46 / 50
第46話 紹介される
しおりを挟む
会場巡りの翌日。
今日は彼の友人と一緒にランチを食べる。
友人に結婚が決まったことを伝えると、「紹介するように。」と言われたらしい。
緊張する。
お店に行くと、男性4名、女性3名が待っていた。
彼が私を紹介してくれる。
彼らは、颯真さんの学生時代の友人。
颯真さんの昔話をしてくれる。
学生時代の颯真さんを少しだけでも知ることができて、嬉しい。
時々、私にはわからない内容で盛り上がっている。
しばらくすると、私が入れない話題ばかりを出す女性がいることに気づいた。
彼女は、桐山 比奈子さん(きりやま ひなこ)
香りを纏うキレイな女性だ。
彼女を見ていると、颯真さんへ視線が集中しているようだ。
彼のことが好きなのかもしれない。
「颯真は結婚しないと思ってた。」と彼女がポロリとつぶやいた。
そのつぶやきが、私の耳にしっかりと届く。
彼女は、颯真さんのことが好き。
そうだよね。颯真さん、優しくてステキだもん。
最初はみんなで話していたけれど、しばらくすると、それぞれ個別に話し出した。
すると、比奈子さんが私にあれこれと質問したり、私は颯真とここに出かけたのと、彼を呼び捨てで呼び、明らかにケンカを売り出した。
売られたケンカは、きっちり買います。
彼女からの質問には、しっかり答え、彼女と出かけた話には、「そうなんですね。」と何事もなかったように相づちを打つ。
しかし、比奈子さんに年収を聞かれたのには驚いた。
しかも私はこれだけ稼いでいると自分の収入金額を明らかにした。
なになに?
比奈子さんは収入が多いから、颯真さんを幸せにできるのは私だと言いたいの?
冷静に、冷静にと心の中で思いながら、会話を続ける。
それでもピリピリとした空気になってしまった。
周りの人は気づいてたかな?
気づいてたとしたら、申し訳なかったな。
颯真さんと比奈子さんの間に何かあったのだろうか。
気になるけれど、過去のことなら、知る必要はない。
必要ならば、彼から話してくれるだろう。
ランチ会が終わり、颯真さんが空港まで送ってくれる。
颯真さんと彼女、今は何でもないはずだ。
何かあるなら、私に会わせたりはしないだろう。
頭では、そう思う。
でも心は穏やかではいられなくて、顔が強張っていたようだ。
「雅、何かあった?顔が怖いよ。」
怖いって何?
なぜ私がこんな思いをしないといけないの? と心の中で思う。
でも、彼には「ううん、何もなかったよ。顔、怖かった? 考え事してたからかな。」とエヘヘと笑う。
うまく誤魔化せただろうか…
「もう行くね。」
私は、手短に別れを告げて、搭乗口へと入っていった。
その時の私は、彼と一刻も早く離れたかった。
一緒にいると、彼女のことを聞かずにいられなくなりそうで。
今日は彼の友人と一緒にランチを食べる。
友人に結婚が決まったことを伝えると、「紹介するように。」と言われたらしい。
緊張する。
お店に行くと、男性4名、女性3名が待っていた。
彼が私を紹介してくれる。
彼らは、颯真さんの学生時代の友人。
颯真さんの昔話をしてくれる。
学生時代の颯真さんを少しだけでも知ることができて、嬉しい。
時々、私にはわからない内容で盛り上がっている。
しばらくすると、私が入れない話題ばかりを出す女性がいることに気づいた。
彼女は、桐山 比奈子さん(きりやま ひなこ)
香りを纏うキレイな女性だ。
彼女を見ていると、颯真さんへ視線が集中しているようだ。
彼のことが好きなのかもしれない。
「颯真は結婚しないと思ってた。」と彼女がポロリとつぶやいた。
そのつぶやきが、私の耳にしっかりと届く。
彼女は、颯真さんのことが好き。
そうだよね。颯真さん、優しくてステキだもん。
最初はみんなで話していたけれど、しばらくすると、それぞれ個別に話し出した。
すると、比奈子さんが私にあれこれと質問したり、私は颯真とここに出かけたのと、彼を呼び捨てで呼び、明らかにケンカを売り出した。
売られたケンカは、きっちり買います。
彼女からの質問には、しっかり答え、彼女と出かけた話には、「そうなんですね。」と何事もなかったように相づちを打つ。
しかし、比奈子さんに年収を聞かれたのには驚いた。
しかも私はこれだけ稼いでいると自分の収入金額を明らかにした。
なになに?
比奈子さんは収入が多いから、颯真さんを幸せにできるのは私だと言いたいの?
冷静に、冷静にと心の中で思いながら、会話を続ける。
それでもピリピリとした空気になってしまった。
周りの人は気づいてたかな?
気づいてたとしたら、申し訳なかったな。
颯真さんと比奈子さんの間に何かあったのだろうか。
気になるけれど、過去のことなら、知る必要はない。
必要ならば、彼から話してくれるだろう。
ランチ会が終わり、颯真さんが空港まで送ってくれる。
颯真さんと彼女、今は何でもないはずだ。
何かあるなら、私に会わせたりはしないだろう。
頭では、そう思う。
でも心は穏やかではいられなくて、顔が強張っていたようだ。
「雅、何かあった?顔が怖いよ。」
怖いって何?
なぜ私がこんな思いをしないといけないの? と心の中で思う。
でも、彼には「ううん、何もなかったよ。顔、怖かった? 考え事してたからかな。」とエヘヘと笑う。
うまく誤魔化せただろうか…
「もう行くね。」
私は、手短に別れを告げて、搭乗口へと入っていった。
その時の私は、彼と一刻も早く離れたかった。
一緒にいると、彼女のことを聞かずにいられなくなりそうで。
3
あなたにおすすめの小説
リアンの白い雪
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
その日の朝、リアンは婚約者のフィンリーと言い合いをした。
いつもの日常の、些細な出来事。
仲直りしていつもの二人に戻れるはずだった。
だがその後、二人の関係は一変してしまう。
辺境の地の砦に立ち魔物の棲む森を見張り、魔物から人を守る兵士リアン。
記憶を失くし一人でいたところをリアンに助けられたフィンリー。
二人の未来は?
※全15話
※本作は私の頭のストレッチ第二弾のため感想欄は開けておりません。
(全話投稿完了後、開ける予定です)
※1/29 完結しました。
感想欄を開けさせていただきます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
いただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
お飾りな妻は何を思う
湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。
彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。
次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。
そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
【完結】堅物な婚約者には子どもがいました……人は見かけによらないらしいです。
大森 樹
恋愛
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。
罠に嵌められたのは一体誰?
チカフジ ユキ
恋愛
卒業前夜祭とも言われる盛大なパーティーで、王太子の婚約者が多くの人の前で婚約破棄された。
誰もが冤罪だと思いながらも、破棄された令嬢は背筋を伸ばし、それを認め国を去ることを誓った。
そして、その一部始終すべてを見ていた僕もまた、その日に婚約が白紙になり、仕方がないかぁと思いながら、実家のある隣国へと帰って行った。
しかし帰宅した家で、なんと婚約破棄された元王太子殿下の婚約者様が僕を出迎えてた。
《本編完結》あの人を綺麗さっぱり忘れる方法
本見りん
恋愛
メラニー アイスナー子爵令嬢はある日婚約者ディートマーから『婚約破棄』を言い渡される。
ショックで落ち込み、彼と婚約者として過ごした日々を思い出して涙していた───が。
……あれ? 私ってずっと虐げられてない? 彼からはずっと嫌な目にあった思い出しかないんだけど!?
やっと自分が虐げられていたと気付き目が覚めたメラニー。
しかも両親も昔からディートマーに騙されている為、両親の説得から始めなければならない。
そしてこの王国ではかつて王子がやらかした『婚約破棄騒動』の為に、世間では『婚約破棄、ダメ、絶対』な風潮がある。
自分の思うようにする為に手段を選ばないだろう元婚約者ディートマーから、メラニーは無事自由を勝ち取る事が出来るのだろうか……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる