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しおりを挟む学園内で結婚相手を探す人が多くなっている時代だけど、これはこれで意外と難しいのではないかと思い始めた。
一番いいのは、政略的にも爵位的にも合った相手を親に数人選んでもらって、その中から自分の望む条件に合う人を選ぶ方が納得できるような気がしてきた。
子供が選んだ相手を親が必ずしも納得できるとは限らないのだから。
いずれは、また政略結婚が主流に戻る気がする。
「他にはどんな外見が好み?」
エドガー様の言葉に、好みの外見の話が途中だったことを思い出した。
赤い目が苦手、ひ弱な相手も避けたい。あとは……
「どちらかと言えば、サラサラした真っ直ぐな髪質の人?」
「真っ直ぐ?僕やレンみたいな?」
「ええ。私の髪はくせ毛だから、サラサラが羨ましいなって。
同じような髪質の人と結婚したら、子供も似てしまいそうで。」
「ルチェリア嬢のそのフワフワした柔らかそうな髪、可愛いと思うけど?」
「すぐに絡まるんです。だからサラサラに憧れがあって。」
「なるほどね。じゃあ、長さは?短髪?長髪?どっちが好み?」
「どうでしょうか。どっちでもいいような。……どっちも似合う人?」
お父様もお兄様も、長くて纏めている時もあれば、それをバッサリ切って短髪にする時もある。
2人とも、どっちも似合ってる。どっちも、カッコいい。
くせ毛の伯父様や従兄弟は長髪が似合わない。雨の日はクルクルしてる。
「髪色は?目の色みたいに苦手はないの?」
「目の色ほどじゃないけれど、黒色は……」
「魔王の色だもんな。」
「もうお兄様ったら。だけど、実際に黒髪で赤い目の人っているの?」
「見たことはないな。どっちかだけならいるけれど。
物語も見たことのない組み合わせを魔王にしたんじゃないか?」
「そうかもしれないわね。別に本当に魔王って思っているわけじゃないわ。
赤い目の人も黒髪の人も避けるつもりはないし。そんな偏見はないけれど……」
「結婚相手にするには魔王の怖さを思い出すから嫌なんだな。」
「だって、毎日魔王を連想してしまう生活って相手に失礼じゃない。」
「あのさ、そんなにその魔王の物語って怖いの?」
エドガー様が不思議に思ったらしく、聞いてきた。
「あぁ、今は絶版になってどこにもないかもしれない。
昔、子供向けとして祖父の時代に出版された物語だけど全然子供向けじゃなくてね。
大人が読んでも魔王が怖いと感じる人が多かったらしい。
それで、どこが子供向けだと苦情が出て絶版になった経緯があるんだ。
それがうちの図書室にあって、僕が読んでいたんだ。何年も前の話だよ。
ルチェがいつの間にか隣に座っていてね。挿絵の魔王を怖がった。
おそらく、祖父が描写の通りに目を赤く塗ったんだと思う。不気味な挿絵だったよ。
物語の最後、魔王は倒されたって話したけど怖いものは怖いってルチェは今でも苦手だ。」
ルチェリアは耳を塞いでレンフォードが語る魔王を思い出さないようにした。
だけど、目に焼き付いた魔王は何年経っても忘れられない。
やっぱり、赤い目と黒髪の人は結婚相手にはできないと改めて思った。
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