29 / 69
第28話 熱気
しおりを挟む
駅の改札前でのキス。
二年の歳月を経て再び巡り合った二人の間には、言葉では言い表せないほどの熱い感情が渦巻いていた。鈴木のことを思って言った早苗の行動が結果的に鈴木が躊躇していたストッパーを外すことになった。
勢いよく抱きしめてきたので早苗は驚いて固まっていたが、久々の鈴木の匂いや感触、吐息に懐かしさを覚え身を任せた。
「鈴木…?」
聞こえているはずだが、鈴木は無言のまま早苗の手を掴み早足で歩き出した。
手の平から伝わる温もりが、失われた時を取り戻すかのように二人の距離を縮めていく。
その後、二人は言葉を交わすことなく鈴木が滞在するホテルへと向かった。
ホテルのロビーを通り抜けエレベーターに乗り込む。階数が上がるにつれ二人の鼓動と緊張感は高鳴っていく。
ドクッドクッ……ドクッドクッ……ドクッドクッ……ドクッドクッ……
3階……4階……5階……6階……7階……8階
チーーーーン
エレベーターが8階でランプを灯し、到着を知らせる音と扉が開いた時には胸がはち切れそうになった。
部屋に入り扉を閉めた瞬間、二人の間に張り詰めていた緊張の糸がぷつんと切れた。
待ちきれない、というように鈴木は早苗を強く抱きしめた。そして、むさぼりつくように激しく互いの唇の感触を確かめ合った。
「んん…ん…んんっ…」
以前の鈴木は、ゆっくりと優しく丁寧に触れてくれていた。
しかし、今日の鈴木は熟れた果実を果汁一滴も垂らさないよう頬張るかのように、力強く激しく早苗の唇を吸いつくしていく。二人の唇は、磁石のように何度も重なり、離れ、また重ねあい強く引き寄せ合っていた。
鈴木のキスは次第に野性的になっていく。
夏の暑さで汗ばんだ早苗の首すじを丁寧に舐め回していく。
早苗も普段なら恥ずかしさで止めていたと思うが、今はそんな事はどうでも良くなっていた。熱い吐息が早苗の肌を震わせ、甘い痺れが全身を駆け巡る。早苗はその快感に身を委ね目を閉じ深く息を吸い込んだ。
「あっ…ん…あんっ…あっ…」
鈴木の手は、早苗の服の中に忍び込み滑らかな肌を撫で始める。
背中、腰、そして、太腿。背中を壁に寄りかけ、優しく丁寧に撫でられるたびに早苗の身体は全身が震えそして熱く火照る。
鈴木の指が動くたびに、早苗の体はぴくりと震えて甘い嬌声が漏れていった。
震えながらも、鈴木のシャツのボタンを一つ一つ外し、顎から首、鎖骨にかけてゆっくりと唇を這わせていく。
鈴木も小さく声を漏らしたかと思うと、早苗の服を勢いよく脱がした。
あっという間に下着だけの姿になり、月明りで丸み帯びた身体と肌が照らされ白く輝いた。
二人はキスをして抱き合ったまま入口からベッドに向かう。早苗を押し倒し、優しく下着を脱がすと生まれたままの姿になった。
鈴木は上半身だけ起こしまじまじと早苗を眺めた。鈴木に見られているだけで、視線を感じるだけで、早苗は電気が走ったように全身がゾクゾクしておかしくなりそうだった。
「ねえ……もっと……もっと近くにきて。」
鈴木の手を引いて身体を密着させる。
甘くささやくように言われたことで鈴木の心は火がつき、口や頬だけでなく、瞼や耳、首、手、指、足など全身の至るところにキスをして舌を這わせていった。
そして、早苗の敏感なところに指をいれて激しく搔き乱していく。部屋にはくちゃくちゃといやらしい音が響き渡った。ベッドのシーツも丸いシミが少しずつ大きくなっている。
「あ……ん……やっ……あ……」
声にならない声が続く。
早苗も鈴木がしてくれたように全身を舌で這わせ敏感なところを丁寧に舐めていく。
「んん……あ……ああ…」
鈴木が小さく喘ぐ声を出すたびに愛おしさが増した。感じている鈴木の姿を見るのが幸せだった。そんな姿をもっと見たくて早苗は丁寧に舐めていく。
「んん……もう……我慢できない」
我慢できないのは今後の関係なのか、今この瞬間なのかは分からなかったが、二人は今までとは違うお互いの熱と熱をぶつけ合うかのように激しく交わった。
寝そべっていた鈴木だったが、起き上がり今度は覆いかぶさるように早苗に抱き着き、耳元で小さく一言呟いた。
「はぁ……はぁ……好きだ……」
初めて言われた好きという言葉。その言葉に早苗の目から再び涙が溢れた。
「私も……好き……こうたが好き……」
「……早苗………ん……好きだ……」
早苗も初めて鈴木の前で下の名前と好きと言う言葉を伝えた。
別れを告げられた直後、鈴木のアパートに行き、好きと伝えたなかったこと、照れくさくて下の名前で呼ばなかったことを悔やんだ。
冷たい床の上で一人、名前を呼んでいた時は違う。
今、二人はこれまでにはないほどの強い熱を持ってお互いに触れ合っている。
そのあとも二人はお互いの名前を呼び合いながら、深く、激しく体を交わらせた。
お互いの肌の温もり、息遣い、そして鼓動。全てが深い快感を生み出していく。
二年間の離れていた時間を埋め合わせるかのような情熱的に、 失われたパズルのピースがようやく元の場所に戻ったかのように、二人の心と体は完全に一つになった。
激しい情事の後、二人はベッドに横になり手を繋ぎながら静かに抱きしめ合った。
「ん……こうた……好き」
激しく抱き合ったせいか眠気に襲われ、とろんとした目で早苗が囁いた。鈴木は微笑み早苗の頭を撫でた。
「俺も好きだよ」
そう言って耳にキスをして顔を見ると早苗は眠りについていた。
早苗のまつ毛の長さを感じながら鈴木は今度は早苗のおでこにキスをして目を閉じた。
お互いの温もりを感じながら二人は幸せな夜を過ごした。
二年の歳月を経て再び巡り合った二人の間には、言葉では言い表せないほどの熱い感情が渦巻いていた。鈴木のことを思って言った早苗の行動が結果的に鈴木が躊躇していたストッパーを外すことになった。
勢いよく抱きしめてきたので早苗は驚いて固まっていたが、久々の鈴木の匂いや感触、吐息に懐かしさを覚え身を任せた。
「鈴木…?」
聞こえているはずだが、鈴木は無言のまま早苗の手を掴み早足で歩き出した。
手の平から伝わる温もりが、失われた時を取り戻すかのように二人の距離を縮めていく。
その後、二人は言葉を交わすことなく鈴木が滞在するホテルへと向かった。
ホテルのロビーを通り抜けエレベーターに乗り込む。階数が上がるにつれ二人の鼓動と緊張感は高鳴っていく。
ドクッドクッ……ドクッドクッ……ドクッドクッ……ドクッドクッ……
3階……4階……5階……6階……7階……8階
チーーーーン
エレベーターが8階でランプを灯し、到着を知らせる音と扉が開いた時には胸がはち切れそうになった。
部屋に入り扉を閉めた瞬間、二人の間に張り詰めていた緊張の糸がぷつんと切れた。
待ちきれない、というように鈴木は早苗を強く抱きしめた。そして、むさぼりつくように激しく互いの唇の感触を確かめ合った。
「んん…ん…んんっ…」
以前の鈴木は、ゆっくりと優しく丁寧に触れてくれていた。
しかし、今日の鈴木は熟れた果実を果汁一滴も垂らさないよう頬張るかのように、力強く激しく早苗の唇を吸いつくしていく。二人の唇は、磁石のように何度も重なり、離れ、また重ねあい強く引き寄せ合っていた。
鈴木のキスは次第に野性的になっていく。
夏の暑さで汗ばんだ早苗の首すじを丁寧に舐め回していく。
早苗も普段なら恥ずかしさで止めていたと思うが、今はそんな事はどうでも良くなっていた。熱い吐息が早苗の肌を震わせ、甘い痺れが全身を駆け巡る。早苗はその快感に身を委ね目を閉じ深く息を吸い込んだ。
「あっ…ん…あんっ…あっ…」
鈴木の手は、早苗の服の中に忍び込み滑らかな肌を撫で始める。
背中、腰、そして、太腿。背中を壁に寄りかけ、優しく丁寧に撫でられるたびに早苗の身体は全身が震えそして熱く火照る。
鈴木の指が動くたびに、早苗の体はぴくりと震えて甘い嬌声が漏れていった。
震えながらも、鈴木のシャツのボタンを一つ一つ外し、顎から首、鎖骨にかけてゆっくりと唇を這わせていく。
鈴木も小さく声を漏らしたかと思うと、早苗の服を勢いよく脱がした。
あっという間に下着だけの姿になり、月明りで丸み帯びた身体と肌が照らされ白く輝いた。
二人はキスをして抱き合ったまま入口からベッドに向かう。早苗を押し倒し、優しく下着を脱がすと生まれたままの姿になった。
鈴木は上半身だけ起こしまじまじと早苗を眺めた。鈴木に見られているだけで、視線を感じるだけで、早苗は電気が走ったように全身がゾクゾクしておかしくなりそうだった。
「ねえ……もっと……もっと近くにきて。」
鈴木の手を引いて身体を密着させる。
甘くささやくように言われたことで鈴木の心は火がつき、口や頬だけでなく、瞼や耳、首、手、指、足など全身の至るところにキスをして舌を這わせていった。
そして、早苗の敏感なところに指をいれて激しく搔き乱していく。部屋にはくちゃくちゃといやらしい音が響き渡った。ベッドのシーツも丸いシミが少しずつ大きくなっている。
「あ……ん……やっ……あ……」
声にならない声が続く。
早苗も鈴木がしてくれたように全身を舌で這わせ敏感なところを丁寧に舐めていく。
「んん……あ……ああ…」
鈴木が小さく喘ぐ声を出すたびに愛おしさが増した。感じている鈴木の姿を見るのが幸せだった。そんな姿をもっと見たくて早苗は丁寧に舐めていく。
「んん……もう……我慢できない」
我慢できないのは今後の関係なのか、今この瞬間なのかは分からなかったが、二人は今までとは違うお互いの熱と熱をぶつけ合うかのように激しく交わった。
寝そべっていた鈴木だったが、起き上がり今度は覆いかぶさるように早苗に抱き着き、耳元で小さく一言呟いた。
「はぁ……はぁ……好きだ……」
初めて言われた好きという言葉。その言葉に早苗の目から再び涙が溢れた。
「私も……好き……こうたが好き……」
「……早苗………ん……好きだ……」
早苗も初めて鈴木の前で下の名前と好きと言う言葉を伝えた。
別れを告げられた直後、鈴木のアパートに行き、好きと伝えたなかったこと、照れくさくて下の名前で呼ばなかったことを悔やんだ。
冷たい床の上で一人、名前を呼んでいた時は違う。
今、二人はこれまでにはないほどの強い熱を持ってお互いに触れ合っている。
そのあとも二人はお互いの名前を呼び合いながら、深く、激しく体を交わらせた。
お互いの肌の温もり、息遣い、そして鼓動。全てが深い快感を生み出していく。
二年間の離れていた時間を埋め合わせるかのような情熱的に、 失われたパズルのピースがようやく元の場所に戻ったかのように、二人の心と体は完全に一つになった。
激しい情事の後、二人はベッドに横になり手を繋ぎながら静かに抱きしめ合った。
「ん……こうた……好き」
激しく抱き合ったせいか眠気に襲われ、とろんとした目で早苗が囁いた。鈴木は微笑み早苗の頭を撫でた。
「俺も好きだよ」
そう言って耳にキスをして顔を見ると早苗は眠りについていた。
早苗のまつ毛の長さを感じながら鈴木は今度は早苗のおでこにキスをして目を閉じた。
お互いの温もりを感じながら二人は幸せな夜を過ごした。
0
あなたにおすすめの小説
紙の上の空
中谷ととこ
ライト文芸
小学六年生の夏、父が突然、兄を連れてきた。
容姿に恵まれて才色兼備、誰もが憧れてしまう女性でありながら、裏表のない竹を割ったような性格の八重嶋碧(31)は、幼い頃からどこにいても注目され、男女問わず人気がある。
欲しいものは何でも手に入りそうな彼女だが、本当に欲しいものは自分のものにはならない。欲しいすら言えない。長い長い片想いは成就する見込みはなく半分腐りかけているのだが、なかなか捨てることができずにいた。
血の繋がりはない、兄の八重嶋公亮(33)は、未婚だがとっくに独立し家を出ている。
公亮の親友で、碧とは幼い頃からの顔見知りでもある、斎木丈太郎(33)は、碧の会社の近くのフレンチ店で料理人をしている。お互いに好き勝手言える気心の知れた仲だが、こちらはこちらで本心は隠したまま碧の動向を見守っていた。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
一億円の花嫁
藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。
父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。
もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。
「きっと、素晴らしい旅になる」
ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが……
幸か不幸か!?
思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。
※エブリスタさまにも掲載
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる