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本編
漂流者の見解?
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部屋まで送ったヴィが一旦中に入ってそれから外に出てきた。俺とレインを見ると、すぐに間に入って俺の手を握る。
「今日は僕が見てるから下がっていいよ」
「え、いやでも……」
「あのね、君達がいると邪魔なんだ」
「う……」
確かに、侍従からも秋からも心象が悪いのは否めない。だから俺がいるのは完全に邪魔にしかならないし余計な争いを生む。
仕方ない、仕方ないが……。
「大丈夫……?」
「大丈夫だよ」
にっこりと笑顔を見せたヴィがそう言って中に入って行った。
……大丈夫かな、秋。ヴィ今かなり人を殺しそうな顔をしてたけど。
でも言われたならば下がるしかない。
「あ、部屋来る?」
【いいの?】
「いいよいいよ。ていっても俺の部屋じゃないけどね。こっち」
俺はそう言って部屋にレインを招き入れる。レインは恐る恐る中に入って俺はソファを指さした。
「座ってて、お茶淹れる……」
【ベルのお茶まずいから俺淹れるよ】
「その通りだけどもう少しオブラートに包みなよ」
ソファに座ることなくレインもついてきてティーポットを準備する。俺はその間にお湯を沸かしておき、レインに茶葉の入った棚を教えた。
ポットの様子を見ていると不意にがたかんかん!!っと紅茶缶が落ちる音がした。
「え!?大丈夫レイン!?」
其方を見ると棚から紅茶缶をいくつか落としつつ顔を真っ赤にしているレインがいる。
どうした!顔に紅茶缶ぶつけたんか!!
そんな心配をしていると、レインが紙を取り出す。
【これ以外のお茶無いの!?】
「え?多分何と思うけど……」
【じゃあ、今日朝お茶飲んだ!?】
「ええ?うーんと……?」
いや、飲んだか?スープは出てきたけど紅茶は飲んでない気がする。俺の記憶が確かならばそうだったような……。
「スープは飲んだけど、紅茶は分かんないや。でもそれがどうしたの?」
レインがすーはーっと深呼吸をして紅茶の缶を並べる。俺はいったん火を止めてそれを見た。
【ベル、これ全部催淫薬って言うのが入っているんだけど……】
「……?」
何その言葉。聞いたことないから分からないのだが?きょとんとして首を傾げるとレインはすっと紙にまた何かを書きだす。
【惚れ薬、媚薬、精力剤】
「?? これ飲むと好きになるの?」
【そういう事ではなく、えーっと、性欲が増して……その……】
歯切れが悪い。悪すぎて書くスピードも遅い。どうしたレイン。言いにくいならいいよ別に!!
「ともあれ、客に出すものではないってことでしょ?じゃあお湯でいい?」
こくんっとレインが頷いたので準備したカップにお湯を入れる。それを机の上に置いて座ると目の前にレインが座った。
【それにしても、漂流者っていうのはあから様なんだな】
「え?何が?」
【ヴィアン狙いだろうあれはどう見ても】
「ああ。ヴィを好きになっちゃう気持ちはよく分かるよ。かっこいいもん」
【ベル。漂流者の世界では女性という生物がいるそうだぞ?それで、男を好きになる男は少ないそうだ】
「……うん、えーっと、だから?」
【女性を好きになるのが普通の世界では異質だったのにここじゃあ普通になった。であれば何が何でも手に入れたいと思うんじゃないのか?】
「えっ!?」
まさか、漂流者ってこの世界のルールを受け入れられる人物で尚且つその世界の住人と恋に落ちる可能性のある人物だってこと!?
い、いやでも、ヴィは黒衣の騎士という相手がいるから……。う、胸が苦しい……。
「で、でもそんな強引な手を取ってくることは……」
【前の漂流者がヴィアンを好きになって婚約者のお前を拉致した後に、どこかに売られてマッドサイエンティストに魔石飲まされたって聞いたけど?】
「え!?そうなの!?」
あの時のことは曖昧で何か思いだそうとすると、ヴィや家族が不機嫌になるのであまりその話題を出せなかったのだがまさかそんな事が……。
「よく俺戻ってこれたね……?」
【国総出で探してたぞ。別にお前だけじゃなかったからな】
「こっわっ!!」
ひゃー!そんな事があるならヴィも敏感になるのは当たり前かー。殺せって命じたのも化け物だなんて言ったのも納得である。人の人生を簡単にお金にしてしまうなんて異常者だ。
そもそも人身売買はこの国ではご法度だし!
【だから、あまり関わらないでヴィアンに任せた方が良いぞ】
「それはそれ!今の俺は幼い俺ではないんだからある程度は抵抗できるし、何より呼んだのはウィル……殿下だよ?」
【それはそうだが……】
レインはふーふーっと息を吹きかけてお湯を飲む。俺も同じようにして飲んだ。
「ヴィにばかり任せるわけにはいかないよ……」
今だって日常生活まかせっきりなのに。完全に今更なんだけど。
【年下なんだから年上のヴィアンに甘えればいい】
「いや、そういうわけには……。家事とかできないし……」
手が止まった。否定も肯定も出来ずにレインが黙った。沈黙は肯定という言葉を知らんのか。
全く持ってその通りだが。仕方ない事ではあるが。
「少しは自分でやろうと思ってるんです!これでも!!」
【……頑張って】
こ、こいつ絶対できないだろうって思ってるな!!いいか!あとで目にもの見せてやるからな!!俺の作った料理を食べて美味しいって言わせてやる!!
「今日は僕が見てるから下がっていいよ」
「え、いやでも……」
「あのね、君達がいると邪魔なんだ」
「う……」
確かに、侍従からも秋からも心象が悪いのは否めない。だから俺がいるのは完全に邪魔にしかならないし余計な争いを生む。
仕方ない、仕方ないが……。
「大丈夫……?」
「大丈夫だよ」
にっこりと笑顔を見せたヴィがそう言って中に入って行った。
……大丈夫かな、秋。ヴィ今かなり人を殺しそうな顔をしてたけど。
でも言われたならば下がるしかない。
「あ、部屋来る?」
【いいの?】
「いいよいいよ。ていっても俺の部屋じゃないけどね。こっち」
俺はそう言って部屋にレインを招き入れる。レインは恐る恐る中に入って俺はソファを指さした。
「座ってて、お茶淹れる……」
【ベルのお茶まずいから俺淹れるよ】
「その通りだけどもう少しオブラートに包みなよ」
ソファに座ることなくレインもついてきてティーポットを準備する。俺はその間にお湯を沸かしておき、レインに茶葉の入った棚を教えた。
ポットの様子を見ていると不意にがたかんかん!!っと紅茶缶が落ちる音がした。
「え!?大丈夫レイン!?」
其方を見ると棚から紅茶缶をいくつか落としつつ顔を真っ赤にしているレインがいる。
どうした!顔に紅茶缶ぶつけたんか!!
そんな心配をしていると、レインが紙を取り出す。
【これ以外のお茶無いの!?】
「え?多分何と思うけど……」
【じゃあ、今日朝お茶飲んだ!?】
「ええ?うーんと……?」
いや、飲んだか?スープは出てきたけど紅茶は飲んでない気がする。俺の記憶が確かならばそうだったような……。
「スープは飲んだけど、紅茶は分かんないや。でもそれがどうしたの?」
レインがすーはーっと深呼吸をして紅茶の缶を並べる。俺はいったん火を止めてそれを見た。
【ベル、これ全部催淫薬って言うのが入っているんだけど……】
「……?」
何その言葉。聞いたことないから分からないのだが?きょとんとして首を傾げるとレインはすっと紙にまた何かを書きだす。
【惚れ薬、媚薬、精力剤】
「?? これ飲むと好きになるの?」
【そういう事ではなく、えーっと、性欲が増して……その……】
歯切れが悪い。悪すぎて書くスピードも遅い。どうしたレイン。言いにくいならいいよ別に!!
「ともあれ、客に出すものではないってことでしょ?じゃあお湯でいい?」
こくんっとレインが頷いたので準備したカップにお湯を入れる。それを机の上に置いて座ると目の前にレインが座った。
【それにしても、漂流者っていうのはあから様なんだな】
「え?何が?」
【ヴィアン狙いだろうあれはどう見ても】
「ああ。ヴィを好きになっちゃう気持ちはよく分かるよ。かっこいいもん」
【ベル。漂流者の世界では女性という生物がいるそうだぞ?それで、男を好きになる男は少ないそうだ】
「……うん、えーっと、だから?」
【女性を好きになるのが普通の世界では異質だったのにここじゃあ普通になった。であれば何が何でも手に入れたいと思うんじゃないのか?】
「えっ!?」
まさか、漂流者ってこの世界のルールを受け入れられる人物で尚且つその世界の住人と恋に落ちる可能性のある人物だってこと!?
い、いやでも、ヴィは黒衣の騎士という相手がいるから……。う、胸が苦しい……。
「で、でもそんな強引な手を取ってくることは……」
【前の漂流者がヴィアンを好きになって婚約者のお前を拉致した後に、どこかに売られてマッドサイエンティストに魔石飲まされたって聞いたけど?】
「え!?そうなの!?」
あの時のことは曖昧で何か思いだそうとすると、ヴィや家族が不機嫌になるのであまりその話題を出せなかったのだがまさかそんな事が……。
「よく俺戻ってこれたね……?」
【国総出で探してたぞ。別にお前だけじゃなかったからな】
「こっわっ!!」
ひゃー!そんな事があるならヴィも敏感になるのは当たり前かー。殺せって命じたのも化け物だなんて言ったのも納得である。人の人生を簡単にお金にしてしまうなんて異常者だ。
そもそも人身売買はこの国ではご法度だし!
【だから、あまり関わらないでヴィアンに任せた方が良いぞ】
「それはそれ!今の俺は幼い俺ではないんだからある程度は抵抗できるし、何より呼んだのはウィル……殿下だよ?」
【それはそうだが……】
レインはふーふーっと息を吹きかけてお湯を飲む。俺も同じようにして飲んだ。
「ヴィにばかり任せるわけにはいかないよ……」
今だって日常生活まかせっきりなのに。完全に今更なんだけど。
【年下なんだから年上のヴィアンに甘えればいい】
「いや、そういうわけには……。家事とかできないし……」
手が止まった。否定も肯定も出来ずにレインが黙った。沈黙は肯定という言葉を知らんのか。
全く持ってその通りだが。仕方ない事ではあるが。
「少しは自分でやろうと思ってるんです!これでも!!」
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