92 / 119
終 章 ヴィクトリア編
第92話 トラブルメーカーズ・後編(裏)
しおりを挟む
ざわざわざわ
「私はドゥーべ王国、ティターニア公爵家のアルティオ・ティターニアと申します。この度は我が王国の王子王女の無礼な行い、誠に申し訳ございません。(ちらっ)
なにぶんお二人はまだ学生の身であり、外交等の礼儀を知らぬ状態。この場はどうか私への処罰にて止めてただけるよう、お願い申し上げます」
アルティオと名乗った青年の誠実な態度により、様子を伺っていた者達から緊張の空気がゆるまっていく。
何も知らない者からすればアルティオが語った内容から、ドゥーベでもまともの人間がいるのだろうと感心するのだろうが、内情を知る者からすれば正に冷や汗が止まらない。
現に先ほどまで怒り心頭だったミリィが、今や顔面蒼白となって固まっている。
先ほどアルティオと名乗った者が語った内容。
ティターニア公爵家とはアリスの母親であるセリカさんの実家であり、アルティオはこの双子にとっても従兄弟となる。そして最も重要なことは、あえてアリスの前でミドルネームであるアンテーゼを名乗らなかった事。
通常このような場での家名は何よりも重要視するものであり、それが聖女の家系の者であれば、自身の力を示すためにも名乗るのが最良であろう。
これがもし、今回の件をアルティオ自身が責任を負い、自分の国や公爵家には関係ないのだとアピールしたいのなら、わざわざファミリーネームを名乗るのも不自然なこと。それなのにアルティオは自らの正体を明かすかのように名乗り、尚且つ不自然にもミドルネームだけを伏せていた。
しかも一瞬アリスの方にわざとらしく視線を動かしたことに、俺もミリィも気づいている。
つまりそれは、ドゥーベ側にアリスの存在がバレており、尚且つアリスに何も伝えていないという内情まで知られていることを意味する。
「……」
ミリィは何も発せず、ただアルティオの様子を慎重に伺う。
もしアリスの存在がドゥーベ側にバレているなら今までの双子の対応は明らかに変だ。だけどアルティオの反応からはそれらを全て否定する雰囲気が伝わってくる。
これがもしただの外交官レベルなら適当に言いくるめられるのだろうが、アルティオはそう簡単な相手ではないだろう。だからミリィも迂闊に攻められないのだ。
「てめー、なんでここに来てるんだよ。それに誰が世間知らずのバカだって? 返答次第によっちゃただで済むと思うなよ!」
「そうよ、お兄様はともかく、私は世間知らずのおバカなんかじゃありませんわ。折角宿屋の柱に縛り付けて来たっていうのに、一体誰が縄を解いたっていうのよ」
何ともまぁ、この場になっても呆れ返る内容が双子の口から飛び出すが、アルティオは二人の方を優しく微笑み返すと。
「ここには他国からも大勢の客品が来られている格式高いパーティーです。これ以上騒ぎを起こされますと、ドゥーベ王国の王子王女は節度も知らぬ不埒者。そう他国に知れ渡る事になりますが、よろしいですか?
そうなれば陛下はもちろん、マグノリア様からもお叱りを受けることは間違いございませんが?」
「うっ」
「ぐっ」
見事としか言いようのない言い振る舞いで、騒がしい双子を同時に抑える。
これは一筋縄じゃ行かねぇ相手だなぁ。
ざわざわざ
「アルティオと言ったわよね。さっきの意味はどういうことかしら?
私は敢えて質問の主語を出さず、抽象的な内容で問いただすと同時に、ジークに目線だけでアリスを守るよう合図をおくり、私はアルティオの正面に立ち対峙する形をとる。
もしこれがアルティオ自身への罪云々に対してと取るなら問題なく、アリスへの意味深な視線がわざとなら、対応を警戒レベルへと切り替えなければならない。
「言葉の通りにてございます」
それはつまりアリスへの視線は偶々であり、双子の無礼をアルティオ自身が代わりに受けると言う意味。
一瞬ジークやリコ達の表情に安堵の雰囲気が現れるが、その後に続く言葉と視線で一気に私たちの警報が鳴り響く。
「ただ、こちらの件に関しましてはドゥーベ王国ではなく、私自身が独自に動いたこと。ティターニア家の人間ですら知らぬ事ですので、どうか寛大なご慈悲を受け賜わりたく存じます」
そう言いながら双子に気づかれないよう、視線だけをジークの方へ……いや、その後ろに匿われているアリスの方へと動かす。
……殺るか。
一瞬本気でそう考えた。
もし私の腰に愛剣があれば体が勝手に動いて行かもしれない。
アルティオの視線が語った意味。
『こちらの件』とは間違いなくアリスの出生、もしくは秘密に関すること。
その上でこの秘密は自身が独自で調べ上げ、国へと報告せずに沈黙を貫いていることを示している。そうでなければわざわざ『ティターニア家の人間ですら』などど分かりきった言葉は口にしないだろう。
すると彼の言葉が本当で、この件を脅しになんらかの交渉を持ちかけようと考えているならば、ここでアルティオ自身の口を塞げばアリスの秘密がドゥーベ側に漏れることはなくなるであろう。
アルティオ自身が自ら裁きを受けると言っているのだから、表面上はまずは幽閉でもしてじっくりと尋問して吐かせればい。その後のことなど、どうとでもごまかせるのだから。
「それはつまり、レガリアが貴方自身の身柄を拘束してもよいと言っているのかしら?」
「もちろん構いません。私一人が拘束されたとしても、おそらくドゥーベ王国は何も動かないでしょう。寧ろ口うるさい者がいなくなったと喜ばれるかもしれませんね」
はははと、自身が置かれた状況を楽しむかのように笑って対応される。
なんなのこの人? 先ほどまでは気が抜けない人物だっと思っていたのに、急に自身への話となると表情が和らいでいる。
そもそも双子が起こした問題を自身が背負うと言いだすところから変だ。
アルティオがもし今回の訪問の責任者だったとしても、公爵家の人間が自らの身を差し出すという行動も変だし、たった一人の犠牲でこの問題が解決出来ると考えるのも変だ。
正直今回の双子騒動程度では国王達は動かないだろうし、ドゥーベ側への抗議状すらも送らないだろう。
今はレガリアとしてもドゥーベ側を刺激したくないことぐらい、アルティオだってわかっているはず。それなのに何故自ら双子の責任を負うと名乗りをあげた?
「……。外交官が拘束されても国が動かないって……貴方、仮にも公爵家の人間なんでしょ。そんな人物を拘束すればなんらかの抗議状が届きそうなものだけれど」
私はアルティオの真意を探るよう、慎重に言葉を選びながら質問する。
先ほどアルティオは自身が国からいなくなった方が喜ばれると言っていた。
もしこれを真実と捉えるなら、彼は自国を裏切り亡命を求めている可能性も考えられる。だけど本当にそうなのかしら? ティターニア家といえばドゥーベ王国では聖女の家系。今は継承者が王家に嫁いだ関係で王族となっているが、聖女の血が濃く受け継がれていることにには違いないのだ。
聖女は別に自身の子が継がなければならないわけではないので、一族で一番聖女の力を扱える者がいればそちらが第一候補者として選ばれる。
目の前のロベリアが何処まで強い力を継承しているかは知らないけれど、もし見た目通りのただのおバカならば、アルティオに流れている聖女の血も国としては無下にはできないだろう。
「そうですね。抗議状の一つは届くかもしれませんが、結果的に戦争が回避されるのならば国は喜んで私を差し出すでしょう」
「……それはあなたの命を差し出しても、ということかしら?」
「勿論その覚悟はできております」
読めない。このアルティオの考えがまるで読めない。
以前父さまから聞いたことがあるが、平気で自らの命を差し出すという者は何か裏があるのか、もしくは愛する何かが存在するか、それともただのバカか。
果たしてアルティオの真意は何なのか。必死で隠された情報を読み解こうと様子を伺う。
まずなにか裏の可能性だが、こちらは我が国の最大級の秘密であるアリスの存在を自白したことから、可能性としてはかなり薄いだろう。
ただ普通に亡命したいのならワザワザ命の危険を晒すようなまねはしないだろう。それだけアリスの存在が大きいことぐらい分かっているはずだ。
次に本気で母国を庇おうという点だが、ここに来る前に宿屋の柱に縛られていた点と、先ほどの双子への対応からも難しいのではないだろうか。
そもそも双子たちの様子から、アルティオとそれほど仲がいいとも思えない。
すると最後に残されるのはただのバカとなるわけだが……。
「ミリアリア様は何か勘違いされているようですが、私が守りたいのは我が国であり、我が領地であり、我が領民達です。先の戦争では国自体に被害は出ておりませんが、それでも多くの物資が減り上納金も昨年より上がっております。
これはご存知ないかもしれませんが、私がいるティターニア領はレガリアから国境を越えた先にございます。つまりは戦争になれば勝ち負けに関わらず疲弊してしまうのです」
あぁ、この人はただ自身が治める領民達を愛しているのだ。
どんな理由であれ戦争だけは回避しなければならない。それが分かっているだけに自らの命すら投げ出そうとする。
確かに戦場に近い領地ならなば兵たちの待機場所にもなるだろうし、行軍や蹄の跡などで田畑が荒されることもあるだろう。それが領民達へとシワ寄せが行くのなら、領主側の人間としては心配するのは当然のことだろう。
「……ふっ、結局ただのバカじゃない」
「えっ?」
私の小声にアルティオは小さく反応する。
だけどアリスの秘密を知っていると告げた意味は未だ不明のまま。
アルティオが如何に領民想いの人物だったとしても、このままなにもせずに帰すと言うわけにはいかないだろう。
そう一人苦悶していると。
「アルティオ様とおっしゃいましたか、お初にお目にかかります。私はレガリア王国第一王女、ティアラ・レーネス・レガリアと申します」
聖女である姉様が現れるのであった。
「私はドゥーべ王国、ティターニア公爵家のアルティオ・ティターニアと申します。この度は我が王国の王子王女の無礼な行い、誠に申し訳ございません。(ちらっ)
なにぶんお二人はまだ学生の身であり、外交等の礼儀を知らぬ状態。この場はどうか私への処罰にて止めてただけるよう、お願い申し上げます」
アルティオと名乗った青年の誠実な態度により、様子を伺っていた者達から緊張の空気がゆるまっていく。
何も知らない者からすればアルティオが語った内容から、ドゥーベでもまともの人間がいるのだろうと感心するのだろうが、内情を知る者からすれば正に冷や汗が止まらない。
現に先ほどまで怒り心頭だったミリィが、今や顔面蒼白となって固まっている。
先ほどアルティオと名乗った者が語った内容。
ティターニア公爵家とはアリスの母親であるセリカさんの実家であり、アルティオはこの双子にとっても従兄弟となる。そして最も重要なことは、あえてアリスの前でミドルネームであるアンテーゼを名乗らなかった事。
通常このような場での家名は何よりも重要視するものであり、それが聖女の家系の者であれば、自身の力を示すためにも名乗るのが最良であろう。
これがもし、今回の件をアルティオ自身が責任を負い、自分の国や公爵家には関係ないのだとアピールしたいのなら、わざわざファミリーネームを名乗るのも不自然なこと。それなのにアルティオは自らの正体を明かすかのように名乗り、尚且つ不自然にもミドルネームだけを伏せていた。
しかも一瞬アリスの方にわざとらしく視線を動かしたことに、俺もミリィも気づいている。
つまりそれは、ドゥーベ側にアリスの存在がバレており、尚且つアリスに何も伝えていないという内情まで知られていることを意味する。
「……」
ミリィは何も発せず、ただアルティオの様子を慎重に伺う。
もしアリスの存在がドゥーベ側にバレているなら今までの双子の対応は明らかに変だ。だけどアルティオの反応からはそれらを全て否定する雰囲気が伝わってくる。
これがもしただの外交官レベルなら適当に言いくるめられるのだろうが、アルティオはそう簡単な相手ではないだろう。だからミリィも迂闊に攻められないのだ。
「てめー、なんでここに来てるんだよ。それに誰が世間知らずのバカだって? 返答次第によっちゃただで済むと思うなよ!」
「そうよ、お兄様はともかく、私は世間知らずのおバカなんかじゃありませんわ。折角宿屋の柱に縛り付けて来たっていうのに、一体誰が縄を解いたっていうのよ」
何ともまぁ、この場になっても呆れ返る内容が双子の口から飛び出すが、アルティオは二人の方を優しく微笑み返すと。
「ここには他国からも大勢の客品が来られている格式高いパーティーです。これ以上騒ぎを起こされますと、ドゥーベ王国の王子王女は節度も知らぬ不埒者。そう他国に知れ渡る事になりますが、よろしいですか?
そうなれば陛下はもちろん、マグノリア様からもお叱りを受けることは間違いございませんが?」
「うっ」
「ぐっ」
見事としか言いようのない言い振る舞いで、騒がしい双子を同時に抑える。
これは一筋縄じゃ行かねぇ相手だなぁ。
ざわざわざ
「アルティオと言ったわよね。さっきの意味はどういうことかしら?
私は敢えて質問の主語を出さず、抽象的な内容で問いただすと同時に、ジークに目線だけでアリスを守るよう合図をおくり、私はアルティオの正面に立ち対峙する形をとる。
もしこれがアルティオ自身への罪云々に対してと取るなら問題なく、アリスへの意味深な視線がわざとなら、対応を警戒レベルへと切り替えなければならない。
「言葉の通りにてございます」
それはつまりアリスへの視線は偶々であり、双子の無礼をアルティオ自身が代わりに受けると言う意味。
一瞬ジークやリコ達の表情に安堵の雰囲気が現れるが、その後に続く言葉と視線で一気に私たちの警報が鳴り響く。
「ただ、こちらの件に関しましてはドゥーベ王国ではなく、私自身が独自に動いたこと。ティターニア家の人間ですら知らぬ事ですので、どうか寛大なご慈悲を受け賜わりたく存じます」
そう言いながら双子に気づかれないよう、視線だけをジークの方へ……いや、その後ろに匿われているアリスの方へと動かす。
……殺るか。
一瞬本気でそう考えた。
もし私の腰に愛剣があれば体が勝手に動いて行かもしれない。
アルティオの視線が語った意味。
『こちらの件』とは間違いなくアリスの出生、もしくは秘密に関すること。
その上でこの秘密は自身が独自で調べ上げ、国へと報告せずに沈黙を貫いていることを示している。そうでなければわざわざ『ティターニア家の人間ですら』などど分かりきった言葉は口にしないだろう。
すると彼の言葉が本当で、この件を脅しになんらかの交渉を持ちかけようと考えているならば、ここでアルティオ自身の口を塞げばアリスの秘密がドゥーベ側に漏れることはなくなるであろう。
アルティオ自身が自ら裁きを受けると言っているのだから、表面上はまずは幽閉でもしてじっくりと尋問して吐かせればい。その後のことなど、どうとでもごまかせるのだから。
「それはつまり、レガリアが貴方自身の身柄を拘束してもよいと言っているのかしら?」
「もちろん構いません。私一人が拘束されたとしても、おそらくドゥーベ王国は何も動かないでしょう。寧ろ口うるさい者がいなくなったと喜ばれるかもしれませんね」
はははと、自身が置かれた状況を楽しむかのように笑って対応される。
なんなのこの人? 先ほどまでは気が抜けない人物だっと思っていたのに、急に自身への話となると表情が和らいでいる。
そもそも双子が起こした問題を自身が背負うと言いだすところから変だ。
アルティオがもし今回の訪問の責任者だったとしても、公爵家の人間が自らの身を差し出すという行動も変だし、たった一人の犠牲でこの問題が解決出来ると考えるのも変だ。
正直今回の双子騒動程度では国王達は動かないだろうし、ドゥーベ側への抗議状すらも送らないだろう。
今はレガリアとしてもドゥーベ側を刺激したくないことぐらい、アルティオだってわかっているはず。それなのに何故自ら双子の責任を負うと名乗りをあげた?
「……。外交官が拘束されても国が動かないって……貴方、仮にも公爵家の人間なんでしょ。そんな人物を拘束すればなんらかの抗議状が届きそうなものだけれど」
私はアルティオの真意を探るよう、慎重に言葉を選びながら質問する。
先ほどアルティオは自身が国からいなくなった方が喜ばれると言っていた。
もしこれを真実と捉えるなら、彼は自国を裏切り亡命を求めている可能性も考えられる。だけど本当にそうなのかしら? ティターニア家といえばドゥーベ王国では聖女の家系。今は継承者が王家に嫁いだ関係で王族となっているが、聖女の血が濃く受け継がれていることにには違いないのだ。
聖女は別に自身の子が継がなければならないわけではないので、一族で一番聖女の力を扱える者がいればそちらが第一候補者として選ばれる。
目の前のロベリアが何処まで強い力を継承しているかは知らないけれど、もし見た目通りのただのおバカならば、アルティオに流れている聖女の血も国としては無下にはできないだろう。
「そうですね。抗議状の一つは届くかもしれませんが、結果的に戦争が回避されるのならば国は喜んで私を差し出すでしょう」
「……それはあなたの命を差し出しても、ということかしら?」
「勿論その覚悟はできております」
読めない。このアルティオの考えがまるで読めない。
以前父さまから聞いたことがあるが、平気で自らの命を差し出すという者は何か裏があるのか、もしくは愛する何かが存在するか、それともただのバカか。
果たしてアルティオの真意は何なのか。必死で隠された情報を読み解こうと様子を伺う。
まずなにか裏の可能性だが、こちらは我が国の最大級の秘密であるアリスの存在を自白したことから、可能性としてはかなり薄いだろう。
ただ普通に亡命したいのならワザワザ命の危険を晒すようなまねはしないだろう。それだけアリスの存在が大きいことぐらい分かっているはずだ。
次に本気で母国を庇おうという点だが、ここに来る前に宿屋の柱に縛られていた点と、先ほどの双子への対応からも難しいのではないだろうか。
そもそも双子たちの様子から、アルティオとそれほど仲がいいとも思えない。
すると最後に残されるのはただのバカとなるわけだが……。
「ミリアリア様は何か勘違いされているようですが、私が守りたいのは我が国であり、我が領地であり、我が領民達です。先の戦争では国自体に被害は出ておりませんが、それでも多くの物資が減り上納金も昨年より上がっております。
これはご存知ないかもしれませんが、私がいるティターニア領はレガリアから国境を越えた先にございます。つまりは戦争になれば勝ち負けに関わらず疲弊してしまうのです」
あぁ、この人はただ自身が治める領民達を愛しているのだ。
どんな理由であれ戦争だけは回避しなければならない。それが分かっているだけに自らの命すら投げ出そうとする。
確かに戦場に近い領地ならなば兵たちの待機場所にもなるだろうし、行軍や蹄の跡などで田畑が荒されることもあるだろう。それが領民達へとシワ寄せが行くのなら、領主側の人間としては心配するのは当然のことだろう。
「……ふっ、結局ただのバカじゃない」
「えっ?」
私の小声にアルティオは小さく反応する。
だけどアリスの秘密を知っていると告げた意味は未だ不明のまま。
アルティオが如何に領民想いの人物だったとしても、このままなにもせずに帰すと言うわけにはいかないだろう。
そう一人苦悶していると。
「アルティオ様とおっしゃいましたか、お初にお目にかかります。私はレガリア王国第一王女、ティアラ・レーネス・レガリアと申します」
聖女である姉様が現れるのであった。
1
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~
Ss侍
ファンタジー
"私"はある時目覚めたら身体が小石になっていた。
動けない、何もできない、そもそも身体がない。
自分の運命に嘆きつつ小石として過ごしていたある日、小さな人形のような可愛らしいゴーレムがやってきた。
ひょんなことからそのゴーレムの身体をのっとってしまった"私"。
それが、全ての出会いと冒険の始まりだとは知らずに_____!!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
【完結】どうやら魔森に捨てられていた忌子は聖女だったようです
山葵
ファンタジー
昔、双子は不吉と言われ後に産まれた者は捨てられたり、殺されたり、こっそりと里子に出されていた。
今は、その考えも消えつつある。
けれど貴族の中には昔の迷信に捕らわれ、未だに双子は家系を滅ぼす忌子と信じる者もいる。
今年、ダーウィン侯爵家に双子が産まれた。
ダーウィン侯爵家は迷信を信じ、後から産まれたばかりの子を馭者に指示し魔森へと捨てた。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
召喚失敗!?いや、私聖女みたいなんですけど・・・まぁいっか。
SaToo
ファンタジー
聖女を召喚しておいてお前は聖女じゃないって、それはなくない?
その魔道具、私の力量りきれてないよ?まぁ聖女じゃないっていうならそれでもいいけど。
ってなんで地下牢に閉じ込められてるんだろ…。
せっかく異世界に来たんだから、世界中を旅したいよ。
こんなところさっさと抜け出して、旅に出ますか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる