500 / 743
第9話 至高の日常
緊迫 Episode:04
しおりを挟む
「なんだかあの子ここにいるんですけど、こっちに話があるらしくて。
寮の部屋がいっしょであの子よく知ってますから、外へ出て聞いてきちゃダメでしょうか?」
「そういうことなら許可しよう。ただ、手短にするんだ」
「了解」
急いで外に出ると、案の定この子が困ったふうに辺りを見回してた。
「ルーフェ、どしたの?」
「――ロア先輩?!」
まさかあたしがいるなんて思ってなかったんだろう、思いっきりびっくりした表情。
「あ~うんとね、今日ってばいきなり実地試験。
それよりなんかあったの? キミが野次馬してるなんて、ちょっと思えないし。あとさ、タシュアとシルファ先輩どこかな?」
「あの、実は……」
ルーフェに途中まで事情を訊いたとこで、あたしも思いっきりびっくりした。
「あのタシュアが、倒れたっての?!」
「……はい」
こっくりとこの子がうなずく。
――なんだかなぁ。
竜が逆立ちして海水浴してるってほうが、よっぽど信じられる。
けどルーフェは嘘はつかない。というかこの子、つけない。
「まったく、あいつに取り付くなんて、どんな風邪なんだか。
けどどうしてキミだけ、ひとりでいるの?」
「それが……」
この子の話の続きを聞いて、あたしは納得した。
「タイミングよくルーフェだけ、締め出されちゃったんだ」
「そうなんです……」
いつも大人しいルーフェだけど、今日はとりわけ元気がないみたいだ。
まぁ、無理ないかなぁ……。
自分ならともかく、大好きな彼氏が人質じゃ、いてもたってもいらんないだろうし。
「――心配?」
「……はい……」
「だろうねぇ」
タシュアなんか放っておいたってどうってことないだろうけど、この子の彼氏は上級とかじゃない。
「まぁでも、タシュアがいるんだから大丈夫だよ、たぶん」
癪に障るんだけど。
けどあいつ、あの性格やら毒舌やらはともかくとして、実力だけは一級品なんだよね。
ただどっちにしても、ここでずっと立ち話ってわけにはいかない。
「そしたらさ、その話、もう一回してもらっていいかな? みんなのとこで」
「あ、はい」
またこっくりうなずいたあと、歩き出したあたしの後ろを、この子がヒヨコみたいにくっついてきた。
――ホント、素直でカワイイよね~♪
タシュアに爪の垢でも煎じて、一年くらい飲ませたいかも。
ともかく一旦、待機してたとこまで戻る。
寮の部屋がいっしょであの子よく知ってますから、外へ出て聞いてきちゃダメでしょうか?」
「そういうことなら許可しよう。ただ、手短にするんだ」
「了解」
急いで外に出ると、案の定この子が困ったふうに辺りを見回してた。
「ルーフェ、どしたの?」
「――ロア先輩?!」
まさかあたしがいるなんて思ってなかったんだろう、思いっきりびっくりした表情。
「あ~うんとね、今日ってばいきなり実地試験。
それよりなんかあったの? キミが野次馬してるなんて、ちょっと思えないし。あとさ、タシュアとシルファ先輩どこかな?」
「あの、実は……」
ルーフェに途中まで事情を訊いたとこで、あたしも思いっきりびっくりした。
「あのタシュアが、倒れたっての?!」
「……はい」
こっくりとこの子がうなずく。
――なんだかなぁ。
竜が逆立ちして海水浴してるってほうが、よっぽど信じられる。
けどルーフェは嘘はつかない。というかこの子、つけない。
「まったく、あいつに取り付くなんて、どんな風邪なんだか。
けどどうしてキミだけ、ひとりでいるの?」
「それが……」
この子の話の続きを聞いて、あたしは納得した。
「タイミングよくルーフェだけ、締め出されちゃったんだ」
「そうなんです……」
いつも大人しいルーフェだけど、今日はとりわけ元気がないみたいだ。
まぁ、無理ないかなぁ……。
自分ならともかく、大好きな彼氏が人質じゃ、いてもたってもいらんないだろうし。
「――心配?」
「……はい……」
「だろうねぇ」
タシュアなんか放っておいたってどうってことないだろうけど、この子の彼氏は上級とかじゃない。
「まぁでも、タシュアがいるんだから大丈夫だよ、たぶん」
癪に障るんだけど。
けどあいつ、あの性格やら毒舌やらはともかくとして、実力だけは一級品なんだよね。
ただどっちにしても、ここでずっと立ち話ってわけにはいかない。
「そしたらさ、その話、もう一回してもらっていいかな? みんなのとこで」
「あ、はい」
またこっくりうなずいたあと、歩き出したあたしの後ろを、この子がヒヨコみたいにくっついてきた。
――ホント、素直でカワイイよね~♪
タシュアに爪の垢でも煎じて、一年くらい飲ませたいかも。
ともかく一旦、待機してたとこまで戻る。
0
あなたにおすすめの小説
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ReBirth 上位世界から下位世界へ
小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは――
※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。
1~4巻発売中です。
悪役令嬢ではありません。肩書きはただの村人ですが、いつの日か名だたる冒険者になっていた。
小田
ファンタジー
ポッチ村に住む少女ルリは特別な力があったのだが、六歳を迎えたとき母親が娘の力を封印する。村長はルリの母の遺言どおり、娘を大切に育てた。十四歳を迎えたルリはいつものように山に薬草を採りに行くと、倒れていた騎士を発見したので、家に運んで介抱すると。騎士ではなく実は三代公爵家の長男であった。そこから彼女の人生は大きく動き出す。
特別な力を持つ村人の少女ルリが学園に行ったり、冒険をして仲間と共に成長していく物語です。
なろう、エブリスタ、カクヨム掲載しています。
我らダンジョン攻略部〜もしも現実世界にダンジョンができて、先行者利益を獲得できたとしたら〜
一日千秋
ファンタジー
昨今、話題の現実にダンジョンができる系の作品です。
高校生達のダンジョン攻略と日常の学校生活、ビジネス活動を書いていきます。
舞台は2025年、
高校2年生の主人公の千夏将人(チナツマサト)は
異世界漫画研究部の部長をしています。
同じ部活の友人たちとある日突然できたダンジョンに
できてすぐ侵入します。
オタクは知っている、ダンジョンには先行者利益があることを。
そして、得たスキルでこつこつダンジョンを攻略していき、日本で影響力をつけていった先に待ち受ける困難とは!?
ダンジョンの設定はステータス、レベル、スキルあり、ダンジョン内のモンスターの死体はしっかり消えます。
一話につき1000〜2500文字くらいの読みやすい量になっているので初心者には読みやすい仕様になっております。
キャラクターはところどころ新キャラが出てきますがメインストーリーは主に3人なので複雑になりすぎないように心がけています。
「いいね」頂けるととても嬉しいです!
「お気に入り」登録も最高に嬉しいです!
よろしくお願いします!
※契約書、経済システムの書式、掲示板テンプレはAI生成を活用して制作しております。修正、加筆は行っております。ご了承下さい。
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
神の布使い
KeyBow
ファンタジー
高校3年生の主人公はスキー大会の決勝中、ジャンプをしたタイミングで異世界に飛ばされてしまう。
鼻をほじった奴の所為で召喚事故が!本来の場所には雪の塊のみが現れ、主人公は女子風呂に落下!
その後鉱山送りにされ、移送中に魔物の襲撃があり、魔物から死物狂いで逃げて・・・川に落下。
その後流されて目を覚ました所から物語はスタートする。
そして1人の少女と出会い・・・
右も左も分からぬ異世界で生き残れるのか?
手にするのは神の布(褌)
布だと思い頭に巻いていますが、それは神が身につけていた臭い付の汚い褌だというのを知らぬが仏。でもチートアイテムには代わりない!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる