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過去へのレクイエム
聖女の役割
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「聖女は憎しみの対象として教会が作り上げたスケープゴートだと聞いたのです。」
!!!
「スケープゴート?」
思いがけないカリスの言葉に凍りつく。
「前の教皇が私に
『王国を安寧に保つために作られたスケープゴートそれが聖女だ。』と…『聖女がいたからこそティセの今がある。』と…
そして
『聖女なき今、私が聖女の役目を果たすのだ。』
そう言って、母上の血を無理矢理……」
王国を安寧に保つためのスケープゴート…
それにおば様の血……
「実は……」
おじ様が言葉を選びながらティセ王国について語りだす。
「もともとここは不浄の地で奇病のはびこる呪われた地と言われていて、
私が王になるまでティセと教会は密な関係、つまり国教として教会が力を持っていたんだ。
でも私はカリスのことがあって、教会から距離を置いてしまった。
だからカリスに聖女の話を聞くまで聖女が王国のスケープゴートに使われていたことすら知らなかった。
でもカリスの話を聞いて何故、祖父や父が祖母にあんな酷いことができたのかわかったんだ。
祖父も父も祖母を人とは思わず聖女、つまり自分達のスケープゴートとして祖母を見ていた…
だからあんな酷い仕打ちが出来たんだ。
祖母にもキャサリンにもそして妻にも……」
おば様がドレスの袖をまくる。
!!!
おば様の腕には無数の切り傷がひろがっている。
「嫁いできて数日経った時、お義父様と教皇に呼び出されたの…話があると言って……」
おば様をおじ様は優しく抱きよせる。
「父は教皇と一緒になって……血を何度も何度も抜いたんだ。
祖母を生き返らせるために…妻だけではなく、キャサリンからも……」
私は知っている。
母の太ももに無数の傷跡があることを……
「狂ってるわ……」
力強く握りしめた手をディアが優しく包み込む。
「よく政教分離ができましたね。
教会の圧力とかなかったのですか?」
ディアが尋ねる。
「実は今の教皇と前の教皇は同じ教会でも信仰する対象が違うのです。」
おじ様がそう応えた後、
大きく息を吐く。
「父が亡くなった後、前の教皇が私に
『次回からは寄付を持参するように…』と、さもなければカリスが神に呪われて女体になったと公表すると……
だから…私は……」
ここから先は聞かなくてもわかる。
今の教皇と手を組み前の教皇を亡きものにしたのだろう…
「前の教皇は聖女信仰。
そして今の教皇は聖木つまり守護神信仰。
私は政教分離を条件に今の教皇を推挙し前教皇を……
前ほど聖女信仰者はいないとは思いますが、教会内にはまだ前教皇派がいるのも事実。
今回のことでフレイヤが聖女であることが知られたと思った方がいいでしょう。
フレイヤの身を守るためにも教会とは距離を置いた方が…」
ディアがうなずくとカリスに声をかける。
「カリス殿、良かったらティセに居る間、私とレイヤと一緒に乗馬でもしてみないかい?」
カリスは恥ずかしそうに
「実は馬に乗ったことがなくて…」
うつむくカリスに
「良かったら私が教えますよ。従兄(お兄)様。」
私の言葉に顔を真っ赤にするカリスをおじ様とおば様は嬉しそうに見つめる。
過去は変えられない。
泣いても嘆いても時は戻すことは出来ない。
でも母を見て私は思うのだ。
過去は変えられなくても共に寄り添い側に居てくれる誰かが一人でもいればきっと過去は薄れていくと…
その夜、私は両親に手紙を書いた。
「愛していると…早く会って甘えたいと……」
!!!
「スケープゴート?」
思いがけないカリスの言葉に凍りつく。
「前の教皇が私に
『王国を安寧に保つために作られたスケープゴートそれが聖女だ。』と…『聖女がいたからこそティセの今がある。』と…
そして
『聖女なき今、私が聖女の役目を果たすのだ。』
そう言って、母上の血を無理矢理……」
王国を安寧に保つためのスケープゴート…
それにおば様の血……
「実は……」
おじ様が言葉を選びながらティセ王国について語りだす。
「もともとここは不浄の地で奇病のはびこる呪われた地と言われていて、
私が王になるまでティセと教会は密な関係、つまり国教として教会が力を持っていたんだ。
でも私はカリスのことがあって、教会から距離を置いてしまった。
だからカリスに聖女の話を聞くまで聖女が王国のスケープゴートに使われていたことすら知らなかった。
でもカリスの話を聞いて何故、祖父や父が祖母にあんな酷いことができたのかわかったんだ。
祖父も父も祖母を人とは思わず聖女、つまり自分達のスケープゴートとして祖母を見ていた…
だからあんな酷い仕打ちが出来たんだ。
祖母にもキャサリンにもそして妻にも……」
おば様がドレスの袖をまくる。
!!!
おば様の腕には無数の切り傷がひろがっている。
「嫁いできて数日経った時、お義父様と教皇に呼び出されたの…話があると言って……」
おば様をおじ様は優しく抱きよせる。
「父は教皇と一緒になって……血を何度も何度も抜いたんだ。
祖母を生き返らせるために…妻だけではなく、キャサリンからも……」
私は知っている。
母の太ももに無数の傷跡があることを……
「狂ってるわ……」
力強く握りしめた手をディアが優しく包み込む。
「よく政教分離ができましたね。
教会の圧力とかなかったのですか?」
ディアが尋ねる。
「実は今の教皇と前の教皇は同じ教会でも信仰する対象が違うのです。」
おじ様がそう応えた後、
大きく息を吐く。
「父が亡くなった後、前の教皇が私に
『次回からは寄付を持参するように…』と、さもなければカリスが神に呪われて女体になったと公表すると……
だから…私は……」
ここから先は聞かなくてもわかる。
今の教皇と手を組み前の教皇を亡きものにしたのだろう…
「前の教皇は聖女信仰。
そして今の教皇は聖木つまり守護神信仰。
私は政教分離を条件に今の教皇を推挙し前教皇を……
前ほど聖女信仰者はいないとは思いますが、教会内にはまだ前教皇派がいるのも事実。
今回のことでフレイヤが聖女であることが知られたと思った方がいいでしょう。
フレイヤの身を守るためにも教会とは距離を置いた方が…」
ディアがうなずくとカリスに声をかける。
「カリス殿、良かったらティセに居る間、私とレイヤと一緒に乗馬でもしてみないかい?」
カリスは恥ずかしそうに
「実は馬に乗ったことがなくて…」
うつむくカリスに
「良かったら私が教えますよ。従兄(お兄)様。」
私の言葉に顔を真っ赤にするカリスをおじ様とおば様は嬉しそうに見つめる。
過去は変えられない。
泣いても嘆いても時は戻すことは出来ない。
でも母を見て私は思うのだ。
過去は変えられなくても共に寄り添い側に居てくれる誰かが一人でもいればきっと過去は薄れていくと…
その夜、私は両親に手紙を書いた。
「愛していると…早く会って甘えたいと……」
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