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本編
城下案内の準備
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あんな服で行っていいのだろうか。
次の日、俺は困り果てながらこれとあれと~っと服だけではなく小物類も選んでいるヴィに頭を抱える。
朝ご飯を作ろうと早起きをしたはずなのに既にヴィが起きていてとろとろのスクランブルエッグとコンソメスープ、サラダにドレッシングも盛り付けてあって俺を見ると「早起きだね」と言いながら食パンを焼いていた。
もう準備されているなら仕方ない。ありがたく頂いているとヴィが嬉々としてどこからか持ってきた服を物色始めた。彼は既に朝ご飯は食べたらしい。
黒のシャツにストライプ柄の白いベスト、黒いズボンを並べた後に、深い青色のシャツ、白色で金色の細かい細工が入ったボタンのついたサロペット、ジャケットを組み合わせて隣り合わせで見比べている。
それからまた別のものを組み合わせては違うものを取り出し、また並べて眺めている。
俺はそれを見ながら、思わず聞いた。
「ヴィ、あのさ、それ、何処のブティックで頼んだの……?」
「さあ?」
「いや、さあじゃなくてね、それ高そうな服だと思わない?」
「いや?」
公爵レベルになるとこんな服も普通なのね!
何処からどう見ても上等な服に機能性ではなくお洒落にがんぶりしているその服は、貴族が旅行とかで着るのは普通だけど城下にいる人に交じると浮きそうな服装である。
観光しに来たのかな?って感じの奴だし!なんなら制服で行った方が良いんじゃないかって気もしてきたよ、俺は!
「えーっと、もう少し抑えたシンプルな服が良いな?」
具体的に言うと一番最初の黒白の奴でストライプ柄のベストを別にしてくれればもっといい。
「そうかな?もっと可愛いのが良いと思う。こういうのとか!」
「ひえ」
そう言ってヴィは深緑色の黒い格子柄が付いたジャケットを出して来た。それを同じ色のズボン、白いシャツ、赤い石が付いたクロスタイをつけて、最後に厚底の革靴を組み合わせる。
わ、分かった。そういう服は良いとして柄ものはやめ……。
「あ!この赤色は……」
「俺それが良いな!!」
「え?そう?」
「うん!!」
今度は目を引いてしまう派手な色のものを手にしだしたので慌ててまだ落ち着いた色のそれを選んだ。朝ご飯も食べ終わりそれを手に取ってベッドルームで着替える。ちゃんと確認していなかったが、このシャツ胸元フリルだし袖が少し丸くなってる奴だった。
似合ってるか、これ……。不安だ。
「べーるーちゃん。まあだ?着替えられない?」
「あ、待って!出るから!!」
そっと扉を開けてヴィの前に現れるとヴィはぱあっと顔を明るくさせた。
「可愛い!!」
「あ、ありがとう……」
「可愛い!可愛すぎる!!お部屋から出るのやめない?」
「行くよ!」
何言ってんのさ!行くってば!寧ろヴィが行かなくてもいいんだよ?俺に任せてよ!!
「可愛すぎてすぐ脱がしたい……」
「そう言って俺を出さない気か!?」
じりじりと近寄ってきたので俺は、ベッドルームから出ていき服を取られないようにヴィから距離を取る。
他にも朝の準備をした後に、丁度いいタイミングでベルが鳴った。
今日は遅いな。流石に学んだかと思っていたらヴィが小さく呟いた。
「あれぐらいだと12時間はいけるか……。分量間違えないようにしないと」
そんな言葉が聞こえてしまい、昨日の出来事を思い出す。
俺はヴィを見て恐る恐る声をかけた。
「ヴィ……?あ、あのさ……」
「どうしたの?」
「えっと……あの……」
いや、俺の聞き間違いかもしれないし。
俺はそう思いながら何でもないっと返した。
偶々ぐっすり眠れたかもしれないし。ね!あんまりヴィを疑うのはよくないし、俺の記憶もあいまいだし。
「行こうか」
「うん。今日のエスコートは任せて?」
「秋優先でね?」
にっこりと笑顔を見せられただけで彼から返事はなかった。
本当に大丈夫かな今日は。
次の日、俺は困り果てながらこれとあれと~っと服だけではなく小物類も選んでいるヴィに頭を抱える。
朝ご飯を作ろうと早起きをしたはずなのに既にヴィが起きていてとろとろのスクランブルエッグとコンソメスープ、サラダにドレッシングも盛り付けてあって俺を見ると「早起きだね」と言いながら食パンを焼いていた。
もう準備されているなら仕方ない。ありがたく頂いているとヴィが嬉々としてどこからか持ってきた服を物色始めた。彼は既に朝ご飯は食べたらしい。
黒のシャツにストライプ柄の白いベスト、黒いズボンを並べた後に、深い青色のシャツ、白色で金色の細かい細工が入ったボタンのついたサロペット、ジャケットを組み合わせて隣り合わせで見比べている。
それからまた別のものを組み合わせては違うものを取り出し、また並べて眺めている。
俺はそれを見ながら、思わず聞いた。
「ヴィ、あのさ、それ、何処のブティックで頼んだの……?」
「さあ?」
「いや、さあじゃなくてね、それ高そうな服だと思わない?」
「いや?」
公爵レベルになるとこんな服も普通なのね!
何処からどう見ても上等な服に機能性ではなくお洒落にがんぶりしているその服は、貴族が旅行とかで着るのは普通だけど城下にいる人に交じると浮きそうな服装である。
観光しに来たのかな?って感じの奴だし!なんなら制服で行った方が良いんじゃないかって気もしてきたよ、俺は!
「えーっと、もう少し抑えたシンプルな服が良いな?」
具体的に言うと一番最初の黒白の奴でストライプ柄のベストを別にしてくれればもっといい。
「そうかな?もっと可愛いのが良いと思う。こういうのとか!」
「ひえ」
そう言ってヴィは深緑色の黒い格子柄が付いたジャケットを出して来た。それを同じ色のズボン、白いシャツ、赤い石が付いたクロスタイをつけて、最後に厚底の革靴を組み合わせる。
わ、分かった。そういう服は良いとして柄ものはやめ……。
「あ!この赤色は……」
「俺それが良いな!!」
「え?そう?」
「うん!!」
今度は目を引いてしまう派手な色のものを手にしだしたので慌ててまだ落ち着いた色のそれを選んだ。朝ご飯も食べ終わりそれを手に取ってベッドルームで着替える。ちゃんと確認していなかったが、このシャツ胸元フリルだし袖が少し丸くなってる奴だった。
似合ってるか、これ……。不安だ。
「べーるーちゃん。まあだ?着替えられない?」
「あ、待って!出るから!!」
そっと扉を開けてヴィの前に現れるとヴィはぱあっと顔を明るくさせた。
「可愛い!!」
「あ、ありがとう……」
「可愛い!可愛すぎる!!お部屋から出るのやめない?」
「行くよ!」
何言ってんのさ!行くってば!寧ろヴィが行かなくてもいいんだよ?俺に任せてよ!!
「可愛すぎてすぐ脱がしたい……」
「そう言って俺を出さない気か!?」
じりじりと近寄ってきたので俺は、ベッドルームから出ていき服を取られないようにヴィから距離を取る。
他にも朝の準備をした後に、丁度いいタイミングでベルが鳴った。
今日は遅いな。流石に学んだかと思っていたらヴィが小さく呟いた。
「あれぐらいだと12時間はいけるか……。分量間違えないようにしないと」
そんな言葉が聞こえてしまい、昨日の出来事を思い出す。
俺はヴィを見て恐る恐る声をかけた。
「ヴィ……?あ、あのさ……」
「どうしたの?」
「えっと……あの……」
いや、俺の聞き間違いかもしれないし。
俺はそう思いながら何でもないっと返した。
偶々ぐっすり眠れたかもしれないし。ね!あんまりヴィを疑うのはよくないし、俺の記憶もあいまいだし。
「行こうか」
「うん。今日のエスコートは任せて?」
「秋優先でね?」
にっこりと笑顔を見せられただけで彼から返事はなかった。
本当に大丈夫かな今日は。
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