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アポロンの恋
アポロンの恋
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初めての夫は両親が選びに選び抜いた熊のプーさんみたいな男だった。
穏やかで愛情深く私をまるで宝物かのように私を慈しんでくれた。
今思えばそれは男女の愛と言うより、親子の愛情にちかいものだった。
夫は心配という言葉を武器に私を家に閉じこめた。
そして愛されたことのない私は夫の言葉を鵜呑みにした。
自分の過ちに気づいたのは娘が病で亡くなる前に言った言葉だった。
「普通のお母さんが欲しかった……」
普通のお母さん…私にはそれが何を意味しているのかよくわからなかった。
何故なら私はいつも擁護される立場でしかいなかったからだ。
自分の娘すら愛し守ろうともしなかった。
愛されることだけを求めた結果、私は両親や夫にばかり気をつかい娘を見ていなかった。
その事に気がついたのは二度目の転生人生で義母から言われた一言がきっかけだった。
「そろそろ子供から大人にならないと…今度は両親に愛されたように貴方が子供達を愛さないと…」
馬鹿な私はその時はじめて一度目の転生人生の中、誰一人愛してこなかったことに気がつく。
だから我が子を両親が愛してくれたように愛した。
でもそれは我が子の自主性を奪うことにつながっていることに気がつかなかった。
我が子は私そっくりに成長し、初めての夫とよく似た男と結ばれた。
そんな娘が自ら死を選んだ。
夫の度重なるいきすぎた束縛は娘を徐々に壊していったのだ。
里帰りもゆるされず、部屋に閉じこめられ夫から与えられるだけの愛と言う名の鎖は娘の首を強く強くしめつけた。
私は間違えたのだ。
愛はけして押し付けるものでも、縛りつけるものでもなく、自由なものだと愛する娘に教えてあげられなかったのだ。
何故なら私自身が夫に対してもいつも受け身だったからだ。
娘が亡くなり夫が逝った後、彼の日記で初めて夫や娘の本心を知ることになる。
『妻はきっと誰も愛していないのだろう……
それでも私は妻を心から愛している。
せめて娘だけは愛してあげて欲しいと願うのは我が儘なのだろうか…』
『妻はやはり私を愛してはいないのだろう…
何故、妻は私を求めてくれないのだろうか?』
『娘に泣かれた。
妻の束縛が苦しいと…』
三度目…私は考えすぎて愛がなんなのかわからなくなっていた。
だから恋愛ドラマや恋愛小説を馬鹿みたいに見漁った。
わからないのなら真似ればいい…そう思ったからだ。
その甲斐があって家庭はとても円満だった。
まるで絵に描いたような幸せ家族だった。
模範的な妻と母親の私を夫も子供も心から慕ってくれた。
夫や子供達を相手に愛を演じれは演じるほど私の心は裏腹に冷めていった。
結果的に私の心はいつも疲れきり孤独だった。
誰かの為だけに生きることは決して愛ではないと三度目の人生の幕が降りる頃やっと理解できた。
そして四度目の転生の時にギリシャ神話に出会う
。
アポロンが私自身と重なる。
アポロンは愛しすぎて相手を追いつめた。
私は愛さなすぎて相手を追いつめる。
どちらも自分の感情ばかりにとらわれて相手を見ていなかった。
挙げ句の果てには自分の心にすら目を背けた。
四度目の転生人生は全てに対して無気力だった。
だから今世は……
私を見つめるディアの視線を感じながら私は馬車に揺られ夢を見る。
それはどこか懐かしく、温かで優しい夢を……
穏やかで愛情深く私をまるで宝物かのように私を慈しんでくれた。
今思えばそれは男女の愛と言うより、親子の愛情にちかいものだった。
夫は心配という言葉を武器に私を家に閉じこめた。
そして愛されたことのない私は夫の言葉を鵜呑みにした。
自分の過ちに気づいたのは娘が病で亡くなる前に言った言葉だった。
「普通のお母さんが欲しかった……」
普通のお母さん…私にはそれが何を意味しているのかよくわからなかった。
何故なら私はいつも擁護される立場でしかいなかったからだ。
自分の娘すら愛し守ろうともしなかった。
愛されることだけを求めた結果、私は両親や夫にばかり気をつかい娘を見ていなかった。
その事に気がついたのは二度目の転生人生で義母から言われた一言がきっかけだった。
「そろそろ子供から大人にならないと…今度は両親に愛されたように貴方が子供達を愛さないと…」
馬鹿な私はその時はじめて一度目の転生人生の中、誰一人愛してこなかったことに気がつく。
だから我が子を両親が愛してくれたように愛した。
でもそれは我が子の自主性を奪うことにつながっていることに気がつかなかった。
我が子は私そっくりに成長し、初めての夫とよく似た男と結ばれた。
そんな娘が自ら死を選んだ。
夫の度重なるいきすぎた束縛は娘を徐々に壊していったのだ。
里帰りもゆるされず、部屋に閉じこめられ夫から与えられるだけの愛と言う名の鎖は娘の首を強く強くしめつけた。
私は間違えたのだ。
愛はけして押し付けるものでも、縛りつけるものでもなく、自由なものだと愛する娘に教えてあげられなかったのだ。
何故なら私自身が夫に対してもいつも受け身だったからだ。
娘が亡くなり夫が逝った後、彼の日記で初めて夫や娘の本心を知ることになる。
『妻はきっと誰も愛していないのだろう……
それでも私は妻を心から愛している。
せめて娘だけは愛してあげて欲しいと願うのは我が儘なのだろうか…』
『妻はやはり私を愛してはいないのだろう…
何故、妻は私を求めてくれないのだろうか?』
『娘に泣かれた。
妻の束縛が苦しいと…』
三度目…私は考えすぎて愛がなんなのかわからなくなっていた。
だから恋愛ドラマや恋愛小説を馬鹿みたいに見漁った。
わからないのなら真似ればいい…そう思ったからだ。
その甲斐があって家庭はとても円満だった。
まるで絵に描いたような幸せ家族だった。
模範的な妻と母親の私を夫も子供も心から慕ってくれた。
夫や子供達を相手に愛を演じれは演じるほど私の心は裏腹に冷めていった。
結果的に私の心はいつも疲れきり孤独だった。
誰かの為だけに生きることは決して愛ではないと三度目の人生の幕が降りる頃やっと理解できた。
そして四度目の転生の時にギリシャ神話に出会う
。
アポロンが私自身と重なる。
アポロンは愛しすぎて相手を追いつめた。
私は愛さなすぎて相手を追いつめる。
どちらも自分の感情ばかりにとらわれて相手を見ていなかった。
挙げ句の果てには自分の心にすら目を背けた。
四度目の転生人生は全てに対して無気力だった。
だから今世は……
私を見つめるディアの視線を感じながら私は馬車に揺られ夢を見る。
それはどこか懐かしく、温かで優しい夢を……
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