頬杖をつく女 2017.5.23 〜

第4章 鏡の真実

『眠る女』 黒く塗りつぶされた鏡

私は、先生と知り合い、沢山の気付きのなかで、
また、フェルメールの小説ような書物を読むなかで、
時に夢見てトランス状態となり 
また、不意に幻影が見えて涙したり…

そうしていくうちに、私は、どうしてメトロポリタンミュージアムに行かなければならなかったのか、
その本当の意味を、理解するようになった。 

私が一番想い出さなくてはならないこと 

それは…
メトロポリタンミュージアム
『眠る女』
鏡の真実だった。 

そこには、悲しい物語があったが 
私はどうしても想い出す必要があった。 

その絵画には、フェルメールから
娘が生まれ変わるであろう人物に向けて

託されたある願いが、あったからだ。 

私は、その遥かなる願いには気付きもせず、
ただ ただ 悲しい物語だけを想い出していた。 

最終的に私は、何故フェルメールが
たった一ヵ所だけ原画を変えたか？

透き通るような美しい描写だった鏡を、黒く塗りつぶしてしまったのか？

フェルメールの心理を、理解するようになる。



しかし、その前に 
私は、どうしても 
辛い《魂の傷跡》を想い出す必要があったのだ。