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第30話 もどかしい関係
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『守れないかもしれない約束はしたくないし出来ない。俺個人ではどうしようもない問題だとしても、結果的に早苗を苦しめる可能性があるなら応えられないよ。』
鈴木とやり直せると思った早苗には予想外の回答だった。
「あのさ、私苦しいとか思わないよ。まだ気持ちがあるって分かったのに離れる方がよっぽど苦しいんだけど」
少し強めの口調で早苗は言った。
「今はまだ昨日の今日で想いも強いから、それでいいかもしれない。でも、長く待たせてしまうのは心苦しいんだ」
「それなら、ヨリを戻さないにしても帰ってくる時は連絡して。もしその時お互いにまだ気持ちがあるなら会おう。会って確かめ合おう。それなら浩太も気が少しは楽でしょ?」
きっと埒があかない。話は平行線のままになると感じた早苗は違う切り口で提案した。
「……なんだかそれもずるいような」
「ずるいかどうかは私が決めることだよ。」
「……うん……分かった」
早苗のことを思って考えて考えての結論だったが、徐々に早苗の顔が険しくなっている。口調も少し語尾が強い。早苗がこんな口調で話すのは初めてで鈴木は圧倒されていた。
昨夜は早苗が自分の気持ちを抑えようとしている姿を見て、理性が飛んだ。
もう本当に関係は終わりなのかと涙目の早苗、帰り際会えてよかったと泣いて胸に頭を預ける早苗、一生懸命笑顔を作ろうとしてからもう待たないと涙を堪えながら言う早苗…
自分のことで早苗が泣く姿を見たくなかった。抱きしめてめちゃくちゃにしたい衝動に駆られて思いっきり抱きしめキスをした。
久々に触れお互いの気持ちや熱を感じたら、それ以降のことは考えられなかった。今まで逢えなかった空白を埋めるかのようにたくさん触れて交わりあった。
朝、目が覚めて早苗が隣で寝ている姿を見ることに幸福を感じた。
この時間がずっと続けばいいのにと強く思った。しかし、また逢えない日々が続く。
悲しませることはしたくない、もう泣かせたくない。その一心で話をしたが早苗は表情が曇り苛立っているのか投げやりな感じもする。俺はどうすれば良かったのだろうか。
結局、気まずくなった雰囲気のまま鈴木は会社へ早苗は一旦自分のアパートに戻るためホテルを後にした。
『どうしてこんな雰囲気になってしまったんだろう……』
心の中では同じことを思っていた。
「それじゃ……先に会社行ってるね」
「うん。またあとで……」
「もう今日は夜も予定あって、明日の午前の便で帰るからしっかり顔を見れるのは一旦今が最後かもしれないから……。ありがとう、また逢えてよかった。」
「私も。逢えてうれしかった。また帰って来るときは連絡して。」
「……分かった。連絡する。」
「ありがとう。それじゃ元気で頑張ってね」
「ありがとう」
短いやり取りのあと、ふたりは別々の方向へ進んだ。そしてその日の午後は顔を合わせることはなく、次の日鈴木は出向先の地へ帰って行った。
まだ気持ちがあることが分かった二人。一時は深い絆で結ばれこの先苦難や幸せを共にするかと思ったが、ヨリを戻すことはなかった。
そして、いまの二人には変な雰囲気になった時の打開策も、今後の明るい未来をともにするにはどうすればいいかと話し合うことも、自分の気持ちを思いっきりぶつけることも出来なかった。
『まだ相手も自分のことを思ってくれていることが分かってよかった』そう自分に言い聞かせて二人は日常に戻っていった。
鈴木とやり直せると思った早苗には予想外の回答だった。
「あのさ、私苦しいとか思わないよ。まだ気持ちがあるって分かったのに離れる方がよっぽど苦しいんだけど」
少し強めの口調で早苗は言った。
「今はまだ昨日の今日で想いも強いから、それでいいかもしれない。でも、長く待たせてしまうのは心苦しいんだ」
「それなら、ヨリを戻さないにしても帰ってくる時は連絡して。もしその時お互いにまだ気持ちがあるなら会おう。会って確かめ合おう。それなら浩太も気が少しは楽でしょ?」
きっと埒があかない。話は平行線のままになると感じた早苗は違う切り口で提案した。
「……なんだかそれもずるいような」
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「……うん……分かった」
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昨夜は早苗が自分の気持ちを抑えようとしている姿を見て、理性が飛んだ。
もう本当に関係は終わりなのかと涙目の早苗、帰り際会えてよかったと泣いて胸に頭を預ける早苗、一生懸命笑顔を作ろうとしてからもう待たないと涙を堪えながら言う早苗…
自分のことで早苗が泣く姿を見たくなかった。抱きしめてめちゃくちゃにしたい衝動に駆られて思いっきり抱きしめキスをした。
久々に触れお互いの気持ちや熱を感じたら、それ以降のことは考えられなかった。今まで逢えなかった空白を埋めるかのようにたくさん触れて交わりあった。
朝、目が覚めて早苗が隣で寝ている姿を見ることに幸福を感じた。
この時間がずっと続けばいいのにと強く思った。しかし、また逢えない日々が続く。
悲しませることはしたくない、もう泣かせたくない。その一心で話をしたが早苗は表情が曇り苛立っているのか投げやりな感じもする。俺はどうすれば良かったのだろうか。
結局、気まずくなった雰囲気のまま鈴木は会社へ早苗は一旦自分のアパートに戻るためホテルを後にした。
『どうしてこんな雰囲気になってしまったんだろう……』
心の中では同じことを思っていた。
「それじゃ……先に会社行ってるね」
「うん。またあとで……」
「もう今日は夜も予定あって、明日の午前の便で帰るからしっかり顔を見れるのは一旦今が最後かもしれないから……。ありがとう、また逢えてよかった。」
「私も。逢えてうれしかった。また帰って来るときは連絡して。」
「……分かった。連絡する。」
「ありがとう。それじゃ元気で頑張ってね」
「ありがとう」
短いやり取りのあと、ふたりは別々の方向へ進んだ。そしてその日の午後は顔を合わせることはなく、次の日鈴木は出向先の地へ帰って行った。
まだ気持ちがあることが分かった二人。一時は深い絆で結ばれこの先苦難や幸せを共にするかと思ったが、ヨリを戻すことはなかった。
そして、いまの二人には変な雰囲気になった時の打開策も、今後の明るい未来をともにするにはどうすればいいかと話し合うことも、自分の気持ちを思いっきりぶつけることも出来なかった。
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