友人の好きな人が自分の婚約者になりそうだったけど……?

しゃーりん

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ワンダー様とのデート中、クレージュは言おうと決心してきた言葉を唐突に言った。


「ワンダー様、好きです。」


ワンダー様は一瞬呆けた後、眉をひそめて言った。


「えっと、この花のことかな?」


うん。この花も可愛くて好きだけど、花の話の途中で唐突に告白した私が悪いわ。


「この花も好きですが、ワンダー様が好きです。お慕いしています。」


ワンダー様は目を丸くした後、真っ赤になった。貴重な顔を見れた気分。
近くの東屋で座って話そうと向かう途中も、ワンダー様は耳まで真っ赤だった。
そんな姿を見て、クレージュは笑いがこみ上げてきて、クスクスと笑ってしまう。
クレージュと手を繋いでいない方の手で顔を覆い隠し、どうにもならないようだった。


「クレージュ、私も君が好きだよ。とても。多分、君が思っている以上に好きだ。
 ごめん。私が先に言うべきことだった。君から言わせてしまうなんて、不甲斐ないな。」

「どちらが先、というのは気にしなくていいと思います。
 気持ちを言葉にするのって簡単なようで難しいと思っていました。特に、最初に言うときは。
 だけど、私たちはもう少し言葉にするべきじゃないかって思いました。
 聞きたいことも言いたいことも、相手を伺っている気がして。」

「ああ。その通りだ。
 私は会う度に君に惹かれていって、3歳も年上なのに上手く言葉にできなくて。
 心のどこかで、私のことが嫌になって婚約解消されるんじゃないかって不安で。
 君には頼りがいがあるように思ってほしくて、伯爵には役に立つ婿だって思ってほしくて。
 そうしたら、責任感の強い君が婚約解消するはずがないって……打算まみれなんだ。」


やはり、前の婚約解消はワンダー様の自信を失わせたようだ。


「実は、私もどこかで疑いがありました。
 ロメオ様がリリスを選んだように、ワンダー様も私ではない誰かに心惹かれるんじゃないかって。
 でも、自分がされたことを私にするような人ではないと思ったのです。
 思っていることを言い合うと、この不安は消えるんじゃないかって。
 ワンダー様が不安を打ち明けてくれて、私を好きだと言ってくれて、とても嬉しいです。」


本当に嬉しい。好きな人に好きだって言われると締まりのない顔になってしまうのね。
恥ずかしいのに元に戻らないので両頬をさりげなく解した。


「クレージュ、私は君が好きだからずっと一緒にいたい。決してよそ見はしない。
 私と結婚してくれますか?」

「はい。私もワンダー様が好きです。よろしくお願いします。」


気持ちが固く結ばれた私たちは、初めてのキスをした。

 


クレージュが学園を卒業してすぐ、結婚した。

ポコポコポコと3人の子供が次々にと産まれ、口下手だったワンダー様はクレージュと子供たちに惜しみなく愛を告げる極甘な男となり、メイベルをはじめ侯爵家を驚かせることになる。


ロメオ様のブラック家との事業は、ロメオ様が平民になってから再度検討され、ワンダー様の実家である侯爵家も一部加わる形で始まった。
ロメオ様がいないブラック家に問題はないので付き合いを続けることにしたオリーブ家に、ブラック家は感謝して友好な関係を続けている。


平民になったロメオ様とリリスは、お互いの外見を保つためにはすごくお金がいるということに結婚してからようやく気付くことになり、リリスはオシャレ好きを生かして広告塔になることをロメオが働く商会に直談判した。
新作の服、装飾品、化粧品などを身に着けたリリスが客に似合うものをアドバイスをするという。
これで自分の可愛さを保つことが出来、必需品として格安で買うことができた。
そして、ロメオの方も客寄せ効果のある顔を生かすことになる。
ただし、男女間のトラブルを起こさないことが条件だった。

リリスとロメオは、好みの顔であるお互いがいれば、後はその外見を保てる生活ができれば満足であったため、意外なことに真面目に働いているらしい。 

うまくいっていることに、誰もがホッとした。



友人の好きな人が自分の婚約者になりそうだったけど、ならずに済んでよかった。

おかげで私は愛する夫と可愛い子供たちと幸せな生活を送ることができたのだから。

 

<終わり>

 


 
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