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第2章 成長
試し打ち
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「どうしてこうなった……。」
ガルドとロアに寄って積み上げられていく大量のオークの死体の山と血の海を前に俺は思わず呟いた。
事の発端は昨日作った装飾品の効果を試すために森に来たのだがロアが大量のオークの匂いを嗅ぎとったのが始まりだ。
ロアに乗ってオークの集落を見つけたのはいいが思ったより大きかったのでギルドに報告して人を回してもらおうと思ったのだが先走ったガルドとそれに続いたロアによって集落のど真ん中に連れてこられるとオークとの全面戦争になってしまった。
大剣を軽々と振り回すガルドと高速で走り回るロアにより集落は蹂躙され、俺の所にきたオークは俺が魔法を使う前にバラムが放った小バラムが形状変化と硬化で体を針のように尖らせ、転倒させて頭を串刺しにして倒してしまった。
すべてバラムの意識で動いている事を考えると某ロボット戦士の無線式オールレンジ攻撃兵器のようだ。
「アレを操るのもDEXの影響を受けてんのかな……。」
足を串刺しにして転倒させるスライムと転倒時に頭の位置に潜り込んで串刺しにするスライムの連携を思い出しながら俺は呟いた。
オークを倒しきった今はガルドとロアにオークの死体を一ヶ所に集めてもらっている。
「結局俺は試し打ちできなかったな。」
「(妻よ、集め終わったぞ。どうしたのだ?)」
俺が右手首のバングルに目を落としているとガルドとロアが戻って来た。
「(みんなが頼もしすぎて俺の出番がなかったな~って考えてただけだよ。)」
「(ご主人様は僕達が守るからそれでいいんじゃないですか?)」
「(バラムもご主人さま守るよ。)」
「(うむ、妻を守るのは夫である我等の役目だ。)」
「(守るって言うなら集落に突っ込むような危ないことはしてほしくないんだけど。)」
守ると言いつつ危ない所に突っ込んでいく三人にジト目を向けるとガルドとロアは若干焦りだした。
「(む、その、あれだ。力をふるうことも魔物の役目だ。)」
「(ご主人様のために魔物を狩ってくるのも役目ですし。)」
「はぁ~。(そこまで焦らなくていいよ。でも、こっちは4人なんだから集団を相手にするときは気を付けてね。)」
俺はそう言って積み上げられたオークの死体の山に向かうとバングルに魔力を流した。
「確認は回収作業でするしかないか。」
そのまま異空間収納を発動すると地面に穴が開き、死体の山を飲み込んでいく。
「昨日も感じたけど効率がいいな。それに術の構築がしやすくなってる。」
特化型、純ミスリル、準魔晶石の組み合わせは伊達じゃないな。
オークの死体の回収を終えるとオーク達が住んでいたボロ小屋が目に留まった。
「別に試し打ちは魔物でなくてもいいか。」
俺は一番近い小屋を目標に設定すると以前と同じ魔力量でショックを発動する。途端に小屋は小刻みに震え、ベキベキと音を立てて崩壊していく。
「揺さぶって気絶させる魔法だから建物を壊すような威力はないはずなんだけどな…。」
予想以上に強くなった魔法が起こした結果を呆然と眺める。
「せっかくだし以前思いついた魔法も発動できないか試してみるか。」
俺は以前、空間魔法の本を読んだ時に思いついた魔法を試すため、別の小屋を標的に術を組んでいく。
インパクトの応用で空間に干渉して瞬間的な衝撃じゃなくて継続的に上から押しつぶすように。術名はそうだな…。
「グラビティフォール!」
術を発動すると標的を中心に地面が沈み、小屋が押し潰されて倒壊していく。
「成功だけど、これは加減を覚えないとな。」
倒壊して地面にめり込んだ小屋だった残骸を見て、生き物に使った時の悲惨さを想像して身震いをする。
「(うわぁ~、ペチャンコですよ。)」
「(ふむ、なかなかの威力だな。これは新しい魔法か?)」
「(あぁ。こうして自分で魔法を考えてみると空間魔法は幅広く応用が利くのがわかるな。そういえばロアは闇魔法が使えたよな?使ってるのは初めて会った時しか見たことがないけどどんなことができるんだ?)」
俺は初めてロアにあった時に影に拘束されたことを思い出す。
「(えっ!僕の魔法ですか?僕が使えるのはシャドウバインドっていう影を伸ばして捕まえる魔法とシャドウミストっていう黒い霧でなにも見えないようにするだけですよ。)」
「(シャドウバインドか。結構自由に動かせるみたいだな。)」
「(傷つけないようにするにはいいんですけどまどろっこしくて苦手なんですよ。倒すならパッと近づいて爪で薙ぎ払う方が早いですから。)」
う~ん、どうも肉体派というか戦闘狂というか魔法より肉弾戦派が多いな。けど、闇魔法で影を操れるならこっちも応用が利きそうなんだよな。
「(闇魔法で影が操れるなら捕縛だけじゃなくてバラムが体を槍状にして串刺しにしたみたいに影を槍状に伸ばしたりできるんじゃないか?)」
「(う~ん。できるとは思いますけど。あまり意味がないような…。)」
肉弾戦派のロアからはあまり乗り気でない反応だが影を武器にできるならかなり便利になるはずだ。
「(そんなことないぞ。外皮が硬くてなかなか倒せない敵の口から影を送り込んでから槍状に延ばせば内側から傷つけて倒したりできるんじゃないか?)」
「(なるほど!面白い戦い方ですね。)」
「あとは影を剣とか刃物状にして振り回しながら駆け抜けるとか。爪で引き裂く時みたいに動きが止まらないから殲滅能力が上がるかもな。)」
「(ふむ、いろいろな戦い方を考えつくのだな。)」
「(まあね。)」
前世の漫画やアニメで色々見てきたから考えられる発想かもしれないな。
「(じゃあ今日は帰るか。大量のオークの解体依頼も出さないといけないしな。)」
こうして装飾品の効果検証を終えて俺達は街に戻った。
ガルドとロアに寄って積み上げられていく大量のオークの死体の山と血の海を前に俺は思わず呟いた。
事の発端は昨日作った装飾品の効果を試すために森に来たのだがロアが大量のオークの匂いを嗅ぎとったのが始まりだ。
ロアに乗ってオークの集落を見つけたのはいいが思ったより大きかったのでギルドに報告して人を回してもらおうと思ったのだが先走ったガルドとそれに続いたロアによって集落のど真ん中に連れてこられるとオークとの全面戦争になってしまった。
大剣を軽々と振り回すガルドと高速で走り回るロアにより集落は蹂躙され、俺の所にきたオークは俺が魔法を使う前にバラムが放った小バラムが形状変化と硬化で体を針のように尖らせ、転倒させて頭を串刺しにして倒してしまった。
すべてバラムの意識で動いている事を考えると某ロボット戦士の無線式オールレンジ攻撃兵器のようだ。
「アレを操るのもDEXの影響を受けてんのかな……。」
足を串刺しにして転倒させるスライムと転倒時に頭の位置に潜り込んで串刺しにするスライムの連携を思い出しながら俺は呟いた。
オークを倒しきった今はガルドとロアにオークの死体を一ヶ所に集めてもらっている。
「結局俺は試し打ちできなかったな。」
「(妻よ、集め終わったぞ。どうしたのだ?)」
俺が右手首のバングルに目を落としているとガルドとロアが戻って来た。
「(みんなが頼もしすぎて俺の出番がなかったな~って考えてただけだよ。)」
「(ご主人様は僕達が守るからそれでいいんじゃないですか?)」
「(バラムもご主人さま守るよ。)」
「(うむ、妻を守るのは夫である我等の役目だ。)」
「(守るって言うなら集落に突っ込むような危ないことはしてほしくないんだけど。)」
守ると言いつつ危ない所に突っ込んでいく三人にジト目を向けるとガルドとロアは若干焦りだした。
「(む、その、あれだ。力をふるうことも魔物の役目だ。)」
「(ご主人様のために魔物を狩ってくるのも役目ですし。)」
「はぁ~。(そこまで焦らなくていいよ。でも、こっちは4人なんだから集団を相手にするときは気を付けてね。)」
俺はそう言って積み上げられたオークの死体の山に向かうとバングルに魔力を流した。
「確認は回収作業でするしかないか。」
そのまま異空間収納を発動すると地面に穴が開き、死体の山を飲み込んでいく。
「昨日も感じたけど効率がいいな。それに術の構築がしやすくなってる。」
特化型、純ミスリル、準魔晶石の組み合わせは伊達じゃないな。
オークの死体の回収を終えるとオーク達が住んでいたボロ小屋が目に留まった。
「別に試し打ちは魔物でなくてもいいか。」
俺は一番近い小屋を目標に設定すると以前と同じ魔力量でショックを発動する。途端に小屋は小刻みに震え、ベキベキと音を立てて崩壊していく。
「揺さぶって気絶させる魔法だから建物を壊すような威力はないはずなんだけどな…。」
予想以上に強くなった魔法が起こした結果を呆然と眺める。
「せっかくだし以前思いついた魔法も発動できないか試してみるか。」
俺は以前、空間魔法の本を読んだ時に思いついた魔法を試すため、別の小屋を標的に術を組んでいく。
インパクトの応用で空間に干渉して瞬間的な衝撃じゃなくて継続的に上から押しつぶすように。術名はそうだな…。
「グラビティフォール!」
術を発動すると標的を中心に地面が沈み、小屋が押し潰されて倒壊していく。
「成功だけど、これは加減を覚えないとな。」
倒壊して地面にめり込んだ小屋だった残骸を見て、生き物に使った時の悲惨さを想像して身震いをする。
「(うわぁ~、ペチャンコですよ。)」
「(ふむ、なかなかの威力だな。これは新しい魔法か?)」
「(あぁ。こうして自分で魔法を考えてみると空間魔法は幅広く応用が利くのがわかるな。そういえばロアは闇魔法が使えたよな?使ってるのは初めて会った時しか見たことがないけどどんなことができるんだ?)」
俺は初めてロアにあった時に影に拘束されたことを思い出す。
「(えっ!僕の魔法ですか?僕が使えるのはシャドウバインドっていう影を伸ばして捕まえる魔法とシャドウミストっていう黒い霧でなにも見えないようにするだけですよ。)」
「(シャドウバインドか。結構自由に動かせるみたいだな。)」
「(傷つけないようにするにはいいんですけどまどろっこしくて苦手なんですよ。倒すならパッと近づいて爪で薙ぎ払う方が早いですから。)」
う~ん、どうも肉体派というか戦闘狂というか魔法より肉弾戦派が多いな。けど、闇魔法で影を操れるならこっちも応用が利きそうなんだよな。
「(闇魔法で影が操れるなら捕縛だけじゃなくてバラムが体を槍状にして串刺しにしたみたいに影を槍状に伸ばしたりできるんじゃないか?)」
「(う~ん。できるとは思いますけど。あまり意味がないような…。)」
肉弾戦派のロアからはあまり乗り気でない反応だが影を武器にできるならかなり便利になるはずだ。
「(そんなことないぞ。外皮が硬くてなかなか倒せない敵の口から影を送り込んでから槍状に延ばせば内側から傷つけて倒したりできるんじゃないか?)」
「(なるほど!面白い戦い方ですね。)」
「あとは影を剣とか刃物状にして振り回しながら駆け抜けるとか。爪で引き裂く時みたいに動きが止まらないから殲滅能力が上がるかもな。)」
「(ふむ、いろいろな戦い方を考えつくのだな。)」
「(まあね。)」
前世の漫画やアニメで色々見てきたから考えられる発想かもしれないな。
「(じゃあ今日は帰るか。大量のオークの解体依頼も出さないといけないしな。)」
こうして装飾品の効果検証を終えて俺達は街に戻った。
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