頬杖をつく女 2017.5.23 〜

鏡子 (きょうこ)

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第14章 軌跡

北川健次さんに送った手紙(添付資料)

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( ※ 続きの文章)

しかし、ダ・ヴィンチは、母の優しい微笑みを、どうしても描くことが出来ませんでした。
絵を描いている途中、《幼少期に父親により、最愛の母と引き裂かれた、別れの記憶》が蘇ってきたからです。二人目の母のことも思い出しました。二人目の母は、自分を可愛がってくれました。しかし、その母は亡くなりました。父親は、次から次へと女性を変え、別れては結婚を繰り返した…。

自分は、来世で微笑む母の顔を、想像することが出来ませんでした。最愛の母、カテリーナの笑った顔を、一度も見たことがなかったからです。自分と引き裂かれた日の、母の辛そうな表情ばかり思い浮かびました。だから…微笑みは、どうしても描くことが出来なかったのです。

僅かな微笑み、曖昧な微笑み、しかし…それは完成された絵画でした。
複雑な自分の胸のうち、内面が現れ魂の込められた最高の絵だと思っていました。




タイトル

モナ・リザの真相 (魂の共存)

平成21年10月24日5:45   GREE日記に記載


  次の日の交信内容

   偉大な芸術家の魂は、初日比べ、やや冷静さを取り戻して、モナ・リザの真相を、丁寧に事細かに語ってくれた。

  『来世の母』のモデルには、二人の人物が存在します。首から上は、自分(ダ・ヴィンチ)を女性化したイメージで忠実に描きました。首から下は、産みの母であるカテリーナを若返らせデッサンし、柔らかな、ふっくらとした女性そのものを描きました。

  自分と産みの母カテリーナ、二人の人物、二人の魂を融合、融和させ、共存した形、その姿を描き
『来世の母』をイメージした人物像が出来上がりました。

  母に愛されずに過ごした幼い頃の淋しい心の傷を埋める為に、描くことを思いついた絵でした。自分の魂と産みの母の魂を、その女性像の中に一体化させることにより、魂の共存した絵を描くことで自分は慰められました。

  周りの景色は、来世を想像し描いたものです。懐かしい故郷の景色も、イメージしました。自分は、どこの国で生を授かるのだろう?どんな時代に、優しい母に出会えるのだろう?

   想像を膨らませました。

  『来世の母』を描きながら、このような母に出会いたいと強く強く祈っていました。
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