好感度0になるまで終われません。

チョコパイ

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過去へのレクイエム

話し合い

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「まずは昨日はカリスを助けてくれて有り難う。」

おじ様とおば様が深々と頭を下げる。

「当たり前の事をしただけだし、それに私がしたのではなくディアーがしたことだわ。」

私はディアに抱えられたディアーを見つめる。

その事なんだが……
おじ様が私に古びた本を差し出すと

「本来これは王位を継ぐ者しか見てはいけない物なんだが…私が説明するより自分で読んでもらった方がいいだろう。

それと…教会には気をつけるんだ。もちろん私も警戒するよう手を尽くす。
教会については後でカリス本人から話を聞いてもらいたいのだが…」

おじ様がディアを見つめると

「昨夜の件なんだが…お願いしてもいいだろうか?カリスとも話し合って、それが一番だと思ったんだ。」

ディアは軽くうなずくと

「私がなかなか婚約者を決めなかったせいで、帝国の上位貴族のご令嬢が未だ婚約者が決まっていない現状です。」

ディアが私を見て笑う。

「こちらの公女様とどうしても結ばれたくて…
でも待ったおかげで今はこうして隣にいることが出来ます。

カリス殿にとっても帝国での交換留学は婚約者を探すだけではなく、奪われた時間を少しでも取り戻すものであって欲しいと思っています。」

おば様が堪えきれずにおじ様の肩に顔を埋める。

「机上で行える物は全て教えたつもりだが、どうしても剣術や武術については教えることが出来なかった。
ここで一から教えるとなると人の目もある…」

カリスの奪われた時間を取り戻すのは容易ではないだろう。

でもやらずにいるよりやれるだけやった方がいいに決まっている。

「おじ様おば様、よろしければ剣術や武術は私が教えてもらったノーマン騎士団長にお願いしましょう。彼なら教え方が上手ですし、外部に話がもれることはありません。

それに何より母も喜ぶと思います。
昔、話してくれたことがあるんです。
まだ赤子だったカリス様を抱っこして庭園にあるブランコで遊んだと…」

おば様が堪らずに声をあげて泣き始める。

「あの頃、お義父様のキャサリン様への折檻がひどくて…よくこちらに逃げてきたんです。
私…匿ってあげることしか出来なくて……
覚えていてくれたのですね…よくカリスを面倒見てくれて…」

ボロボロと涙をこぼすおば様を見て母がどれほど辛い時をここで過ごしてきたのかわかった気がした。

母はきっと二度とティセの地に戻ることはないだろう…私がティセに行くことすらあんなに嫌がり取り乱したのだから…

幼い頃に受けた傷は癒えることはない。
薄れていくことがあっても消えることはないのだ。

「フレイヤ、君は剣術や武術を学んでいたのかい?帝国では女性も剣術や武術を学ぶものなのかい?」

ディアが吹き出す。

「王、帝国でも女性は普通、剣術も武術も習いません。レイヤが変わり者だったんです。
因みに馬術は私より優れていますよ。」

ディアの言葉におじ様もおば様も笑いだす。

しばらくして扉をノックする音が聞こえる。

「入りなさい。」

おじ様がカリスを部屋にいれる。

髪を短くし燕尾服を着たカリスからは昨日までの女性の面影はもうない。

「カリス、昨夜の話をルディア殿下とフレイヤに話してくれないか?」

おじ様の言葉にカリスはこくりとうなずいた。
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