ステータス画面がバグったのでとりあえず叩きます!!

カタナヅキ

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外の世界へ

第52話 恐るべき死霊使い

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「うおっ!?きゅ、急に道ができたぞ!!」
「透明の橋のような物が見えるぞ!!」
「よし、これなら渡れそうだ!!」
「……なるほど、これなら怖くない」
「へえ~兄ちゃんは頭いいな」
「もうちょっと早く思いついてたらドルトンさんの心臓も無事でしたけどね」
「ははは、私の心臓はそんなにやわではありません」


画面の上に土砂がばらまかれたことで普通の人間にも目視できるようになり、後続の馬車は安心して先に進むことができた。この時にナオは画面の上を移動する馬車を見たとき、とある事に気付いた。


(待てよ?これもしかしたら戦闘に使えるかも……)


サンドワームの作り出した大穴と自分のステータス画面を見てナオは「罠」を思いつき、今度の戦闘で試してみるか考える。彼が考え事している間に最後の馬車が渡りきると、ドルトンはお礼を告げた。


「ナオ殿のお陰で本当に助かりました!!なんとお礼を言えばいいやら……」
「気にしないでください。俺たちもちょうど通るところでしたし、それよりもこの穴はどうしましょうか?」
「そうですな、とりあえずは街に下りたら警備兵に報告しておきましょう。この道が使えないとなると大変ですからな」


ニノとサンノの街を行き来するにはこちらの山を登るのが最短経路であり、大穴が存在する限りは馬車を通ることができない。他の人間が山を通る前に街の人間に伝えておく必要がある。

久しぶりというほどでもないが、ドルトンと会えた事にナオは嬉しく思う。彼にとってはマリア以外に信頼できる数少ない大人の一人であり、サンノまで一緒に同行する事にした。


「ほほう、魔石の売却ですか。それならば私が購入させてもらいましょう。先ほどのお礼も兼ねて相場より高めに買い取らせていただきます」
「本当ですか?ありがとうございます」
「気前のいい爺ちゃんだな」
「……ネココ、それは失礼」
「ははは、構いませんよ。実際に孫がいますからな」


ネココから老人扱いされてもドルトンは気にせず、ナオが手に入れた魔石を査定して買取を行う。ナオが予想していたよりも少しだけ高めの金額で購入してくれた。


「これほどの良質な魔石が手に入るとは嬉しい限りですな。では、こちらは代金です。どうぞお受け取りください」
「え、こんなに!?」
「凄いな兄ちゃん!!おお金持ちじゃねえか!!」
「これだけあれば豪勢な宿屋に泊まれる」
「ウル君の餌代も何とかなりそうだね」
「ウォンッ!!」
「ぷるぷるっ」


想像以上に高く売れた魔石にナオ達は喜び、これで当面の間は旅費の心配はない。ドルトンに感謝しながらもナオはこれまでに起きた出来事を話すと、彼は心底驚いた。


「なんと!?この山に死霊使いが住み着いていたのですか?」
「はい、ゴブリンとお爺さんの死体を操って襲ってきました」
「むむむ、それは最近噂になっている死霊使いかもしれませんな」
「噂?」


ドルトンによればこちらの地方で死霊使いの被害が多発しているらしく、犯人の正体は未だに判明していない。死霊使いは決して姿を現さず、死霊人形を繰り出して人を襲わせているという。

何度かサンノの冒険者が死霊使いの調査に赴いたが、未だに手がかり一つ掴めていない。現在では調査は打ち切られて街の警備を高める事しかできていない。


「死霊使いに狙われて生き延びた人間の話によると、相手は数十体の魔物を操れるほどの恐ろしい魔力の持ち主だそうです」
「恐ろしい?」
「死霊魔術師が操る死体の数は術者の魔力に応じて増減します。しかも人間の死体ならばともかく、魔物などの存在を操れる死霊魔術師は滅多におりません」
「確かにあの時に襲ってきた死霊魔術師は凄い魔力の持ち主だった。私もナオもあのお爺さんが本物の魔術師だと思い込むぐらい魔力が大きかった」
「あたしは魔力なんてわからないけど、あの時は凄い気分が悪かったな」


死霊魔術師が扱う闇の魔力は普通の人間ならば浴びるだけで体調を崩し、もしもナオ達を襲った死霊人形が一斉に魔力を拡散していた場合は助かる見込みはなかった。

闇の魔力は別名「死の霧」と呼ばれるほどにおぞましい魔力であり、そんな魔力を操れる存在は滅多にいない。改めてナオ達はとんでもない存在に命を狙われたと知り、背筋が凍り付く。


(あんな奴とは二度と出会いたくないな)


ナオはもう二度と死霊使いと遭遇しないように祈っていると、商団の先頭を移動していた狼車が立ち止まり、車を引っ張るウルが不思議そうに首をかしげる。


「クゥ~ンッ?」
「どうした?しょんべんにでも行きたいのか?」
「ウォンッ!!」


ネココの言葉を否定するようにウルは鳴き声を上げ、彼は進行方向の先に川が流れていることを示す。大きな橋が架けられているので馬車も問題なく通れるはずだが、何故かウルは先に進もうとしない。
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