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Chap.4 剣戟の宴
Chap.4 Sec.6
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——手脚が冷たい。
血液まで冷えきり、氷のなかに閉じ籠められたみたいに動けない。
私の身体はどうなってしまったのだろう。
——モルガンさん、何見てるんすか?
耳鳴りの奥で聞こえた、軽く薄い声。
男性らしき声がどこかで響き、答えるように別の声が、
——記憶。この女、頭の中にチップが入ってんだよ。ヴァシリエフが監視のために入れてんのかと思ったら、関係ないみてぇだなぁ。記憶もここ数ヶ月のしか残ってねぇが……面白いもんもあった。
——へぇ……あ、これセトか。……こんなんでした?
——眼球で見た映像ってより、脳で見た映像になんのかもなぁ……この女にとって、こんなふうに見えてんだろ。
——ほぼギャングっすね。
——ははっ、似合ってんなぁ。あれがヴァシリエフっての、いまだにジゼルの冗談じゃねぇかと思えるくらいだしな。本物もこれくらい迫力あることに期待すっか。
——それで役立てばいいですけど。
——役立つだろ。ここの開発研究者に名を連ねてる〈セト〉が、ほんとにあいつならな。
——そのセトがあのセトだとして、素直に言うこと聞くんすかね?
——従わせる方法ならいくらでもあるだろ。あぁ、この記憶も使えそうだなぁ……。
耳鳴りに重なる、ゆったりとした低い声。
まっとうに働かない脳に言葉は残らず、揺れる響きだけが重複していく。
——セトが来たな……捕まえとけ。
海底に沈むような不穏な音を最後に、意識は冷たい闇へと呑まれた……。
血液まで冷えきり、氷のなかに閉じ籠められたみたいに動けない。
私の身体はどうなってしまったのだろう。
——モルガンさん、何見てるんすか?
耳鳴りの奥で聞こえた、軽く薄い声。
男性らしき声がどこかで響き、答えるように別の声が、
——記憶。この女、頭の中にチップが入ってんだよ。ヴァシリエフが監視のために入れてんのかと思ったら、関係ないみてぇだなぁ。記憶もここ数ヶ月のしか残ってねぇが……面白いもんもあった。
——へぇ……あ、これセトか。……こんなんでした?
——眼球で見た映像ってより、脳で見た映像になんのかもなぁ……この女にとって、こんなふうに見えてんだろ。
——ほぼギャングっすね。
——ははっ、似合ってんなぁ。あれがヴァシリエフっての、いまだにジゼルの冗談じゃねぇかと思えるくらいだしな。本物もこれくらい迫力あることに期待すっか。
——それで役立てばいいですけど。
——役立つだろ。ここの開発研究者に名を連ねてる〈セト〉が、ほんとにあいつならな。
——そのセトがあのセトだとして、素直に言うこと聞くんすかね?
——従わせる方法ならいくらでもあるだろ。あぁ、この記憶も使えそうだなぁ……。
耳鳴りに重なる、ゆったりとした低い声。
まっとうに働かない脳に言葉は残らず、揺れる響きだけが重複していく。
——セトが来たな……捕まえとけ。
海底に沈むような不穏な音を最後に、意識は冷たい闇へと呑まれた……。
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