従姉の子を義母から守るために婚約しました。

しゃーりん

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学園卒業から8年が過ぎ、シャルロッテは13歳、ジェットは26歳になった。

成長したシャルロッテはチェルシーによく似ていた。容姿も性格も。
綺麗で優しくて朗らかで、違うのはお転婆なところか?
でもチェルシーもこの年頃はまだそうだったのかもしれない。馬に乗りたがっていたしな。


シャルロッテを連れて年に数日間だけ王都に行き、こっそりウォルトと会っていた。
ウォルトは毎回号泣するところから始まる。シャルロッテと僕は苦笑い。
それ以外は手紙とプレゼントだけで繋がってきた年月だった。

シャルロッテの婚約者候補は、どこもジャクリーンを恐れて決まらない。
毎回、ウォルトはそう言っていた。



ところが、とうとうジャクリーンがやらかした。 
ここ1年ほど、彼女はウォルトに執着しなくなっていたらしい。
ジャクリーンの相手をしなくて済むことにウォルトは久しぶりに肩が軽くなったと感じた日々だった。
まぁ、おそらく浮気しているのだろうとわかっていた。
調べてみると相手は……ああ、若い騎士か。さぞかし満足しているのだろう。
どうでもよくて放っておいた。

しかし、ジャクリーンが突然ウォルトの寝室にやってきて跨ろうとした。
しばらく相手をしていなかったために、再びジャクリーンに反応しなかった。
たたないモノを入れようとしても無理だ。
ジャクリーンは怒ったがどうしようもなかった。
『あの騎士に振られたのか?』とウォルトが嘲るように言うと部屋を出て行った。

ジャクリーンは騎士の子を妊娠したようだ。
それを誤魔化すために、ウォルトとの既成事実を作ろうとしたが失敗。
そもそも、すでに妊娠4か月になっているのにどう誤魔化す気だったのだろうか。
  
ウォルトは不貞を理由にジャクリーンに離婚を言い渡した。
だけど、ジャクリーンは受け入れない。

それでウォルトは国王と王太子に話を持って行った。
ジャクリーンの腹の子は自分の子ではない。公爵家で育てる義理もない。
不貞を働いたジャクリーンとは離婚する。
騎士と結婚させるか王家に戻すかはそちらで考えてほしい。

国王には考え直すように言われたことで、ウォルトはとうとう切れた。

望みもしない王女を押し付けて無理矢理結婚させておいて、不貞を働いた王女の子を公爵家の子として育てろとはどれだけ公爵家を侮辱するのか。
娘を冷遇しようとするジャクリーンから逃がすことで、娘と会えなくなった日々をどうしてくれる。

ここでようやく王太子が父と妹の横暴さを詫びた。

『ジャクリーンとの離婚を認める。国王には退位してもらう』


ウォルトの悪夢のような日々がようやく終わりを告げたのだった。



離婚して王家の離宮に閉じ込められたジャクリーンは、子供がいなければ公爵家に戻れると信じ、堕胎薬を飲んだ。
既に妊娠5か月を過ぎて6か月を迎えようとしている頃だ。
急激な腹痛に襲われ、しばらくして胎児が出てきたが、弱々しくそのまま亡くなった。
その出産によりジャクリーンは中が傷ついて出血が止まらなくなった。

結局、起き上がることが出来なくなって、ジャクリーンも亡くなった。




 

 
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