華都のローズマリー

みるくてぃー

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四章 華都の讃歌

第75話 貴族の柵(しらがみ)

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 それは生誕祭から一ヶ月ほど経ったある日の出来事。

「こんにちはフローラ様、お呼とのことでやってまいりましたが、何か問題でもございましたか?」
 取り急ぎ確認したいことがあると連絡を受け、馬車を飛ばせてやってきたのだが、何故かそこにはフローラ様とは別に、私の先生でもあるローレンツさんと、レティシア様とルテアちゃんのお二人の姿もあった。

「こんにちはアリスちゃん、お仕事中にゴメンね」
「こんにちはルテアちゃん。レティシア様もおひさしぶりです」
「えぇ、夜会以来ね」
 まずはお二人にもご挨拶を交わし、メイドさんに案内されるまま同じテーブルへと腰を下ろす。

「それでその……、急ぎの用事というのは……?」
 私はてっきり昨日打ち合わせをしたクリーム工房の書類に、不備でも見つかったのかと思っていたのだが、流石に仕事の話をお二人の前でするのはおかしいだろう。
 まずは呼び出された理由を確認するため、私の方から質問を投げかけるも、返ってくるのは微妙とも取れる視線のみ。何処となくローレンツさんの表情も険しそうだし、何時も明るいメイドさんたちからも、重く苦しい雰囲気すら伝わって来る。まるで私が取り調べを受けているような、そんな感じ……。
 あれ、私また何かやらかしちゃった?

「はぁ……、その様子じゃ貴女自身は関与していないようね」
「ん? 何のことですか?」
 呆れた……、と言うか何処となく安心したかの様子で、フローラ様が珍しく重たそうな息をひとつ吐く。
 正直いまの一言ではまるで何も分かっていないのだが、なんとなく場の広まっていた重い空気が少し和らいだ感じが伝わって来る。

「実はねアリスちゃん、昨日友達のお茶会に呼ばれたんだけど、そこでアリスちゃんに関係する妙な話を耳にしてね」
「私に関係する妙な話?」
 なんだろう、思い当たる節が多すぎて逆に絞りきれない、なんて口が裂けても言えない。うん、紅茶がおいしいや。
「そこで一応確認なんだけど、アリスちゃんってジークさん以外と婚約する予定って、今の所ないよね?」
 ブフッーー!!
 余りにも予想外の内容に、思わず口の中にあった紅茶を壮大にブチまける。
「ちょっ、なんなんですか急に!?」
「もう、相変わらずリアクションが大きいわね」
「そこがアリスちゃんの面白いところじゃない。でもこれでハッキリしたんじゃない?」
「そうね」
 私が吹き出してしまった事でテーブルの上が大惨事になってしまったが、そこは手馴れたメイドさんたちが手早く片付け、真新しいカップがそれぞれの前に再び用意される。
 いつもゴメンなさい……。

「一体なんなんですか? 私だれとも婚約なんてしてませんよ」
 そもそもジーク様以外ってところを強調しなくても、今のところ誰かと婚約する予定なんてこれっぽちも存在していない。
「落ち着きなさい、貴女のその様子でハッキリしたわ」
「でもそうなると、益々厄介ね」
 なんだか私一人がおいてけぼりの状態で、あまりいい気持ちはしないのだが、とりあえず私の婚約に関する何かで、噂が囁かれているだろうことは理解できた。
 当事者である私が知らないのに、どこからそんな噂が沸き起こったのか、まったくいい迷惑ね。

「それでどんな噂が広まっているんですか?」
「えっとね、アリスちゃんが婚約するって話まではしたよね。ジークさん意外と」
「うん、わざわざジーク様以外ってところは強調しなくていいけど、何となく何かが起こっていそうな事は理解できたわ」
 ルテアちゃんらしいと言えばらしいのだが、母親でもあるフローラ様の前では、流石にその揶揄い方はご遠慮したいわね。
 だけど次に出てきた言葉で私はさらなる驚愕を受ける事となる。

「実は二週間後なんだけど、アリスちゃんとアルター家のフレッドさんとの婚約パーティーが行われるそうなの」
「………………な、なんですってぇーーーーー!!??」
 私とフレッドとの婚約パーティー? なんの冗談よ、それ。

「落ち着きなさいって、貴女が関わっていない事はわかったわ」
「えぇ、最初は驚きはしたけれど私もルテアも考えを改めてね。でも一応伝えておいた方がいいと思って、フローラのところに来たのよ」
 そういう事だったのね。
 今までの内容を要約すると、ルテアちゃんが招かれたというお茶会で、偶然私の関わる婚約の話を耳にされ、恐らくその日のうちに母親であるレティシア様に相談でもされたのだろう。
 婚約の話が事実なら自分たちにはどうする事もできないが、これがもし誰かが企てた仕掛けならば、本人である私に知らせなければいけない。だけど事実か仕掛けかられた罠かもわからない状態では、逆に私に知らせて問題を大きくしては元も子もない。ならば私の支援者でもあるフローラ様にご相談し、まずは事実確認をされたというところではないだろうか。

「でも一体誰が……。単純にアルター家が勝手に言ってるだけ、って可能性はないんですか?」
「たぶんそれはないかなぁ。聞いた話じゃ既にパーティーの招待状まで受けとった人もいるって話だよ」
「もう招待状まで!?」
 二週間後という具体的な日が決定しているのなら、招待状が送られていても不思議ではないが、当事者である私が知らないのに婚約パーティーもないだろう。

「ねぇ、アリス。貴女確か夜会でお兄さんと騒ぎを起こした時、話があるならお店に来なさいって言ったのよね?」
「はい。でも何故か来られなかったんですよね」
 どうせ王都の道に迷ったか、私の相手なんかしていられるかと無視されたのか、それとも店の前に来て余りの大きさに足がすくんで逃げ出したか、そんなところだろうと勝手に決め込んでいたのだが。
「それって、『行かなかった』じゃなくて、『誰かが行かせないように仕向けた』とは考えられないかしら?」
「行かせないように仕向けた?」
「えぇ、わざわざ伝える必要もないと思って話さなかったのだけれど、実はあの夜会の日、貴女のお兄さんとアルター男爵が、二人っきりで話をしている姿を見たってひとがいるのよ。私たちが控え室に下がっている間に」
「お兄様と男爵様が!?」
 ただ話をしていただけ、と言うのなら別に怪しい事などないのだが、このタイミングで二人が一緒にいたというのが妙に引っかかる。
 多額な借金を抱え、私に恨みを抱く男爵様と、私から無能領主だと馬鹿にされ、嘗て私とフレッドの婚約解消で手に入るはずだった結納金を手に入れらず、男爵家に対していい印象を持っていないバカ兄。
 実際断られたのは私と父であって、兄自体は何も関わってはいないのだが、それでも普通に世間話をしているなんて事はまずありえないだろう。

「これは私の想像なのだけれど、その時に男爵から貴女とフレッドとの婚約の話を、再び持ち出されたんじゃないかしら」
「!?」
 フローラ様がが立てた仮説が、私の中で大きく弾ける。
 ルテアちゃんは言った、私とフレッドの婚約パーティーが二週間後に開かれるのだと。フローラ様が教えてくれた、あの夜会の日に男爵様と兄が二人で話し合っていたのだと。
 もし男爵様が以前の婚約破棄を取り消し、再び私とフレッドとの婚約を求められ、結納金も約束通り用意すると持ちかけられれば、兄の事だから喜んでその場で承諾してしまうかもしれない。

「そう考えると、お兄さんが再びアリスの前に現われなかった、というのも説明がつくのよ」
「どういう事です?」
「例えばこれがアルター家が企てたものだと仮定するでしょ。貴女の話ではお兄さんはローズマリーの事を詳しく知らないようだし、男爵側としてはお店の方へ行かせたくないと思うはずよ。だから適当な理由をつけて、近づけさせないよう仕向けたと考えれば、色々と辻褄が合ってくるのよ」
 ……確かに。
 今までの流れから考えて、フローラ様の推理は一通りの筋が通っている。
 兄の事だから『今、私に近づけば計画を気付かれる恐れがある』とか言われれば男爵様に従うだろうし、結納金を先に支払うと囁かれれば私には見向きもしないだろう。
 フレッドとの件も、私はてっきり企画書が作れないから、未だに顔を見せていないのだと決め込んでいたのだが、下手に刺激して計画を知られるのを恐れていたとも考えられる。
 もしかすると企画書が出来たからといって、私を呼び出したまま気づけば婚約パーティーに連れ出されていた、なんて事もありえるのだ。
 クリス義姉様が知っていれば、こっそり手紙でも送ってくれそうなものだが、男爵様と二人っきりで話していたらしいので、私同様いまだ知らされていないと考えれば辻褄もあう。

 ……あのバカ兄、何て事をしてくれるのよ。

「わかりました。後は私の方でなんとかしてみます」
 これは完全に私個人の問題。この様な事で、フローラ様のお手を煩わせるわけにはいかないだろう。だけど……
「何とかしてみますって、どうするつもりなの?」
「アリスちゃん、こう言ってはなんだけど、貴族のしがらみは貴女が考えているほど甘いものじゃないわよ」
「そうね、貴女の事だから家を出たから実家の命令には従いません、って考えているのでしょうけれど、ハッキリ言って通用しないわよ」
「えっ? でも私は実家を出て、名前だってアリス・ローズマリーって商業ギルドに登録しているんですよ」
 この世界には住民票みたいな制度はないので、実家を出たという証拠を示すものが無いのは理解している。だから私はローズマリーを立ち上げる際にローレンツさんに相談し、新しくローズマリーというファミリーネームを商業ギルドに登録したのだ。

「残念ですが、今回の件に関しては難しいでしょうね」
 私が訴える様に向けた視線に気づき、ローレンツさんが教えてくれる。
「これが単純にアリス様とご実家との対立でしたら、商業ギルドも仲立ちしてくれるでしょうが、相手が貴族でその内容がお家問題ともなれば、商業ギルドは関与してくれません」
「アリス、貴女でも政略結婚って言葉ぐらいは聞いた事があるでしょ? 世の中では子供の結婚を親が決める何て事は普通なの。ましてや貴女は本家筋の人間なのだし、当主であるお兄さんが決めた婚約ならそれに従う義務が生まれるわ。私はそういう仕来りは好きじゃないから、子供たちには自由に恋をしてほしいと思っているけれど、残念な事にこれが今の世中の実状よ」
「そんな……」
 フローラ様のお言葉は一言一言全てが重い。
 以前フレッドと婚約した時だって、私の意志とは関係なく決まった結果を告げられただけだし、ルテアちゃんとアストリア様の関係だって、元をたどれば親同士が決めた事。
 でも、だからと言ってこんな理不尽な事がまかり通っていいものなの?

「アリスちゃん、貴女は知ら無いかもだけれど、爵位を与えられている貴族の家系図は、全て国が管理しているのよ。元々は世継ぎが生まれる前に、当主が亡くなった場合などで使われるものだけれど、今回はアリスちゃんがそれに引っかかってしまう。もしアリスちゃんが独立を宣言したとしても、国の記録じゃまだ騎士爵家の一員って事になってしまうのよ。私がさっき『厄介ね』といったのはそういう事なの」
 何も知らない私のために、レティシア様が一族の繋がりについて教えてくださる。
 そういえば初めてツヴァイ兄様が実家を出られる時、お父様が後継についての話をされていたっけ。
 ずいぶん前の話になるので、朧げの記憶しか残ってはいないが、確かアインス兄様が当主を継げなくなった場合、ツヴァイ兄様が実家に戻って後を継がなければいけないとか、そんな話の内容だったと思われる。
 あの時は別れが悲しくでわんわん泣いているだけだったが、思い返せば実家を出たとしても、騎士爵家に生まれた責任は消え無いんだと、そんな意味が込められていたんじゃないだろうか。
 それじゃ私は……

「貴族のしがらみからは逃げられない……」
 フローラ様とレティシア様の話では、『騎士爵家に生まれた責任』と言われてしまえば私は兄の命令に逆らう術がないらしい。
 例え実家を飛び出したとしても、国に家系図を握られている限り、私は何処にいても騎士爵家の人間だし、独立したと宣言しても当主である兄が聞き入れなければ、私は騎士爵家に縛られてしまう。
 すると私に残された道は逃亡するか自ら命を絶つかのどちらなのだが、ローズマリーという店とスタッフを抱えている私には逃亡は許されず、命を絶つにしてもエリスを残してはおいそれと馬鹿な選択は出来ない。例え私がローズマリーの経営から退いたとしても、その対象がエリスにすり替えられるだけだろう。
 つまりは私は実家の呪縛からは逃れる術がないという事だ。

 突然突きつけられた現実、初めて気付かされたしがらみが、ぐるぐると私の脳裏で繰り返される。
 いいの? こんなところで諦めていいの? 多くの人たちの力を借りて、ここまで頑張ってやって来たのだ。
 私にはまだやりたい事がいっぱいある。
 新作のケーキにチョコレートの新しいレシピ開発に、ローズマリーの二号店だって視野に入れている。先月から稼働しはじめてクリーム工房だって、まだまだ改良していかなければ行かないところが沢山あるのだ。それに恋だって……。

「……嫌です。絶対に嫌です。兄の命令に従うのも嫌だし、フレッドと婚約するのだって絶対に嫌!」
 そうよ、騎士爵家に生まれたからと言って、素直に従うほど私は弱くない!
 例えそれが国のルールに反したとしても、世の中から不埒者と非難されたとしても、その全てを跳ね返してあげるわよ!

「そう、どうやら諦めてはいないようね」
「当然です。バカ兄もぶん殴って、男爵家の野望も踏みつけて、両方後悔させてやらないと気がすみません!」
 具体的な策なんて何一つとして思いつかないし、いまは気持ちが空回りしているだけだけれど、まだ二週間もある。
 私が闘志というか復讐心に目覚めた事に安心されたのか、フローラ様とローレンツさんが何かを確かめるように顔を見合わせ。
「アリス、この現状を切り抜ける策が一つだけあるわ」
 それはフローラ様が考えられた最後の策略だった。
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