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しおりを挟むルチェリアが3年生になる少し前、レンフォードとルチェリアの婚約が発表された。
親世代はともかく、子供たちは大騒動だった。
誰もが2人が実の兄妹であると思っていたのだから。
最後まで反対していた伯父様も、とうとう諦めた。
ルチェリアが結婚に望む条件を伯父にも見せたのだ。
伯父はこれで何故求婚者がいないのか不思議に思ったが、契約が破棄された時の条件を見ると顔を引きつらせた。
愛人や浮気くらい大目に見ろと言われたが、公爵令嬢だった妻を蔑ろにするのは実家を軽んじているようなものだと説得した。愛人に馬鹿にされるのは屈辱だと。
自分も高位貴族の令嬢を妻にしているのに愛人が途切れない伯父はそれがたしなみのように思っている。
それでも血の繋がった姪が蔑ろにされると思うと我慢ならない程度にルチェリアに愛情を持っている。
結局、折れた。
それでも、まだブツブツ文句を言っているけれど。
伯父様にとっては家同士の繋がりが大事で、幸せなんて二の次なんだと思う。
はぁ、1年間、伯父様と暮らすのは大変そう。
伯父様の家では、息子夫婦が領地に行っている。
その間に私がお世話になるという形になった。
追い出したみたいで申し訳なく思ったけど、元々その予定だったらしいので安心した。
伯父様と伯母様の仲は良くも悪くもない。
昔からよくある政略結婚の夫婦、つまり、外では繕っている。
3歳の私はこの家に引き取られなくてよかったと心から思っている。
伯父様の家から学園に通うことになった。
「ルチェリア様がレンフォード様と兄妹じゃなかったなんて知らなかったわ。」
「そうよ。どうして黙っていたの?」
「どうしてって……わざわざ言うようなことでもないから?」
「まぁ、そう言われればそうかも。本当の兄弟です。とかも、誰も言わないわね。」
「庶子を引き取りましたっていうなら目立つかもしれないけど。3歳じゃあね。」
「大人たちも、そう言えば従兄妹だった。みたいな感じよね。」
「でも、契約結婚してくれる人を探してなかった?」
「あぁ、あれは伯父が従兄妹同士の結婚はもったいないだの旨みがないだのうるさかったの。
他の令息にも目を向けるべきだってね。
だから、こういう人ならいいかなっていう条件を考えたの。
大した条件じゃないのに、みんな躊躇したでしょ?そんな人はお断りよ。
で、結局お兄様じゃないと幸せになれないって結論になったの。
伯父様がどんなに反対しても2年半も頑張ったんだから押し切ったわ。」
ルチェリアは自分がレンフォード以上に愛する人ができるとは思えなかった。
それにレンフォード以上にルチェリアを愛してくれる人もいないだろう、と。
それでも確かめることにした。
契約の条件を受ける人がいたとしても、すぐに婚約するつもりもなかった。
相手を隅々まで確かめるつもりだったから。
ルチェリアを望んでくれるのか、公爵令嬢であるルチェリアを期待しているのか。
エドガーは後者。
それに、契約の前に私のことが知りたいと言ってくれる人も誰もいなかったの。
結局、エドガー以外に求婚する者はいなかったので、ルチェリアが望む両親のような契約結婚は無理ということ。
母の言う通り、レンフォードへの気持ちが心にある状態では上手くいくはずもない計画だったの。
2年半もの間、お兄様のお姫様抱っこも我慢してたんだから。
ハグも頬や額へのキスも全部我慢してた。
お兄様の部屋に行くことも我慢した。
婚約が決まってから、久しぶりにハグをしてお姫様抱っこもしてもらったわ。
2年半の間に、私はメリハリのある体になったし身長も伸びて重くもなった。
だけど、同じようにお兄様もがっしりした体に成長したから軽々抱っこしてもらえたわ。
婚約してからは、唇にもキスしてくれるようになったの。きゃっ!
私たちを信用してくれている両親は、家に行く度に2人きりになれる時間もとってくれる。
前よりも親密に過ごすのは当然よね?
学園で一緒にいる友人たちもそれぞれ婚約が決まった。
お昼を一緒に過ごしていたお兄様の友人と婚約した友人もおり、恋愛だなぁと思ったりする。
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