好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

文字の大きさ
9 / 98
ゲームスタート?

残り83年

しおりを挟む
ここは乙女ゲームの世界のはずだ。

四度目の転生人生。
娘が16歳の頃、娘の1日は乙女ゲームで始まり乙女ゲームで終わる。
それくらいどっぷりはまっていた。

元々、内向的だった娘にとって乙女ゲームのヒロインは憧れそのものだったのだろう。

ヒロインは誰からも好かれる。

欲しい時に欲しい言葉をたくみに操り、潤んだ瞳で庇護欲をくすぐる。

明るく活発だが、ドジっ子で何事も一生懸命で前向きなヒロインは誰にでも優しくてそして節操がない。

親としては娘にはあんな風に育って欲しくはない。

婚約者がいる男にグイグイと無邪気を装ってボディータッチ、最後は略奪愛……

娘は何故、そんな者に憧れるのか良くわからなかった。

どちらかと言ったら、私は悪役令嬢のフレイヤの方が好感が持てた。

誰にも媚びることなく、自分の信念を貫き凛とした姿勢は孤高の花のようだった。

そうか…私が選んだんだ。フレイヤになることを。

そして現在、私はゲームの中のフレイヤのように学園では孤立無援状態だ。

皇太子の婚約者でもなく、ヒロインがいないにもかかわらず……
私はクラスの嫌われ者になった。

誰も近寄ってこない。
話しかけもてこない。
私など居ない存在として扱われる。

ただかつての友人だった四人だけがご機嫌をうかがうように話しかけてくる。

私はあれから一度も皇太子達とは口を聞いていない。

彼等は私を利用したのだ。
図書室でディスカッションしたものを自分達の手柄にしたのだ。

託児所も、生活保護も、保険制度も……

手柄が欲しかったわけではない。
ただ利用されたのが悲しかった。「」

友達だと思っていたから。

あれ?
あれれ?
私…嫌われてる?

嘘をついて近づいてきて、利用されるなんて!!

クラスメイトから無視されるなんて……

これって…
これって……
最高じゃない??

つまり私の転生人生が終わりを迎えるということだ。

人は次がないと思うから
こそ真剣に生きられるのだ。

このまま皇太子達から距離をとりつつ、転生生活最後の時を楽しもうと決めたのだ。

学園にはカリアンがいてくれるお陰で、一人でも淋しくはなかった。

攻略対象四人組に対してだけ気をつかえばさほど不便ではなかった。

自宅に帰れば両親の溺愛が待っている。

娘を思い出す。
あの頃、リビングのテレビの前が娘の定位置だった。

淋しかったんだろな。
ふと娘を思い出す。
もう少し娘に愛を伝えられていたら…

そんな娘も大学に入ったとたん彼氏を作って卒業と同時に授かり婚。

案外、乙女ゲームのヒロインから恋のテクニックでも学んだのかしら?

最後の人生、後悔しないように私は両親にべったりと甘える。

人生終了まで83年……
まだまだ先は長いのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私の存在

戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。 何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。 しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。 しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…

王宮侍女は穴に落ちる

斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された アニエスは王宮で運良く職を得る。 呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き の侍女として。 忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。 ところが、ある日ちょっとした諍いから 突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。 ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな 俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され るお話です。

十八歳で必ず死ぬ令嬢ですが、今日もまた目を覚ましました【完結】

藤原遊
恋愛
十八歳で、私はいつも死ぬ。 そしてなぜか、また目を覚ましてしまう。 記憶を抱えたまま、幼い頃に――。 どれほど愛されても、どれほど誰かを愛しても、 結末は変わらない。 何度生きても、十八歳のその日が、私の最後になる。 それでも私は今日も微笑む。 過去を知るのは、私だけ。 もう一度、大切な人たちと過ごすために。 もう一度、恋をするために。 「どうせ死ぬのなら、あなたにまた、恋をしたいの」 十一度目の人生。 これは、記憶を繰り返す令嬢が紡ぐ、優しくて、少しだけ残酷な物語。

【完結】地味な私と公爵様

ベル
恋愛
ラエル公爵。この学園でこの名を知らない人はいないでしょう。 端正な顔立ちに甘く低い声、時折見せる少年のような笑顔。誰もがその美しさに魅了され、女性なら誰もがラエル様との結婚を夢見てしまう。 そんな方が、平凡...いや、かなり地味で目立たない伯爵令嬢である私の婚約者だなんて一体誰が信じるでしょうか。 ...正直私も信じていません。 ラエル様が、私を溺愛しているなんて。 きっと、きっと、夢に違いありません。 お読みいただきありがとうございます。短編のつもりで書き始めましたが、意外と話が増えて長編に変更し、無事完結しました(*´-`)

ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく

犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。 「絶対駄目ーー」 と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。 何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。 募集 婿入り希望者 対象外は、嫡男、後継者、王族 目指せハッピーエンド(?)!! 全23話で完結です。 この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。

ヒロインが私の婚約者を攻略しようと狙ってきますが、彼は私を溺愛しているためフラグをことごとく叩き破ります

奏音 美都
恋愛
 ナルノニア公爵の爵士であるライアン様は、幼い頃に契りを交わした私のご婚約者です。整った容姿で、利発で、勇ましくありながらもお優しいライアン様を、私はご婚約者として紹介されたその日から好きになり、ずっとお慕いし、彼の妻として恥ずかしくないよう精進してまいりました。  そんなライアン様に大切にされ、お隣を歩き、会話を交わす幸せに満ちた日々。  それが、転入生の登場により、嵐の予感がしたのでした。

【完結】見えてますよ!

ユユ
恋愛
“何故” 私の婚約者が彼だと分かると、第一声はソレだった。 美少女でもなければ醜くもなく。 優秀でもなければ出来損ないでもなく。 高貴でも無ければ下位貴族でもない。 富豪でなければ貧乏でもない。 中の中。 自己主張も存在感もない私は貴族達の中では透明人間のようだった。 唯一認識されるのは婚約者と社交に出る時。 そしてあの言葉が聞こえてくる。 見目麗しく優秀な彼の横に並ぶ私を蔑む令嬢達。 私はずっと願っていた。彼に婚約を解消して欲しいと。 ある日いき過ぎた嫌がらせがきっかけで、見えるようになる。 ★注意★ ・閑話にはR18要素を含みます。  読まなくても大丈夫です。 ・作り話です。 ・合わない方はご退出願います。 ・完結しています。

春告竜と二度目の私

こもろう
恋愛
私はどうなってもいい。だからこの子は助けて―― そう叫びながらも処刑された王太子の元婚約者カサンドル。 目が覚めたら、時が巻き戻っていた。 2021.1.23番外編追加しました。

処理中です...