聖女になりたいのでしたら、どうぞどうぞ

しゃーりん

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リリスティーナ様の話を聞き、ジュリエッタ様が言った。


「それって、祖母のことですよね?祖母は昨年亡くなった祖父を今でも愛しています。」 


聖女を辞めたジュリエッタ様のお祖母様は夫の元へと戻って幸せに暮らしたらしい。

目の前にいるクレスタ様は未婚なので、新たな住まいと仕事のことでバタバタしていたという。

ではアレクサンドル殿下との結婚を望んだイボンヌ様は、どういう暮らしになるの?
 

「イボンヌはね、アレクサンドルが他の女に手を出すことを許さないわ。だから、私は彼が女性を抱いてはいけないと思わせるの。彼は魔力がそう多くないから思い込んだままにできるわ。」

「アレクサンドル殿下に子供ができないことになるってことですよね?」

「ええ。それでいいの。彼には野心があると言ったでしょう?彼は王になりたいのよ。」

「え……王太子殿下がおられるのに?王太子殿下には王子殿下もお生まれなのに?」
 
「兄や甥を害そうという大それた考えまでは抱いていないわ。だけど、父や兄になにかあれば、甥が国王になる前に自分がなれるはずだという考えをずっと持っているの。」


確かに、万が一のことがあればそうなるとは思うけれど。
害そうとはしないけれど、不幸を願っているってことよね。


「ジュリエッタが公爵令嬢でしょう?兄の妻は侯爵令嬢だったから、自分の方が上になれると思っているのよ。それに聖女という肩書が加われば最強だと思っていたわ。」
 
「ですが聖女になるのは伯爵令嬢のイボンヌ様です。それでも野心は捨てないのですか?」

「そこは干渉しないわ。でも自分の子を作ろうと思わなくなるのよ?どういうことかわかる?」


アレクサンドル殿下の血筋では繋がっていかないということ。


「甥である王子殿下が正当な後継ですので、万が一があっても中継ぎか後見人にしかなれないですね。」
 

自分の子に継がせたくてもいない。
ということは、アレクサンドル殿下を支持する勢力は育たないのだから。


「ジュリエッタは円満に婚約解消ができる。イボンヌはアレクサンドルと結婚できて両親や元婚約者を見返すことができる。アレクサンドルは聖女と結婚できて野心はあっても子供が望めない。どう?いいと思わない?」

 
リリスティーナ様はイボンヌ様が聖女になることでいいことずくめだと言いたいらしい。

確かにそう思う。

イボンヌ様の性格のままで聖女になるのであれば不安な気もするけれど、リリスティーナ様が主格だと聞いて安心してしまったし、ある意味、アレクサンドル殿下とイボンヌ様がくっついてくれると助かる。


「ジュリエッタ、婚約解消は円満になるわ。でもその後までは干渉しない。あなたに傷はつかない形にはなるけれど、年齢からいって相手は難しくなるわ。親が後妻の縁談とかを持ち込む前に、自分がどうしたいかを両親に伝えなさい。」


ジュリエッタ様にはもしかすると好きな人がいるのかもしれないとラヴェンナは気づいた。


 
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