34 / 57
6-6
しおりを挟む
「やった?」
「何をです?」
「わかってるくせに。やっぱりヤれてねぇな?」
レイモンドは腰を振るという下品な仕草をして見せた。
レイモンドは有能で優しく、ラッセルとの仲も上手く取りもってくれるような、そんな男なのに、いかんせん下品なのだ。
「戴冠式後にというのが政「そういうのはいいよ」
発言を遮られたロジェは肩をすくめた。
確かに避妊薬を飲めばいいだけの話である。
懐妊は戴冠式後にと、各妃と伴侶たちに伝えたのも、そういった意味合いだ。
「お前、童貞だろ?」
「それが何か問題でも?」
「おいおい、問題だらけだろうよ。あんな小さい子に、カヌレ家のブツをそのまま突っ込んでみろ? 出血多量で下手したら死ぬぞ!?」
あけすけなレイモンドの発言にロジェの眉が寄った。
カヌレ家の男子のモノが大きいことぐらい承知しているが、それを知っていると言うつもりもない。
「私がそんなことをするとでも?」
「しないさ。だから、女をよくする方法を詳しく知らないと、いつまでもヤレないって話だろ?」
「書物は読みましたし、そもそも相手のあることです。私の一存ですることではないでしょう?」
「いや、ダメだね」
「何がです?」
「嫁にしといてヤらねぇって選択はナシってこと。そういうのは漏れるんだよ。かのレイ・タルコット卿も、マイナ夫人とはしばらく白い結婚だった。王家にも探られていたし、俺みたいに耳が早いやつは知ってた。でも対外的には、いたしておりますという顔を貫いた。その意味ぐらいわかるだろ?」
「レイは世継ぎに期待がかかる立場ですから当然ですね」
「お前は違うってか? そんなこと言ってると、この家で一番怖い人が出てくるぞ? 悪いことはいわねぇ。秘密を絶対に守れる娼婦を紹介するから、手ほどきだけでも受けてこい。お前のためじゃねぇ、嫁さんのためだ。そんでさっさとやれ」
「……手ほどきはけっこうです」
「お前は騎士じゃないから他人の裸を見る機会がなくて普通のサイズを知らないんだろうけど、うちの家系はデカいんだ。自覚しろよ?」
「大きさの前に、あまり欲求がないので」
「おまっ、それ、母上に絶対言うなよ!? 母上に何を言われても絶対に反論するなよ!? ったく、堅物兄貴だって義姉さんを娶る前に閨教育はちゃんと受けたのに。お前は昔から拒否してたもんなぁ? 潔癖ってわけでもないのに、なんでなんだ?」
「必要性を感じないので」
そう答えると、レイモンドは頭が痛いという顔をしてうめき声を漏らした。
「何をです?」
「わかってるくせに。やっぱりヤれてねぇな?」
レイモンドは腰を振るという下品な仕草をして見せた。
レイモンドは有能で優しく、ラッセルとの仲も上手く取りもってくれるような、そんな男なのに、いかんせん下品なのだ。
「戴冠式後にというのが政「そういうのはいいよ」
発言を遮られたロジェは肩をすくめた。
確かに避妊薬を飲めばいいだけの話である。
懐妊は戴冠式後にと、各妃と伴侶たちに伝えたのも、そういった意味合いだ。
「お前、童貞だろ?」
「それが何か問題でも?」
「おいおい、問題だらけだろうよ。あんな小さい子に、カヌレ家のブツをそのまま突っ込んでみろ? 出血多量で下手したら死ぬぞ!?」
あけすけなレイモンドの発言にロジェの眉が寄った。
カヌレ家の男子のモノが大きいことぐらい承知しているが、それを知っていると言うつもりもない。
「私がそんなことをするとでも?」
「しないさ。だから、女をよくする方法を詳しく知らないと、いつまでもヤレないって話だろ?」
「書物は読みましたし、そもそも相手のあることです。私の一存ですることではないでしょう?」
「いや、ダメだね」
「何がです?」
「嫁にしといてヤらねぇって選択はナシってこと。そういうのは漏れるんだよ。かのレイ・タルコット卿も、マイナ夫人とはしばらく白い結婚だった。王家にも探られていたし、俺みたいに耳が早いやつは知ってた。でも対外的には、いたしておりますという顔を貫いた。その意味ぐらいわかるだろ?」
「レイは世継ぎに期待がかかる立場ですから当然ですね」
「お前は違うってか? そんなこと言ってると、この家で一番怖い人が出てくるぞ? 悪いことはいわねぇ。秘密を絶対に守れる娼婦を紹介するから、手ほどきだけでも受けてこい。お前のためじゃねぇ、嫁さんのためだ。そんでさっさとやれ」
「……手ほどきはけっこうです」
「お前は騎士じゃないから他人の裸を見る機会がなくて普通のサイズを知らないんだろうけど、うちの家系はデカいんだ。自覚しろよ?」
「大きさの前に、あまり欲求がないので」
「おまっ、それ、母上に絶対言うなよ!? 母上に何を言われても絶対に反論するなよ!? ったく、堅物兄貴だって義姉さんを娶る前に閨教育はちゃんと受けたのに。お前は昔から拒否してたもんなぁ? 潔癖ってわけでもないのに、なんでなんだ?」
「必要性を感じないので」
そう答えると、レイモンドは頭が痛いという顔をしてうめき声を漏らした。
93
あなたにおすすめの小説
愛する旦那様が妻(わたし)の嫁ぎ先を探しています。でも、離縁なんてしてあげません。
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
【清い関係のまま結婚して十年……彼は私を別の男へと引き渡す】
幼い頃、大国の国王へ献上品として連れて来られリゼット。だが余りに幼く扱いに困った国王は末の弟のクロヴィスに下賜した。その為、王弟クロヴィスと結婚をする事になったリゼット。歳の差が9歳とあり、旦那のクロヴィスとは夫婦と言うよりは歳の離れた仲の良い兄妹の様に過ごして来た。
そんな中、結婚から10年が経ちリゼットが15歳という結婚適齢期に差し掛かると、クロヴィスはリゼットの嫁ぎ先を探し始めた。すると社交界は、その噂で持ちきりとなり必然的にリゼットの耳にも入る事となった。噂を聞いたリゼットはショックを受ける。
クロヴィスはリゼットの幸せの為だと話すが、リゼットは大好きなクロヴィスと離れたくなくて……。
【完結】旦那様、わたくし家出します。
さくらもち
恋愛
とある王国のとある上級貴族家の新妻は政略結婚をして早半年。
溜まりに溜まった不満がついに爆破し、家出を決行するお話です。
名前無し設定で書いて完結させましたが、続き希望を沢山頂きましたので名前を付けて文章を少し治してあります。
名前無しの時に読まれた方は良かったら最初から読んで見てください。
登場人物のサイドストーリー集を描きましたのでそちらも良かったら読んでみてください( ˊᵕˋ*)
第二王子が10年後王弟殿下になってからのストーリーも別で公開中
侯爵家のお飾り妻をやめたら、王太子様からの溺愛が始まりました。
二位関りをん
恋愛
子爵令嬢メアリーが侯爵家当主ウィルソンに嫁いで、はや1年。その間挨拶くらいしか会話は無く、夜の営みも無かった。
そんな中ウィルソンから子供が出来たと語る男爵令嬢アンナを愛人として迎えたいと言われたメアリーはショックを受ける。しかもアンナはウィルソンにメアリーを陥れる嘘を付き、ウィルソンはそれを信じていたのだった。
ある日、色々あって職業案内所へ訪れたメアリーは秒速で王宮の女官に合格。結婚生活は1年を過ぎ、離婚成立の条件も整っていたため、メアリーは思い切ってウィルソンに離婚届をつきつけた。
そして王宮の女官になったメアリーは、王太子レアードからある提案を受けて……?
※世界観などゆるゆるです。温かい目で見てください
【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)
悪女は愛より老後を望む
きゃる
恋愛
――悪女の夢は、縁側でひなたぼっこをしながらお茶をすすること!
もう何度目だろう? いろんな国や時代に転生を繰り返す私は、今は伯爵令嬢のミレディアとして生きている。でも、どの世界にいてもいつも若いうちに亡くなってしまって、老後がおくれない。その理由は、一番初めの人生のせいだ。貧乏だった私は、言葉巧みに何人もの男性を騙していた。たぶんその中の一人……もしくは全員の恨みを買ったため、転生を続けているんだと思う。生まれ変わっても心からの愛を告げられると、その夜に心臓が止まってしまうのがお約束。
だから私は今度こそ、恋愛とは縁のない生活をしようと心に決めていた。行き遅れまであと一年! 領地の片隅で、隠居生活をするのもいいわね?
そう考えて屋敷に引きこもっていたのに、ある日双子の王子の誕生を祝う舞踏会の招待状が届く。参加が義務付けられているけれど、地味な姿で壁に貼り付いているから……大丈夫よね?
*小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
辺境伯へ嫁ぎます。
アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。
隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。
私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。
辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。
本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。
辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。
辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。
それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか?
そんな望みを抱いてしまいます。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 設定はゆるいです。
(言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)
❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。
(出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)
この婚約は白い結婚に繋がっていたはずですが? 〜深窓の令嬢は赤獅子騎士団長に溺愛される〜
氷雨そら
恋愛
婚約相手のいない婚約式。
通常であれば、この上なく惨めであろうその場所に、辺境伯令嬢ルナシェは、美しいベールをなびかせて、毅然とした姿で立っていた。
ベールから、こぼれ落ちるような髪は白銀にも見える。プラチナブロンドが、日差しに輝いて神々しい。
さすがは、白薔薇姫との呼び名高い辺境伯令嬢だという周囲の感嘆。
けれど、ルナシェの内心は、実はそれどころではなかった。
(まさかのやり直し……?)
先ほど確かに、ルナシェは断頭台に露と消えたのだ。しかし、この場所は確かに、あの日経験した、たった一人の婚約式だった。
ルナシェは、人生を変えるため、婚約式に現れなかった婚約者に、婚約破棄を告げるため、激戦の地へと足を向けるのだった。
小説家になろう様にも投稿しています。
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる