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外の世界へ
第68話 範囲攻撃
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「ウガァアアアッ!!」
「ギャウッ!?」
「ウル君!?くそっ!!」
「離れて!!」
「仕方ないっすねっ!!」
ウルの悲鳴を聞いてナオとミズネは魔法を繰り出し、離れた場所からエリオも矢を放つ。しかし、攻撃が当たる前に赤毛熊の毛が逆立ち、三人の攻撃を身を反らして交わす。
「ガアッ!?」
「また外した!?」
「それなら……これはどう?」
「おおっ!?」
ミズネは大き目の水球を作り出すと、無数の触手を生み出して赤毛熊に放つ。攻撃が避けられないように数の力で拘束しようとするが、赤毛熊は絡みついてくる水の触手を振り払う。
「ウガァッ!!」
「くぅっ……私の魔法じゃ抑える事もできない」
「いや、十分ですよ!!足止めできれば兄貴の魔法で仕留められます!!」
「その通り!!」
触手で動きを封じる事はできなかったが、足を止める事には成功した。そのすきを逃さずにナオは拡大化させた画面を放つ。動きさえ止めれば赤毛熊を仕留められると判断した上での攻撃だったが、赤毛熊は毛を逆立たせて危険を感知すると地面に爪を振り下ろす。
「ウガァアアアッ!!」
「うわっ!?」
「嘘!?また潜った!!」
「しまった!?」
巨体でありながら赤毛熊はモグラの如く鋭い爪で地面を掘り起こし、攻撃が届く前に身体を地中へと逃げ延びる。ナオの繰り出した画面は外れてしまい、しかも地面に潜った赤毛熊は再び気配を完璧に消してしまう。
地面に逃げ延びられたらナオ達では捉える事はできず、気配も臭いも魔力さえも完璧に消した赤毛熊を見つけ出す手段は持ち合わせていない。ナオだけなら画面に乗り込んで空中に逃げる事もできるが、それをすれば他の仲間が危険に晒されてしまう。
「くそっ!?どこに消えた!!」
「兄貴、落ち着いて!!あの赤毛熊はどうやって地面の中から私達の位置を捉えたのか考えましょう!!」
「ど、どういう意味だよ!?」
「赤毛熊は地面に潜っていても私達の居場所を突き止めた。その方法が分かれば打つ手はある……はず」
「ぷるぷるんっ!!」
仲間たちの言葉を聞いてナオは考え込み、赤毛熊がどのように獲物の位置を捉えているのかをナオは考えた。地面に潜れば当然だが臭いを辿ることはできず、音や気配だけを頼りに動いているとしたら騒がずにじっとしていれば気付かれない可能性もある。だが、ナオが気になったのは赤毛熊の特殊能力だった。
(赤毛熊は魔力さえも完璧に消し去ることができる。それってエリオの魔力を隠す術と同じじゃないのか?)
エルフであるエリオは魔力を巧妙に消す術を習得しており、彼は「魔力抑制」と呼んでいる。正確に言えばエリオは魔力を消したのではなく、対外に放出している魔力を体内に完全に抑え込んでいるだけに過ぎない。
(もしも赤毛熊が魔力を操る術を身に着けているとしたら、魔力を感知する能力も身に着けているはず!!奴が本当に魔力を感じ取れるとしたら……方法はこれしかない!!)
ナオは魔力を操作して限界まで魔力を高めた。体内に抑える術は習っていないが、魔力を放出するだけならば今のナオでもできた。しかし、その行為は赤毛熊に対しての挑発に等しい。
(こっちに来い!!)
限界まで魔力を高めながらもナオは地面に視線を向け、どこから飛び出してくるのか警戒を怠らない。これ以上に仲間を傷つけさせないために彼は命がけで止めようとした。
「兄ちゃん!?後ろだ!!」
「っ!?」
ネココの声を聴いてナオは振り返ると、地面が盛り上がる光景を捉えた。赤毛熊が襲い掛かろうとしている事に気付いたナオは右手を構えるが、魔法を発動させる前に地面から鋭い爪が繰り出される。
「ウガァアアッ!!」
「くぅっ!?」
「させないっ!!」
ナオの胸元に爪が迫った瞬間、ミズネが水球から触手を一本繰り出してナオの身体に巻き付け、彼の身体を引き寄せる。爪が当たる寸前で攻撃を回避する事に成功したナオは後方に引き寄せられ、地中から出現した赤毛熊は攻撃が避けられた事に驚く。
「ガアッ!?」
「兄貴!!今です!!」
「うおおおおっ!!」
触手に引き寄せられながらもナオは右手に画面を作り出し、最初に縮小化させてから回転率を高める。限界まで高速回転させた画面を投げ放つと、赤毛熊の様子を観察した。
(勝負は一瞬だ!!)
赤毛熊はどんなに早く画面を放り込んだとしても、攻撃が当たる寸前に毛が逆立って危険を知らせる。エリオによれば実体のある画面は目に見えずとも風の流れがあり、それを感じ取る事で赤毛熊は攻撃を予測して回避できると彼は語った。
闇雲に攻撃しても赤毛熊には攻撃が通じず、もしも赤毛熊に攻撃を当てる手段があるとすれば、反応しても避けきれない範囲攻撃を繰り出すしかない。
(画面に回転を加えた状態でも大きさは変化させる事はできる……なら、攻撃の瞬間に拡大化させれば!!)
赤毛熊の回避行動はこれまで何度も目撃しており、殆どが身体を反らす程度の動作しか行っていない。恐らくは攻撃を躱した直後に素早く動けるために体勢を崩すほどの回避動作を行わないのだろうが、それが命取りとなる。
「終わりだっ!!」
「ッ――――!?」
攻撃が来ることを察知した赤毛熊は身体を後ろにのけ反らせるが、完全な回避行動に移る前に回転した状態で拡大化した画面が首元に迫り、頭と胴体を切り裂いた。赤毛熊は断末魔の悲鳴を上げる暇もなく絶命し、地上に首と胴体が転がり込んだ。
死に際の赤毛熊は何が起きたのか理解できなかったらしく、唖然とした表情のまま死んでしまった。ナオの繰り出した画面は拡大化した状態でも攻撃速度も回転力も衰えず、見事に赤毛熊を仕留める事に成功した。
「はあっ……上手くいった」
「や、やったぞ!!兄ちゃんが倒した!!」
「はあっ……疲れた」
「ふぃ~流石に冷やっとしましたよ」
「ぷるぷるんっ(←喜びのぷるぷるだんす)」
「クゥ~ンッ(←怪我して痛がってる)」
ナオの攻撃によって赤毛熊は今度こそ仕留められ、草原に歓喜の声が響き渡った――
「ギャウッ!?」
「ウル君!?くそっ!!」
「離れて!!」
「仕方ないっすねっ!!」
ウルの悲鳴を聞いてナオとミズネは魔法を繰り出し、離れた場所からエリオも矢を放つ。しかし、攻撃が当たる前に赤毛熊の毛が逆立ち、三人の攻撃を身を反らして交わす。
「ガアッ!?」
「また外した!?」
「それなら……これはどう?」
「おおっ!?」
ミズネは大き目の水球を作り出すと、無数の触手を生み出して赤毛熊に放つ。攻撃が避けられないように数の力で拘束しようとするが、赤毛熊は絡みついてくる水の触手を振り払う。
「ウガァッ!!」
「くぅっ……私の魔法じゃ抑える事もできない」
「いや、十分ですよ!!足止めできれば兄貴の魔法で仕留められます!!」
「その通り!!」
触手で動きを封じる事はできなかったが、足を止める事には成功した。そのすきを逃さずにナオは拡大化させた画面を放つ。動きさえ止めれば赤毛熊を仕留められると判断した上での攻撃だったが、赤毛熊は毛を逆立たせて危険を感知すると地面に爪を振り下ろす。
「ウガァアアアッ!!」
「うわっ!?」
「嘘!?また潜った!!」
「しまった!?」
巨体でありながら赤毛熊はモグラの如く鋭い爪で地面を掘り起こし、攻撃が届く前に身体を地中へと逃げ延びる。ナオの繰り出した画面は外れてしまい、しかも地面に潜った赤毛熊は再び気配を完璧に消してしまう。
地面に逃げ延びられたらナオ達では捉える事はできず、気配も臭いも魔力さえも完璧に消した赤毛熊を見つけ出す手段は持ち合わせていない。ナオだけなら画面に乗り込んで空中に逃げる事もできるが、それをすれば他の仲間が危険に晒されてしまう。
「くそっ!?どこに消えた!!」
「兄貴、落ち着いて!!あの赤毛熊はどうやって地面の中から私達の位置を捉えたのか考えましょう!!」
「ど、どういう意味だよ!?」
「赤毛熊は地面に潜っていても私達の居場所を突き止めた。その方法が分かれば打つ手はある……はず」
「ぷるぷるんっ!!」
仲間たちの言葉を聞いてナオは考え込み、赤毛熊がどのように獲物の位置を捉えているのかをナオは考えた。地面に潜れば当然だが臭いを辿ることはできず、音や気配だけを頼りに動いているとしたら騒がずにじっとしていれば気付かれない可能性もある。だが、ナオが気になったのは赤毛熊の特殊能力だった。
(赤毛熊は魔力さえも完璧に消し去ることができる。それってエリオの魔力を隠す術と同じじゃないのか?)
エルフであるエリオは魔力を巧妙に消す術を習得しており、彼は「魔力抑制」と呼んでいる。正確に言えばエリオは魔力を消したのではなく、対外に放出している魔力を体内に完全に抑え込んでいるだけに過ぎない。
(もしも赤毛熊が魔力を操る術を身に着けているとしたら、魔力を感知する能力も身に着けているはず!!奴が本当に魔力を感じ取れるとしたら……方法はこれしかない!!)
ナオは魔力を操作して限界まで魔力を高めた。体内に抑える術は習っていないが、魔力を放出するだけならば今のナオでもできた。しかし、その行為は赤毛熊に対しての挑発に等しい。
(こっちに来い!!)
限界まで魔力を高めながらもナオは地面に視線を向け、どこから飛び出してくるのか警戒を怠らない。これ以上に仲間を傷つけさせないために彼は命がけで止めようとした。
「兄ちゃん!?後ろだ!!」
「っ!?」
ネココの声を聴いてナオは振り返ると、地面が盛り上がる光景を捉えた。赤毛熊が襲い掛かろうとしている事に気付いたナオは右手を構えるが、魔法を発動させる前に地面から鋭い爪が繰り出される。
「ウガァアアッ!!」
「くぅっ!?」
「させないっ!!」
ナオの胸元に爪が迫った瞬間、ミズネが水球から触手を一本繰り出してナオの身体に巻き付け、彼の身体を引き寄せる。爪が当たる寸前で攻撃を回避する事に成功したナオは後方に引き寄せられ、地中から出現した赤毛熊は攻撃が避けられた事に驚く。
「ガアッ!?」
「兄貴!!今です!!」
「うおおおおっ!!」
触手に引き寄せられながらもナオは右手に画面を作り出し、最初に縮小化させてから回転率を高める。限界まで高速回転させた画面を投げ放つと、赤毛熊の様子を観察した。
(勝負は一瞬だ!!)
赤毛熊はどんなに早く画面を放り込んだとしても、攻撃が当たる寸前に毛が逆立って危険を知らせる。エリオによれば実体のある画面は目に見えずとも風の流れがあり、それを感じ取る事で赤毛熊は攻撃を予測して回避できると彼は語った。
闇雲に攻撃しても赤毛熊には攻撃が通じず、もしも赤毛熊に攻撃を当てる手段があるとすれば、反応しても避けきれない範囲攻撃を繰り出すしかない。
(画面に回転を加えた状態でも大きさは変化させる事はできる……なら、攻撃の瞬間に拡大化させれば!!)
赤毛熊の回避行動はこれまで何度も目撃しており、殆どが身体を反らす程度の動作しか行っていない。恐らくは攻撃を躱した直後に素早く動けるために体勢を崩すほどの回避動作を行わないのだろうが、それが命取りとなる。
「終わりだっ!!」
「ッ――――!?」
攻撃が来ることを察知した赤毛熊は身体を後ろにのけ反らせるが、完全な回避行動に移る前に回転した状態で拡大化した画面が首元に迫り、頭と胴体を切り裂いた。赤毛熊は断末魔の悲鳴を上げる暇もなく絶命し、地上に首と胴体が転がり込んだ。
死に際の赤毛熊は何が起きたのか理解できなかったらしく、唖然とした表情のまま死んでしまった。ナオの繰り出した画面は拡大化した状態でも攻撃速度も回転力も衰えず、見事に赤毛熊を仕留める事に成功した。
「はあっ……上手くいった」
「や、やったぞ!!兄ちゃんが倒した!!」
「はあっ……疲れた」
「ふぃ~流石に冷やっとしましたよ」
「ぷるぷるんっ(←喜びのぷるぷるだんす)」
「クゥ~ンッ(←怪我して痛がってる)」
ナオの攻撃によって赤毛熊は今度こそ仕留められ、草原に歓喜の声が響き渡った――
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