頬杖をつく女 2017.5.23 〜

鏡子 (きょうこ)

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第3章 魂の歴史

『眠る女』のタイトルに違和感

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私は帰国してから、フェルメールのことを色々と調べていた。 
美術雑誌などを買って、解説を読んだり、絵を観て楽しんだ。 

私が印象に残った絵画である『眠る女』の解説も読んだ。 

《17世紀のオランダ絵画で眠る女は、怠惰を現す》とあり、《頬杖をついて居眠りをする女性》と分析してあった。 
メトロポリタンミュージアムで観た時、私には、眠っているように見えなかった絵ではあるが、単なる気のせいかな?と思ったりした。 

後に、私はTVのない生活が始まり、霊眼が開花し、過去世思い出すことになるのだが、その時はまだ、人生の展開が分かる術もない。 

その頃、自分が鑑賞した時の様子を思い出していた。 
私は絵画を鑑賞する際、心(魂)の目で観る。 

特に人物画などは、絵の中の人物との対話を試み 
歓びや悲しみ、あるいは嬉しさや切なさを感じとる。 

五感で、何かを感じ取ろうとする。

『眠る女』を観た時は、忍び寄る男性の靴音や、その気配を感じていた。 

もうすぐ恋人が来るというのに…女性はうかうかと、居眠りをしていられるだろうか?理解出来ない。 
そして、眠る女が、《眠っているという証拠はどこにあるのだろう》そう思った。 

証拠は何もない。 
テーブルは少し散らかっているが… 
親しい、気心のしれた人ならば、入ることは、いくらでも許可されるであろう。 

色々考えてはみたものの 
この絵は『眠る女』というタイトルなのだから、
《眠っているに違いない》と無理やり納得するしかなかった。 

よく似た心境を思い出す。 
《モナ・リザのモデルは、本当にモナ・リザなのだろうか?》

世界中で、こんな疑問を持ちながら、生きているのは私だけではないはず。 

悲しいかな世の人は、定着しきった歴史や、
過去の偉大な美術研究家に逆らうことが出来ない。

しかし 
その研究がもしも間違っていたとしたら ?

我々は、画家の意としないタイトルを、鵜呑みにし、固定観念を植え付けられるのだ。

絵画鑑賞の奥行きは狭められ、絵画芸術の広がった見方が出来ず、人は、タイトルの罠にかかる。 
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