58 / 233
第二話 偽りの玉座
陸章:三 行方2
しおりを挟む
他国の内情に疎い翡翠には、なぜ六の君がそれほど蔑まれているのかは判らない。ただ哀れに思えた。隣の雪がここぞとばかりに説明してくれる。
「緋国を治める一族が女系であることは、翡翠様も知っていますよね。現在、緋国を治めている女王は、もちろん先代の娘ですが。六の君は先代が臣下との間に設けた最後の娘であると言われています」
「それって、姦通したということ?」
「そうですね。先代は真名を捧げあった比翼を裏切って、姦通という罪を犯した。娘に女王となる中宮の座が継がれたのは、その悲劇のせいであると囁かれています。先代は捧げた真名を以って、比翼である夫君にさばかれてしまったと。もっぱらの噂です」
「雪って、そういうことに詳しいよね」
「それは翡翠様が相手をして下さらないからです」
思い切り皮肉をぶつけながらも、雪は屈託なく微笑む。翡翠は苦く笑うことしか出来ない。碧宇は二人の様子がよほど可笑しかったのか声をあげて笑っている。
「ですから、赤の宮にとって双親を不幸にした六の君は、末妹でありながら、敵でもあるのでしょうね」
碧宇も雪の語ることに異論はないようで、深く頷いた。翡翠は腕を組んで唸ってしまう。
「だけど、六の君には罪がないと思うんだけど」
「仕方がないさ。人の心は色々と複雑なんだよ。……だから、黄帝がその姫宮を愛してしまったのも、仕方がない。何事も全て仕方がない」
あっさりと結論づけながらも、碧宇はやりきれないという表情をしていた。仕方がないと判っていても、それで全てが割り切れる筈もない。
「闇呪に嫁いだ姫君達の末路は、黄帝の耳にも届いていたようだ。六の君のことは、それで黄帝も案じていたらしい。朱桜という愛称をつけ、時折金域へ招いて鬼門の様子を報告させていたと言うからな。哀れな姫宮への同情が愛情に変わっても、不思議ではないか」
「黄帝なら、慈悲深いだろうしね」
闇呪に嫁いだ后を、黄帝が愛した。
黄帝が相称の翼を得たことは、この世のとって最高の慶びになる。
けれど、闇呪にとっては最悪の事態だと言って良いだろう。
自身の后が黄帝と心を通わせ、自分を滅ぼす相称の翼となったのだ。
翡翠はふとささやかな疑問が浮かぶ。
「闇呪はその姫宮を愛していなかったのかな」
碧宇が嫌そうに顔を顰めた。
「もし愛していたのなら最悪だな。愛憎ひしめく、この世にとって最悪の三角関係だろ」
「でも、どうでしょう。闇呪が后を愛していたのなら、その姫宮が黄帝と心を通わせることはなかったのではないかしら。愛されて大切にされていたら、いくら相手が黄帝でも心が傾くとは思いません」
雪の言葉に、碧宇は優しく笑う。
「玉花殿なら黄帝に言い寄られても、もちろん翡翠を選ぶだろう。しかし、もし闇呪がその姫宮を愛していたとしても、その想いが正しく伝わっていたのかは疑わしいな。闇呪が誰かを愛するなんて、彼のこれまでの行いからは想像もつかないが。それでも、もちろん闇呪が后を愛していた可能性はあるだろう。だが、どちらにしても全てが憶測でしかない。こういうことは考えるだけ無駄だ。――たしかなのは、その姫宮が黄帝と心を通わせた相称の翼であり、行方が知れないということだけだ」
結局、相称の翼の行方について確かなことは何もわかっていない。翡翠の内に、再びもどかしさが込み上げてきた。碧宇は黄帝から得た情報を惜しまず教えてくれる。
「今まで黄帝は闇呪の所業について沈黙を守ってきた。対立関係となるのを避けるためだったようだが、さすがに限界を察したのだろう。相称の翼についても、それが闇呪の仕業であるとの確たる証拠が何もない。だから、手を出すことが出来なかった。しかし、相称の翼を見失ってから、黄帝の力は日に日に衰えている。このままではいずれ世界が滅ぶ。黄帝はようやく、闇呪に対するこれまの沈黙を破る決意をしたようだ」
「それで、各国の助力を求めたってこと? 後継者の真名献上も闇呪に立ち向かうため? まだ彼が原因だとは限らないのに?」
碧宇は首を横に振った。
「証拠がなくとも、彼が関わっている可能性は捨てきれない」
「どうして?」
「黄帝曰く、相称の翼はこの世にはない。あらゆる手を尽くしても見つからない。天界にも地界にも、既に気配が感じられない。存在が途切れているという」
碧宇は更に追い討ちをかけた。
「それに相称の翼が巨大な影に抱かれて鬼門へ向かうのを見た者がいる。それを機に、相称の翼は消息を絶っている」
翡翠はすぐに清香から聞いた体験が蘇った。白虹の皇子が手に入れた情報を、黄帝が手に入れられない筈はない。ずっと以前から、黄帝にとっては明らかな事実だったのかもしれない。
「相称の翼は、鬼門から異界へ飛ばされた可能性が高い。誰にでも出来ることじゃない。状況からも、動機からも、闇呪が疑わしいのは事実だ」
翡翠は力なく「そうだね」と呟いた。
やはり白虹の皇子を救ったのは、別の何者かだったのだろうか。そう考えると、全ての成り行きに筋が通る。
闇呪は極悪非道な、――この世の禍。
全てが、その宿命を形にして行く。
「どのように動くのかは、黄帝もまだ模索しておられる。全面的に闇呪を糾弾して、対立することはやはり避けたいのだろうな。とりあえず思惑を伏せたまま鬼門を開門して、異界へ使者を発たせようかと考えておられるようだ」
「秘密裏に、相称の翼の行方を探すということ?」
「――おそらくな」
黙りこんでしまった翡翠の肩を、碧宇はぽんと叩く。兄の顔を見上げると、碧宇はいたずらっぽく笑う。
「全て極秘事項だが、可愛い弟に隠し事はできないからな。さて、では宮へ戻るか」
碧宇はくるりと背を向けて、大きく伸びをしながら部屋を出て行こうとする。それから簡単なことを言い忘れていたというように、立ち止まって翡翠を振り返った。
「おっと、忘れていた。翡翠――もし、万が一、異界で出会うことがあれば、その時はよろしく頼むぞ」
何かを問いかける前に、兄の碧宇は部屋から姿を消した。
翡翠の中で込み上げる、おさえがたい衝動。
兄の碧宇は全てを見抜いていたのだろう。
そして、碧宇から得た情報は、更に翡翠の衝動を駆り立て、揺るぎないものにしてしまった。強く掌を握り締めて、決意を固める。
(――異界へ行こう)
これまでのように、ただ無為にさまようだけではなく。
真実を確かめるために。
相称の翼を見つけるために。
それがどれほど危険なことなのかは、判っている。
鬼門の番人――闇呪。彼が護っているという天落の地。
詮索するのは、決して容易なことではないだろう。
噂のとおりに、彼は異界へ渡っているのかもしれない。
その非道な振る舞いによって、翡翠が魂魄を失うことだってあり得るのだ。
だけど、と翡翠は思う。強く恐れながらも、ほのかに抱きはじめた希望。
白虹の皇子の翼扶が救われたように、全てが覆されるのかもしれない。
(――何が真実なのかを、知りたい)
相称の翼を巡る思惑について。
それを解き明かすことが、この世を救う力になる。
(だから、異界へ行こう)
何があっても、自分の眼で見たことだけを信じていれば良い。
「緋国を治める一族が女系であることは、翡翠様も知っていますよね。現在、緋国を治めている女王は、もちろん先代の娘ですが。六の君は先代が臣下との間に設けた最後の娘であると言われています」
「それって、姦通したということ?」
「そうですね。先代は真名を捧げあった比翼を裏切って、姦通という罪を犯した。娘に女王となる中宮の座が継がれたのは、その悲劇のせいであると囁かれています。先代は捧げた真名を以って、比翼である夫君にさばかれてしまったと。もっぱらの噂です」
「雪って、そういうことに詳しいよね」
「それは翡翠様が相手をして下さらないからです」
思い切り皮肉をぶつけながらも、雪は屈託なく微笑む。翡翠は苦く笑うことしか出来ない。碧宇は二人の様子がよほど可笑しかったのか声をあげて笑っている。
「ですから、赤の宮にとって双親を不幸にした六の君は、末妹でありながら、敵でもあるのでしょうね」
碧宇も雪の語ることに異論はないようで、深く頷いた。翡翠は腕を組んで唸ってしまう。
「だけど、六の君には罪がないと思うんだけど」
「仕方がないさ。人の心は色々と複雑なんだよ。……だから、黄帝がその姫宮を愛してしまったのも、仕方がない。何事も全て仕方がない」
あっさりと結論づけながらも、碧宇はやりきれないという表情をしていた。仕方がないと判っていても、それで全てが割り切れる筈もない。
「闇呪に嫁いだ姫君達の末路は、黄帝の耳にも届いていたようだ。六の君のことは、それで黄帝も案じていたらしい。朱桜という愛称をつけ、時折金域へ招いて鬼門の様子を報告させていたと言うからな。哀れな姫宮への同情が愛情に変わっても、不思議ではないか」
「黄帝なら、慈悲深いだろうしね」
闇呪に嫁いだ后を、黄帝が愛した。
黄帝が相称の翼を得たことは、この世のとって最高の慶びになる。
けれど、闇呪にとっては最悪の事態だと言って良いだろう。
自身の后が黄帝と心を通わせ、自分を滅ぼす相称の翼となったのだ。
翡翠はふとささやかな疑問が浮かぶ。
「闇呪はその姫宮を愛していなかったのかな」
碧宇が嫌そうに顔を顰めた。
「もし愛していたのなら最悪だな。愛憎ひしめく、この世にとって最悪の三角関係だろ」
「でも、どうでしょう。闇呪が后を愛していたのなら、その姫宮が黄帝と心を通わせることはなかったのではないかしら。愛されて大切にされていたら、いくら相手が黄帝でも心が傾くとは思いません」
雪の言葉に、碧宇は優しく笑う。
「玉花殿なら黄帝に言い寄られても、もちろん翡翠を選ぶだろう。しかし、もし闇呪がその姫宮を愛していたとしても、その想いが正しく伝わっていたのかは疑わしいな。闇呪が誰かを愛するなんて、彼のこれまでの行いからは想像もつかないが。それでも、もちろん闇呪が后を愛していた可能性はあるだろう。だが、どちらにしても全てが憶測でしかない。こういうことは考えるだけ無駄だ。――たしかなのは、その姫宮が黄帝と心を通わせた相称の翼であり、行方が知れないということだけだ」
結局、相称の翼の行方について確かなことは何もわかっていない。翡翠の内に、再びもどかしさが込み上げてきた。碧宇は黄帝から得た情報を惜しまず教えてくれる。
「今まで黄帝は闇呪の所業について沈黙を守ってきた。対立関係となるのを避けるためだったようだが、さすがに限界を察したのだろう。相称の翼についても、それが闇呪の仕業であるとの確たる証拠が何もない。だから、手を出すことが出来なかった。しかし、相称の翼を見失ってから、黄帝の力は日に日に衰えている。このままではいずれ世界が滅ぶ。黄帝はようやく、闇呪に対するこれまの沈黙を破る決意をしたようだ」
「それで、各国の助力を求めたってこと? 後継者の真名献上も闇呪に立ち向かうため? まだ彼が原因だとは限らないのに?」
碧宇は首を横に振った。
「証拠がなくとも、彼が関わっている可能性は捨てきれない」
「どうして?」
「黄帝曰く、相称の翼はこの世にはない。あらゆる手を尽くしても見つからない。天界にも地界にも、既に気配が感じられない。存在が途切れているという」
碧宇は更に追い討ちをかけた。
「それに相称の翼が巨大な影に抱かれて鬼門へ向かうのを見た者がいる。それを機に、相称の翼は消息を絶っている」
翡翠はすぐに清香から聞いた体験が蘇った。白虹の皇子が手に入れた情報を、黄帝が手に入れられない筈はない。ずっと以前から、黄帝にとっては明らかな事実だったのかもしれない。
「相称の翼は、鬼門から異界へ飛ばされた可能性が高い。誰にでも出来ることじゃない。状況からも、動機からも、闇呪が疑わしいのは事実だ」
翡翠は力なく「そうだね」と呟いた。
やはり白虹の皇子を救ったのは、別の何者かだったのだろうか。そう考えると、全ての成り行きに筋が通る。
闇呪は極悪非道な、――この世の禍。
全てが、その宿命を形にして行く。
「どのように動くのかは、黄帝もまだ模索しておられる。全面的に闇呪を糾弾して、対立することはやはり避けたいのだろうな。とりあえず思惑を伏せたまま鬼門を開門して、異界へ使者を発たせようかと考えておられるようだ」
「秘密裏に、相称の翼の行方を探すということ?」
「――おそらくな」
黙りこんでしまった翡翠の肩を、碧宇はぽんと叩く。兄の顔を見上げると、碧宇はいたずらっぽく笑う。
「全て極秘事項だが、可愛い弟に隠し事はできないからな。さて、では宮へ戻るか」
碧宇はくるりと背を向けて、大きく伸びをしながら部屋を出て行こうとする。それから簡単なことを言い忘れていたというように、立ち止まって翡翠を振り返った。
「おっと、忘れていた。翡翠――もし、万が一、異界で出会うことがあれば、その時はよろしく頼むぞ」
何かを問いかける前に、兄の碧宇は部屋から姿を消した。
翡翠の中で込み上げる、おさえがたい衝動。
兄の碧宇は全てを見抜いていたのだろう。
そして、碧宇から得た情報は、更に翡翠の衝動を駆り立て、揺るぎないものにしてしまった。強く掌を握り締めて、決意を固める。
(――異界へ行こう)
これまでのように、ただ無為にさまようだけではなく。
真実を確かめるために。
相称の翼を見つけるために。
それがどれほど危険なことなのかは、判っている。
鬼門の番人――闇呪。彼が護っているという天落の地。
詮索するのは、決して容易なことではないだろう。
噂のとおりに、彼は異界へ渡っているのかもしれない。
その非道な振る舞いによって、翡翠が魂魄を失うことだってあり得るのだ。
だけど、と翡翠は思う。強く恐れながらも、ほのかに抱きはじめた希望。
白虹の皇子の翼扶が救われたように、全てが覆されるのかもしれない。
(――何が真実なのかを、知りたい)
相称の翼を巡る思惑について。
それを解き明かすことが、この世を救う力になる。
(だから、異界へ行こう)
何があっても、自分の眼で見たことだけを信じていれば良い。
0
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
白い結婚の行方
宵森みなと
恋愛
「この結婚は、形式だけ。三年経ったら、離縁して養子縁組みをして欲しい。」
そう告げられたのは、まだ十二歳だった。
名門マイラス侯爵家の跡取りと、書面上だけの「夫婦」になるという取り決め。
愛もなく、未来も誓わず、ただ家と家の都合で交わされた契約だが、彼女にも目的はあった。
この白い結婚の意味を誰より彼女は、知っていた。自らの運命をどう選択するのか、彼女自身に委ねられていた。
冷静で、理知的で、どこか人を寄せつけない彼女。
誰もが「大人びている」と評した少女の胸の奥には、小さな祈りが宿っていた。
結婚に興味などなかったはずの青年も、少女との出会いと別れ、後悔を経て、再び運命を掴もうと足掻く。
これは、名ばかりの「夫婦」から始まった二人の物語。
偽りの契りが、やがて確かな絆へと変わるまで。
交差する記憶、巻き戻る時間、二度目の選択――。
真実の愛とは何かを、問いかける静かなる運命の物語。
──三年後、彼女の選択は、彼らは本当に“夫婦”になれるのだろうか?
私が行方不明の皇女です~生死を彷徨って帰国したら信じていた初恋の従者は婚約していました~
marumi
恋愛
「あら アルヴェイン公爵がドゥーカス令嬢をエスコートされていますわ」
「ご婚約されたと噂を聞きましたが、まさか本当だとは!」
私は五年前までこの国の皇女エリシアだった。
暗殺事件に巻き込まれ、幼なじみで初恋の相手だった従者――アルヴェイン公子と共に命からがら隣国、エルダールへ亡命した。
彼の「必ず迎えに来る」その言葉を信じて、隣国の地で彼を待ち続けた……。
それなのに……。
やっとの思いで帰国した帝国の華やかなパーティー会場で、一際目立っているのは、彼と、社交界の華と言われる令嬢だった――。
※校正にAIを使用していますが、自身で考案したオリジナル小説です。
※イメージが伝わればと思い、表紙画像をAI生成してみました。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
十年越しの幼馴染は今や冷徹な国王でした
柴田はつみ
恋愛
侯爵令嬢エラナは、父親の命令で突然、10歳年上の国王アレンと結婚することに。
幼馴染みだったものの、年の差と疎遠だった期間のせいですっかり他人行儀な二人の新婚生活は、どこかギクシャクしていました。エラナは国王の冷たい態度に心を閉ざし、離婚を決意します。
そんなある日、国王と聖女マリアが親密に話している姿を頻繁に目撃したエラナは、二人の関係を不審に思い始めます。
護衛騎士レオナルドの協力を得て真相を突き止めることにしますが、逆に国王からはレオナルドとの仲を疑われてしまい、事態は思わぬ方向に進んでいきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる