67 / 100
第67夜 番頭のおっちゃん
しおりを挟む
よく行く銭湯が近所にありました。
自宅に風呂はあるのですが、馴染みの客たちと風呂上がりに脱衣所で談笑するのが楽しく、番頭のおっちゃんとも古い付き合いで仲が良かったので、週に1回くらいのペースで通っていました。
そんな銭湯が火事で全焼してしまったのです。
ボイラー室から出火した火事は、木造の銭湯をあっという間に燃やしつくし、逃げ後れた番頭のおっちゃんが帰らぬ人となりました。
私は憩いの場と古くからの友人を失い、とても落ち込みました。
銭湯の火事から数ヶ月経ったある日のことです。
自宅の風呂の湯船に浸かっていると、風呂場の曇りガラスに人影が映りました。
「最近うちに来んけど、どうしたんや?何かあったんか?」
それは、まぎれもなく番頭のおっちゃんの声でした。
懐かしいおっちゃんの声に、忽ち私の目からは涙があふれました。
「おっちゃん、あんたもう、死んでるんやで。銭湯も、もう、燃えてしもたんやで……」
と私が震える声で伝えると、
「そうか。そんな気がしとったんや。教えてくれて、ありがとうな」
と声がして、影がスッと消えていきました。
その翌日、私は花と線香を持って、銭湯の跡地に向かいました。
すると、誰にも連絡もしていないのに、そこには馴染みの仲間達が集結していました。
話を聞くと、皆、同じようにおっちゃんが訪ねてきたと言うのです。
私たちは、跡地で手を合わせ、おっちゃんの冥福を祈りました。
おっちゃん、天国に行けたかなぁ……。
自宅に風呂はあるのですが、馴染みの客たちと風呂上がりに脱衣所で談笑するのが楽しく、番頭のおっちゃんとも古い付き合いで仲が良かったので、週に1回くらいのペースで通っていました。
そんな銭湯が火事で全焼してしまったのです。
ボイラー室から出火した火事は、木造の銭湯をあっという間に燃やしつくし、逃げ後れた番頭のおっちゃんが帰らぬ人となりました。
私は憩いの場と古くからの友人を失い、とても落ち込みました。
銭湯の火事から数ヶ月経ったある日のことです。
自宅の風呂の湯船に浸かっていると、風呂場の曇りガラスに人影が映りました。
「最近うちに来んけど、どうしたんや?何かあったんか?」
それは、まぎれもなく番頭のおっちゃんの声でした。
懐かしいおっちゃんの声に、忽ち私の目からは涙があふれました。
「おっちゃん、あんたもう、死んでるんやで。銭湯も、もう、燃えてしもたんやで……」
と私が震える声で伝えると、
「そうか。そんな気がしとったんや。教えてくれて、ありがとうな」
と声がして、影がスッと消えていきました。
その翌日、私は花と線香を持って、銭湯の跡地に向かいました。
すると、誰にも連絡もしていないのに、そこには馴染みの仲間達が集結していました。
話を聞くと、皆、同じようにおっちゃんが訪ねてきたと言うのです。
私たちは、跡地で手を合わせ、おっちゃんの冥福を祈りました。
おっちゃん、天国に行けたかなぁ……。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる