私の婚約者は誰?

しゃーりん

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侍女に部屋へ連れていかれ、ドレスを脱いだ。
入浴し、あちこち磨かれて夜着を着せられた。

「こんなに丈が短いの?すごく透けてる気もするし…」

「ライラ様、これでいいのです。初夜です。初夜と言えばスケスケは定番です。
 もっと過激なのもあるくらいですよ?
 最近の旦那様はライラ様にメロメロです。
 この姿を見せれば、もう言いなりです。
 かわいくおねだりしてあげてください。」

「そうなの?そういうもの?
 でも待ってる間、恥ずかしいし寒いわ。
 ガウンを羽織っていい?」

「そうですね。では旦那様が来られるまでは。
 来られたら、旦那様に見せつけるようにガウンをゆっくり脱いでくださいね。
 絶対に釘付けのように見て来られますよ。」 
 
「わかったわ。教えてくれてありがとう。」


ライラは夫婦の寝室へと足を踏み入れた。
こっそり聞いたところ、前の奥様がおられた時の部屋はこことは違う。
その頃は、まだここは前当主が使われていたそうだ。
しかし、掃除はしていても長年使ってなかったこともあり、この部屋の内装も随分変えた。
テオドールと長く一緒に過ごしたい。そう思い、二人で考えた部屋だ。
今、照明は通常よりも明るさを絞っているようだ。
明るすぎると恥ずかしいので、丁度良い。
でもベッドに入る時はどうするのだろうか?真っ暗にする?この明るさのまま?
え?裸になるのよね?明るすぎて見えてしまわない?やっぱり真っ暗?
あ、上掛けの中に入るから暗くなる?え?どうなの?
真っ暗で月明りくらいがいいんじゃない?でもそれだとカーテンを開けることになるわ。

ライラはいつの間にか緊張のあまり、グルグル考えていた。
その時、テオドールが濡れた髪を拭きながらガウン姿で現れた。

ベッドを間に挟み、二人で見つめ合う。
ライラは侍女に言われたことを思い出した。
そして、そのままガウンの腰紐を外し、ゆっくりと前を広げて腕を抜きガウンを脱いだ。
テオドールは凝視している。唾を飲み込む音がした気がした。

「ライラ、素敵だ。なんて奇麗なんだ。」

ベッドを回り込んでライラの前に立ち、肩に手を置いた。そのまま腕を撫で両手を掴む。
自分の方に引き寄せ、腰と頭の後ろに手が回された。

「ライラ、愛してる。」

そう言い、キスをする。キス深めながらベッドに座らせて、そのまま後ろに倒れた。
ライラの体を全部ベッドに寝かせ、愛撫をし始めると、

「テオ様、あの、明かりは?」

「これ以上暗くしたらライラの表情が見れない。このくらいでいい。」

「では、あの、上掛けの中に入るのでは?」

「あぁ、除けてしまおうか。」

そう言って、上掛けをめくり足下の方へ固めて置いてしまった。

「え?いらないのですか?」

「すぐに熱くなって邪魔になる。さぁ、もう質問はないか?ライラに触れたくて限界だよ。」

そう言うなり愛撫が再開され、ライラは言葉にならない声しか発することが出来なくなり、未知の世界を体験したのであった。
閨の指南書のお陰か、ライラはあまり痛がることもなく気持ち良さそうでもあり、テオドールは安心してライラの体に没頭していった。


朝、テオドールが目覚めると腕の中でライラが眠っている。
テオドールを煽る役目を果たし終えた夜着は着せておらず、ガウンも羽織っておらず、素肌のままだ。
侍女たちが磨いた肌はライラの若さも伴いピチピチでスベスベでモチモチである。
不埒な手が勝手にライラの手を這いだすと、ライラが目を覚ました。

「テオ様、おはようございます。」

「おはよう、ライラ。体調はどう?」

「大丈夫です。テオ様、手が…」

「ライラの肌が気持ち良くて…ずっと触っていたくなるな。
 …ひとまず風呂に入りたいだろう?侍女を呼ぼう」


ライラにキスをしてから、呼び鈴で侍女を呼んだ。

「ライラを風呂に入れてくれ。…歩けるか?」

「大丈夫です。行ってきますね。」

侍女にガウンを着せてもらい、ライラは部屋から出た。


ベッドに残ったテオドールは喜びが爆発しそうになるのを抑え、ガウンを着て自分の部屋の風呂へ向かった。
いつか、一緒に風呂に入るのもいいなぁと考えながら…

ライラを風呂に入れている侍女たちは、ライラの体中に付いている所有欲の表れにニンマリした。
さぞかしライラ様のお体に執着し、満足したようだ。
お子が授かるのも遠くはないだろう。


ライラの部屋に用意された朝食を二人で食べ、その日はのんびりイチャイチャと過ごした。







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