頬杖をつく女 2017.5.23 〜

第12章 9年ぶりの霊がかりを経験して

Kさんによる『眠る女』の評価

Kさんは、フェルメールの『眠る女』のことを、比較的初期の作品で、あまり人気のない作品だと評した。


構想していたと思われる物語性も、途中で断念、
期待していたほどの遠近感も見られないと記述してあった。


後に、フェルメール絵画は、爆発的な人気を誇ることになる。


本が出版された頃は、フェルメール自体、今みたいにそんなに騒がれていない時期だったので、
Kさんは、辛口の見解を示し、その変わり、私生活に興味を持たせるような作戦に出たのだと思う。


謎に包まれた画家の私生活となれば、やはり、興味や関心を持つ読者もいるかもしれない。


Kさんは、あらゆる角度で
絵画の分析をされていて、そういった科学的な見解は、ピカイチだったと思う。


だから、フェルメールの研究者として名声を得た。
しかしながら、絵画以外での私生活等に探りを入れるような、そういう文章を書くのはいかがなものか。


今となっては、怒りモード全開だった、その頃の自分が、とても懐かしい。



私は、美術を学んだわけではないが、『眠る女』に、物語性を感じる。


頬杖をつく女を、眠る女にしてしまった為、物語性は排除されてしまっただけなんだ。


奥の鏡さえ、きちんと明るさが保たれていれば、
「期待していたほどの遠近感がない」なんて言われずにすんだのに…。






やはり、奥の鏡は、重要な光だったんだ！