28 / 58
激突
しおりを挟む
大量のバンパイアに囲まれた騎士ブレイブだったが、ことごとく打ち破っていった。
「キィイイエエエエエエ!」
ザンゲキが最後の一人にトドメをさす。
「ふぅ・・・何とかなったな・・・。」
仲間達の状態を確認する。
かなり消耗しているようだ・・・体中傷だらけ、魔術も奇跡もあまり使えそうにない。
「疲れているね。これ以上は厳しいかな?」
「貴様達の方が厳しいんじゃないか?手下どもは全員倒したぞ。」
「たしかに素晴らしい強さだ。その強さに免じて相手をしてあげよう。」
「それはありがたい。2対6だが文句はあるまいな?」
すると不老不死の魔導士は少し笑って、
「いや、わたしだけで相手をしよう。ここまで戦った君たちへの褒美だ。」
と提案してきた。
「本気か?」
「もちろんだ。」
奴が指示を出すと、一度礼をしてバンパイアロードは影に染み入るように消えて行った。
皺くちゃな表情からは、真意を読み取れない。
「奴の意図が読めない・・・アウグスト、どう思う?」
「考えられるのは、1人で戦うと油断させてからの・・・バンパイアロードとバンパイア達の奇襲。」
「なるほど・・・たしかにそれは考えられるな。」
「ミリアム、君は周りの様子に気を配ってくれ。」
「了解。」
私達は陣形を組み、奴と向かい合う。
「始めてもいいかい?」
「ああ、いつでもいいぞ。」
「ではさっそく・・・。」
そう言うと、魔導士は指を俺達に向けて魔術を放った。
「すべての敵を殲滅せよ・・・メテオブラスト《爆裂》!」。
(いきなり最強呪文か!)
「マリーシャ、アウグスト!」
「「災いから友を守りたまえ・・・マジックシールド《魔防壁》!」」
魔術によってパーティ全員を光の障壁が2重にはられ、爆発のダメージを軽減する。
「ほう、重ねる事によってダメージを軽減したか。やるじゃないか。」
奴はニタニタしている。
「みんな大丈夫か。」
素早く味方の損害を確認する。
全員無事とはいかないが、吹き飛ばされた者はいない。
「よし、一気に間合いをつめるぞ!」
魔術師は打たれ弱い・・・つまり近づかれる前に最強呪文をぶっ放すのは想定済だった。
つまり近づけば勝機はある。
「ではもう一発耐えられるかな?」
奴が右腕を前に出し、攻撃態勢に入った。
「させるか!」
阻止するべく、ザンゲキは敵に素早く接近し一閃する。
その一撃が奴の体を両断する!
「キィェエエエエエエ!」
それだけでは終わらない。彼が奇声を上げながら容赦ない連続攻撃がヒットする。
それで奴の体は細切れになった・・・はずだった。
「どういうことだ?」
私も攻撃に参戦すべく近づいて奴を見たが全くの無傷だ。
着用しているローブはズタズタなのに、肉体には傷一つもない。
「刃が通らない・・・魔術のたぐいなのか・・でゴザル。」
ザンゲキは一度間合いを取り、相手の姿を茫然と見ている。
しかし、俺達の様子など意に介さずまた指から魔術を放つ。
「すべての敵を殲滅せよ・・・メテオブラスト《爆裂》!」。
光が私達の近くを通りすぎ、後ろで大爆発が起こる。
急いで振り返ると、待機していた4人の仲間達が吹き飛んでいた。
息があるのかわからないが、全員グッタリしている。
(こんな事になるとは・・・。)
「キィィェエエエエエエエ!」
ザンゲキは闇雲に攻撃を繰り出している。
効いている様子はない、それどころか刃の方が欠けている。
「君うるさいね。」
奴はけだるげに喋ると、体が膨張しはじめ、ドンドン強大化し始めた。
ローブがはじけ飛び、太い腕がザンゲキの首を掴み締めあげる。
何が起こったか理解できなかったが、彼を救うために叫びながら相手に攻撃を仕掛ける。
「貴様あああ!ザンゲキを離せええええ!」
奴の腕に渾身の一撃を繰り出すが、頑強な皮膚にはじかれてしまう。
(なんだ・・・刃が通らない。これがあの皺くちゃの老人の体か?)
その後も巨大化が進み、いつの間にか6mほどの巨体になっていた。
曲がりくねった巨大な角、血を思わせる赤い目、膨れ上がった鋼鉄の筋肉・・・そしてヌメヌメと光る紫色の肉体。
「まさか・・・グレーターデーモンか?!」
すると怪物は醜悪な顔でニタァと笑い、手の中でもがいているザンゲキを壁に放り投げた。
「ザンゲキ!」
壁に叩きつけられたザンゲキはピクリとも動かない。
生死は不明だが、動く事すら出来ない状態なのは理解出来た。
「グハハハハ、我はアークデーモン!そんな低レベルの連中と一緒にスルナ!」
「なんだと?人の言葉を理解できるのか?」
「アタリマエダ、貴様ら程度の言語など簡単・・・と言ってもこの体のおかげだがな・・・グハハハハ!」
「体・・・まさか魔導士の体を乗っ取ったのか?」
「ソウダ・・・が、今の肉体は別人ダガナ!」
「どういう事だ?」
「ワレラはこの世界での肉体をモタナイ。仮初の肉体がいる・・・だから呼び出した魔導士の体を乗っ取った。だが残念ながら人間は不老不死ではナイ。」
その時、奴が話していた質問の答えが脳裏に浮かんだ。
〈不老ではないし、不死でもないが・・・永遠ではある〉
「まさか!体を入れ替えて存在し続けているのか?!」
「なかなか頭の回転がはやいじゃナイカ・・・。」
「この迷宮は貴様が代わりの肉体を得るために作ったというわけか!」
「ホォ・・・なかなかの推理力だ。だが、この迷宮は魔導士が作った物だ。目的は知らないが、我にとっては都合が良かったので利用させてもらっただけの事。」
(何という事だ。奴が伝説級の存在アークデーモンだったとは・・・。私以外もう戦える者はいない、勝ち目はないだろう・・。)
「キィイイエエエエエエ!」
ザンゲキが最後の一人にトドメをさす。
「ふぅ・・・何とかなったな・・・。」
仲間達の状態を確認する。
かなり消耗しているようだ・・・体中傷だらけ、魔術も奇跡もあまり使えそうにない。
「疲れているね。これ以上は厳しいかな?」
「貴様達の方が厳しいんじゃないか?手下どもは全員倒したぞ。」
「たしかに素晴らしい強さだ。その強さに免じて相手をしてあげよう。」
「それはありがたい。2対6だが文句はあるまいな?」
すると不老不死の魔導士は少し笑って、
「いや、わたしだけで相手をしよう。ここまで戦った君たちへの褒美だ。」
と提案してきた。
「本気か?」
「もちろんだ。」
奴が指示を出すと、一度礼をしてバンパイアロードは影に染み入るように消えて行った。
皺くちゃな表情からは、真意を読み取れない。
「奴の意図が読めない・・・アウグスト、どう思う?」
「考えられるのは、1人で戦うと油断させてからの・・・バンパイアロードとバンパイア達の奇襲。」
「なるほど・・・たしかにそれは考えられるな。」
「ミリアム、君は周りの様子に気を配ってくれ。」
「了解。」
私達は陣形を組み、奴と向かい合う。
「始めてもいいかい?」
「ああ、いつでもいいぞ。」
「ではさっそく・・・。」
そう言うと、魔導士は指を俺達に向けて魔術を放った。
「すべての敵を殲滅せよ・・・メテオブラスト《爆裂》!」。
(いきなり最強呪文か!)
「マリーシャ、アウグスト!」
「「災いから友を守りたまえ・・・マジックシールド《魔防壁》!」」
魔術によってパーティ全員を光の障壁が2重にはられ、爆発のダメージを軽減する。
「ほう、重ねる事によってダメージを軽減したか。やるじゃないか。」
奴はニタニタしている。
「みんな大丈夫か。」
素早く味方の損害を確認する。
全員無事とはいかないが、吹き飛ばされた者はいない。
「よし、一気に間合いをつめるぞ!」
魔術師は打たれ弱い・・・つまり近づかれる前に最強呪文をぶっ放すのは想定済だった。
つまり近づけば勝機はある。
「ではもう一発耐えられるかな?」
奴が右腕を前に出し、攻撃態勢に入った。
「させるか!」
阻止するべく、ザンゲキは敵に素早く接近し一閃する。
その一撃が奴の体を両断する!
「キィェエエエエエエ!」
それだけでは終わらない。彼が奇声を上げながら容赦ない連続攻撃がヒットする。
それで奴の体は細切れになった・・・はずだった。
「どういうことだ?」
私も攻撃に参戦すべく近づいて奴を見たが全くの無傷だ。
着用しているローブはズタズタなのに、肉体には傷一つもない。
「刃が通らない・・・魔術のたぐいなのか・・でゴザル。」
ザンゲキは一度間合いを取り、相手の姿を茫然と見ている。
しかし、俺達の様子など意に介さずまた指から魔術を放つ。
「すべての敵を殲滅せよ・・・メテオブラスト《爆裂》!」。
光が私達の近くを通りすぎ、後ろで大爆発が起こる。
急いで振り返ると、待機していた4人の仲間達が吹き飛んでいた。
息があるのかわからないが、全員グッタリしている。
(こんな事になるとは・・・。)
「キィィェエエエエエエエ!」
ザンゲキは闇雲に攻撃を繰り出している。
効いている様子はない、それどころか刃の方が欠けている。
「君うるさいね。」
奴はけだるげに喋ると、体が膨張しはじめ、ドンドン強大化し始めた。
ローブがはじけ飛び、太い腕がザンゲキの首を掴み締めあげる。
何が起こったか理解できなかったが、彼を救うために叫びながら相手に攻撃を仕掛ける。
「貴様あああ!ザンゲキを離せええええ!」
奴の腕に渾身の一撃を繰り出すが、頑強な皮膚にはじかれてしまう。
(なんだ・・・刃が通らない。これがあの皺くちゃの老人の体か?)
その後も巨大化が進み、いつの間にか6mほどの巨体になっていた。
曲がりくねった巨大な角、血を思わせる赤い目、膨れ上がった鋼鉄の筋肉・・・そしてヌメヌメと光る紫色の肉体。
「まさか・・・グレーターデーモンか?!」
すると怪物は醜悪な顔でニタァと笑い、手の中でもがいているザンゲキを壁に放り投げた。
「ザンゲキ!」
壁に叩きつけられたザンゲキはピクリとも動かない。
生死は不明だが、動く事すら出来ない状態なのは理解出来た。
「グハハハハ、我はアークデーモン!そんな低レベルの連中と一緒にスルナ!」
「なんだと?人の言葉を理解できるのか?」
「アタリマエダ、貴様ら程度の言語など簡単・・・と言ってもこの体のおかげだがな・・・グハハハハ!」
「体・・・まさか魔導士の体を乗っ取ったのか?」
「ソウダ・・・が、今の肉体は別人ダガナ!」
「どういう事だ?」
「ワレラはこの世界での肉体をモタナイ。仮初の肉体がいる・・・だから呼び出した魔導士の体を乗っ取った。だが残念ながら人間は不老不死ではナイ。」
その時、奴が話していた質問の答えが脳裏に浮かんだ。
〈不老ではないし、不死でもないが・・・永遠ではある〉
「まさか!体を入れ替えて存在し続けているのか?!」
「なかなか頭の回転がはやいじゃナイカ・・・。」
「この迷宮は貴様が代わりの肉体を得るために作ったというわけか!」
「ホォ・・・なかなかの推理力だ。だが、この迷宮は魔導士が作った物だ。目的は知らないが、我にとっては都合が良かったので利用させてもらっただけの事。」
(何という事だ。奴が伝説級の存在アークデーモンだったとは・・・。私以外もう戦える者はいない、勝ち目はないだろう・・。)
1
あなたにおすすめの小説
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
ホームレスは転生したら7歳児!?気弱でコミュ障だった僕が、気づいたら異種族の王になっていました
たぬきち
ファンタジー
1部が12/6に完結して、2部に入ります。
「俺だけ不幸なこんな世界…認めない…認めないぞ!!」
どこにでもいる、さえないおじさん。特技なし。彼女いない。仕事ない。お金ない。外見も悪い。頭もよくない。とにかくなんにもない。そんな主人公、アレン・ロザークが死の間際に涙ながらに訴えたのが人生のやりなおしー。
彼は30年という短い生涯を閉じると、記憶を引き継いだままその意識は幼少期へ飛ばされた。
幼少期に戻ったアレンは前世の記憶と、飼い猫と喋れるオリジナルスキルを頼りに、不都合な未来、出来事を改変していく。
記憶にない事象、改変後に新たに発生したトラブルと戦いながら、2度目の人生での仲間らとアレンは新たな人生を歩んでいく。
新しい世界では『魔宝殿』と呼ばれるダンジョンがあり、前世の世界ではいなかった魔獣、魔族、亜人などが存在し、ただの日雇い店員だった前世とは違い、ダンジョンへ仲間たちと挑んでいきます。
この物語は、記憶を引き継ぎ幼少期にタイムリープした主人公アレンが、自分の人生を都合のいい方へ改変しながら、最低最悪な未来を避け、全く新しい人生を手に入れていきます。
主人公最強系の魔法やスキルはありません。あくまでも前世の記憶と経験を頼りにアレンにとって都合のいい人生を手に入れる物語です。
※ ネタバレのため、2部が完結したらまた少し書きます。タイトルも2部の始まりに合わせて変えました。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが
初
ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。
魔王メーカー
壱元
ファンタジー
その少女は『魔王』になるべくして創られたーー
辺境の地のごく普通の農民夫婦の間に生まれた、黄金の目と髪を持つ美少女。
魔法、語学、創造力に長けた神童は、無知な村人達に「悪魔」と呼ばれて恐れられ、迫害を受けるようになる。
大切な人にも見捨てられ、全てを失った彼女は村を脱し、自由を得る。しかし、その代償は大きかった。彼女はその無垢な心に傷を負い、ある人物との接触をきっかけに、その力を世界への復讐に用いるようになっていく...。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる