われた召喚士は実家から追放されたが、別の属性があるのでどうでもいいです
竹桜
ファンタジー
無能と呼ばれた召喚士は王立学園を卒業と同時に実家を追放され、絶縁された。
だが、その無能と呼ばれた召喚士は別の力を持っていたのだ。
その力を使用し、無能と呼ばれた召喚士は歌姫と魔物研究者を守っていく。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる
六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。
強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。
死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。
再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。
※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。
※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる