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しおりを挟む今日は王家主催のパーティーがある。
オーリオとの結婚後、半年が経ったが2人で王城へと行くのは初めてのことだった。
王太子夫妻が貴族の夜会に参加することはほとんどない。
王家主催の今日は、王太子夫妻にお目にかかることになるだろう。
夫であるオーリオが王太子殿下の側近枠として雇われているにも関わらず、ソランジュはウラノス王太子殿下に挨拶をしたことがない。
これが意味するところは、夫オーリオは王太子殿下の中では側近ではないということだ。
オーリオはそんなことにも気づかない、利用されているだけの男なのだ。
ソランジュの目的は、その王太子殿下と話をすること。
聡い王太子殿下であれば、ソランジュの言いたいことがすぐに伝わるはず。
ソランジュは未来のために、利用されている夫の恋心をぶった切ることに決めたのだ。
自分が王太子殿下の側近の一員だと思っているオーリオは挨拶をするために何の疑いもなくソランジュを連れて王太子殿下の元へとやってきた。
「殿下、ご挨拶申し上げます。」
「あぁ、オーリオか。そちらは夫人だね。いつもオーリオには助けてもらっているよ。」
オーリオは言葉通りに受け取ったのだろう。嬉しそうだ。だが、本当の意味は違う。
仕事内容ではない。サミア王太子妃殿下のご機嫌取りを指しているのだ。
「恐れ入ります。ですが、夫では力不足かと。そろそろお役御免にしていただきたく存じます。」
ソランジュの仕草に気づいたウラノス王太子殿下は目を見開いた後、笑った。
「ははっ。そっか、そうかぁ。そういうことかぁ。おかしいと思っていた。してやられたよ。
夫人の勝ちだな。オーリオ、明日から来なくていいよ。今までご苦労だったな。」
「え……?え……?何……?どういうこと?殿下……?ソランジュ?」
オーリオが狼狽えているうちに、王太子殿下は次の挨拶を受けていた。
ソランジュは混乱して戸惑っているオーリオを連れて帰宅した。
着替え終わり、ようやく正気に戻ったオーリオがソランジュの部屋まで来て怒鳴り込んだ。
「ソランジュ、お前のせいで、お前が訳の分からないことを言ったから僕は首になったんだ!」
「そうですわね。私の意図を殿下は理解してくださいました。そして許してくださいました。
そのお陰で、このマーズ伯爵家もあなたも傷つくことなくこれからも生きていけます。」
「何を大袈裟な…………意味がわからない。」
「そうでしょうね。わかりやすく言えば、あなたは王太子殿下に利用されていた。そして違う意味でサミア妃殿下からも利用されていた。あなたは明日から来なくていいと言われたことで、利用され続けた行き着く先、つまり身の破滅から逃れることを許してもらったということです。」
ますます訳がわからない。オーリオはそんな顔をしていた。
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