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第12夜 入ったことのない道
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この前、近所を散歩してたら、入ったことのない道を見つけたんです。
今住んでいるところに越してきて4年ほど経ちますが、まだ入ったことのない道があったんだなと思って、好奇心からその細い道に入ったんです。
並んだ住宅と住宅の間にあるその道は、くねくねと曲がりながら長く長く続いていました。
どのくらい歩いた頃でしょうか。
最初はどの道に出るのかとわくわくしていたのですが、なかなか知った道に出ないことにだんだんと不安がつのっていったんです。
私は散歩好きなわりに方向音痴で、このまま迷って帰れなくなるのではないかと思い、スマホの地図アプリで現在地を調べようとしました。
すると、おかしいのです。
地図アプリの現在地は、私の住んでいるY県とは程遠いT県と表示されているのです。
表示されている地名は、聞いたこともないようなものばかり。
アプリのバクかな?と思い、アプリを再起動したり、スマホ自体を再起動したりしてみましたが、何度やっても現在地はT県のままでした。
私は怖くなって、来た道を帰ることにしました。
歩いてきたのは一本道。
来た道を辿れば、元の道に帰れると思ったのです。
しかし、進めども進めども道はずっと長く続いていました。
しばらく歩き、スマホの時計で確認すると、道に入ってから1時間近く経っていました。
道の両側には民家が並んでいますが、人の気配が全くありません。
行きに見た記憶のない民家もありました。
私は軽くパニックになり、ワーーッ!!と叫びながら道を走りました。
すると、突然
「止まりなさい!」
と後ろから呼び止められました。
振り返ると60歳位のポロシャツを着たおじさんが立っていました。
「アンタ、ここの人間じゃないね?」
と言われ、私は泣きながら首を縦に何度も振りました。
おじさんは、
「目をつむって、ゆっくり10歩まっすぐ進みなさい。絶対に目を開けてはいけないよ。本当に帰れなくなるから」
と真剣な顔をして言いました。
私は言われるがまま目をつむり、足を踏み出しました。
1歩、2歩、3歩……とゆっくり進んでいきます。
9歩、と数えて足を踏み出そうとした時、後ろから
「おい!」
と何者かに声をかけられました。
私は一瞬振り返りそうになりましたが、絶対に目を開けてはダメだと思い、無視して歩みを進めました。
10歩目を歩き終え、目を開けると、そこは入ってきた道の入り口でした。
振り返ると、おじさんはいなくなっていました。
私は走って家に帰りました。
本当に不思議な体験でした。
そしてもっと不思議なのが、あれから何度かあの辺りを歩いたんですけど、あの道が見つからないんですよね。
まぁ、もう行きたくはないんですけど。
今住んでいるところに越してきて4年ほど経ちますが、まだ入ったことのない道があったんだなと思って、好奇心からその細い道に入ったんです。
並んだ住宅と住宅の間にあるその道は、くねくねと曲がりながら長く長く続いていました。
どのくらい歩いた頃でしょうか。
最初はどの道に出るのかとわくわくしていたのですが、なかなか知った道に出ないことにだんだんと不安がつのっていったんです。
私は散歩好きなわりに方向音痴で、このまま迷って帰れなくなるのではないかと思い、スマホの地図アプリで現在地を調べようとしました。
すると、おかしいのです。
地図アプリの現在地は、私の住んでいるY県とは程遠いT県と表示されているのです。
表示されている地名は、聞いたこともないようなものばかり。
アプリのバクかな?と思い、アプリを再起動したり、スマホ自体を再起動したりしてみましたが、何度やっても現在地はT県のままでした。
私は怖くなって、来た道を帰ることにしました。
歩いてきたのは一本道。
来た道を辿れば、元の道に帰れると思ったのです。
しかし、進めども進めども道はずっと長く続いていました。
しばらく歩き、スマホの時計で確認すると、道に入ってから1時間近く経っていました。
道の両側には民家が並んでいますが、人の気配が全くありません。
行きに見た記憶のない民家もありました。
私は軽くパニックになり、ワーーッ!!と叫びながら道を走りました。
すると、突然
「止まりなさい!」
と後ろから呼び止められました。
振り返ると60歳位のポロシャツを着たおじさんが立っていました。
「アンタ、ここの人間じゃないね?」
と言われ、私は泣きながら首を縦に何度も振りました。
おじさんは、
「目をつむって、ゆっくり10歩まっすぐ進みなさい。絶対に目を開けてはいけないよ。本当に帰れなくなるから」
と真剣な顔をして言いました。
私は言われるがまま目をつむり、足を踏み出しました。
1歩、2歩、3歩……とゆっくり進んでいきます。
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「おい!」
と何者かに声をかけられました。
私は一瞬振り返りそうになりましたが、絶対に目を開けてはダメだと思い、無視して歩みを進めました。
10歩目を歩き終え、目を開けると、そこは入ってきた道の入り口でした。
振り返ると、おじさんはいなくなっていました。
私は走って家に帰りました。
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そしてもっと不思議なのが、あれから何度かあの辺りを歩いたんですけど、あの道が見つからないんですよね。
まぁ、もう行きたくはないんですけど。
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