好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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途中

途中~過去を取り戻す為に~

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「パパ…ママが……」

ディアー(子供)が私の腕の中で光を放つ。

あの日、レイヤが馬車で轢かれた母親を救った時と同じ目も眩むほどの光が部屋全体を包み込む。

!!!

気がつけばレイヤの部屋の前に来ていた。
左手の薬指の指輪が怪しく光る。

扉が勝手に開くとディアーがレイヤの胸へ飛び込む。

ディアーの声が頭の中で響きわたる。

『ママ…これ…あぶない…だめ…』

「駄目だ…レイヤ!!」

大声で叫びレイヤの方へと駆け寄る。

時間が止まったかのようにゆっくりと進む。

「消えろ!!」

それはさっきまでのディアーの声ではなかった。
もっと威厳があり、それでいてどこか懐かしい声…私はこの声を知っている……

「消えろ外道が!!」

ディアーが放つ光が更に眩しくなる。
私はレイヤとディアーを自分の胸に抱き寄せる。

静寂の後、光は消え

「パパ、ママ…ウッ…ウワァーン……」

大声でディアーが泣き出した。
レイヤがディアーの背中を優しくトントンしながら

「いい子、いい子…ほらほら泣かないの…パパもママも一緒だから…ねっ?」

抱きしめていた腕の力をそっと抜いて二人を見つめる。

「レイヤ、ディアー大丈夫かい?」

レイヤが微笑むと

「この子、ディアーって名づけたの?
パパの呼び名とお揃いだね。」

そうディアーの頬に口づける。

「親愛っていう意味なんだけど…変かな?」

私の言葉にレイヤが首を横にふる。

「ううん…ディアーぴったりな名前だわ…

あっ…」

レイヤが私の腕から抜け出すと、

「カリス、おじ様…大丈夫ですか?」

王も隣の女性?
部屋に入る前に見たのは女性だったのに…今そこに居るのは

「カリス…カリス…」

王が女装した隣の男に声をかける。

ピチピチなドレスを纏い、テーブルにうっぷしているその男の名を呼びながら王は今にも泣き出しそうな声で何度も名を呼び男の身体を揺らす。

「カリス…カリス…カリス……」

カリス…どこかで聞いた事のある名前…

!!!

「王…彼は御子息なのか?」

私の言葉に王はうなずく。

ディアーが私の方に手を伸ばす。

レイヤからディアーを受け取るとディアーが

「悪いのとんでった…もう大丈夫…大丈夫……」

そう言って王に笑いかける。

王の瞳から涙の粒がキラリキラリと輝く。

王は自分のマントを息子にかけると事の経緯を話し始める。

「情けない…そんな奴等が国の王だったとは…」

未だに机にうっぷしたままのカリスを見つめる。

「辛かっただろうな…」

私の言葉にレイヤがうなずく…

「何年もの間、辛かったでしょうね。
それに…これでやっとティセの後継者として、長い間待たせてしまった婚約者様にやっとお会いできますね……」

レイヤの言葉に王の顔色が変わる。

「実は……」

王の言葉はもっともでありカリスにとっては辛いものだった。

二年も前に婚約者の侯爵家から破談のお願いがあり、いつ呪いが解けるかわからなかった王はそれを認めてしまったのだ。

「では婚約者様は?」

レイヤの言葉に王が

「今は伯爵家に嫁いでいる…」

レイヤがカリスを見つめながら

「カリス様は何も悪くないのに…きっとすごく傷つきますわよね…でも…」

レイヤは王に

「これでやっとカリス様はカリス様として生きられますね。」

そう言って微笑む。

王もレイヤの言葉を聞いて

「そうだな…カリスらしく…やっと……カリス…」

むせび泣く王とカリスを残し私とレイヤはそっと部屋を後にした。

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