魔法学園の悪役令嬢、破局の未来を知って推し変したら捨てた王子が溺愛に目覚めたようで!?

朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます

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「これ……夢小説……?」
 
 私は驚きで声が震えた。全く予想外だった。
 
「そうだ」
 
 アトレイン様は顔を赤くしていて、恥ずかしそうに眉を寄せている。
 格好いいのに、なんだか「可愛い」とも思えてくる。
 
「俺は勝手に自分を主人公にして、書き換えたんだ。それだけじゃない。新しい夢小説をたくさん書いた」
「な、なんと……!」
  
 ページが、次々と風に舞う。全部見せてくれるの? す、すごい。
 自分が相手役として書かれた夢小説なんて初めて読む。は、恥ずかしい。でも嬉しい。
 
「もしこんな俺が嫌なら、あなたの魔法で燃やしてくれ、全部」
「えっ、なんてことを。もったいない」
  
 アトレイン様の声が、震えている。
 読んでいる私も恥ずかしいんだもの。書いたご本人はきっと羞恥心でいっぱいだよね。

 私の脳内に、前世の記憶が蘇る。
 入院前、まだ元気に学校に通えていた頃、初めて書いた夢小説が声に出して読まれて笑われたことがあった。
 その時の居たたまれない気持ちを思い出すと、目の前のアトレイン様が眩く輝いて見えた。
 
 ……拒絶されるのを覚悟して、すごく勇気を出して見せてくださったんだ。
 
 私は、ページの一枚を拾った。
 
『パメラと手を繋いで歩きたい』
 
 そこに書かれた言葉を読んで――胸が、温かくなった。
 
「嫌じゃ、ないです」
「え……?」
「嫌な気分には、ならなかったです。どちらかというと……恥ずかしいとか、嬉しい」
 
 言葉にすると、自分の気持ちがハッキリと定まった感じがする。
 
「そうか、私……嬉しいんだ」
「パメラ……」
「こんなに私のことを好きでいてくれるのが、嬉しいです」
 
 私は、灯篭を握りしめた。
 夢小説を相手に見せるなんて、凄まじく勇気がいることだ。
 アトレイン様はそれをしてくれた。
 私も、同じだけの覚悟で「大好き」と伝えたい。
 
 今なら光るかも……でも、怖い。
 
 もし光らなかったら。
 もし、私の気持ちが偽物だと証明されてしまったら。
 
 その恐怖が、私を縛る。
 
「純真ぶってんじゃないわよ!」
 
 突然、遠くからコレットの叫び声が響いた。
 
「はっきりしなさいよ、はっきり! それ光らなかったら私が次に告白するんだからね!」
「邪魔するなよコレット。キミ、光らせる自信あるの?」
「光るわ! あたしはね、すっごく貧乏な家で育ったの。お金持ちの貴族の夫人を目指してるの。王族なんて最高だわ! 高貴な身分になりたいの! だから、あたしは心の底から『あなたと結婚したい』って叫んで光らせることができるわよ!」
「はぁ……、それって『殿下が好き』っていう光じゃなくて『高貴な身分になりたい』っていう光だよね」
 
 呆れた様子のセレスティンの声。
 そして、コレットの口を塞ぐ音。
 
「ごめんね邪魔させちゃって。こいつはボクが押さえておくよ」
 
 セレスティンが、優しく言った。
 
「ボク、パメラがどっちでもずっと友達としてそばにいるから、がんばれ」
「わーっ、離しなさいよー!」
「オレの殿下の邪魔をするな。ほら、行くぞコレット」
 
 レイオンがコレットを引きずっていく。
 
 みんな……。
 友達の応援に、勇気が湧いてくる。
 
「パメラ」
 
 アトレイン様が、私の手を取った。大きくて、温かな手だ。
 剣術の鍛錬を頑張っているのがわかる、皮が厚くてマメが潰れた痕のある、努力家の手だ。
 将来、この国を背負い、守り、引っ張って行こうという志があって、みんなの理想通りに完璧な王太子であろうとしていて、でも私には弱いところを見せてくれる少年の手だ。
 
「君の気持ちを、聞かせてほしい」 
「私は……」
 
 深呼吸をひとつ。
 小さな灯篭を両手でそっと包み込み、胸の奥から言葉を紡ぐ。

「アトレイン様が……好きです! あと、私もアトレイン様とレイオンで妄想小説をいっぱい書いちゃいました! ごめんなさい! 大好きです!」

 声にした瞬間、灯篭が脈を打った。
 ぽうっと生まれた虹色の光が、指先へ、腕へ、胸へと温度を伝えてくる。
 優しい光の線は花びらとなり、カルディアの花を描き出して……私の想いに応えるように、満開に咲き誇った。
 
「あ……」
 
 美しい七色の光が、私の手の中で輝いている。
 
 真実の証だ。
 
「光った……!」
 
 興奮して声が震える。
 
 偽物じゃなかった。
 私の愛は、本物だ。
 私はちゃんと光らせることができたんだ。
 
 もしかしたら後半の妄想小説告白も効いたのかもしれない。
 我ながら一世一代のカミングアウトだった。
 
 やっぱり、相手が勇気を出して夢小説カミングアウトしてくれたなら私も同じぐらい覚悟しないとねって思って言った甲斐があった。チラッと見ると、アトレイン様は妄想小説のことはあまり気にしていないみたいで目を輝かせている。
 
「パメラ……」
 
 アトレイン様が、私を強く抱きしめた。
 喜びが全身で伝わってきて、胸がいっぱいになる。
 
「ありがとう。ありがとう、パメラ……! 俺を好きになってくれて、ありがとう!」
「アトレイン様!」

 これが私の愛です、と言いかけたけど、口に出す寸前で変に冷静になって「それはちょっとな」と思い返して黙っておく。
  
 でも、よかった。
 彼を喜ばせることができて嬉しい。
 感極まった私は、ぎゅっとアトレイン様にしがみつくようにして抱き着いた。
 柑橘系のいい匂いがする。好きな匂いだ。
 
 風が吹き、散らばった灯篭の光がゆらめく。
 私の手から離れた光も、空へと優雅昇っていく。
 
「……パメラ」
「…………はい」
 
 ようやく返事ができて視線をそっと上げると、彼の手が優しく私の髪に触れた。
 長い指の先が髪の一房をすくい上げ、夜風の中で揺らす。
 まるで宝石を確かめるみたいに丁寧に扱われて、きゅんとなる。

「パメラの髪は、花びらを溶かして流したみたいで本当に綺麗だな。パメラは春の妖精みたいだ」
「え……」
「最初に見たときから、そう思っていた」
「アトレイン様は、たまにすごくロマンチストというか、詩的な表現をなさいますよね」
「夢小説で鍛えた」
「……なるほど……」
  
 彼の視線が、唇の方へとゆっくり降りてくる。

 ……こんなに近くで見つめられたら、心臓がもたない。

 息が浅くなっていく。
 周りの喧騒が遠のいて、世界に私たち二人だけが残る。

「パメラ」

 名前を呼ばれるだけで、体温が上がっていく。

「……良かったら、目を閉じて」

 甘やかに囁かれて、私はときめきながら睫毛を伏せた。
 いつもの「目を閉じて」と違って、今日は魔法の聖光は閃かない。

 代わりに、そっと唇が触れた。
 羽が頬をかすめるような、初々しくてピュアなキスだ。

 灯篭の光がゆらめき、夜風が甘く香る。
 彼の温もりが伝わって、胸の奥がじんわりと満たされていく。

 賑やかなはずの世界が静かに思える。
 まるで、世界に二人きりみたい。
 胸の奥が光で満たされていくようで、最高の気分だった。

「ところで、妄想小説について後でゆっくり教えてほしい」
「あ、それ聞いちゃいます……?」

 ロマンチックな気分が台無しだよ。
 仕切り直して。
 
   ◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
 
「さて、と。ノートは回収しないとな」
 
 少し落ち着いた後、アトレイン様は視線を周囲に向けた。
 冷静になると、恥ずかしさがどんどん湧いてきて、私は周囲を見ることができない。
 
「ぜひ回収してください……私も手伝います」
 
 魔法で浮かせているみたいだけど、もし何かがあって風に飛ばされたら大変だ。
 実名夢小説が不特定多数の目に晒されるなんて、つらすぎる。
 私たちは散らばったノートのページを拾い、ページ数順に並べてノートに挟んだ。
 
『パメラの笑顔が好きだ』
『パメラと一緒にいると、幸せだ』
 
 一枚一枚に書かれた彼の想いは、見るたびに胸がくすぐったくなる。
 
「嬉しいんですけど……恥ずかしいですね」
「俺はすごく恥ずかしい」
 
 二人で笑い合いながら片づけを終えると、アトレイン様が私の手を取った。
 
「さあ、行こう」
「はい」
 
 手を繋いで、お祭りの賑やかな中を歩き出す。
 
 幸せだ……。
 
 彼の手の温もりを感じながら、私は心から思った。
 
 運命は、変えられる。
 未来は、自分で切り開ける。 私はこれから、彼と一緒に新しい未来を作っていくのだ。

「ちなみに妄想小説というのはどのような……」
「アトレイン様。その件については忘れましょう」
 
 アトレイン様は好奇心旺盛だ。
 ……妄想小説、やっぱり言わなきゃよかったかな~~?

「ネクロセフ教授! あたしと踊ってくれませんか?」
「断る」

 あっ、コレットが教授にダンスを申し込んで断られている。
 
 少し離れた場所で、セレスティンとレイオンが呆れ顔で見ていた。
 目が合うと、二人はニヤニヤしながら手を振ってくる。

「おお、オレの大切な王太子殿下。うまくいってよかったですねえ」
「茶化すなよ、レイオン」
「茶化してませんって。オレは自分のことのように嬉しいですよ」 
 
 ちょっと恥ずかしい感じがしたけど、私はにっこり笑って大切な友達に手を振り返した。

「パメラ! コレットが教授が格好いいってさ。推し活仲間が増えたんじゃない?」
「コレットは推し活仲間……なのかなあ?」

 様子を見ていると、すごすごと帰ってくるコレットと入れ違いのようにして、白銀の髪の綺麗なお姫様が教授に近付いていく。
 
 あっ。
 あの方、アトレイン様のお姉様――ネクロセフ教授の婚約者のグレイシア姫殿下だ!
 
 姫殿下の手を取り、ネクロセフ教授が笑顔を咲かせる。

 ああ……教授が幸せそう。
 あの笑顔は私が導いたんだ。そう思うと誇らしくて、嬉しくて堪らなくなる。

「パメラ。俺の前で他の男を見るなとさっき言ったばかりなのに……」

 アトレイン様は苦笑しつつ、改まって私の手を取り、真っすぐすぎる目で私を見つめた。

「姉を……みんなを助けてくれて、ありがとう」

 虹色の灯篭の隙間を縫うようにして、色彩豊かな魔法花火がどん、どんと打ちあがる。

 遠くで幸せの象徴みたいな鐘の音が鳴り響く。

 そして――ひときわ大きな歓声が上がった。

「――……あれを見ろ……!」

 え、何?

 みんなの視線の先を見てみると、英雄王の銅像の上にオレンジ色に光輝く文字が現れていた。

『愛する王国の民へ
 我が国が水面下で抱えていた問題を、聖女が見事に解決した。
 彼女の働きがなければ、王族を始めとして多くの民が命を落とす事態になっただろう。
 聖女パメラ・タロットハートに感謝と祝福を。
 ――賢者より』
 
 ……け、賢者様っ……!?

 ふわふわと光っていた文字が消えると、周囲の視線が一斉に私に向く。

「聖女様だ」
「パメラ様が王国の救世主だって」
「何をしたの?」
「知らないけど、なんか水面下ですごいことしたんだって」

 わああああああっ!?

 アトレイン様もびっくりした顔になって、少し考えてから「あ、あれか」と納得した顔で呟く。

「みんな、その通りだ。パメラの意向があり、彼女が何を成したのかは秘匿されているが、間違いなく彼女は王国……だけでなく、世界中の人々を救ったと言えるだろう!」

 私をふわりとお姫様抱っこして、アトレイン様は朗々とした声で言い切った。

「パメラ・タロットハートは聖女である!」
 
 宣言された瞬間に凄まじい歓声と拍手が湧く。
 な、なんだかすごいことになっちゃった。
 
 でも、なにはともあれ――私は運命を塗り替え、幸せな恋の結末ハッピーエンドを掴んだってことだよね!

 
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