聖女になりたいのでしたら、どうぞどうぞ

しゃーりん

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問題は、嫌がらせをしてくる三人の令嬢。
侯爵家と伯爵家と子爵家。

セレンティナの婚約者のことが好きなのは伯爵令嬢らしい。
だが、リリスティーナから見れば、侯爵令嬢もあわよくば婚約者の座を奪おうと狙っているのではないかと感じた。


「いい加減になさいませ!幼稚な嫌がらせだと見逃してあげていましたが、いつまで続けるおつもり?
公爵家同士の縁談を潰す勇気があるのでしたら、何度も私に婚約解消を迫るのではなく親に直接言って下さいませ。
あなた方の態度を卒業後まで私が許すと思っているのですか?学園の中のことだからと親に知らせるのは留めていましたが、社交界での立場を失っても構わないのですね?」


いつもと違い、毅然としたセレンティナにそう言われた令嬢三人は顔を青くして言った。


「っごめんなさい。もうしません。申し訳ございません。親には言わないでください。」

「もう温情はないですからね。」


そう言うと、頭を下げてから逃げていった。

嫌がらせも、わざとぶつかってきたり、机の中にゴミを入れたりする程度で、後はセレンティナに婚約解消をさせようと貶めるような発言をするくらいだった。
怪我を負わせるほどの嫌がらせをすることもできない雑魚なのだ。

おそらく、大人しいセレンティナを脅せば、もしかすれば何とかなるかもという一縷の望みだったのが、三対一という数の有利さで増長し、セレンティナが格上の公爵令嬢であるということすら忘れていたのだ。


(リリスティーナ様が言うと迫力がありますね。) 

(外見はセレンティナだから、ちぐはぐかもしれないわね。)


美少女のセレンティナの顔に迫力はない。
 



最後の問題は、婚約者である。

クローヴィス・ボッティ公爵令息。

そう。ボッティ家。
ジュリエッタの実家である。

クローヴィスはジュリエッタの兄の長男で、セレンティナの一歳上。


(セレンティナから見て、クローヴィスはどんな人?)

(私があまり話さなくても穏やかに接してくれていましたが、心の中ではイラついていそうな人?)


リリスティーナは思わず吹き出してしまい、馬車に同乗している侍女に変な目で見られた。

クローヴィスはセレンティナが見破れるほど顔に出やすいのか、あるいはわざと悟らせているのか。

まぁ、気持ちはわからなくもない。
政略結婚だとしても婚約者として努力しているのだろう。
それなのに、セレンティナが怯えていては、関係性もなかなか進まないためにイラつくのはわかる。 


(最近は、結婚式の準備で彼のお母様と話をしている時間の方が長くて。)

(なるほどね。彼の母親とは上手く付き合えているの?)

(はい。既にお義母様と呼ばせていただいています。)

(そう。わかったわ。)


公爵夫人は同性だからセレンティナは怖がらない。
クローヴィスは自分も母と接する時と同じようにしてほしいのだろう。

可愛らしいヤキモチを抱いていそうだとリリスティーナは感じた。
 

馬車はボッティ公爵家に到着した。


(クローヴィス様が出迎えて下さっているわ。) 
 

セレンティナの言葉に、あれがクローヴィスだとわかった。

セレンティナが心の中で目をつぶっているような気がする。
彼に手を取られることが嫌なのだ。

今日が最後だと思って、我慢してほしい。


 
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