31 / 77
1章、王太子は悪です
28、あ~~っ!
しおりを挟む
『五果の二十二枝』……5月22日。17時00分。
私、マリンベリーは困っていた。
ぐんぐんと水位が上がってきたダンジョンの中、脱出口を目指して箒で飛んでいたところ、溺れかけの魔物が箒にしがみついてきたのだ。
パンダのぬいぐるみの姿をした魔物は、藁に縋る気持ちだったのだろう。
手で振り払おうとしたところ、魔物はなんと指にムギュッとしがみついてきた。
運悪くその指には婚約指輪が填められていて、指輪は指から抜けてしまった。ぽちゃんっ、という嫌な音が聞こえて、私は悲鳴をあげた。
『あ~~っ!』
なんてこと!
指輪を水に落とし、ついでに自分もバランスを崩して水の中に落ちて、ひとしきり水流の揉まれたあとでなんとか水面に顔を出したものの。
「他のみんなとはぐれちゃったし、指輪もどっかいっちゃった……」
それにしても、水位がどんどん上がってくる。これ、大事故なのでは?
箒も流れていってしまった。泳いで出口まで行くか……と両手で水を掻いたとき、声がかけられた。
「マリンベリーは泳ぎも上手いな」
「へっ」
パーニス殿下の声だ。
顔をあげると同時に、腕が掴まれて引き上げられる。
気付けば私は箒に乗ったパーニス殿下に抱きかかえられていた。私も全身ずぶ濡れだけど、パーニス殿下もびしょ濡れだ。
「パーニス殿下、ご無事でしたか」
「他の生徒も無事だぞ。集団で箒に乗って脱出させている」
「どうしてこんなに水浸しになっちゃったんですか? 殿下」
「カップルが派手に喧嘩した。それも、将来は宮廷魔法使いと目されている2人だった」
話しているうちに、水面に怖いものが見えた。
特徴的な背ビレ。透明度の高い水面に見える全身像――サメ!
「サ、サメがいたんですねっ!?」
水の中、とっても危険だった!
さすがにゾッとしてパーニス殿下にしがみつくと、ポンポンと背中を叩いて落ち着かせてくれる。
「怪我がなくてよかった」
「お互いに。あ、指輪は落としてしまったのですが……すみません」
「指輪よりもお前の方が大事だ。俺がこの状況で指輪を落としたことを責める男だと思っているのか?」
「いえ。ただ、言わないより謝っておくべきかと思いまして」
「……マリンベリーは泳ぎが達者だったが、溺れたりはしなかったのだな」
「意外に思われるかもしれませんが、私は水泳が得意なのです」
脱出口が見えてくる。よかった。
「これは学校側の責任問題になったりしないんでしょうか」
「そうだな。責任を問われるとしたら学校側だろうな」
外に出ると、ワッと会場が湧いた。
会場は、空席が目立つ。魔女家当主のキルケ様も見当たらないし、司会進行役だったミディー先生と賢者家当主のカリスト様もいない。
魔法使いたちが慌ただしく走り回っているので、事態の収拾に動いているのかも。
「このままゴールテープを切るか」
集団でゴールテープを切り、地面に降りるとイージス班のメンバーと医療班が走ってきた。
イージス殿下とアルティナだ。あれ? イアンディールは?
「よかった、マリンベリーさん。探していたのですよ……!」
「怪我人はいませんか?」
イージス殿下は真っ青な顔だった。
本気で心配してくれていたのが伝わってくる。
腕を伸ばして私に触れようとして、パーニス殿下に威嚇されている……。
「兄上。彼女は無事なので」
「ああ、パーニスが助けてくれたのですね。ありがとうございます。よかった……でも、触るくらいいいじゃないですか、減るものじゃなし」
「減ります」
放置しておくと兄弟喧嘩に発展しそうな気配。私は慌てて口を挟んだ。
「はぐれてしまってすみませんでした、殿下」
「謝ることはありませんよ」
それにしてもこの事態、大会の順位はどうなるのだろう。
アクシデントで中止?
乙女ゲームにはこの大会が中止になるルートなんてなかったけど。
「ポイントは計算されているので、順位が……」
順位表が出ている。
『アクアリウム・シーダンジョン』の攻略タイムの欄にイージス班とパーニス班が同着となっているのは、もしかしなくても私が原因だろうか。
ダンジョン攻略のゴールタイムは、班の全員がゴールした瞬間に計測される。
私がパーニス殿下と一緒にゴールしたので、攻略タイムが2班同着になったんだ。
「パーニス殿下。魔物をいっぱい討伐なさったのですね?」
イージス班もポイントを稼いでいたつもりだったけど、討伐ポイントで差がついてパーニス班が1位になっている。
「そうだな。俺たちは賑やかだったから魔物が寄ってきたし、他の連中が戦闘より水槽に意識を向けていたので、自然と討伐担当になっていた気がする」
パーニス殿下は順位表に目を細めてから、「ところで、兄上の班はひとり欠けているようだが」と確認した。そうそう、私も気になっていたんだ。
2人揃って視線を向けると、イージス殿下は眉尻を下げた。
「イアンディールが脚を怪我したのです。軽傷といわれていますが」
「えっ」
途中の過程は違うけど、「狩猟大会でイアンディールが脚を怪我する」というのは原作の乙女ゲームのバッドエンドにつながるエピソードを連想させた。
でも、軽傷なら違うのかな? 偶然かな?
「あの、障がいが残ったりはしないですよね? 歩けなくなったりする恐れは……」
「それはないようです。立って歩けますし、数日で治るらしいですよ」
……大丈夫みたい。よかった。
安堵していると、ミディー先生のアナウンスが響いた。
「みなさん! ご安心ください。生徒たちは全員脱出を完了しました。軽傷者はいますが、重傷者はいません」
先生も「重傷者なし」と言っているので、私は胸をなでおろした。
「本日はアクシデントの収集のため、これにて狩猟大会をいったん終わりにしたいと思います。順位は出ていますので、明日の夜には予定通り表彰パーティを行いたいと思います……以上~」
ざわざわとした会場は、当分落ち着かないだろうと思われた。
「パーニス殿下のご活躍を見たか、生徒たちをリードして……」
「ああ。それに、魔法と剣の腕も素晴らしかった」
観客がパーニス殿下に視線を注いで噂をしている。大活躍だったみたいだ。さすが殿下。
1位にもなったし、名声もアップしたみたいだし、ちょっとアクシデントはあったけど「狩猟大会は乙女ゲーム攻略的には成功!」と言えるのではないだろうか。
……よかった、と思ってもいいかな?
「酷い目に遭ったのにご機嫌だな、マリンベリー?」
「パーニス殿下が勝ってくださったので」
素直に告げると、パーニス殿下は眉をあげた。
「俺の勝利を喜んでくれるのか。ありがとう」
「ライバル班でしたが、私は最初から『このイベントで勝ってください』と言ってませんでしたっけ?」
「そうだな。ついでに『勝ったらキスしてもいい』と言っていた気がする」
「それは嘘!」
その後、パーニス殿下を除く生徒たちは全員、宿泊施設へと引き上げた。パーニス殿下は「ちょっとした用事がある」と言っていた。
何をするのかな? 気になったけど、「大したことではない」と言われたので、私は気にしないことにした。
夕陽がゆっくりと世界を茜色に染めて沈んでいく。
海辺の会場だったこともあり、沈む陽が海の表面を照らしている景色はとても綺麗だった。
私、マリンベリーは困っていた。
ぐんぐんと水位が上がってきたダンジョンの中、脱出口を目指して箒で飛んでいたところ、溺れかけの魔物が箒にしがみついてきたのだ。
パンダのぬいぐるみの姿をした魔物は、藁に縋る気持ちだったのだろう。
手で振り払おうとしたところ、魔物はなんと指にムギュッとしがみついてきた。
運悪くその指には婚約指輪が填められていて、指輪は指から抜けてしまった。ぽちゃんっ、という嫌な音が聞こえて、私は悲鳴をあげた。
『あ~~っ!』
なんてこと!
指輪を水に落とし、ついでに自分もバランスを崩して水の中に落ちて、ひとしきり水流の揉まれたあとでなんとか水面に顔を出したものの。
「他のみんなとはぐれちゃったし、指輪もどっかいっちゃった……」
それにしても、水位がどんどん上がってくる。これ、大事故なのでは?
箒も流れていってしまった。泳いで出口まで行くか……と両手で水を掻いたとき、声がかけられた。
「マリンベリーは泳ぎも上手いな」
「へっ」
パーニス殿下の声だ。
顔をあげると同時に、腕が掴まれて引き上げられる。
気付けば私は箒に乗ったパーニス殿下に抱きかかえられていた。私も全身ずぶ濡れだけど、パーニス殿下もびしょ濡れだ。
「パーニス殿下、ご無事でしたか」
「他の生徒も無事だぞ。集団で箒に乗って脱出させている」
「どうしてこんなに水浸しになっちゃったんですか? 殿下」
「カップルが派手に喧嘩した。それも、将来は宮廷魔法使いと目されている2人だった」
話しているうちに、水面に怖いものが見えた。
特徴的な背ビレ。透明度の高い水面に見える全身像――サメ!
「サ、サメがいたんですねっ!?」
水の中、とっても危険だった!
さすがにゾッとしてパーニス殿下にしがみつくと、ポンポンと背中を叩いて落ち着かせてくれる。
「怪我がなくてよかった」
「お互いに。あ、指輪は落としてしまったのですが……すみません」
「指輪よりもお前の方が大事だ。俺がこの状況で指輪を落としたことを責める男だと思っているのか?」
「いえ。ただ、言わないより謝っておくべきかと思いまして」
「……マリンベリーは泳ぎが達者だったが、溺れたりはしなかったのだな」
「意外に思われるかもしれませんが、私は水泳が得意なのです」
脱出口が見えてくる。よかった。
「これは学校側の責任問題になったりしないんでしょうか」
「そうだな。責任を問われるとしたら学校側だろうな」
外に出ると、ワッと会場が湧いた。
会場は、空席が目立つ。魔女家当主のキルケ様も見当たらないし、司会進行役だったミディー先生と賢者家当主のカリスト様もいない。
魔法使いたちが慌ただしく走り回っているので、事態の収拾に動いているのかも。
「このままゴールテープを切るか」
集団でゴールテープを切り、地面に降りるとイージス班のメンバーと医療班が走ってきた。
イージス殿下とアルティナだ。あれ? イアンディールは?
「よかった、マリンベリーさん。探していたのですよ……!」
「怪我人はいませんか?」
イージス殿下は真っ青な顔だった。
本気で心配してくれていたのが伝わってくる。
腕を伸ばして私に触れようとして、パーニス殿下に威嚇されている……。
「兄上。彼女は無事なので」
「ああ、パーニスが助けてくれたのですね。ありがとうございます。よかった……でも、触るくらいいいじゃないですか、減るものじゃなし」
「減ります」
放置しておくと兄弟喧嘩に発展しそうな気配。私は慌てて口を挟んだ。
「はぐれてしまってすみませんでした、殿下」
「謝ることはありませんよ」
それにしてもこの事態、大会の順位はどうなるのだろう。
アクシデントで中止?
乙女ゲームにはこの大会が中止になるルートなんてなかったけど。
「ポイントは計算されているので、順位が……」
順位表が出ている。
『アクアリウム・シーダンジョン』の攻略タイムの欄にイージス班とパーニス班が同着となっているのは、もしかしなくても私が原因だろうか。
ダンジョン攻略のゴールタイムは、班の全員がゴールした瞬間に計測される。
私がパーニス殿下と一緒にゴールしたので、攻略タイムが2班同着になったんだ。
「パーニス殿下。魔物をいっぱい討伐なさったのですね?」
イージス班もポイントを稼いでいたつもりだったけど、討伐ポイントで差がついてパーニス班が1位になっている。
「そうだな。俺たちは賑やかだったから魔物が寄ってきたし、他の連中が戦闘より水槽に意識を向けていたので、自然と討伐担当になっていた気がする」
パーニス殿下は順位表に目を細めてから、「ところで、兄上の班はひとり欠けているようだが」と確認した。そうそう、私も気になっていたんだ。
2人揃って視線を向けると、イージス殿下は眉尻を下げた。
「イアンディールが脚を怪我したのです。軽傷といわれていますが」
「えっ」
途中の過程は違うけど、「狩猟大会でイアンディールが脚を怪我する」というのは原作の乙女ゲームのバッドエンドにつながるエピソードを連想させた。
でも、軽傷なら違うのかな? 偶然かな?
「あの、障がいが残ったりはしないですよね? 歩けなくなったりする恐れは……」
「それはないようです。立って歩けますし、数日で治るらしいですよ」
……大丈夫みたい。よかった。
安堵していると、ミディー先生のアナウンスが響いた。
「みなさん! ご安心ください。生徒たちは全員脱出を完了しました。軽傷者はいますが、重傷者はいません」
先生も「重傷者なし」と言っているので、私は胸をなでおろした。
「本日はアクシデントの収集のため、これにて狩猟大会をいったん終わりにしたいと思います。順位は出ていますので、明日の夜には予定通り表彰パーティを行いたいと思います……以上~」
ざわざわとした会場は、当分落ち着かないだろうと思われた。
「パーニス殿下のご活躍を見たか、生徒たちをリードして……」
「ああ。それに、魔法と剣の腕も素晴らしかった」
観客がパーニス殿下に視線を注いで噂をしている。大活躍だったみたいだ。さすが殿下。
1位にもなったし、名声もアップしたみたいだし、ちょっとアクシデントはあったけど「狩猟大会は乙女ゲーム攻略的には成功!」と言えるのではないだろうか。
……よかった、と思ってもいいかな?
「酷い目に遭ったのにご機嫌だな、マリンベリー?」
「パーニス殿下が勝ってくださったので」
素直に告げると、パーニス殿下は眉をあげた。
「俺の勝利を喜んでくれるのか。ありがとう」
「ライバル班でしたが、私は最初から『このイベントで勝ってください』と言ってませんでしたっけ?」
「そうだな。ついでに『勝ったらキスしてもいい』と言っていた気がする」
「それは嘘!」
その後、パーニス殿下を除く生徒たちは全員、宿泊施設へと引き上げた。パーニス殿下は「ちょっとした用事がある」と言っていた。
何をするのかな? 気になったけど、「大したことではない」と言われたので、私は気にしないことにした。
夕陽がゆっくりと世界を茜色に染めて沈んでいく。
海辺の会場だったこともあり、沈む陽が海の表面を照らしている景色はとても綺麗だった。
1
あなたにおすすめの小説
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子
ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。
(その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!)
期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。
【完結】追放された大聖女は黒狼王子の『運命の番』だったようです
星名柚花
恋愛
聖女アンジェリカは平民ながら聖王国の王妃候補に選ばれた。
しかし他の王妃候補の妨害工作に遭い、冤罪で国外追放されてしまう。
契約精霊と共に向かった亜人の国で、過去に自分を助けてくれたシャノンと再会を果たすアンジェリカ。
亜人は人間に迫害されているためアンジェリカを快く思わない者もいたが、アンジェリカは少しずつ彼らの心を開いていく。
たとえ問題が起きても解決します!
だって私、四大精霊を従える大聖女なので!
気づけばアンジェリカは亜人たちに愛され始める。
そしてアンジェリカはシャノンの『運命の番』であることが発覚し――?
〘完結〛ずっと引きこもってた悪役令嬢が出てきた
桜井ことり
恋愛
そもそものはじまりは、
婚約破棄から逃げてきた悪役令嬢が
部屋に閉じこもってしまう話からです。
自分と向き合った悪役令嬢は聖女(優しさの理想)として生まれ変わります。
※爽快恋愛コメディで、本来ならそうはならない描写もあります。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
婚約者を奪われるのは運命ですか?
ぽんぽこ狸
恋愛
転生者であるエリアナは、婚約者のカイルと聖女ベルティーナが仲睦まじげに横並びで座っている様子に表情を硬くしていた。
そしてカイルは、エリアナが今までカイルに指一本触れさせなかったことを引き合いに婚約破棄を申し出てきた。
終始イチャイチャしている彼らを腹立たしく思いながらも、了承できないと伝えると「ヤれない女には意味がない」ときっぱり言われ、エリアナは産まれて十五年寄り添ってきた婚約者を失うことになった。
自身の屋敷に帰ると、転生者であるエリアナをよく思っていない兄に絡まれ、感情のままに荷物を纏めて従者たちと屋敷を出た。
頭の中には「こうなる運命だったのよ」というベルティーナの言葉が反芻される。
そう言われてしまうと、エリアナには”やはり”そうなのかと思ってしまう理由があったのだった。
こちらの作品は第18回恋愛小説大賞にエントリーさせていただいております。よろしければ投票ボタンをぽちっと押していただけますと、大変うれしいです。
【完結】モブの王太子殿下に愛されてる転生悪役令嬢は、国外追放される運命のはずでした
Rohdea
恋愛
公爵令嬢であるスフィアは、8歳の時に王子兄弟と会った事で前世を思い出した。
同時に、今、生きているこの世界は前世で読んだ小説の世界なのだと気付く。
さらに自分はヒーロー(第二王子)とヒロインが結ばれる為に、
婚約破棄されて国外追放となる運命の悪役令嬢だった……
とりあえず、王家と距離を置きヒーロー(第二王子)との婚約から逃げる事にしたスフィア。
それから数年後、そろそろ逃げるのに限界を迎えつつあったスフィアの前に現れたのは、
婚約者となるはずのヒーロー(第二王子)ではなく……
※ 『記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました』
に出てくる主人公の友人の話です。
そちらを読んでいなくても問題ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる