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颯爽
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その時、凛とした声が酒場に響きわたった。
「静まりなさい!まずは私の話を聞いてくれますか!」
その声の主に一斉に注目が集まり、今まで騒いでいた連中が一気に静まった。
俺も気になってその人物の姿を確認しようとするが、人の壁でまるで見えない。
「道を開けてもらえますか?」
その声が不思議な力を持つように、人込みがパックリと割れて道が出来る。
俺は何とか隙間からその姿を視認すると、銀色の鎧をまとった金髪碧眼の女性が颯爽と歩いていた。
もちろん彼女はよく知っている人物、戦乙女アリアだ。
相変わらず美しい姿だが、前より豪奢な鎧とマントがさらに神々しさを与えてた。
そのまま倒れているダレスの前まで来ると、跪いて手を当てる。
「この者の傷を癒し塞ぎたまえ・・・・ヒーリング《快癒》!」
彼女の奇跡によって、変な方向に曲がっていた足が治っていく。
意識はもどらないようだが、直っている途中は激痛らしいので彼にとっては良かったおかも知れない。
その光景を見ていた、ダレスの仲間達は喜びや感謝ではなく、警戒の目で彼女を見ていた。
「戦乙女アリア・・・何の真似だ?」
彼女は連中をチラリと見た後、立ち上がって冒険者達に説明する。
「私は戦乙女アリア、あなた達と同じ冒険者です。皆知っていると思いますが、今まで迷宮内で冒険者に襲われるという事が度々ありました。特に最近はバンパイア化している冒険者達が中層に出現するという報告もあります。」
その説明を聞いて、各々納得する事があるようだ。
「ああ、それは噂で聞いたな。」
「俺はあった事ないが、襲われた奴がいるらしいぞ。」
「俺達は襲われたぞ。変な仮面を付けた連中だ。」
「俺は話かけられた後、ガツンだ。気絶している間に身ぐるみはがされた。全身鎧をつけて鉄仮面をつけていたから誰かわからんが・・・。」
「俺は返り討ちにしてやったぞ。一人倒したら倒したら逃げて行った。」
彼女は説明を続ける。
「アークデーモンが冒険者をバンパイア化していたのは事実です。しかし、そのほとんどが騎士ブレイブ達によって退治されて消えてなくなりました。もし、生き残りや新たなバンパイアだったとしても、彼らの操り人形にすぎません。自らの意志などありません。」
すると、今まで黙っていたシュラが口をはさんだ。
「つまり、何が言いたい?」
「つまり・・・バンパイア化した冒険者が襲っているというのはデタラメです。」
「デタラメ?嘘という事か?」
「そうです。つまり嘘の噂を流して、冒険者を襲った罪をなすり付けようとしたのです・・・そして・・・。」
彼女はスッとダレス達を指さして言った。
「彼らがその犯人なのです。」
冒険者達はまたざわめく。
しかし、犯人扱いされた連中に焦った様子はない。
「俺達が噂を広めた犯人?冒険者を襲った犯人?そっちの方がデタラメだろう。証拠はあるのか?」
「ダオス、来てくれる?」
その呼びかけに答えて、人込みの中から剣を携えた緑色の髪の少年が出てきた。
彼の容姿にはなぜか見覚えがあったが・・・思いだせない。
「彼のパーティは迷宮3階で全滅しました。しかし、魔物に襲われたわけではなく、話しかけてきた冒険者の連中が突然攻撃してきて全滅したのです。」
(ああ!思い出した!バナザードと助け出した、死体になってたアリアの後輩か!)
あの時、1人だけ死体を確認したが、それが彼だった。
怖かったので顔ははっきりと見ていないが、特徴的な緑色の髪色だけ覚えていた。
「それが俺達がやったと言いたいのか?」
「ええ、それをダオスが証明してくれます。」
そう言われると、ダオスと言われた少年は一歩前に出て告白をし始めた。
「静まりなさい!まずは私の話を聞いてくれますか!」
その声の主に一斉に注目が集まり、今まで騒いでいた連中が一気に静まった。
俺も気になってその人物の姿を確認しようとするが、人の壁でまるで見えない。
「道を開けてもらえますか?」
その声が不思議な力を持つように、人込みがパックリと割れて道が出来る。
俺は何とか隙間からその姿を視認すると、銀色の鎧をまとった金髪碧眼の女性が颯爽と歩いていた。
もちろん彼女はよく知っている人物、戦乙女アリアだ。
相変わらず美しい姿だが、前より豪奢な鎧とマントがさらに神々しさを与えてた。
そのまま倒れているダレスの前まで来ると、跪いて手を当てる。
「この者の傷を癒し塞ぎたまえ・・・・ヒーリング《快癒》!」
彼女の奇跡によって、変な方向に曲がっていた足が治っていく。
意識はもどらないようだが、直っている途中は激痛らしいので彼にとっては良かったおかも知れない。
その光景を見ていた、ダレスの仲間達は喜びや感謝ではなく、警戒の目で彼女を見ていた。
「戦乙女アリア・・・何の真似だ?」
彼女は連中をチラリと見た後、立ち上がって冒険者達に説明する。
「私は戦乙女アリア、あなた達と同じ冒険者です。皆知っていると思いますが、今まで迷宮内で冒険者に襲われるという事が度々ありました。特に最近はバンパイア化している冒険者達が中層に出現するという報告もあります。」
その説明を聞いて、各々納得する事があるようだ。
「ああ、それは噂で聞いたな。」
「俺はあった事ないが、襲われた奴がいるらしいぞ。」
「俺達は襲われたぞ。変な仮面を付けた連中だ。」
「俺は話かけられた後、ガツンだ。気絶している間に身ぐるみはがされた。全身鎧をつけて鉄仮面をつけていたから誰かわからんが・・・。」
「俺は返り討ちにしてやったぞ。一人倒したら倒したら逃げて行った。」
彼女は説明を続ける。
「アークデーモンが冒険者をバンパイア化していたのは事実です。しかし、そのほとんどが騎士ブレイブ達によって退治されて消えてなくなりました。もし、生き残りや新たなバンパイアだったとしても、彼らの操り人形にすぎません。自らの意志などありません。」
すると、今まで黙っていたシュラが口をはさんだ。
「つまり、何が言いたい?」
「つまり・・・バンパイア化した冒険者が襲っているというのはデタラメです。」
「デタラメ?嘘という事か?」
「そうです。つまり嘘の噂を流して、冒険者を襲った罪をなすり付けようとしたのです・・・そして・・・。」
彼女はスッとダレス達を指さして言った。
「彼らがその犯人なのです。」
冒険者達はまたざわめく。
しかし、犯人扱いされた連中に焦った様子はない。
「俺達が噂を広めた犯人?冒険者を襲った犯人?そっちの方がデタラメだろう。証拠はあるのか?」
「ダオス、来てくれる?」
その呼びかけに答えて、人込みの中から剣を携えた緑色の髪の少年が出てきた。
彼の容姿にはなぜか見覚えがあったが・・・思いだせない。
「彼のパーティは迷宮3階で全滅しました。しかし、魔物に襲われたわけではなく、話しかけてきた冒険者の連中が突然攻撃してきて全滅したのです。」
(ああ!思い出した!バナザードと助け出した、死体になってたアリアの後輩か!)
あの時、1人だけ死体を確認したが、それが彼だった。
怖かったので顔ははっきりと見ていないが、特徴的な緑色の髪色だけ覚えていた。
「それが俺達がやったと言いたいのか?」
「ええ、それをダオスが証明してくれます。」
そう言われると、ダオスと言われた少年は一歩前に出て告白をし始めた。
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