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人生鬼ハードモード
【3日目】寝不足の遊び
しおりを挟む日曜日 眠杉は元気と一緒に、最新の4DX3Dアクション映画を観に来ていた。激しく揺れる座席、飛び出す映像。
だが、眠杉の口から出るのは「ふぁ~あ」という、大きなあくびだけだった。そんな中、映画中にこんなシーンがあった
「ガム一個あげる! ガム一個あげる! ガム一個あげる!」
元気は、それを聞いて大爆笑していた。眠杉は、眠すぎてそれどころではなかった。
映画が終わった後、外に出ると大雨だった。
元気の飲み物は、残ったままだったが、持ち歩くことにした
ビニール傘をさして数分後、元気の傘が風でやられてしまった
元気「あぁイタイ、イタイ、イタイ」
眠杉「どこが痛いんだよ」
元気「痛いわけではない!」
眠杉「え?」
元気「傘閉じたくても閉じれなくて、イタイイタイって言っていた」
眠杉「はぁ~そういうことなのか~」
頭が働かなくて、言っていることが理解できてなかった
ファミレス店でお昼を食べることにした
店員「フライドチキンです!」
眠杉「あれ?頼んだっけ?」
店員「こちらの席でこの商品は、ご注文されていませんか?」
眠杉「眠すぎて覚えてないっすね~」
元気「頼んでないですねー」
店員「すいませんでした!」
その後、注文したい商品を報告するためにベルを鳴らしたが、混雑していたため来なかった。
店員「お待たせしました 3回もベル鳴らしていましたよね」
眠杉「あ、ごめんなさい笑 ゆっくりで大丈夫ですよ!」
店員「いえいえ、ご注文の方お伺いしますね」といい注文した
元気「この飲み物どうしよう」
眠杉「袋あげるから、これにでも入れておきな」
元気「わかった、ありがとう」
会計時に店員さんに声をかけられた
店員「傘をお忘れですね?」
眠杉「あ、すいません ありがとうございます」
店をでて数分後
元気「あ、映画館の飲み物、あの店に置きっぱなしだ」
眠杉「いいよ 嫌がらせ行為をしたわけじゃないし」
元気「どうしよう、謝りに行こうかな」
眠杉「えらすぎかよ、でも忙しそうだったから返って迷惑になることもあるから、気持ちだけでよいと思うよ」
元気「えぇ、そんなぁ」
眠杉「だいたいねー、映画館で処分しないのが悪いんだよ」
元気「確かに ごめんー」
午後は、ボーリングをした。いつもの眠杉なら偶然のストライクで盛り上がるが、この日は違った。
投げたボールは、まるでピンを避けるかのように、ガターになってた。
最初は、ガターなしにしていたが、1ピンか2ピンしか倒れず意味がなかった。
ガターなしが慣れてないと思い、ガターありに変更してもらったが、それでも結果は変わらず、なんと5連続ガターノーヘッドだった。
運動して15時のおやつとしてアイスを食べることにした
6個入りのアイスを2人で分けた。(眠杉4個 元気2個)
いくら暑いとは言え、一人でアイスを4個も食べる人はなかなかいないであろう。
もし食べた場合、即行でトイレに行きたくなるはずが、びくともしなかった
元気「えぇ無敵じゃん!」
眠杉「僕は、アイスの王ともいわれてるくらい冷たいものには耐性があるのだ!」
元気「すごいよ笑笑」
目の前でめっちゃトイレに行きたそうなおじさんを発見!
眠杉「おぉ!いいこと思いついたーん!」
元気「え?笑笑」
おじさんは、トイレに向かっていた その後ろを眠杉が追いかけていた。元気は、それを見て大爆笑していた。
眠杉「いや、追いかけてないから 自分がトイレ行きたかっただけだし」
元気「うそっ笑笑」
眠杉「ほんとだわ!」
その時、偶然会社の先輩である物知先輩に会った
物知先輩「お、眠杉くんじゃん 偶然だね~ ちょうど君に聞きたいことがあったんだ。最近、海外旅行を計画しててね。何かアドバイスは…」
眠杉の心「え… 海外には一度も行ったことない…」
元気「え?海外旅行、行ったことあるんだっけ?」
眠杉「あー、海外旅行ですね!先輩、大事なのは言葉じゃないんですよ! 大切なのは、勇気と自信です!
道に迷ったら、空を見上げて一番高い建物を目指せば、大体中心街に戻れます。これ、世界の常識なので!」
めちゃくちゃなアドバイスに、なぜか先輩は納得していた
物知先輩「なるほど!一番高い建物か!それは盲点だったよ、ありがとう、眠杉君!」
眠杉は、寝不足パワーのおかげで、「根拠のない発言に、奇妙な説得力を持たせる」という、不思議な力を実感した
電車を待っているとき、1組の家族が休んでいた
子供「お兄ちゃん、絵が上手なんでしょ? 犬の絵、描いてみて」
眠杉「えぇ~ 絵をかくのか~」
元気「描いてあげなよ~」
眠杉「しゃーない!日本一の絵を描いてやるよ!」といいペンを取り出し描き始めた
眠杉「はいっ 描き終わったー!」
みんな「え?笑笑」
なんと完成した絵は、謎の生物だった
子供「あはは!なにこれ、犬に見えなーい!」
眠杉「これが日本一の絵だ!!」
元気「そういうことか!」
眠杉「そうそう!上手いとは言ってないからね!
日本一の絵としか言ってない!→【日本一下手な犬】で有名人になるわ」
その異常なテンションに、元気も子供の母もドン引きしている
その夜、眠杉は30人分のアンケートを眺めながら、ジグソーパズルをはめるように、あっという間に全員が納得する完璧な席順を完成させてしまったのだった。
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