1 / 4
1話
しおりを挟む僕、涼風冬華は子供の頃。Ωだと診断された。
お母さんやお父さんにはΩというだけで見放され。友達も僕をイジメるようになった。毎日ヒートを抑えるための薬を飲んで、正直学校なんて行きたくなかった。
でも。
「今の僕は、超幸せです!!」
何故かって?
「ふふふ……実は、恋人が出来たからです!!」
しかもその人は男でα。名前は桜田春人。
僕より七つ年上で、仕事では大先輩。社長からもお墨付きの優秀な人材らしい。
少し皺が入った小顔に似合う、薄い銀色フレーム眼鏡を愛用しており。仕事でも普段でも難しい顔つきをしている。正直笑った顔なんてほとんど見たことが無い。
口数も少ないせいか、親しくする話す人なんて多分僕くらい。
因みに僕は社会人になってまだ一年目の、若手社員だ。
だから余計、そんな僕と春人さんが親し気にしているのを他の人達は心底驚いている。
だいたい皆は、春人さんの魅力を知らなさすぎなのだ。
一見堅苦しそうな人だけど、意外と猫好きだし。人に触れられるのに慣れてないせいなのか、僕の指が当たっただけでビクッと震えちゃうくらい初心。
「あぁ~ホント。早く抱きたい」
付き合って半年。
軽いキスくらいはしたし、次の段階に登ってもいいと思うんだ。
でも僕はΩ。
春人さんはα。
僕はどちらかというと可愛い系で、しかも年下。春人さんはクール系で、しかも年上でエリート。
「絶対向こうは、抱くつもりだよなぁ……」
「知らねぇよ、お前のホモ事情なんて」
「友達だろうが!!悩みくらい聞いてよ!!」
「お前の悩みは毎回ホモ関係だろうが!!これだからΩは」
「あぁ!!今差別発言したぁ!!今はそういう発言が一番バッシングされるんだからな!!」
「うるせぇ!!お前は特別だ!!」
仕事帰り。
僕は春人さんとの性事情の悩みを、数少ない友人に相談している。
Ωは男女関係なくαと番になることが出来る。つまり男同士でも結婚することができ、Ωは子供を産むことも出来る。
だからこそ世間は、自然にΩが女役になると思われている。どのAVやエロ本を見ても、Ωは必ずネコでαやβがタチだ。
「でも僕も男だよ!?好きな人に突っ込みたいと思って何が悪いんだ!!」
「じゃあなんで可愛い系キャラ貫いてんだよ」
「いや、そっちのほうが色々都合がいいんだよねぇ~~。皆色々やってくれるし~~」
「ゲス!!」
「煩いなぁ~。それよりどうしたら春人さんが僕にケツを差し出してくれると思う?」
「言い方ゲス!!」
僕の性の悩みに若干引く友達だが「僕のおごりだから」と言ってビールを差し出せば、友人はなんともキラキラした顔でこう言った。
「じゃあカッコよく振舞えばよくね?抱かれたい!って思わせる位にさ」
その言葉に僕は、性のことでしか働かない頭をフル回転させた。
確か明後日は、僕も春人さんも休み。
ならば。
「デートに誘い。春人さんを僕に抱かれたいと思わせてやる。作戦開始だ!!」
「どうして俺は、こんな奴と友達なんだろう」
3
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染みの俺とあいつ
彩森ゆいか
BL
対等だと思っていたのに、俺はオメガであいつはアルファだった
生まれた頃から近所で暮らす、幼馴染みだった来人と貴彦
運命が分かれたのは、13歳の誕生日に行われる血液検査だった
オメガバース
アルファ×オメガ
フジョッシーにも掲載しています
あなたが生まれてきた理由
万里
BL
28歳の学校用務員・保科宗一(Ω)は、母の勧めでお見合いに臨む。 顔に残る傷痕と、男性のΩという希少な性質から、恋愛に縁がなく、自分が誰かに好かれることなど考えたこともなかった。
ところが、料亭の一室で待っていたのは、同じ職場の公民教師・新田功史朗(α)だった。 穏やかで物静かな新田は、宗一の境遇を受け止め、驚くことなく「付き合ってみないか」と提案する。
戸惑いながらも、宗一はその言葉に心を動かされる。
久しぶりの発情期に大好きな番と一緒にいるΩ
いち
BL
Ωの丞(たすく)は、自分の番であるαの かじとのことが大好き。
いつものように晩御飯を作りながら、かじとを待っていたある日、丞にヒートの症状が…周期をかじとに把握されているため、万全の用意をされるが恥ずかしさから否定的にな。しかし丞の症状は止まらなくなってしまう。Ωがよしよしされる短編です。
※pixivにも同様の作品を掲載しています
八月は僕のつがい
やなぎ怜
BL
冬生まれの雪宗(ゆきむね)は、だからかは定かではないが、夏に弱い。そして夏の月を冠する八月(はつき)にも、弱かった。αである八月の相手は愛らしい彼の従弟たるΩだろうと思いながら、平凡なβの雪宗は八月との関係を続けていた。八月が切り出すまでは、このぬるま湯につかったような関係を終わらせてやらない。そう思っていた雪宗だったが……。
※オメガバース。性描写は薄く、主人公は面倒くさい性格です。
事故つがいΩとうなじを噛み続けるαの話。
叶崎みお
BL
噛んでも意味がないのに──。
雪弥はΩだが、ヒート事故によってフェロモンが上手く機能しておらず、発情期もなければ大好きな恋人のαとつがいにもなれない。欠陥品の自分では恋人にふさわしくないのでは、と思い悩むが恋人と別れることもできなくて──
Ωを長年一途に想い続けている年下α × ヒート事故によりフェロモンが上手く機能していないΩの話です。
受けにはヒート事故で一度だけ攻め以外と関係を持った過去があります。(その時の記憶は曖昧で、詳しい描写はありませんが念のため)
じれじれのち、いつもの通りハピエンです。
少しでも楽しんでいただければ幸いです。よろしくお願いします。
こちらの作品は他サイト様にも投稿しております。
ベータの俺にもチャンスがあるなら
ひきこ
BL
アルファとオメガが大多数を占める世界、ベータの俺はアルファだと思われ生きてきた。
生徒会副会長の俺は密かに会長のことが好きだったが、彼はアルファだから番になれない自分は無理だと諦め、生徒会での頼れる相棒として一緒にいられるだけでいいと思っていたけれど。
そんなある日、性的に襲われかけた会長を俺が鎮めるチャンス(?)が到来ーー!?
※オメガバースの世界観をお借りした独自設定です
※ハッピーエンドですが、シンデレラストーリー的な話ではなく普通のBLです
拙作「出来損ないベータの明日はどっちだ?」と同じ世界線の話ですが、特に重なりはないため単独でお読み頂けます。
他サイトにも掲載。
俺はつがいに憎まれている
Q矢(Q.➽)
BL
最愛のベータの恋人がいながら矢崎 衛というアルファと体の関係を持ってしまったオメガ・三村圭(みむら けい)。
それは、出会った瞬間に互いが運命の相手だと本能で嗅ぎ分け、強烈に惹かれ合ってしまったゆえの事だった。
圭は犯してしまった"一夜の過ち"と恋人への罪悪感に悩むが、彼を傷つける事を恐れ、全てを自分の胸の奥に封印する事にし、二度と矢崎とは会わないと決めた。
しかし、一度出会ってしまった運命の番同士を、天は見逃してはくれなかった。
心ならずも逢瀬を繰り返す内、圭はとうとう運命に陥落してしまう。
しかし、その後に待っていたのは最愛の恋人との別れと、番になった矢崎の
『君と出会いさえしなければ…』
という心無い言葉。
実は矢崎も、圭と出会ってしまった事で、最愛の妻との番を解除せざるを得なかったという傷を抱えていた。
※この作品は、『運命だとか、番とか、俺には関係ないけれど』という作品の冒頭に登場する、主人公斗真の元恋人・三村 圭sideのショートストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる