ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!

カタナヅキ

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外の世界へ

第41話 魔術師の高みを目指して

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「はああっ!!」
「な、なんだと!?俺の魔法が押し返され……馬鹿なっ!!」
「す、すげぇっ!?」
「おおっ」


炎の魔法を押し返しながら迫る画面に魔術師は焦り、その光景を見ていた他の二人も驚く。三人ともナオのステータス画面は直視はできないが、炎を退けることで四角形の形をした空間の歪みを視界で捉えることができた。

男は必死に押し返そうと魔力を絞り出すが、ナオはかつて先生であるマリアのあらゆる魔法を跳ね返してきた。だからこの程度の魔法で負けるはずなどなく、一気に押し返した。


「だああっ!!」
「うぎゃあああっ!?」
「うわっ!?や、やりすぎじゃないか!?」
「……大丈夫、自分の魔法で自分が傷つくことはあり得ない」


画面が男の元まで到達すると、杖から繰り出されていた炎が押し返されて男の体が包み込まれる。しかし、自ら作り出した魔法が術師を傷つけることはあり得ず、ミズネのいう通りに男は身に着けている衣服が燃えただけで肉体に火傷一つ負わなかった。


「あがぁっ……!?」
「髪の毛が白く……大丈夫かな?」
「……魔力を使い果たした代償、確実に寿命は削られた」
「ひええっ」


炎が消えると白髪頭になった男が立ち尽くしており、ミズネによれば魔力を使いすぎると髪の毛が白く染まるらしく、あの状態ではしばらくは魔法を扱えない。ナオの魔法を無理に打ち破ろうとしなければ助かったが、子供の魔術師に自分の魔法が敗れることが受け入れられなかった男の自業自得だった。


「あいつどうすんだ?警備兵に突き出すか?」
「私たちを襲った理由を知りたかったけど、あの状態じゃ話せそうにない」
「……とりあえずは拘束しよう」


ナオは屋根の上に移動しようと画面を引き寄せようとしたとき、男の首が唐突に真っ二つに切り裂かれた。悲鳴を上げる暇もなく男は絶命し、首と胴体に切り裂かれた死体が地面に落下した。


「えっ……!?」
「ぎゃああっ!?」
「誰!?」


男の首が切りされた光景に三人は唖然とするが、切りつけた相手の姿は見えず、ナオは魔力感知を発動した。しかし、周囲に魔力は一切関知できず、まるで男の首がひとりでに吹き飛んだようにしか見えない。


(ど、どういう事だ!?何が起きたんだ!!)


地面に落ちてきた男の死体を確認し、訳も分からずにナオ達は見下ろすことしかできなかった――





――男から数百メートルほど離れた建物の上に金髪の女性が立っていた。彼女の立っている場所は街の中でも最も大きな建物であり、彼女の手には弓矢が握りしめられていた。


「始末完了」


女性は一言だけを告げると建物から降り立ち、この時に彼女の顔が月に照らされる。その顔はナオの師匠であるマリアと非常によく似た顔立ちをしていた――





――その後、警備兵を呼び出してナオたちを襲おうとした冒険者たちは捕まった。彼らは普段から素行が悪く、冒険者稼業の裏で金を持っていそうな人物を見かけると脅迫して奪い取っていたことが判明し、当然ながら全員が牢獄に閉じ込められた。今までに被害にあっていた人たちも訴え、次々と余罪が判明した。

ナオ達を襲撃した魔術師に関しては名のある傭兵らしく、先日にイチノから訪れたばかりらしい。もしかしたらナオの噂を聞きつけて彼を追ってきた可能性もあった。


「結局、あの人は何が目的だったんだろう?」
「……さあ、私たちを襲えばお金がもらえると思ってたんじゃない?」
「そうなのかな?」


魔術師の男が冒険者たちと組んでいたのは間違いなく、捕まった冒険者の話によるとリーダー格の男がナオたちを捕まえるために魔術師の協力を求めたという。だが、その割には依頼人である冒険者を殺したり、一般人であるネココまで巻き込んでナオ達を殺そうとしたのは気にかかる。

一番ナオが気になったのは自分が「古代魔法」の使い手であることを知られていたことであり、これからの旅であの男のように自分を狙う者が現れないのか不安を抱く。


(ミズネやネココを危険な目に巻き込ませたくはない。やっぱり、ここから先は俺一人で旅した方がいいかな)


ナオは二人を巻き込ませまいと旅の同行の提案を取り下げようとしたとき、ウルを引き連れたネココが訪れた。


「お~い!!兄ちゃんと姉ちゃん、ちゃんと連れてきたぞ~」
「ウォンッ!!」
「ぷるぷるっ♪」


ウルが現れるとナオのカバンに隠れていたスラミンが嬉しそうに飛び出し、ウルの頭の上に飛び乗った。魔物同士気が合うのかウルも嬉しそうであり、その様子を見てナオは笑みを浮かべた。


(スラミンも嬉しそうだな。やっぱり、一人で旅をするより他の人がいると楽しいな)


一人旅の時は常に自分一人の力で行動しなければならず、外にいる間は碌に眠ることもできなかった。ナオは自分は魔術師としても未熟であることは把握しており、今はまだ森で一人で暮らし続けるマリアのように一人で生き抜く力はないことを自覚する。


(でも、いつか師匠のように一流の魔術師になれば一人で生きていけるのかな)


自分の師のことを思い出し、いつの日か彼女のような立派な魔術師を目指してナオは旅に出た。しかし、今はまだ仲間の力を借りて一緒に旅に出ることにした。


「よ~し、それじゃあ馬車を買いに行こうか」
「ウォンッ?」
「兄ちゃん、馬が引く車じゃないんだから狼車の方がしっくりくるぞ」
「……私もそう思う」
「ぷるぷるっ!!」


ナオの言葉に全員が突っ込みを入れ、そんな彼らにナオは苦笑いを浮かべながらも共に歩む――





※申し訳ありませんが、今回から一話ごとの文字数を減らすことになります。
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