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【11】嵐が去り違う嵐がやってくる *アーサー視点
しおりを挟むフレスベルグの恐翼と例えられた暴風雨は、翌日の昼過ぎにはすっかり止んだ。
まだ風は強いがとにかく大雨が止んだだけでもありがたい。
別邸の客たちは雨が止んでもまだ帰らずにいるようだ。
降り続いた大雨のせいで、道はどこもぬかるんでいて馬車は走れない。
荷馬車ならともかく、貴族を乗せる瀟洒で美しいことに重きを置いている馬車には無理だろう。
奥方様はまだ眠ったままだ。
ヘレナは奥方様の部屋で一夜を過ごし、奥方様の様子を夜通し見てくれていた。
僅かに暖炉に残っていた薪は夜中に終わってしまい、そこからぐっと深く冷え込んだという。
客間用の使われていない掛け物も出してきて奥方様に掛けて、ヘレナも別の客用の掛け物にくるまってソファで寝たそうだ。
昨夜は誰も別邸に避難することなく、自分は少しでも暖を取るために狭いピートの部屋に掛けるものを持ち込んで一緒に朝を迎えた。
三人でいろいろ話をした。
夕べの旦那様のなさりように、三人とも静かに怒りを感じていた。
ピートが、王都に戻って仕事を探すことを考えていると言った。金が貯まってきたので王都で居抜きの物件を借りて食堂でも始めるのもいいと言った。旦那様の、奥方様への仕打ちを見ているのが辛いせいもあると。
ヘレナはピートが王都にと言った話を受けて、自分にも恋人がいたが少し前に別れたと言い、心機一転王都で働き口を探すのも悪くないわと寂しそうに笑った。
自分も、薪の件で旦那様に失礼な物言いをしたから、職探しをしなければならないかもしれないと言った。
でも三人は気づいた。
そうしたら奥方様はどうなるのだと。
別邸から誰かがやってくるのだろうか。それとも誰かを新たに雇うのだろうか。
結局三人は、奥方様がこの本邸に居る間はクビにならない限りここで働こうと頷き合った。
雨が止んだのでピートを伴い街に出る。薪を調達しなければ食事の支度もままならないからだ。
まだ道はぬかるんでいるが、荷馬車を出した。
いつも薪を買い付けている店にいくと主人が出てきた。
「奥方様に心から感謝しています。モッカ婆さんの麦を刈り取ってくださったと聞きました。薪は出払ってしまって午後の便の到着を待たないと無いのですが道がこの有様ですから今日に届くか分かりません。奥方様には売り物ではない薪をご用意します、こちらへどうぞ」
「それは助かる!」
薪屋の主人とピートと三人で荷馬車に薪を積んでいく。
たくさんではないがこれだけあれば煮炊きはできるし部分的に部屋を暖めることもできるだろう。奥方様に入ってもらう湯を沸かすこともなんとかできそうだ。
「薪が届いたら、すぐに本邸に届けてもらいたいのだがどうだろうか。明日届けてもらう手筈だったが、薪がすっかり無くなってしまったのだ。先払いで金はここに置いておく。今日の分はいくらだろうか」
「かしこまりました、明日お届け予定の分が届き次第すべて持っていきます。
明日お届けする分の薪代は頂戴しますが、今日のこの薪のお代は要りません。これは我が家からのお裾分けですから。
あんな暴風雨の中で領民の麦を刈り取ってくれるような領主様など、この地に居たことはないのです」
「なんと……! では……ありがたくいただきます。奥方様にはよく伝えておきます」
アーサーは胸が熱くなった。
奥方様がこの領地に来てから毎日蒔いた『種』が花を咲かせたように思えた。
ピートは早く戻って奥方様に粥を炊くのだと言った。
本邸に戻ると、ヘレナが待ち構えるようにしていた。
「旦那様から、私たち三人に別邸に来るようにと先ほど使いがきました」
「分かった。とりあえず薪を邸内に運ぼう」
荷馬車から薪を三人で運び入れる。
奥方様の様子をヘレナが見にいくと、まだ静かに眠っているという。
とりあえず三人で、旦那様が呼んでいるという別邸に向かった。
「昨日はいろいろとご苦労であった。無事に客は帰っていった。こちら別邸の使用人たちに今日は休暇を取らせている。もちろん仕事をしている者もいるが。
君たちも今日は休むといい。向こうのサロンに軽食を用意している」
アーサーは旦那様の言葉に戸惑いを感じた。
本邸ではまだ意識の戻らない奥方様が眠っている。
旦那様は、別邸とは関係がなく何もしていない自分たちをねぎらうようなことを言ったが、まずは奥方様の容態を尋ねるのが先ではないだろうか。
アーサーが言葉を探していると、
「ほら、食べていくがいい」
旦那様に背中を軽く叩かれ、サロンに入っていく形になった。
その時ヘレナが小さな声を上げて、口を手で押さえて立ち尽くした。
サロンには中央に長テーブルと椅子が置かれ、同じ椅子が窓際にこちらを向いていくつか置かれている。
その窓際の椅子の下に、奥方様が編んだ大きなひざ掛けが敷かれていたのだ。
アーサーもそれに気づいた。
先日旦那様に手渡したばかりだった。
「……旦那様、あのひざ掛けを、どうして床になど敷いているのですか。あれはマットではありません」
「ああ、あれか。ブリジットが窓際に座ると足が冷えるというのだ。私の部屋にあのひざ掛けがあるのを彼女が見て、これを敷いてくださらないかと頼まれた。サイズ的にもちょうどいいだろう」
奥方様が何日もかけて編んだひざ掛けを床に敷いて踏みつけるとは……。
あれからパン屋のおかみさんと話をしたときに、ここオールブライトに伝わる編み物の話を聞いた。
女性が自分の髪を売った金で毛糸を買って、願掛けをして贈る相手を思って編む話だ。
奥方様はそのために長い髪を切ってしまったというのに、そうして編まれたひざ掛けを旦那様は踏みつけにしたのか。
アーサーが口を開く前に、ヘレナが飛び出してひざ掛けを取り上げた。
「こんなのあんまりです! 奥方様が丁寧に心を込めて編んだものを靴で踏むなんて……。
そもそも毛糸で編んだものを床に敷いて靴で踏もうとする者はいません! いるとしたら、わざとそうしたい者だけです!」
「ヘレナ、分かったから下がりなさい」
そう声を掛けたが、ヘレナは激しく首を振る。
「旦那様に申し上げます。ブリジット様はこれが奥方様による手編みだとお気づきの上で床に敷けと言ったのです。奥方様のことをそこまでして踏みにじりたいのです。
もう……我慢できません。
旦那様はご存じないのですか? ブリジット様は歩けますよ?
旦那様が王都に出かけている間、街の酒場に執事のダレス様と出掛け、夜はそのダレス様をブリジット様はご自分の部屋に引き入れています! 別邸の女たちは皆知っています」
「……な、なんだと? ブリジットが、歩ける? 酒場に……ダレスと……部屋に引き込む……」
「旦那様が王都にお泊りでお出かけになる時は、きまって執事のダレス様がブリジット様を街の医者のところにお連れすると言って、車椅子を馬車に乗せて出かけます。
それがいつも夕方からなので、おかしいと思った侍女たちの密かな噂になっていました。医院は夕方には閉まっているからです。
ところがまた別の日に、その日休みだった従者が酒場の椅子の無いテーブルで、立ち姿で酒を飲んでいるブリジット様とダレス様を見たというのです。
ブリジット様の部屋に入っていくところや、早朝に出ていくダレス様を見た者もおります。
旦那様は騙されているのです、嘘だとお思いなら、一度王都に泊まると伝えて屋敷に残ってみればいいのです!
私はこれでクビになってもかまいませんが、奥方様のことをどうか……少しだけでも……」
ヘレナは最初こそ威勢よく話していたが、最後は涙声になってしまった。
旦那様はそれに対し、怒りを見せるわけでも反論するわけでもなかった。
最初こそ驚いた顔を見せたが、ヘレナの更なる話をただ黙って聞いていた。
自分だけが密かに握っていると思っていた情報を、日頃別邸に出入りしないヘレナが知っていたことに驚かされた。女性たちの情報網を侮り過ぎていた。
「……ヘレナと言ったか、クビにするとかそういうつもりはない。おまえたちはここで食べていくがいい。……私は戻る」
旦那様はヘレナの話に衝撃を受けたように見えた。
嵐が去って違う嵐がやってきたようだった。
***
本邸に戻り、ヘレナは奥方様の部屋に様子を見にいく。
まだ眠っている。
こんなに眠り続けていて、大丈夫なのだろうか。
心配しながらも部屋を出て、ヘレナは別邸から抱えてきた手編みのひざ掛けを洗濯場へ持っていく。
奥方様に見つからないように洗うのだ。
「ぬるま湯で洗うと良く落ちる。皿を洗うものだがこの洗い粉をぬるま湯に溶かして、ひざ掛けを漬けて押すようにするといい」
ピートは湯浴みをするくらいの温度の湯を洗い桶に張った。
そこに洗い粉を溶かして押し洗いする。
毛糸は湯を吸ってとても重くなる。
ピートに手伝ってもらって重くなったひざ掛けをなんとか絞り、奥方様に見つからないような場所に干した。
アーサーは奥方様の部屋に様子を見に行った。こんなに眠り続けていては心配になる。
「奥方様、失礼します」
頬に触れると、夕べのような熱さはない。
そのとき奥方様が、ふっと小さな息を吐いてゆっくりと目を開けた。
「お目覚めですか!」
奥方様は、窓枠に切り取られた空が青いのを、目を細めるようにして見ていた。
少し見える針葉樹の葉も、夕べとは違い静かに揺れているだけだった。
「……暴風雨は止んだのね。アーサー、モッカ婆さんの……畑はどうなったのかしら」
「半分と少し私たちは刈り取れました。畑に残った小麦は大風に倒れ泥を吸ってダメになってしまったようです」
「それは……全部刈り取ることができなくて、残念ね……」
「でもパン屋のおかみさんも、私たちを馬車に乗せてくれた方もみんな喜んでくれましたよ」
「それならよかったけれど……畑の様子を見に行きたいわ」
「それはダメです。奥方様は刈り取り後に高熱を出して倒れ、それから丸一日眠り続けていたのですよ。お食事も水さえも摂っていないのに畑は無理です」
「そうだったの……迷惑を掛けてしまってごめんなさい……」
「ピートが粥を炊いてくれています。もうすぐできると思いますからまずはそれを召し上がってください」
下に降りて二人に奥方様が目を覚ましたことを伝えると、ヘレナはすぐに二階へ駆けていく。
ピートは粥を小さなボウルに盛り、コップに水を注いで盆に載せると奥方様の部屋に持っていった。
熱を出して眠り続けていたと言うと、奥方様に『迷惑を掛けてしまってごめんなさい』と謝られてしまった。
逆の立場なら、きっと奥方様は寝込んだ者を心配していろいろ世話をするだろう。
どうして奥方様は、諦めが早かったり何かあれば自分が悪いと考えてしまわれるのか。
奥方様が、あのひざ掛けをクライブ様がマットにして靴で踏みつけたと知れば、『旦那様のお役に立てたならいいのではないかしら』そんなふうに言うだろうと寂しい予想がついてしまった。
一人厨房のテーブルに座り、ヘレナが旦那様にした話を思い出していた。
これからこのオールブライト領主邸はどうなるのだろう。
窓の外はまた少し風が出てきたようだった。
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