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しおりを挟むゲオルド様の条件と、母が私のために考えた条件の確認を終え、サラーナは問題ないと答えた。
ゲオルド様はホッとし、使用人の紹介をしてくれた。
専属侍女のエマとニーナ、執事やゲオルド様の侍従、そして外出時の護衛。
サラーナの部屋は、日当たりの良いいい部屋だった。本当に待遇には問題ない。
「両親には夕食時に会わせるよ。それまでくつろいでくれ。」
「わかりました。」
エマとニーナは明るく感じの良い侍女だった。少し年上だろう。2人共、男爵令嬢だと言う。
「サラーナ様とお呼びしてよろしいでしょうか?若奥様は嫌ですよね?」
「ふふ。そうね。名前でお願いしますね。」
奥様扱いは社交の時だけで十分だと思うから。
「サラーナ様、あの条件を呑まれたのですねぇ。条件として悪くはないのですが、伯爵令嬢なのによかったのですか?」
エマがそう言うと、ニーナも荷物を片付けながら興味深々のようだった。
「条件を知ったのはついさっきなの。私の両親は私が子供の頃と同じく病弱で長生きできないと思い込んでいてね、婚約者がいたこともないのよ。だからゲオルド様の条件は両親には問題なかったの。」
「そうなのですね。ゲオルド様は一途で旦那様たちも困ってしまわれて。伯爵令嬢以上というのも諦めさせる口実なところもあったようですが、とうとう探してしまわれましたね。しかも、イリンさんを妊娠までさせて強行突破と言った感じでしょうか。妊娠も年齢に限界がありますから。」
どちらも忍耐勝負をしていたのかもしれない。
ご両親はゲオルド様がイリンさんを諦めて貴族令嬢と結婚して子供をもうけることを。
ゲオルド様はイリンさんの年齢ギリギリまで妊娠させることなく、両親が認めてくれることを。
結局、ゲオルド様が許しを待てずにイリンさんを妊娠させたのと、ご両親が望む伯爵令嬢以上の妻が見つかるのが同時期になったということだ。
しかし、そうなるとやっぱり疑問なのが10年という契約期間。
私にとっては嬉しいことだけど、貴族の妻を望んでいたご両親は知っているのかしら。
10年経てば、サラーナも28歳。妊娠は厳しくなる。
ご両親は、ゲオルド様が貴族の妻に心変わりすることを期待しているから10年?
だけど、10年経っても夫婦にならなければ、それ以上結婚で縛る意味がないからかな。
10年、お疲れさま。あとは自由に過ごしてね。って?
あるいは10年後、私が望めば契約更新になるのかも。
社交には一応妻がいた方がいいし、実家に帰るのも一人で暮らすのも嫌だったらこのままいていいよって。
それでも多分、私は離婚を選ぶと思うけどね。
だって、その後の生活に困らないお金をくれるんでしょ?贅沢しなければ一人で生きていけるわ。
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