逃げた先で見つけた幸せはずっと一緒に。

しゃーりん

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ジェイドはローレンスの職場近くで彼の仕事が終わるのを待った。

家に帰ろうと出てきたローレンスに再び声をかけると、彼は嫌そうな顔をしたが逃がさない。

人目の少ないところに移動し、彼に調査で知った記憶喪失のことをぶつけた。

彼は記憶喪失を認めたし、ジェイドのことも忘れているのであれば未だ記憶は戻っていないようだった。

そんな彼に、君は貴族で、オリオール侯爵としての責任があると話した。 

しかし、彼は自分がいなくともオリオール侯爵家に問題がないのではないかということ、そしてジェイドが身内でもないのに口出しして問題ないのかということを問うてきた。
 
彼からしてみれば、いきなり貴族だと言われ、責任がどうとか言われ、迷惑そうだった。

だから、ジョスリン夫人が産んだ子供のことを話した。
平民として暮らしているローレンスには2人の子供がいることもわかっている。
自分にもう一人子供がいるかもしれないと知れば、会ってみたいと思うかもしれない。

王都に戻らせるきっかけになれば、と思って話したが彼は今の妻とが初体験だったらしい。
それは記憶喪失になる前のことであり、妻からそう聞いたのだろう。

ジョスリン夫人と初夜がなかったということが明らかになった。

仕方なく、ローレンスの子供とされているが別の男との子供かもしれないと打ち明けた。
ローレンスの子供と思わせるために失踪時期をずらしたのだと思われることを。 

しかし、彼は貴族が血筋を大切にしていることを忘れているせいか、別に構わないのではないかと言ってきた。

バカな!乗っ取りは重犯罪なんだ!

平民として暮らしている今のローレンスに怒っても仕方がないが。

そして、子供がローレンスの義理の弟の子供ではないかとも話した。

5年失踪していれば死亡届が出せる。
奴らは5年経つのを待っているのだろうが、ローレンスが生きているとなれば意味がない。

だから、ローレンスを王都に連れて行き、生きていることを証明したいんだ。
 

それでも、ローレンスは子供が誰の子か証明ができないから行きたくないと思っているようだった。
確かに、自分の子供でもないのにローレンスの子だと言われるのは嫌だろう。

そこで、血縁判定キットの話をした。

だが、親子がはっきりとわかるのか、血の繋がりがあるかないかがわかるだけなのか、それによって意味を成さないかもしれないと指摘された。
確かに、貴族はあちこちで血が繋がっていると言えるから。

しかも、ローレンスと義理の弟が本当の兄弟なのではないかとも言われ愕然とした。

そうだ。確かに、実子であるローレンスを虐待してオリオールと関係のない子供をオリオールだと偽っている乗っ取り計画は、ローレンスの父親に何の旨味があるのだ?

長く、侯爵代理の座に就けるかもしれないが、ローレンスの弟に代理の座を奪われるかもしれない。 
だが、それも我が子であるならば追い出されることもなくオリオールに居座り続けられる。

そして、ローレンスと弟が兄弟なのであれば、ジョスリン夫人の子供とも血縁という判定になる。

ローレンスを検査に連れ出せば、面倒なことになるのだ。


先に、侯爵代理の不貞を暴く必要がある。それが乗っ取り疑惑の証明にもなるだろう。
それはローレンスの失踪時期を明らかにすることでより強くなるだろう。

 
ローレンスをオリオールに戻すのは、彼らに処罰を与えてからだ。


また来ると告げて、ジェイドは王都に戻ったのだ。



 
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