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一章 その名はローズマリー
第21話 アリスの親孝行
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「お久しぶりですお父様、異母兄」
お城での誕生祭パーティーを明日に控え、前日入りをしたお父様とアインス兄様に再会を果たす。
因みに今日の私とエリスの服装は、カナリアに頼んで用意してもらった町娘風の地味なもの。今から行くレストランの都合上ボロボロの服ではないが、これ以下の物が用意出来ないと言われれば諦めるしかないだろう。
「アリス、アリスなのか?」
「はい、どこかおかしいでしょうか?」
私とエリスの姿をみて驚かれるお父様。
そういえば公爵家のメイドさんズのエステのお陰で、ずいぶん様変わりしていたんだっけ? フレッドと再会してしまった時を思い出し、慌てて悟られぬよう誤魔化しておく。
「ふん、どうせ売り物にならないから見た目だけでも弄られたんだろうよ」
ナイスフォロー兄様!
普段なら嫌味に聞こえるセリフも、今は良いフォローとして利用させて頂く。
「そ、そうなんです。人前に出る事も多くて、接客とかお店の営業とかで見た目は気をつけないといけなくて、今じゃこんな感じに……あは、あははは」
とりあえず嘘をつかない範囲で誤魔化しておく。
「くっ、すまん。お前にまでそんな思いを……」
何やら誤解をされてしまうお父様。
「大丈夫ですから、お父様が思われているようなことにはなっていませんから!」
「そ、そうなのか?」
「そうです、そうです。そんな事よりお父様、少しお痩せになられましたか?」
このままでは変に誤解されてしまいそうなのでサラリと話題を変えさせていただく。
久々に見るお父様はどことなく少し窶れ、身体つきもどことなくやせ細った感じに。これで一緒に暮らされているアインス兄様も同じなら、そこまで疑問に思わなかったが、お父様だけどいうのがどうも引っかかる。
私とエリスというお荷物が消えたなのだから、騎士爵家の台所は多少裕福になっているはずなのに、これは一体どういう事?
「あぁ、実はな。アリスとエリスが屋敷を出て行ってからすぐに、オーグストが引退してしまってな。財務処理などの仕事が一気に増えてしまったんだ」
聞けばお屋敷唯一の使用人であるオーグストがついに引退してしまい、それまで担当していた仕事が一気にお父様へのしかかって来たのだと言う。
お父様も先々代から仕えてくれていたオーグストには随分助けられていたと言うので、その抜けた穴は相当大きなものなのではないだろうか。
「そうだったのですね」
タダ同然働いてくれていたオーグストなので、新しく使用人を雇えるようなお金は騎士爵家にはないだろうし、アインス兄様もようやくお父様の仕事を覚え始めたばかりなので、そこまで力にはなれないだろうしで、負担がお父様お一人にのしかかってしまったと言う事だろう。
こればかりは私ではどうしようもないので、アインス兄様に早くお父様を楽させられるよう頑張ってもらうしかない。
やがて私たちを乗せた馬車は一軒の煌びやかな店の前で止まる。
「さぁ着きました。ここがツヴァイ兄様がご予約されたレストランです」
予め打ち合わせした通り、ここはツヴァイ兄様がご予約されたとだけ伝えておく。実際は私がランベルト経由で予約したのだが、このぐらい黙っておいても問題ないだろう。
「お、おいツヴァイ。本当にこんなレストランに入っても大丈夫なのか?」
私が案内する前で、なぜかお店の入り口で立ち止まってしまうお父様達。
レストランなんだから誰が入っても問題ないというのに、一体何を迷っているのか。
「入らないんですか?」
「いや、まぁそうなんだが」
いつまでも入口で立ち止まっていては邪魔になるので、皆を促すように中ヘと押し込む。
お店側には事前こちらの事情を伝えてあるので、ツヴァイ兄様の名前を伝え席へとご案内。全員が着席したタイミングでお食事会が始まった。
(おいアリス、こんな豪華な店で大丈夫なのか?)
隣に座るツヴァイ兄様が周りに聞こえないように話しかけてくる。
(豪華? 大丈夫ですよ。何度かフローラ様に連れてきていただいたことがありますので、味の方はバッチリです!)
豪華と言われても、私はこの店以外に行ったことがないので今一ピンとこないというのが本音。ランベルトもこの店なら大丈夫でしょうと太鼓判を頂いているし、なにより私の顔をスタッフさん達が覚えて下さっているので、今回の食事会の事情を説明したら、快く受け入れてくださった。
(いや、味の事を言ってるんじゃなくてだな)
味じゃない? レストランで一番大事なのは味じゃないの?
私としてはお父様に親孝行したくてこの店を予約したのだし、味の方も公爵家の皆様のお墨付きなので、きっとご満足いただけるものだと思っている。
うん、やっぱ親孝行って大事よね。
「おい、さっきから何をこそこそやっている」
「い、いや、何でもないよ兄上。そんな事よりここの料理は旨いだろ?」
あくまでもここはツヴァイ兄様行きつけのお店という設定にしているので、上手く口車を合わせてくれるお兄様。
「ふん、まぁまぁじゃないか」
文句をいいながらも食事を続けているところを見ると、どうやら口うるさいアインス兄様のお口にも合ったご様子。
私はそんな様子を横目に、エリスのお皿に盛り付けられたお肉を切り分けてあげながら、自分の食事も一緒に楽しむ。
やっぱここのお肉っておいしいのよね、確かなんとかAランクって言ってたっけ? エリスはまだフォークとナイフの使い方が慣れていないため少々苦戦しているが、私が切り分けてあげたお肉をおいしそうに頂いている。
「今日のお食事は如何でしょうかツヴァイ様」
やって来られたのはこのレストランを経営しているオーナーさん。
こちらも事前にお兄様を立てて貰えるよう伝えてあるので、上手く口裏を合わせて頂いている。
「あ、あぁ、今日も美味しく頂かせております」
少々緊張気味なのか、どことなくぎこちないツヴァイ兄様。
オーナーさんはそんな対応も慣れているのか、特に気にすることなく手にしたお酒を進めて来られる。
「ほぉ、上手いな」
「えぇ、食事にも合うしこんな美味しいお酒は初めてです」
お酒を口にしたお父様とドライ兄様が順番に感想を口にする。
私とエリスはまだお酒が飲める歳ではないので、何時もいただいている果実水を飲んでいるが、アインス兄様はお酒の味にご満足いったのか、すでに二杯目を空けておられる。
「如何でしょうか? 本日のお食事に合わせたワインをご用意させていただきました」
「ふん、いいんじゃないか。まぁ、少々物足りない気はするがな」
早くも三杯目に口を付けているというのに何とも偉そうな言い草のアインス兄様。
私としては毒舌を吐く兄様に対し、顔見知りのオーナーさんに申し訳ない気持ちになるが、そこは流石プロ、鮮やかに別のお酒を進めてこられる。
「それではこちらなどはいかがでしょうか?」
「ふん、試してやろう」
そういいながらオーナーさんが注いだワインを全員が一口。
「これは旨いな、さっきのワインもよかったがこれはその上を遥かにいっている」
「本当だ、こんな美味しいお酒は初めてだ」
「俺もここまでのお酒なんて味わったことがないぞ」
「ふん、この店にしてはいいんじゃないか」
アインス兄様はいまだぶつぶつと失礼なことを言っているが、お父様とお兄様方はお酒の味を絶賛。オーナーさんもご満足頂いた様子だし、私は再びエリスに出されたお料理の切り分け作業へと戻らせていただく。
「これだけのワインだ、きっと名のある酒なんだろ?」
「さすがお客様、こちらは58年物ヴィンテージワイン、ロマネ・コソティでございます」
ふーん、なんだかすごそうな名前ね。
お父様にはよほど気に入っていただけたのか、オーナーさんにお酒のあれこれを聞いておられるが、全く興味がない私にとってはどうでもいい話。
それよりこのデザートいいわね、うちのお店でも出せないかしら?
「なっ、ロマネ・コソティ!?」
「なんだドライ、知っているのか?」
「知ってるも何も有名なお酒ですよ!」
「ドライ兄様はお酒に詳しいんですか? お父様も気に入って頂けたのならもう一杯頂きます?」
気に入って頂けたのならと思い、さらに追加を頼もうとするも何故かドライ兄様に慌てて止められてしまう。
「アリス、わかっているのか? ロマネ・コソティだぞ、ロマネ・コソティ」
ロマネ・コソティと言われても、お酒の銘柄なんて梅竹松しかしらないのだから仕方がない。
「そんなに高い酒なのか?」
「高いも何も、グラス1杯で金貨1枚は軽くするよ!」
「「「ブフッ」」」
ドライ兄様の一言でアインス兄様を含む全員が一斉に吹き出す。
グラス一杯で金貨1枚と言うことは、瓶1本金貨10枚ぐらいにはなるのだろうか?
私はランベルトに頼んで事前に金貨30枚をお店に預けているので、この程度ならまだ許容範囲。コース料理が確か一人金貨2枚ほどだと聞いているし、もし足りなくなったとしても付けが聞くので、明日にでもお金を持ってくれば別段心配する必要もないだろう。
「すみません、同じのをもう一本ください。あ、瓶で」
「「「コラコラコラ! キャンセルで!」」」
気を利かせてもう一本頼んだというのに、なぜかお父様達に止められてしまう可哀そうな私。
この後もお土産に1本どうですか? と進めても全力で止められてしまうし、追加の料理はどうですか? と進めても、胃が痛くなったと言われ断られてしまう始末。
結局コース料理を頂いた後、私が用意した公爵家御用達の馬車でお帰り頂いた。
まったく、せっかく親孝行しようと思っているのにこれじゃ不完全燃焼だわ。
お城での誕生祭パーティーを明日に控え、前日入りをしたお父様とアインス兄様に再会を果たす。
因みに今日の私とエリスの服装は、カナリアに頼んで用意してもらった町娘風の地味なもの。今から行くレストランの都合上ボロボロの服ではないが、これ以下の物が用意出来ないと言われれば諦めるしかないだろう。
「アリス、アリスなのか?」
「はい、どこかおかしいでしょうか?」
私とエリスの姿をみて驚かれるお父様。
そういえば公爵家のメイドさんズのエステのお陰で、ずいぶん様変わりしていたんだっけ? フレッドと再会してしまった時を思い出し、慌てて悟られぬよう誤魔化しておく。
「ふん、どうせ売り物にならないから見た目だけでも弄られたんだろうよ」
ナイスフォロー兄様!
普段なら嫌味に聞こえるセリフも、今は良いフォローとして利用させて頂く。
「そ、そうなんです。人前に出る事も多くて、接客とかお店の営業とかで見た目は気をつけないといけなくて、今じゃこんな感じに……あは、あははは」
とりあえず嘘をつかない範囲で誤魔化しておく。
「くっ、すまん。お前にまでそんな思いを……」
何やら誤解をされてしまうお父様。
「大丈夫ですから、お父様が思われているようなことにはなっていませんから!」
「そ、そうなのか?」
「そうです、そうです。そんな事よりお父様、少しお痩せになられましたか?」
このままでは変に誤解されてしまいそうなのでサラリと話題を変えさせていただく。
久々に見るお父様はどことなく少し窶れ、身体つきもどことなくやせ細った感じに。これで一緒に暮らされているアインス兄様も同じなら、そこまで疑問に思わなかったが、お父様だけどいうのがどうも引っかかる。
私とエリスというお荷物が消えたなのだから、騎士爵家の台所は多少裕福になっているはずなのに、これは一体どういう事?
「あぁ、実はな。アリスとエリスが屋敷を出て行ってからすぐに、オーグストが引退してしまってな。財務処理などの仕事が一気に増えてしまったんだ」
聞けばお屋敷唯一の使用人であるオーグストがついに引退してしまい、それまで担当していた仕事が一気にお父様へのしかかって来たのだと言う。
お父様も先々代から仕えてくれていたオーグストには随分助けられていたと言うので、その抜けた穴は相当大きなものなのではないだろうか。
「そうだったのですね」
タダ同然働いてくれていたオーグストなので、新しく使用人を雇えるようなお金は騎士爵家にはないだろうし、アインス兄様もようやくお父様の仕事を覚え始めたばかりなので、そこまで力にはなれないだろうしで、負担がお父様お一人にのしかかってしまったと言う事だろう。
こればかりは私ではどうしようもないので、アインス兄様に早くお父様を楽させられるよう頑張ってもらうしかない。
やがて私たちを乗せた馬車は一軒の煌びやかな店の前で止まる。
「さぁ着きました。ここがツヴァイ兄様がご予約されたレストランです」
予め打ち合わせした通り、ここはツヴァイ兄様がご予約されたとだけ伝えておく。実際は私がランベルト経由で予約したのだが、このぐらい黙っておいても問題ないだろう。
「お、おいツヴァイ。本当にこんなレストランに入っても大丈夫なのか?」
私が案内する前で、なぜかお店の入り口で立ち止まってしまうお父様達。
レストランなんだから誰が入っても問題ないというのに、一体何を迷っているのか。
「入らないんですか?」
「いや、まぁそうなんだが」
いつまでも入口で立ち止まっていては邪魔になるので、皆を促すように中ヘと押し込む。
お店側には事前こちらの事情を伝えてあるので、ツヴァイ兄様の名前を伝え席へとご案内。全員が着席したタイミングでお食事会が始まった。
(おいアリス、こんな豪華な店で大丈夫なのか?)
隣に座るツヴァイ兄様が周りに聞こえないように話しかけてくる。
(豪華? 大丈夫ですよ。何度かフローラ様に連れてきていただいたことがありますので、味の方はバッチリです!)
豪華と言われても、私はこの店以外に行ったことがないので今一ピンとこないというのが本音。ランベルトもこの店なら大丈夫でしょうと太鼓判を頂いているし、なにより私の顔をスタッフさん達が覚えて下さっているので、今回の食事会の事情を説明したら、快く受け入れてくださった。
(いや、味の事を言ってるんじゃなくてだな)
味じゃない? レストランで一番大事なのは味じゃないの?
私としてはお父様に親孝行したくてこの店を予約したのだし、味の方も公爵家の皆様のお墨付きなので、きっとご満足いただけるものだと思っている。
うん、やっぱ親孝行って大事よね。
「おい、さっきから何をこそこそやっている」
「い、いや、何でもないよ兄上。そんな事よりここの料理は旨いだろ?」
あくまでもここはツヴァイ兄様行きつけのお店という設定にしているので、上手く口車を合わせてくれるお兄様。
「ふん、まぁまぁじゃないか」
文句をいいながらも食事を続けているところを見ると、どうやら口うるさいアインス兄様のお口にも合ったご様子。
私はそんな様子を横目に、エリスのお皿に盛り付けられたお肉を切り分けてあげながら、自分の食事も一緒に楽しむ。
やっぱここのお肉っておいしいのよね、確かなんとかAランクって言ってたっけ? エリスはまだフォークとナイフの使い方が慣れていないため少々苦戦しているが、私が切り分けてあげたお肉をおいしそうに頂いている。
「今日のお食事は如何でしょうかツヴァイ様」
やって来られたのはこのレストランを経営しているオーナーさん。
こちらも事前にお兄様を立てて貰えるよう伝えてあるので、上手く口裏を合わせて頂いている。
「あ、あぁ、今日も美味しく頂かせております」
少々緊張気味なのか、どことなくぎこちないツヴァイ兄様。
オーナーさんはそんな対応も慣れているのか、特に気にすることなく手にしたお酒を進めて来られる。
「ほぉ、上手いな」
「えぇ、食事にも合うしこんな美味しいお酒は初めてです」
お酒を口にしたお父様とドライ兄様が順番に感想を口にする。
私とエリスはまだお酒が飲める歳ではないので、何時もいただいている果実水を飲んでいるが、アインス兄様はお酒の味にご満足いったのか、すでに二杯目を空けておられる。
「如何でしょうか? 本日のお食事に合わせたワインをご用意させていただきました」
「ふん、いいんじゃないか。まぁ、少々物足りない気はするがな」
早くも三杯目に口を付けているというのに何とも偉そうな言い草のアインス兄様。
私としては毒舌を吐く兄様に対し、顔見知りのオーナーさんに申し訳ない気持ちになるが、そこは流石プロ、鮮やかに別のお酒を進めてこられる。
「それではこちらなどはいかがでしょうか?」
「ふん、試してやろう」
そういいながらオーナーさんが注いだワインを全員が一口。
「これは旨いな、さっきのワインもよかったがこれはその上を遥かにいっている」
「本当だ、こんな美味しいお酒は初めてだ」
「俺もここまでのお酒なんて味わったことがないぞ」
「ふん、この店にしてはいいんじゃないか」
アインス兄様はいまだぶつぶつと失礼なことを言っているが、お父様とお兄様方はお酒の味を絶賛。オーナーさんもご満足頂いた様子だし、私は再びエリスに出されたお料理の切り分け作業へと戻らせていただく。
「これだけのワインだ、きっと名のある酒なんだろ?」
「さすがお客様、こちらは58年物ヴィンテージワイン、ロマネ・コソティでございます」
ふーん、なんだかすごそうな名前ね。
お父様にはよほど気に入っていただけたのか、オーナーさんにお酒のあれこれを聞いておられるが、全く興味がない私にとってはどうでもいい話。
それよりこのデザートいいわね、うちのお店でも出せないかしら?
「なっ、ロマネ・コソティ!?」
「なんだドライ、知っているのか?」
「知ってるも何も有名なお酒ですよ!」
「ドライ兄様はお酒に詳しいんですか? お父様も気に入って頂けたのならもう一杯頂きます?」
気に入って頂けたのならと思い、さらに追加を頼もうとするも何故かドライ兄様に慌てて止められてしまう。
「アリス、わかっているのか? ロマネ・コソティだぞ、ロマネ・コソティ」
ロマネ・コソティと言われても、お酒の銘柄なんて梅竹松しかしらないのだから仕方がない。
「そんなに高い酒なのか?」
「高いも何も、グラス1杯で金貨1枚は軽くするよ!」
「「「ブフッ」」」
ドライ兄様の一言でアインス兄様を含む全員が一斉に吹き出す。
グラス一杯で金貨1枚と言うことは、瓶1本金貨10枚ぐらいにはなるのだろうか?
私はランベルトに頼んで事前に金貨30枚をお店に預けているので、この程度ならまだ許容範囲。コース料理が確か一人金貨2枚ほどだと聞いているし、もし足りなくなったとしても付けが聞くので、明日にでもお金を持ってくれば別段心配する必要もないだろう。
「すみません、同じのをもう一本ください。あ、瓶で」
「「「コラコラコラ! キャンセルで!」」」
気を利かせてもう一本頼んだというのに、なぜかお父様達に止められてしまう可哀そうな私。
この後もお土産に1本どうですか? と進めても全力で止められてしまうし、追加の料理はどうですか? と進めても、胃が痛くなったと言われ断られてしまう始末。
結局コース料理を頂いた後、私が用意した公爵家御用達の馬車でお帰り頂いた。
まったく、せっかく親孝行しようと思っているのにこれじゃ不完全燃焼だわ。
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