6 / 7
6.
しおりを挟む侍女に部屋へ連れていかれ、ドレスを脱いだ。
入浴し、あちこち磨かれて夜着を着せられた。
「こんなに丈が短いの?すごく透けてる気もするし…」
「ライラ様、これでいいのです。初夜です。初夜と言えばスケスケは定番です。
もっと過激なのもあるくらいですよ?
最近の旦那様はライラ様にメロメロです。
この姿を見せれば、もう言いなりです。
かわいくおねだりしてあげてください。」
「そうなの?そういうもの?
でも待ってる間、恥ずかしいし寒いわ。
ガウンを羽織っていい?」
「そうですね。では旦那様が来られるまでは。
来られたら、旦那様に見せつけるようにガウンをゆっくり脱いでくださいね。
絶対に釘付けのように見て来られますよ。」
「わかったわ。教えてくれてありがとう。」
ライラは夫婦の寝室へと足を踏み入れた。
こっそり聞いたところ、前の奥様がおられた時の部屋はこことは違う。
その頃は、まだここは前当主が使われていたそうだ。
しかし、掃除はしていても長年使ってなかったこともあり、この部屋の内装も随分変えた。
テオドールと長く一緒に過ごしたい。そう思い、二人で考えた部屋だ。
今、照明は通常よりも明るさを絞っているようだ。
明るすぎると恥ずかしいので、丁度良い。
でもベッドに入る時はどうするのだろうか?真っ暗にする?この明るさのまま?
え?裸になるのよね?明るすぎて見えてしまわない?やっぱり真っ暗?
あ、上掛けの中に入るから暗くなる?え?どうなの?
真っ暗で月明りくらいがいいんじゃない?でもそれだとカーテンを開けることになるわ。
ライラはいつの間にか緊張のあまり、グルグル考えていた。
その時、テオドールが濡れた髪を拭きながらガウン姿で現れた。
ベッドを間に挟み、二人で見つめ合う。
ライラは侍女に言われたことを思い出した。
そして、そのままガウンの腰紐を外し、ゆっくりと前を広げて腕を抜きガウンを脱いだ。
テオドールは凝視している。唾を飲み込む音がした気がした。
「ライラ、素敵だ。なんて奇麗なんだ。」
ベッドを回り込んでライラの前に立ち、肩に手を置いた。そのまま腕を撫で両手を掴む。
自分の方に引き寄せ、腰と頭の後ろに手が回された。
「ライラ、愛してる。」
そう言い、キスをする。キス深めながらベッドに座らせて、そのまま後ろに倒れた。
ライラの体を全部ベッドに寝かせ、愛撫をし始めると、
「テオ様、あの、明かりは?」
「これ以上暗くしたらライラの表情が見れない。このくらいでいい。」
「では、あの、上掛けの中に入るのでは?」
「あぁ、除けてしまおうか。」
そう言って、上掛けをめくり足下の方へ固めて置いてしまった。
「え?いらないのですか?」
「すぐに熱くなって邪魔になる。さぁ、もう質問はないか?ライラに触れたくて限界だよ。」
そう言うなり愛撫が再開され、ライラは言葉にならない声しか発することが出来なくなり、未知の世界を体験したのであった。
閨の指南書のお陰か、ライラはあまり痛がることもなく気持ち良さそうでもあり、テオドールは安心してライラの体に没頭していった。
朝、テオドールが目覚めると腕の中でライラが眠っている。
テオドールを煽る役目を果たし終えた夜着は着せておらず、ガウンも羽織っておらず、素肌のままだ。
侍女たちが磨いた肌はライラの若さも伴いピチピチでスベスベでモチモチである。
不埒な手が勝手にライラの手を這いだすと、ライラが目を覚ました。
「テオ様、おはようございます。」
「おはよう、ライラ。体調はどう?」
「大丈夫です。テオ様、手が…」
「ライラの肌が気持ち良くて…ずっと触っていたくなるな。
…ひとまず風呂に入りたいだろう?侍女を呼ぼう」
ライラにキスをしてから、呼び鈴で侍女を呼んだ。
「ライラを風呂に入れてくれ。…歩けるか?」
「大丈夫です。行ってきますね。」
侍女にガウンを着せてもらい、ライラは部屋から出た。
ベッドに残ったテオドールは喜びが爆発しそうになるのを抑え、ガウンを着て自分の部屋の風呂へ向かった。
いつか、一緒に風呂に入るのもいいなぁと考えながら…
ライラを風呂に入れている侍女たちは、ライラの体中に付いている所有欲の表れにニンマリした。
さぞかしライラ様のお体に執着し、満足したようだ。
お子が授かるのも遠くはないだろう。
ライラの部屋に用意された朝食を二人で食べ、その日はのんびりイチャイチャと過ごした。
567
あなたにおすすめの小説
年下の婚約者から年上の婚約者に変わりました
チカフジ ユキ
恋愛
ヴィクトリアには年下の婚約者がいる。すでにお互い成人しているのにも関わらず、結婚する気配もなくずるずると曖昧な関係が引き延ばされていた。
そんなある日、婚約者と出かける約束をしていたヴィクトリアは、待ち合わせの場所に向かう。しかし、相手は来ておらず、当日に約束を反故されてしまった。
そんなヴィクトリアを見ていたのは、ひとりの男性。
彼もまた、婚約者に約束を当日に反故されていたのだ。
ヴィクトリアはなんとなく親近感がわき、彼とともにカフェでお茶をすることになった。
それがまさかの事態になるとは思いもよらずに。
罠に嵌められたのは一体誰?
チカフジ ユキ
恋愛
卒業前夜祭とも言われる盛大なパーティーで、王太子の婚約者が多くの人の前で婚約破棄された。
誰もが冤罪だと思いながらも、破棄された令嬢は背筋を伸ばし、それを認め国を去ることを誓った。
そして、その一部始終すべてを見ていた僕もまた、その日に婚約が白紙になり、仕方がないかぁと思いながら、実家のある隣国へと帰って行った。
しかし帰宅した家で、なんと婚約破棄された元王太子殿下の婚約者様が僕を出迎えてた。
あなたは愛を誓えますか?
縁 遊
恋愛
婚約者と結婚する未来を疑ったことなんて今まで無かった。
だけど、結婚式当日まで私と会話しようとしない婚約者に神様の前で愛は誓えないと思ってしまったのです。
皆さんはこんな感じでも結婚されているんでしょうか?
でも、実は婚約者にも愛を囁けない理由があったのです。
これはすれ違い愛の物語です。
ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に
ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。
幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。
だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。
特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。
余計に私が頑張らなければならない。
王妃となり国を支える。
そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。
学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。
なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。
何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。
なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。
はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか?
まぁいいわ。
国外追放喜んでお受けいたします。
けれどどうかお忘れにならないでくださいな?
全ての責はあなたにあると言うことを。
後悔しても知りませんわよ。
そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。
ふふっ、これからが楽しみだわ。
ついで姫の本気
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
国の間で二組の婚約が結ばれた。
一方は王太子と王女の婚約。
もう一方は王太子の親友の高位貴族と王女と仲の良い下位貴族の娘のもので……。
綺麗な話を書いていた反動でできたお話なので救いなし。
ハッピーな終わり方ではありません(多分)。
※4/7 完結しました。
ざまぁのみの暗い話の予定でしたが、読者様に励まされ闇精神が復活。
救いのあるラストになっております。
短いです。全三話くらいの予定です。
↑3/31 見通しが甘くてすみません。ちょっとだけのびます。
4/6 9話目 わかりにくいと思われる部分に少し文を加えました。
【完】お望み通り婚約解消してあげたわ
さち姫
恋愛
婚約者から婚約解消を求められた。
愛する女性と出会ったから、だと言う。
そう、それなら喜んで婚約解消してあげるわ。
ゆるゆる設定です。3話完結で書き終わっています。
義兄のために私ができること
しゃーりん
恋愛
姉が亡くなった。出産時の失血が原因だった。
しかも、子供は義兄の子ではないと罪の告白をして。
入り婿である義兄はどこまで知っている?
姉の子を跡継ぎにすべきか、自分が跡継ぎになるべきか、義兄を解放すべきか。
伯爵家のために、義兄のために最善の道を考え悩む令嬢のお話です。
公爵令嬢は結婚前日に親友を捨てた男を許せない
有川カナデ
恋愛
シェーラ国公爵令嬢であるエルヴィーラは、隣国の親友であるフェリシアナの結婚式にやってきた。だけれどエルヴィーラが見たのは、恋人に捨てられ酷く傷ついた友の姿で。彼女を捨てたという恋人の話を聞き、エルヴィーラの脳裏にある出来事の思い出が浮かぶ。
魅了魔法は、かけた側だけでなくかけられた側にも責任があった。
「お兄様がお義姉様との婚約を破棄しようとしたのでぶっ飛ばそうとしたらそもそもお兄様はお義姉様にべた惚れでした。」に出てくるエルヴィーラのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる