39 / 77
2章、第二王子は魔王ではありません
36、閉じ込められるのは得意分野なので
しおりを挟む
放課後になると、パーニス殿下がお迎えに来て生徒会室へ連れていかれた。
「今日はクロヴィスと一緒にイアン先輩のおうちにお見舞いに行く約束をしてまして」
「顔合わせだけでいい」
「あっ、はい」
生徒会の腕章をつけて生徒会室に顔を出すと、イージス殿下とエリナがいた。
「イージス兄上はしばらく業務の引継ぎをしてくださるんだ。エリナは店の手伝いで商売経験があるし計算が得意なので、会計を頼んでみた」
私は癒し係でエリナは会計?
「ふ、複雑な気分」
思わず呟くと、パーニス殿下は目をキラリとさせた。
「それはもしや嫉妬か?」
「確実に違うと思います」
顔合わせだけと言ったのに、紅茶まで淹れてくれる。
「あ、パーニス殿下。雑用は自分が」
エリナが腰を浮かせるが、パーニス殿下は断固として譲らなかった。
「俺がやる」
謎のこだわり……。
これはひとくち飲まないと帰してもらえないやつだ。
「いただきます」
「いただけ」
「美味しいです」
「うむ。美味しく淹れた手ごたえがあった」
謎の満足そうな顔。
まあ、いいか。
「では、本日は予定がありますので、お先に失礼いたします」
「一緒に帰れないのは残念だが、ルビィは俺の代わりにしっかり護衛するんだぞ」
「きゅい!」
ルビィは愛らしく返事をして尻尾を振ると、生徒会室が「かわいいなぁ」という感想で染まる。
アニマル・ラブリー・パワーは最強だな……。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
「クロヴィス、お待たせしました。馬車を用意してくださってありがとうございます」
「マリンベリー嬢を生徒会の顔合わせに連れていく、とパーニス殿下から聞いておりました……お手をどうぞ」
イアンディールの家――ヴァラン伯爵家は、東方の肥沃な土地と北方の鉱山地帯に領地を持っている伯爵家だ。代官と親族に離れた土地を任せ、当主伯爵は王都で外務大臣をしている実力者。
伯爵一家が住むお屋敷は、城周街にある。通称『黒薔薇邸』とも呼ばれる、黒を基調とした麗しいお屋敷だ。
「クロヴィスはイアン先輩のおうちに行ったことがありますか?」
「実は、初めてです。訪問の許可もいただいていないので、門前払いされるかもしれません」
「ああ……ちょっと勇み足だったかもしれませんね、私たち。門前払いを覚悟しておきましょうか」
二人だけで話すのは緊張するかも。
クロヴィスもどことなく緊張しているように見える。
「あ、そうだ」
彼のセージグリーンの髪を見ていて、ふと思いついた。
クロヴィスの目隠しって、外すときもあるんだよね。
長い前髪って、邪魔になったり目が悪くなったりしないのかな。
「クロヴィス。もしよければですけど……この髪留めをもらってくださいますか? 目隠しを外したときに前髪を留める髪留めです」
「えっ?」
普段前髪をおろしている人が前髪をあげたときにしか得られない栄養があるっていうじゃない?
試しに髪留めでクロヴィスの前髪を留めると、似合っていたので私は大満足した。
「ありがとうございます、マリンベリー嬢。家宝にします」
「家宝にするほどの贈り物ではないですよね!?」
クロヴィスは大袈裟なほど喜んでくれた。
よかった、よかった。
ヴァラン伯爵家に到着して馬車から降りると、使用人たちはすんなりと中に通してくれた。前評判通りの真っ黒なお屋敷は、高級感と威圧感がある。
「パーニス殿下から坊ちゃまの見舞いというお話を聞いておりました」
ああ! パーニス殿下が先にお話を通してくれたんだ。
早い。有能。ありがたい。
考えてみればイアンディールはパーニス殿下の配下だもんね。
最近はイージス殿下に取られているような印象もあったけど。
「わん! わん!」
お庭には大きな犬と犬小屋があり、ルビィが「きゅう!」と鳴き声をあげて会話していた。
「ばう!」
「きゅい!」
「わふっ」
「きゅう~」
何をお話しているんだろう。
動物同士がお話してるのって和むなあ。
「坊ちゃまはお部屋にて安静にしていらっしゃいます。恐れ入りますが、お部屋に直接お通しいたします」
ちょっとした怪我のはずだけどな?
違和感を覚えつつ、イアンディールのお部屋に着くと、クロヴィスが目隠しを取って好奇心いっぱいの顔になった。
広いお部屋には、まず大きな水槽があって、鑑賞用のお魚が飼われていた。
それに、ハムスターの檻とカメの檻とウサギの檻がある。
さらに大きなぬいぐるみが多数並んでいて、観葉植物がちょっとした密林みたいになっているスペースもある。
……個性的なお部屋だ。
「やあ。お見舞いに来てくれて嬉しいよ。僕は部屋から出るなと言われていて退屈だったんだ……ちょうど手紙の返事を書いていたところでもある」
部屋の主、イアンディールは椅子に座った姿勢で歓迎してくれた。
光沢のあるキラキラ、というよりギラギラしたシャツを着ていて、胸元が大胆に空いている。
魔法学校では結んでいる長いビスケット色の髪は、結ぶことなく背に流している。
耳にはジャラジャラとイヤーカフスやピアスを何個もつけていて、手元も全部の指にゴテゴテしたデザインの指輪を填めて。
首元には……ドクロモチーフのシルバーネックレス……。
「どうしちゃったんですかイアン先輩」
「退屈を持て余していたんだ。見てくれ。爪も塗ってしまった。なかなか楽しかったよ」
両手の爪は二色のネイル用塗料で飾られていた。しかも、黒と赤。
「なんか、先輩。毒々しいですね」
「クロヴィスも同じ格好にしてあげようか?」
「遠慮します」
ストレスが高いんだろうな……心の闇を感じちゃうよ。
床に散らばってる紙とか、ポエム書いてるもん。
『水槽の魚たちと僕たちは同じなんだ』とか書いてるもん。
視えちゃってるけど、本人気にしてなさそう。
以前も寂しそうにしていたし、バッドエンドルートのスチル回収しちゃったし、優しくしてあげよう。
「私が出してあげます。ヴァラン伯爵に言ってきますよ。心配なのはわかるけど、お外に出してーって」
これは放置しておけない。
私もこれまでよく閉じ込められたけど「自分の意思で外に出られない」と意識しちゃうと、すごくストレスになるんだよね。
「私、全力で『出して―』って言ってきます。閉じ込められるのは得意分野なので任せてください」
「マリンベリーちゃんにそんな得意分野があったとは知らなかった。でも、父は仕事で忙しくて家には月に一度帰るかどうかだよ」
「ええっ……!」
それはひどい。
自分は家にいないのに、息子を部屋に閉じ込めて放置?
「パーニス殿下にお願いして、ヴァラン伯爵に言ってもらいますよ! ルビィ、お使いを頼める?」
「きゅう!」
ルビィはやる気いっぱいに走っていった。
使い魔ってご主人様のところに一瞬で移動したり飛んでいくのかと思ったけど、走っていくんだ……。
「今日はクロヴィスと一緒にイアン先輩のおうちにお見舞いに行く約束をしてまして」
「顔合わせだけでいい」
「あっ、はい」
生徒会の腕章をつけて生徒会室に顔を出すと、イージス殿下とエリナがいた。
「イージス兄上はしばらく業務の引継ぎをしてくださるんだ。エリナは店の手伝いで商売経験があるし計算が得意なので、会計を頼んでみた」
私は癒し係でエリナは会計?
「ふ、複雑な気分」
思わず呟くと、パーニス殿下は目をキラリとさせた。
「それはもしや嫉妬か?」
「確実に違うと思います」
顔合わせだけと言ったのに、紅茶まで淹れてくれる。
「あ、パーニス殿下。雑用は自分が」
エリナが腰を浮かせるが、パーニス殿下は断固として譲らなかった。
「俺がやる」
謎のこだわり……。
これはひとくち飲まないと帰してもらえないやつだ。
「いただきます」
「いただけ」
「美味しいです」
「うむ。美味しく淹れた手ごたえがあった」
謎の満足そうな顔。
まあ、いいか。
「では、本日は予定がありますので、お先に失礼いたします」
「一緒に帰れないのは残念だが、ルビィは俺の代わりにしっかり護衛するんだぞ」
「きゅい!」
ルビィは愛らしく返事をして尻尾を振ると、生徒会室が「かわいいなぁ」という感想で染まる。
アニマル・ラブリー・パワーは最強だな……。
◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆
「クロヴィス、お待たせしました。馬車を用意してくださってありがとうございます」
「マリンベリー嬢を生徒会の顔合わせに連れていく、とパーニス殿下から聞いておりました……お手をどうぞ」
イアンディールの家――ヴァラン伯爵家は、東方の肥沃な土地と北方の鉱山地帯に領地を持っている伯爵家だ。代官と親族に離れた土地を任せ、当主伯爵は王都で外務大臣をしている実力者。
伯爵一家が住むお屋敷は、城周街にある。通称『黒薔薇邸』とも呼ばれる、黒を基調とした麗しいお屋敷だ。
「クロヴィスはイアン先輩のおうちに行ったことがありますか?」
「実は、初めてです。訪問の許可もいただいていないので、門前払いされるかもしれません」
「ああ……ちょっと勇み足だったかもしれませんね、私たち。門前払いを覚悟しておきましょうか」
二人だけで話すのは緊張するかも。
クロヴィスもどことなく緊張しているように見える。
「あ、そうだ」
彼のセージグリーンの髪を見ていて、ふと思いついた。
クロヴィスの目隠しって、外すときもあるんだよね。
長い前髪って、邪魔になったり目が悪くなったりしないのかな。
「クロヴィス。もしよければですけど……この髪留めをもらってくださいますか? 目隠しを外したときに前髪を留める髪留めです」
「えっ?」
普段前髪をおろしている人が前髪をあげたときにしか得られない栄養があるっていうじゃない?
試しに髪留めでクロヴィスの前髪を留めると、似合っていたので私は大満足した。
「ありがとうございます、マリンベリー嬢。家宝にします」
「家宝にするほどの贈り物ではないですよね!?」
クロヴィスは大袈裟なほど喜んでくれた。
よかった、よかった。
ヴァラン伯爵家に到着して馬車から降りると、使用人たちはすんなりと中に通してくれた。前評判通りの真っ黒なお屋敷は、高級感と威圧感がある。
「パーニス殿下から坊ちゃまの見舞いというお話を聞いておりました」
ああ! パーニス殿下が先にお話を通してくれたんだ。
早い。有能。ありがたい。
考えてみればイアンディールはパーニス殿下の配下だもんね。
最近はイージス殿下に取られているような印象もあったけど。
「わん! わん!」
お庭には大きな犬と犬小屋があり、ルビィが「きゅう!」と鳴き声をあげて会話していた。
「ばう!」
「きゅい!」
「わふっ」
「きゅう~」
何をお話しているんだろう。
動物同士がお話してるのって和むなあ。
「坊ちゃまはお部屋にて安静にしていらっしゃいます。恐れ入りますが、お部屋に直接お通しいたします」
ちょっとした怪我のはずだけどな?
違和感を覚えつつ、イアンディールのお部屋に着くと、クロヴィスが目隠しを取って好奇心いっぱいの顔になった。
広いお部屋には、まず大きな水槽があって、鑑賞用のお魚が飼われていた。
それに、ハムスターの檻とカメの檻とウサギの檻がある。
さらに大きなぬいぐるみが多数並んでいて、観葉植物がちょっとした密林みたいになっているスペースもある。
……個性的なお部屋だ。
「やあ。お見舞いに来てくれて嬉しいよ。僕は部屋から出るなと言われていて退屈だったんだ……ちょうど手紙の返事を書いていたところでもある」
部屋の主、イアンディールは椅子に座った姿勢で歓迎してくれた。
光沢のあるキラキラ、というよりギラギラしたシャツを着ていて、胸元が大胆に空いている。
魔法学校では結んでいる長いビスケット色の髪は、結ぶことなく背に流している。
耳にはジャラジャラとイヤーカフスやピアスを何個もつけていて、手元も全部の指にゴテゴテしたデザインの指輪を填めて。
首元には……ドクロモチーフのシルバーネックレス……。
「どうしちゃったんですかイアン先輩」
「退屈を持て余していたんだ。見てくれ。爪も塗ってしまった。なかなか楽しかったよ」
両手の爪は二色のネイル用塗料で飾られていた。しかも、黒と赤。
「なんか、先輩。毒々しいですね」
「クロヴィスも同じ格好にしてあげようか?」
「遠慮します」
ストレスが高いんだろうな……心の闇を感じちゃうよ。
床に散らばってる紙とか、ポエム書いてるもん。
『水槽の魚たちと僕たちは同じなんだ』とか書いてるもん。
視えちゃってるけど、本人気にしてなさそう。
以前も寂しそうにしていたし、バッドエンドルートのスチル回収しちゃったし、優しくしてあげよう。
「私が出してあげます。ヴァラン伯爵に言ってきますよ。心配なのはわかるけど、お外に出してーって」
これは放置しておけない。
私もこれまでよく閉じ込められたけど「自分の意思で外に出られない」と意識しちゃうと、すごくストレスになるんだよね。
「私、全力で『出して―』って言ってきます。閉じ込められるのは得意分野なので任せてください」
「マリンベリーちゃんにそんな得意分野があったとは知らなかった。でも、父は仕事で忙しくて家には月に一度帰るかどうかだよ」
「ええっ……!」
それはひどい。
自分は家にいないのに、息子を部屋に閉じ込めて放置?
「パーニス殿下にお願いして、ヴァラン伯爵に言ってもらいますよ! ルビィ、お使いを頼める?」
「きゅう!」
ルビィはやる気いっぱいに走っていった。
使い魔ってご主人様のところに一瞬で移動したり飛んでいくのかと思ったけど、走っていくんだ……。
1
あなたにおすすめの小説
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子
ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。
(その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!)
期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。
【完結】追放された大聖女は黒狼王子の『運命の番』だったようです
星名柚花
恋愛
聖女アンジェリカは平民ながら聖王国の王妃候補に選ばれた。
しかし他の王妃候補の妨害工作に遭い、冤罪で国外追放されてしまう。
契約精霊と共に向かった亜人の国で、過去に自分を助けてくれたシャノンと再会を果たすアンジェリカ。
亜人は人間に迫害されているためアンジェリカを快く思わない者もいたが、アンジェリカは少しずつ彼らの心を開いていく。
たとえ問題が起きても解決します!
だって私、四大精霊を従える大聖女なので!
気づけばアンジェリカは亜人たちに愛され始める。
そしてアンジェリカはシャノンの『運命の番』であることが発覚し――?
〘完結〛ずっと引きこもってた悪役令嬢が出てきた
桜井ことり
恋愛
そもそものはじまりは、
婚約破棄から逃げてきた悪役令嬢が
部屋に閉じこもってしまう話からです。
自分と向き合った悪役令嬢は聖女(優しさの理想)として生まれ変わります。
※爽快恋愛コメディで、本来ならそうはならない描写もあります。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
婚約者を奪われるのは運命ですか?
ぽんぽこ狸
恋愛
転生者であるエリアナは、婚約者のカイルと聖女ベルティーナが仲睦まじげに横並びで座っている様子に表情を硬くしていた。
そしてカイルは、エリアナが今までカイルに指一本触れさせなかったことを引き合いに婚約破棄を申し出てきた。
終始イチャイチャしている彼らを腹立たしく思いながらも、了承できないと伝えると「ヤれない女には意味がない」ときっぱり言われ、エリアナは産まれて十五年寄り添ってきた婚約者を失うことになった。
自身の屋敷に帰ると、転生者であるエリアナをよく思っていない兄に絡まれ、感情のままに荷物を纏めて従者たちと屋敷を出た。
頭の中には「こうなる運命だったのよ」というベルティーナの言葉が反芻される。
そう言われてしまうと、エリアナには”やはり”そうなのかと思ってしまう理由があったのだった。
こちらの作品は第18回恋愛小説大賞にエントリーさせていただいております。よろしければ投票ボタンをぽちっと押していただけますと、大変うれしいです。
【完結】モブの王太子殿下に愛されてる転生悪役令嬢は、国外追放される運命のはずでした
Rohdea
恋愛
公爵令嬢であるスフィアは、8歳の時に王子兄弟と会った事で前世を思い出した。
同時に、今、生きているこの世界は前世で読んだ小説の世界なのだと気付く。
さらに自分はヒーロー(第二王子)とヒロインが結ばれる為に、
婚約破棄されて国外追放となる運命の悪役令嬢だった……
とりあえず、王家と距離を置きヒーロー(第二王子)との婚約から逃げる事にしたスフィア。
それから数年後、そろそろ逃げるのに限界を迎えつつあったスフィアの前に現れたのは、
婚約者となるはずのヒーロー(第二王子)ではなく……
※ 『記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました』
に出てくる主人公の友人の話です。
そちらを読んでいなくても問題ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる