ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!

カタナヅキ

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外の世界へ

第40話 魔術師との戦い

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「あんたは冒険者の恥晒しだ。このまま警備兵に突き出してやる」
「ま、まま、待てよ!!もう許してくれ、お前等には二度と関わらない!!」
「……そんな言葉を信じろと?」
「よく言うぜ!!あたしを散々痛めつけた癖に!!」


ナオが戦っている間にミズネは拾った水筒をネココに浴びせ、彼女の怪我の治療を行う。万全の状態に戻ったネココは痛めつけられた分の仕返しに男を蹴りつけた。


「吹っ飛べっ!!」
「うぎゃっ!?」


子供とはいえ、人間よりも運動能力が優れているネココに顔面を蹴りつけられた男は鼻血を噴き出す。必死に地面を這いつくばって男は逃げようとしたが、それを見越してナオは唯一の路地裏の脱出口に画面を塞いだ。


「な、何だ!?どうなってやがる!?」
「逃げ場はない。もう諦めろ!!」
「ひいいっ!?」


唯一の出入口を塞がれた男は情けない悲鳴を上げ、画面を何度も叩きつけた。そんな男に三人は迫るが、突然にナオとミズネは強い魔力を感知して上空に振り返った。

屋根の上に何時の間にか赤色のマントを羽織った人物が存在し、その人物は杖を構えていた。狙いはナオ達ではなく冒険者の男であり、杖先から「火球」を放つ


「ファイアボール!!」
「危ない!?」
「わあっ!?」
「くっ!?」


男が魔法を放ったのを見てナオ達は魔術師だと気付き、三人は散らばると火球は冒険者の男の元へ向かう。男は逃げる暇もなく火球に衝突し、全身が火達磨と化す。


「うぎゃあああっ!?」
「まずい!?ミズネ!!」
「分かってる!!アクアボール!!」


ミズネは杖を構えて水の塊を放つと、男の身体に燃え広がった炎は消された。しかし、既に全身が黒焦げと化した男は地面に倒れて動かない。魔法を喰らった時点で男は事切れていたらしく、いくらミズネの魔法でも治す事はできないのか彼女は首を振った。

の魔法で男を始末した魔術師にナオは睨みつけると、相手はマントで身を隠した状態で三人に杖を構えた。どうやら降りて来るつもりはないらしく、今度はネココに目掛けて火球を放つ。


「ファイアボール」
「うわっ!?」
「ネココ、避けるな!!」


迫りくる火球に対してネココは避けようとしたが、嫌な予感がしたナオは彼女を呼び止めて自分が前に出た。もしも敵が熟練の魔術師だった場合、魔法を操作する芸当ができてもおかしくはない。


(画面で防ぐしかない!!)


ネココを守るためにナオは前に飛び出すと、画面を引き寄せて拡大化させた。そして火球が画面に衝突した瞬間に爆発するが、ナオのステータス画面は傷一つ付かない。他の人間の目には不可視の壁が二人を魔法から守ったようにしか見えない。


「ちっ……噂は本当だったか。まさかお前のようなガキが古代魔法を扱えるとはな」
「噂!?」
「……ナオの事を知ってるの?」
「こ、この卑怯者!!さっさと降りて来いよ!!」


魔術師はマントから顔を晒すと、三十代前半の男性だと判明した。火属性の魔法の使い手なのは間違いないが、どうして自分達を襲ってきたのかとナオは警戒する。最初は襲って来た冒険者の仲間かと思ったが、それにしては男を始末するなど不可解な点が多い。

屋根の上から男は降りるつもりはないらしく、杖を構えた状態でナオ達を見下ろす。そんな彼の態度にミズネは苛立ち、杖を構えて無理やり引きずり落とそうとした。


「アクアウィップ!!」
「馬鹿がっ!!そんな魔法に捕まるかっ!!」


相性的にはミズネの方が有利のはずだが、男は彼女が繰り出した水の鞭を回避しながら杖を繰り出し、無詠唱で小さな火球を誕生させて放つ。


(無詠唱まで!?この男、只者じゃない!!)


魔法の操作や無詠唱を扱える時点で並の魔術師ではないとナオは悟り、ミズネの元に火球が届く前にナオは画面を手元に引き寄せて火球を防ぐ。先ほどの攻防で火球は画面を破壊できない事は承知ずみであり、相手の攻撃は脅威とはならない。

二度も自分の魔法を防いだナオに大して男は冷静に分析し、不用意に魔法を連発するような真似はしない。魔法の腕だけでなく観察眼も優れており、男はナオではなく他の人間に狙いを定める。


「ファイアボール・ツヴァイ!!」
「なっ!?」
「ふ、二つ!?」
「ナオ、一つは私が落とす!!」


男は二つの火球を同時に繰り出すと、一か所に集まった三人の左右から火球を放つ。一つの画面しか生み出せないナオでは片方しか防げず、それを見越してミズネは片方を自分の魔法で相殺した。


「アクアボール!!」
「このっ!!」
「わああっ!?」


ナオとミズネが協力して二つの魔法を食い止めると、ネココは爆音に耐えられずに耳を塞いで伏せる。人間よりも聴覚が優れているだけに大きな音に敏感らしく、彼女のためにもナオは男を早々に倒す事にした。


「いい加減にしろ!!あんた、何が目的だ!?」
「ふんっ、強がっているのも今の内だ。もうお前の弱点は分かったぞ?」
「何だと!?」
「どうやら見えない防御魔法のような物を扱えるようだが、複数の魔法には対応できないようだな。恐らく、壁の様な物を作り出して自分の周りに展開する魔法か?」
「…………」


数回の攻防で男はナオの古代魔法の性質をだいたいは理解し、弱点を正確に見抜いた。ナオの魔法は画面を一つだけしか生成できず、多方向からの攻撃には対処しにくいという弱点がある。それはミズネも把握しており、だからこそ彼女は援護に回った。


「どうやら図星だったようだな。下級魔法程度は防げるようだが、これは防げるかな?」
「っ……!?ナオ、気をつけて!!」
「分かってる!!ネココを頼む!!」


男の魔力が急激に膨れ上がり、先ほどよりも強力な魔法を繰り出そうとしている事に気づいたナオは画面を拡大化させて上空に展開した。男は杖を突き出すと、魔法陣を展開して特大の炎を放つ。


「フレイムアロー!!」
「くぅっ!?」
「ネココ、伏せて!!」
「な、何なんだよ!?」


杖先から火炎が解き放たれ、先ほどの火球の何倍もの威力があると思われた。それでもナオの画面に阻まれるが、炎の熱気によって空き地全体の温度が上がり始め、それに気づいたナオは相手の狙いに気付く。


(俺達を蒸し焼きにするつもりか!?けど、これだけの魔法を撃ち続ければ魔力の消費が激しいはずだぞ!!)


自分達が炎の熱気に倒れる前に男の魔力が先に尽きるとナオは考えたが、魔法を撃ち込んでいる最中に男は青色に光り輝く液体が入った瓶を取り出し、それを口に含むと魔力が膨れ上がった。魔力感知で異変に察したナオは驚く。


「ど、どうして!?」
「ふん、俺の魔力切れを期待しているなら無駄だ!!お前等がくたばる方が先のようだな!!」


男が飲み込んだのは「魔力回復薬マナポーション」と呼ばれる薬であり、これを飲めば一時的に魔力の自然回復力を高められる。即ち男が薬を飲んでいる間は魔力が切れる事はなく、徐々に空き地に熱が広がり始めた。


「あちちっ!?も、もう無理だ!!あそこから逃げよう!!」
「駄目、下手に動いたら狙い撃ちされる!!」
「大丈夫、俺を信じて!!」
「ははははっ!!この期に及んでお前達に何ができる!?」


ネココは路地裏からの脱出を提案するが、一本道の通路に逃げ込めば男の思うつぼであり、ミズネは引き留めた。ナオは画面で魔法を防ぎながらも男の位置を魔力感知で特定し、反撃を試みた。


(後悔するのはお前の方だ!!)


男は自分が優位に立っていると思っているようだが、ナオの魔法はどんな攻撃も防ぐ事ができる。その性質を生かしてナオは男の放つ炎の魔法を押し返しながら画面を移動させる。
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