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第48話 ぬくもり
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そして、約束の日になった。
どんよりした私の心とは違い、空はスッキリとした快晴だ。
颯真さんは宣言どおり、飛行機に乗り、会いに来た。
私は不機嫌ながらも、結局は彼を迎えに空港まで来ている。
彼が出口から思い詰めた顔で出てきた。
会うとすぐに、その場で強く抱き締められる。
「嫌な思いをさせてごめん。不安にさせてごめん。彼女とは何でもないから。僕を信じて欲しい。」と彼が謝る。
彼は何も悪くないのに。
私は、不安だったのか。
ポロポロと涙が頬を伝う。
彼がそれを拭ってくれる。
だんだん気持ちがおさまってきた。
すると、冷静になってくる。
空港で、人前で、抱き締められている。
ヒャー、注目されてる。
恥ずかしすぎる。
周りの視線に気づき、恥ずかしくて真っ赤になりながら、彼の胸を両手で押しながら、ゆっくりと離れる。
「うん、わかった。もう大丈夫。信じるから。」
彼は私の不安を取り除く為に、無理をして会いに来てくれた。
そう思うと、嬉しかった。
抱き締められて、安心した。
これ以上疑っても仕方がない。
彼のことを信じてみようと思う。
颯真さんと一緒に、私の部屋へ帰る。
少しの間、彼にピタリとひっついたまま二人でのんびりとした時間を過ごす。
そうだ、前回はパパッと親子丼にしちゃったから、今度こそハンバーグを作りたい。
彼と二人で材料の買い出しに出かける。
買い物カートを押しながら、二人で並んで歩く。
まるで夫婦みたいだなと私が考えていると、「夫婦みたいだね。」と颯真さんが嬉しそうに言った。
私も同じことを考えてたよ、颯真さん。
私は、彼が好き。大好きだ。
ハンバーグは私が作るつもりだったけど、二人で作ることになった。
彼が私の隣から離れないのだ。
私が玉ねぎを切り、炒めている間、彼にミンチを捏ねてもらう。
ハンバーグにかけるソースは、焼き肉のタレにきのこ等を入れて少し煮詰めたものと、ケチャップとウスターソースを混ぜて温めた二種類を準備。
最後に、ハンバーグの上に半熟の目玉焼きを乗せる。
彼は、「美味しい、美味しいね。」と弾けるような笑顔でモリモリと食べてくれた。
「気に入ってくれてよかった。」
彼と私、二人で笑顔でいる。
私も美味しいな、彼との食事は楽しいなと心の中で思う。
二人で料理、楽しいね。
片付けも二人で。
こういうのも、たまにはいいかな。
その夜は彼のぬくもりに包まれ…
安心してぐっすりと眠ることができた。
どんよりした私の心とは違い、空はスッキリとした快晴だ。
颯真さんは宣言どおり、飛行機に乗り、会いに来た。
私は不機嫌ながらも、結局は彼を迎えに空港まで来ている。
彼が出口から思い詰めた顔で出てきた。
会うとすぐに、その場で強く抱き締められる。
「嫌な思いをさせてごめん。不安にさせてごめん。彼女とは何でもないから。僕を信じて欲しい。」と彼が謝る。
彼は何も悪くないのに。
私は、不安だったのか。
ポロポロと涙が頬を伝う。
彼がそれを拭ってくれる。
だんだん気持ちがおさまってきた。
すると、冷静になってくる。
空港で、人前で、抱き締められている。
ヒャー、注目されてる。
恥ずかしすぎる。
周りの視線に気づき、恥ずかしくて真っ赤になりながら、彼の胸を両手で押しながら、ゆっくりと離れる。
「うん、わかった。もう大丈夫。信じるから。」
彼は私の不安を取り除く為に、無理をして会いに来てくれた。
そう思うと、嬉しかった。
抱き締められて、安心した。
これ以上疑っても仕方がない。
彼のことを信じてみようと思う。
颯真さんと一緒に、私の部屋へ帰る。
少しの間、彼にピタリとひっついたまま二人でのんびりとした時間を過ごす。
そうだ、前回はパパッと親子丼にしちゃったから、今度こそハンバーグを作りたい。
彼と二人で材料の買い出しに出かける。
買い物カートを押しながら、二人で並んで歩く。
まるで夫婦みたいだなと私が考えていると、「夫婦みたいだね。」と颯真さんが嬉しそうに言った。
私も同じことを考えてたよ、颯真さん。
私は、彼が好き。大好きだ。
ハンバーグは私が作るつもりだったけど、二人で作ることになった。
彼が私の隣から離れないのだ。
私が玉ねぎを切り、炒めている間、彼にミンチを捏ねてもらう。
ハンバーグにかけるソースは、焼き肉のタレにきのこ等を入れて少し煮詰めたものと、ケチャップとウスターソースを混ぜて温めた二種類を準備。
最後に、ハンバーグの上に半熟の目玉焼きを乗せる。
彼は、「美味しい、美味しいね。」と弾けるような笑顔でモリモリと食べてくれた。
「気に入ってくれてよかった。」
彼と私、二人で笑顔でいる。
私も美味しいな、彼との食事は楽しいなと心の中で思う。
二人で料理、楽しいね。
片付けも二人で。
こういうのも、たまにはいいかな。
その夜は彼のぬくもりに包まれ…
安心してぐっすりと眠ることができた。
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